「持続化給付金」初期申請者が放置されたまま不明に、システム不備の上、コールセンターでは個別の相談は受けないマニュアル、責任の所在は不明とする経産省

 10兆円の予備費を計上した怪しい第2次補正予算案が、10日衆議院で可決され、12日には参議院で成立する見通しとなりました。しかし予算委員会での質疑では持続化給付金のひどい運営実態が明らかにされ、同日の野党合同ヒアリングでも初期申請者の放置をするなど経産省の責任放棄を隠そうとしていませんでした。
 衆院予算委員会で玉木雄一郎議員は、実際の審査業務を行なっている現場の声を紹介しました。電通から再々委託された電通ライブから大日本印刷に再再再委託をされ、そこからさらに委託されたDNPデータテクノという会社に「派遣で」審査業務をしている方、、ってここまででも「民間に任せて業務を効率化」という建前が嘘だと分かる流れですが、その方は守秘義務があることは承知しながらも、人の命がかかっている緊急支援に対し、あまりにひどい状況に心が痛んでの告発でした。「システム上の不備が原因で書類に不備がなくても申請が弾かれるケースが後を絶たない」「税理士の確認済みで内容は問題ないのに4回も差し戻された方もいる」「上司に何度も訴えても改善されない」という異常な有様です。コールセンターに電話をした人は「3日間で241回かけたが繋がらない」、一方コールセンターで働く方からは「コールセンターでは個別の質問に答えてはならないというマニュアルがあって一般的な答えしかできない」つまり奇跡的に電話が繋がったとしても自身の申請がどうなっているのか分かりません。
経産省が9日からサービスデザイン推進協議会事務局での業務を開始したとしてマスコミ報道をさせたようですが、10日に原口一博議員らが出向くと、やはりもぬけの殻でした。どこまでも人を食っています。
野党合同ヒアリングでの経産省の回答から判明したことは、経産省がサビ推協以降の委託の全体像を把握していないこと、お金の流れも不可解な理由で明らかにしない、委託費から人件費を割り出すと1人800万円から900万円の計算になるが恐らく末端の人はそんなに報酬を受けていないだろう、などどこを取っても疑惑が尽きません。この状態のまま第2次補正予算案でのさらなる委託費が発生するわけです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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31.9兆円の2次補正、衆院を通過 立憲・国民も賛成
引用元)
 新型コロナウイルス対応の追加対策を盛り込んだ総額31兆9114億円の今年度第2次補正予算案は10日昼、衆院本会議で採決され、与野党の賛成多数で可決された。参院での審議を経て、12日に成立する見通しだ。
 立憲民主、国民民主などの野党は、コロナ対策の予算案であることを踏まえて賛成に回った。具体的な使い道が決まっていない予備費が、異例の規模の10兆円計上されていることを問題視し、共産党は反対した。10日午前の衆院予算委員会では採決に先立ち、野党側は予備費を1・5兆円に圧縮する組み替え動議を提出したが、否決された
(以下略)
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配信元)

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