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ベルリンのこの季節には・・
ドイツのベルリンでは、6月25日から夏休みが始まりました。多くのドイツ人の方が、まだコロナの心配があるのに、旅行へと出かけています。通常と違い、欧州内の近場が人気らしいのですが・・。ベルリンから近い海といえば、ベルリンから北上して到着するバルト海になります。こちらの記事では、大勢の人が海岸に集まっているように見えるのですが、政治家によると、海でのバカンスでは、きちんと人と人との間隔をあけていると記事の中に書いてありますが・・そうは見えないですよね。
また、5月末には、ドイツの高校生の卒業試験(アビトウア)が終了して、通常なら、アビパーティー(卒業パーティー)が行われるのですが、今年はコロナのために、パーティーが中止になりました。ミュンヘンの高校生ですが、どうしてもお祝いがしたいらしく、仕方なく公園で集まっています。
Das #Abitur ist rum! Genug Gründe zum Feiern gibt es also. Wenn da nicht #Corona wäre... Partys sind weiterhin verboten. Wie feiern die Münchner? #Isar #München pic.twitter.com/4rNE7uqBFm
— BR24 (@BR24) June 27, 2020
日本の大学受験とドイツのアビトウア
こちらは、ベルリンの高校の卒業式ですが、2015年くらいからドイツに来た難民の生徒たちがドイツの大学の医学部へつながる優秀な成績で卒業しました。そのうちのある男子生徒はアビトウア(高校卒業試験)が1.1でした。(ドイツでは、1.0から4.0 までの成績で合格。こちらの男子生徒の1.1は、医学部に入学できるレベルなのです。)実は、この男子生徒は、我が家の息子と最初のころにクラスが一緒だったらしく、私も面識があります。トルコ出身ですが、パレスチナ人で難民らしいのです。5年間のドイツの学校の勉強で医学部への道を拓いたことは素晴らしいことです。パレスチナ難民の方は多くドイツに来られているので、今後も活躍できそうですね。
Diese Schüler und Schülerinenn kamen 2015 nach Deutschland. Jetzt, fünf Jahre später, bekommen sie ihre Abi-Zeugnisse. pic.twitter.com/lz3RiTU3cW
— rbb Abendschau (@rbbabendschau) June 22, 2020
ドイツの点数の付け方はこちらを参照してください。大事なところだけ、スクリーンショットをしました。
我が家の息子の日本の母校の生徒たちも、大学受験だったらしいのですが、私立大学には合格したのだけれど、国立大学を狙いたいので浪人をする生徒が多いと聞きました。お母さんのメールでは、『来年はもっと頑張ってもらわないと・・・』と書かれていました。ドイツ語の学校の先生が言うことには、アジア的な競争主義と資本主義が合わさると地獄のようになってしまう・・とのことでした。日本の教育の場面、あたりまえの感覚で、競争、能力、成果、結果、一流、優秀・・こんなワードが飛び交っていることに気がつきます。
ドイツの高校卒業試験、アビトウアの点数のつけ方は、競争主義でも、能力主義でも、結果主義でもないのです!ただの指標だけ・・だと観察しています。アビトウアの点数のつけ方は、学校次第、そして、ドイツの州次第なので、基準がなく、比較することができません。とにかく、点数が4.0までであれば合格するのです。900点満点ですが、そのうち600点が学校の授業での点数になります。本番のアビトウア試験で残りの300点になりますが、試験会場は普段の学校になります。
日本の大学受験と違い、それなりに通過すればいいという雰囲気が蔓延しています。面白いことは、試験は、すべて論述なので、1科目1日ずつで、4、5時間かかりますので、試験中にジュースやバナナ、食事を持ち込み可です。また、数学用計算機持ち込み可。数学・物理の公式集、辞書などは試験で使用してもよく、学校側から支給されます。(カンニング防止で、中に書き込みができないように、試験当日に学校側からの支給になります)
(日本もどこかの大学で何でも持ち込み可という試験があり、ドイツ人を持ち込んだという話も聞いたことがありますが・・・)
日本の大学受験と違い、ドイツの大学に入学するための当日のアビトウア試験は、5教科で、1日1教科ずつの試験になります。全部で5教科、2つの発展科目(どちらも論述)、3つの基礎科目で、この3つの基礎科目は、プレゼンテーション、質疑応答、論述の3つの方式になります。日本と比較してどうでしょうか・・。当日の試験は、300点満点で、学校での評価が600点になり、全部で900点ですので、生徒達は、すでに学校の評価にて、合格するとわかっていて、当日の試験が失敗したとしても大丈夫ですので、かなり気楽になります。
ドイツの大学に入学するのは日本のように競争がありませんが、ドイツの大学を卒業できるのは、たった30%と言われています。10人のうち7人は落第・やめていくことになります。卒業までたどり着くことが非常に大変になります。また、一度ある学部で落第になると、2度と同じ学部に入学することができないのです。
就職は、大学の卒業の学部と仕事の内容が必ず同じになります。日本のように、理系の学部卒業の方がアナウンサーになったりすることはないのです。ですので、多くのドイツ人の学生が複数の学部を卒業していることも多いです。それも、ドイツの国立大学は学費の負担がありませんので、実現しやすい環境にあります。
文系の場合、日本人の就職はなかなか厳しい現状のようです。就職できる分野は、需要があるエンジニア、情報系だけになっている厳しい現状があります。
もっと頑張って・・という目標
週末には、待ちに待った新しい映像配信、宗教学中級 第60回シークレット・ドクトリン(正しい解釈〜スタンザⅦ前半)と宗教学初級 第112回大乗仏教(禅:禅の思想)を見ました。
最新の中級コース講座で面白かった点は、無理している人は自由にしている人を見ると怒りを感じる・・と竹下先生が語られていたところです。確かに、日本全体で、多くの人がいつも怒りを感じているということは、みんな無理をしているんだな・・と思いました。日本の受験制度からして、小さいころからほとんどの人が無理をしてきています。
また、初級コースの禅の思想の中で、語られていたことは、あるがままではなく、もっと頑張って・・という目標に向かっている、まだ、至らない・・といつも葛藤していること・・これも日本人の多くの方の特徴だな・・と思いました。日本のお母さんもメールで実際に書いていました。もちろん、もっと、もっと・・で経済優先で進むからこそ、発展するのかもしれませんが・・。
最初に書いた通り、我が家の炊飯器は、昭和初期のような感じで、ご飯を炊くボタン1つだけです。これしか炊飯器がないのです。あとは、5人以上用の大きなものになります。しかし、5年以上使用していますが、壊れません。これで十分なのです。購入時は、セールで14ユーロでしたので、日本円で1700円ぐらいで購入した炊飯器を5年以上使っています。予約機能はありませんが、朝早く起きて、お弁当のためのご飯を炊けばよいのです。便利さのために競争が激化するのなら、便利さはいらない・・。
小学生から高校生までの学校の勉強なども、大学のための基礎があればよくて、子供時代からティーン時代までの受験勉強の時間は子供にとって時間が勿体無いような気がしています。ドイツ式のように、職人になる方は、早めに弟子入りして実践で進むか、管理職になるなら、大学で高度に勉強するためにも、大学から真剣に職業につながる学びをすればよいわけで、その前の競争は無意味であると思っています。12年間の時間がもったいないな・・シャンティフーラの映像配信を親子で学ぶだけでもいいのかも・・。我が家のように親子留学方式もいいのかも・・。
多くのこと、たくさんはいらない・・競争もいらない・・
映像配信の中で竹下先生も語られていましたが、あるがままを好まない人が多いので、今後、日本では、東大に行かないと屠殺処分になる!?・・・まさにこれに近い感覚で・・・日本のお母さんたちは、子供たちをせきたてている現状です。
本日の音楽は・・
こんなシンプルなメロディーなのに、静謐で深淵な世界が広がります。このようなゆっくりした世界を築けないものでしょうか・・。
エストニア人のアルヴォ・ペルトの“鏡の中の鏡”の曲です。ウィキペディアを見ると、グレゴリア聖歌を研究されているようで、こちらの曲にも影響がありそうな・・。そして、1982年には、ベルリンでも活動していました。
日本にはひんやりマスクがあると聞き、さすが・・日本と思いました。しかし、残念なことに、ドイツには日本のマスクが輸入されていません。日本の家電もドイツに輸入されていません。ドイツには日本の家電が売っていないのです。日本製品といえば、カメラぐらいです。あと任天堂・・。我が家の使っている炊飯器は昭和初期のようなもので、予約機能も保温機能もないドイツ製です!口を鼻を簡単に覆える、日本ではデパートでもたくさん売っている木綿のハンカチ・・これさえもドイツには売っていないのです!
第65楽章は、ドイツのアビトウア(大学入学のための試験)では、競争がない!です。