授業方法を批判するビラを配った高校生を違法な手段で「私人逮捕」した中学校副校長 〜 目黒区立第九中学校と碑文谷警察署、東京地検が結託して憲法違反

竹下雅敏氏からの情報です。
 「とても日本のニュースとは思えない」と私も凍りつきました。いくつもの点で異常で違法で陰惨です。7月8日、公道でビラを配っていた高校生が近くの中学校の副校長に悪質な方法で「私人逮捕」され、引き渡された警察署では黙秘権を行使しただけで20日間も拘留され、その挙句に高校生の家宅捜査までされていました。さらに東京地裁はノーチェックで高校生の拘留・拘留延長を認めた上に、弁護士からの「拘留理由開示」の求めにも答えていませんでした。ビラの内容は学校のプール指導の内容を批判するもので表現の自由として認められるものを、あろうことか生徒を教え導く立場の教師が違法な手段を用いて白昼堂々、人権侵害を行う。詳細を知れば知るほど常軌を逸した社会が現れました。問題の副校長は「転び公防」と言われるでっち上げの手口を利用していたようです。もしも高校生に非があるのであれば中学校側は説明すべきですが、お賽銭マンさんの問い合わせから逃げています。
 ネット上では、高校生への言いがかりでこの問題をミスリードしようとする人がいますが、異邦人さんの指摘の通り「憲法によって保障された権利を行使する個人を、憲法を守るべき公人が弾圧している」ことの異常性を見落としてはなりません。安部政権を象徴するような事件ですが、日本はここまで無法地帯になっていたのか。
 この副校長は数十年も前から問題視されていたようで、かつての生徒だった方々が声を上げています。このような人物を管理職に重用する教育界、正義を失った司法、重大な憲法違反を追求しないメディア、、、暗澹とします。
 しかし見方を変えれば、これまでの数十年間平然とパワハラをしてきた893な教師らが今、こうして実名とも暴かれました。時代は転換点です。このまま安泰とお思いか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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水泳授業のあり方問うビラ配った都立高生を副校長が「私人逮捕」 目黒区立第九中学校
引用元)
平松けんじ
(前略)
先月8日、公道上でビラを配布していた都立高校生が、近くの目黒区立第九中学校の高橋秀一副校長(55)に「私人逮捕」されるという事件があった。現場は目黒区立第九中学校の校門から約50m程度離れた住宅街の公道上で、高校生はビラで同校の近隣にある都立小山台高校(東京・品川区)の水泳授業のあり方を問い、生徒自治組織の設立を呼び掛けていた。高校生は7月28日に処分保留で釈放されたものの、20日間にわたり勾留された

 勾留状によると、高校生の容疑は「公務執行妨害」。高校生は目黒区立第九中学校の高橋秀一副校長(55)にビラ配布を注意されたため、携帯電話で動画を撮影。その際に高橋副校長を携帯電話で殴打したとされる。警視庁碑文谷警察署の松本俊彦副署長によると、午前8時ごろに高橋副校長が高校生を「私人逮捕」し、午前8時50分ごろ駆け付けた碑文谷警察署員に引き渡したという。
(以下略)
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配信元)


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ブラック学校批判のビラまきで高校生が逮捕される!〜10日間の勾留も
転載元)
(前略)
<現役都立高校生I君の不当な逮捕とその後の経緯>

(1)現役の都立高校生のI君の不当逮捕(新宿区内の都立高校)

 7月8日の早朝に、目黒区立第九中学校での登校時のビラまきで、同校高橋副校長により、不当に「私人逮捕」されました。「私人逮捕」というのは、痴漢やスリなど現行犯逮捕でなければ犯罪を確定することが困難な場合で、その場に警察官などがいない場合に、緊急の私人による逮捕が認められるケースを言います。I君は、前7日に続き、同校でビラまきをしていた時に私人による現行犯逮捕されました。
(中略)
 また、ビラの内容は、同校中学生の進学先として有力な都立小山台高校のプール指導の危うさを訴えるものです。I君たち日本自治委員会では、「ブラック校則」等の生徒の人権を侵害にあたるような教員の「行為」「指導」などを批判してきました。(中略)
(中略)
 なお、高校生の自主的組織である自治委員会では、毎日のようにどこかの学校(中・高校を問わず)でビラまきを実施してきています。

(2)不当な逮捕の状況

 7月8日早朝の逮捕の状況について報告します。
 I君は、7時30分頃より同中学校の前でビラまきをました。前7日に高橋副校長がクレームをつけてきたので、警戒しながら、「口実」を与えないよう に注意しながらビラを配布しました。8時頃に前日に続き高橋副校長が現れ、ビラまきを中止するように言ってきました。「公道でのビラまきは違法ではない」ことを伝えましたが、執拗に言ってきました。その内、片柳校長も現れ、執拗に中止を言ってきました。そして、ビラまきを物理的に中止させようとしてきたので、I君はスマホで録画を始めました。すると副校長は「象徴権の侵害だ」などといってきましたが、I君はかまわずにスマホ撮影を行いました。すると、副校長はスマホを取りあげようと手を伸ばしてきました。そしてスマホに手をぶつけて「アイタタ-!」と叫び暴力を受けたと言い始めました。そして警察を呼ぶと言って、その20分ほど経って警察官が現れ、逮捕されました。罪名は「公務執行妨害」で、副校長らによる私人逮捕になっていました
(中略)

(3)あまりにも早い地検送り

 9日になりI君は霞ヶ関の地検に送られました。改めて弁護士が霞ヶ関に接見にいきました。

 通常、高校生の場合、重大事件でもない限り24時間以内に勾留が解かれ送検されることはありませんが、地検送りになりました。そして10日間の勾留が決定しました。通常、10日間の拘留は、証拠隠滅や逃亡、そして背後関係の解明の時に行われますが、現役高校生の10日間の勾留は異例です。弁護士は拘置理由の開示を行う措置をとりますが、これは公権力による「いじめ」の様なものです。10日間の拘留となりますと(更に延長される可能性もあり)、学校の在籍が不安になります。学校から「退学処分」となったり、家族から「退学届け」が出されたりします。学校の関係だけではありません。家族間の分断が生じる可能性もあります。

 そうなりますと、I君の将来に不安を生じさせる要因になりかねません。このような不当な逮捕・勾留は教育現場の所属学校や都教委も警察・検察に厳重な抗議をすべきだと思います。

 そして、このような逮捕・勾留が認められますと、あらゆる場面でのビラまきはできなくなります。デッチあげで、私人による「現行犯逮捕」があらゆる場面で行われることになります
(以下略)
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山口正紀の「言いたいことは山ほどある」第5回(2020/7/25 不定期コラム) 憲法21条を踏みにじる学校・警察・裁判所一体の権力犯罪――ビラ配り高校生の不当逮捕・勾留
引用元)
(前略)
この「事件」で問われるべきは、ビラ配りを妨害した副校長たちの行為であろう。憲法21条違反、表現の自由を侵害する人権侵害以外のなにものでもない

 副校長らによるIさんの身柄拘束は、「私人(常人)逮捕」とされている。だが、これも常軌を逸した違法かつ重大な人権侵害だ。 私人逮捕は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」(刑事訴訟法213条)との規定に基づく。ただし、それには条件がある。犯人が現行犯人であること(同212条)、犯人が逃亡する恐れがある場合(同217条)などだ。その要件を満たさない私人逮捕は、逆に逮捕監禁罪や暴行罪に問われる

 Iさんがスマホで副校長らの行動を撮影しようとした行為は、どう拡大解釈しても「公務執行妨害の現行犯」にはならない。副校長らのビラ配り妨害は「公務」ではない。「逃亡する恐れ」もなかった。現にIさんは現場にとどまっていた。

 副校長による身柄拘束は、「私人逮捕の要件」を満たさない。不当にIさんの身柄を拘束したものであり、刑法220条の逮捕監禁罪が成立する明らかな犯罪行為だ。

 高橋副校長に「私人逮捕」の手口を指南したのは、おそらく公安警察官だ。碑文谷署は、副校長の言い分を鵜呑みにし、でっち上げた容疑でIさんの身柄を拘束、勾留した。

 こんな学校と警察が結託した不当逮捕、人権侵害をチェックするのが、法の番人たる裁判所の本来の役割だ。ところが、東京地裁はIさんの勾留・勾留延長をノーチェックで認めた。そればかりか、Iさんに対する「勾留理由開示」の手続きで、学校・警察による権力犯罪・人権侵害を追認する共犯者になった

 傍聴者のレポートによると、17日の勾留理由開示手続きは、悪名高い「地裁429号警備=弾圧法廷」で開かれた。(中略) 

(中略)「権力に逆らった人々」を傍聴者ともども「凶悪犯」扱いしてきたのが、この429号法廷だ。

 東京地裁は、こんな国家権力むき出しの暴力法廷を、ビラ配りをしていただけで公務員たちに不当逮捕された高校生のために「用意」した。佐藤薫裁判長は、弁護人が何を聞いても「答えられない」を連発し、勾留理由を開示しようとはしなかった。そして、それに抗議した傍聴者に退廷命令を出し、法廷外・裁判所構外に暴力的に放り出した

(中略)

 今回は、『東京新聞』が429号法廷を取材し、7月18日付「こちら特報部」欄に、《表現の不自由 次々に/中学校近くの公道でビラ配り/副校長注意でトラブル、現行犯逮捕》の見出しで大きく報道した。弾圧法廷の暴力実態までは記事化されなかったが、弁護人の質問にほとんど答えない裁判官の姿、勾留理由「不開示」の実態は報じられた

 だが、『東京新聞』以外のメディアは、今回も沈黙している。憲法を尊重し、擁護する義務(憲法99条)を負う公務員――教員・警察官・裁判官たちが、ビラを配る高校生から表現の自由を奪い、逮捕監禁の罪を犯している。憲法をあからさまに踏みにじる公務員たちの権力犯罪は、「知る権利」に奉仕するはずのメディアが市民に伝えるべき最も重大なニュースではないか
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配信元)

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