デンマークのヒュッゲな暮らし

くろちゃん、来たよ〜!

おうっと、ちょっとそっち、持ってくれ。

よいしょ・・っと、ふう〜 できた。

お疲れ、今、アイスほうじ茶、持ってきてやっからな。

サンキュー!
うわあ、部屋の雰囲気がガラッと変わったね。
家で過ごす時間が長くなったから、自分好みに家具の配置換えしてるんだ。

なるほど、家具を動かすだけで、気分転換になるね。
夏は、すだれで涼しげに、秋冬は、キャンドルで家族とゆっくり過ごす北欧スタイル。

なんか、あこがれるね・・
それ、ヒュッゲな暮らし、だよ。

なんだそりゃ?

ヒュッゲと言うのは、
デンマーク語でHYGGE(ヒュッゲ)。
「居心地のいい時間や空間」という意味のデンマーク特有の概念(
東洋経済ONLINE)、「北欧人が大切にする『暮らしの豊かさ』」(
TABI LABO)、「
ほっと癒される居心地のいい時間、そしてそのような時間
をつくることで感じられる幸福感のこと。」(
iittala)

さしづめ、日本人にとってヒュッゲは温泉か?

それを、
出かけないで、家で味わうのが北欧流。
マイケル・ブース

そう、奥さんのふる里がデンマークで、デンマークに住みながら「
限りなく完璧に近い人々」という北欧についての本も書いているが、こんなことを言っている。
「最初に
デンマークに移住したとき、とんでもない所に来てしまったと思ったが、子どもが生まれてからはデンマークこそが子どもを育てるのに世界で最も適した場所だと考えるようになった。」
「北欧の気候には辟易するし、人々が不機嫌なときもあるし、税金も高いが、そうした点を除けばここでの生活にとても満足している。」
(
東洋経済ONLINE)

この人の文章は、イギリス人らしい斜め目線でおもしろいよね。

彼は言う、
8割のデンマーク人は宝くじで1億円が当たっても、仕事を辞めない。それは、自主性を持って仕事をしているから、仕事に支配されていないからだと。
「
彼らにとってのモチベーションは、家族と過ごしたり、すてきなバケーションを過ごしたり、新しいことを学んだりするなどヒュッゲ的な時間を持つこと。・・彼らが欲しいのは、メルセデス・ベンツではなくて、新しい学びや旅行、サマーハウスだ。」(
東洋経済ONLINE)

いいなあ〜 なんか、
人間として、成熟している感じがするね。
それに比べると、日本人はまだまだ幼いけど、どこが違うんだろう?
子ども向けの記者会見をひらく北欧諸国

やっぱ、教育だろうな。
デンマーク人は、子どもの頃から「自分は自分、人は人」と考える。
日本みたいに画一的で横並びじゃなくて、
一人一人に合わせた教育だから、“比較しない” “個人を尊重する” 対等な 関係が生まれる。
(
パラサポWEB)

いいなあ〜 ぼくも、デンマークに生まれたかったよ。

「子どもだから」とバカにしないで、子どもの意見もしっかり聞くし。
(
HYGGELIG!)
なんせ、
一国の首相が、子ども向けの記者会見をするんだもんな。

へえ、たしか、デンマークの首相は女性だったよね。

そう、デンマーク史上最年少(41歳)で就任したメッテ・フレデリクセン首相。
彼女は、今年3月のロックダウンにあたり、子ども向けに記者会見を開いたんだ。
でもその頃、
子ども向けの記者会見は、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドでも開かれている。
メッテ・フレデリクセン首相
北欧諸国は、子どもを大切にしているんだね。
おカネにも票にも結びつかない、子ども相手の記者会見をするなんて、日本じゃ考えられないよ。

あべぴょんなんか「明日から全国一斉に休校」で、おしまいだったしな。

有無を言わさず、だったよね。
子どもも、一人の国民として認める、発言させる。
日本も見習わないといけないね。
政治への関心が高い、成熟した国デンマーク

そもそも世界幸福度調査って、何を基準にはじき出してるの?

「一人当たりGDP」「社会福祉」「健康寿命」「人生選択の自由度」「寛大さ」「汚職の少なさ」などが指標(
EPOCHMAKERS)。
ちなみに1位はフィンランド・・日本は62位。

う〜ん、低い〜。

2015年の調査によると
デンマークは、汚職の少なさ 世界1位、貧困の少なさ 1位、住みやすい都市(コペンハーゲン)1位、報道の自由度 3位、労働時間の少なさ 4位、男女平均度 5位、子供の幸福度 6位、一人当たりGDP 6位。
一方、税金や社会保障の負担は2位、物価の高さ 3位、消費税率(25%)3位。(
EPOCHMAKERS)
コペンハーゲン

住みたくなるね、でも、税金が高いのはイヤだな。
デンマークはデジタル化も進んでいて、
生まれて2~3時間後には、日本のマイナンバーに当たるCPRナンバーがつけられる!
(
YAHOO!ニュース)

うわあ、名前つける前に、背番号がついちゃうの?
そのおかげで、申請しなくても、自動的に3ヵ月後に児童手当が振り込まれる。

楽でいいなあ、コロナの給付金もすぐに振り込まれそう。

でも、銀行口座の登録は、ちょっと不安だろ?
そこは
日本とちがって、デンマーク政府は信頼に値するから大丈夫。
(
YAHOO!ニュース)
国会や最高裁判所が置かれているクリスチャンスボー城

いいなあ〜。

300%! うお〜 うらやましい〜!!

面積は九州くらい、人口は兵庫県とほぼ同じ約550万人の
デンマークは「高品質な農産物の輸出国として長い伝統を持つ農業国」だ。(
デンマーク農業理事会)
「デンマークの
農家は、グローバルなマーケットに対して質の高い商品を売る方法を熟知してます。何年もかけて
協同組合を発展させ、国際競争力のある製品を販売できるよう、トレーサビリティーの確立された商品やオーガニック食材など、食の安全性の高いものを輸出しています。」(
EPOCHMAKERS)

いいなあ〜 これから生き残れるのは農業国だよ。
さらに、医療費は無料、学費は大学まで無料、大学生は政府からお金がもらえる、失業手当は給与の90%を2年間。
(
NORDIC SLEEP)
コペンハーゲン大学
それを支えてるのが、高い税金てことだね。

そうだ、
給料の半分は持ってかれる、消費税は新聞以外すべて一律25%だ。

食料品も消費税25%?

おそらく、それぐらい支払えるくらいの手当をもらってるんだろう。
「デンマークや
北欧では、自分で貯蓄するのも税金で納めるのも、自分のお金をどこに移すのかというだけの違い、という考え方があります。どこに移すかの違いであれば、老後のために多額の貯蓄をする必要はありません。むしろ、
国や地方政府に預ける方が安心で効率的と考えているのです。」(
Meiji.net)

う〜ん・・なんという信頼関係だ。日本とちがいすぎる。
だが、デンマークは、ずっとこんなふうだったわけじゃない。
第2次大戦後、低・中所得者の税金は増え、高所得者はほとんど税金を払わない。
しかも、生活保護などの社会サービスは窓口でたらい回しだった。
(
Meiji.net)

まるで今の日本?
1973年の世論調査では、「政治家は税金を無駄遣いしている」という質問に90%が同意していたが、2000年代には半数以下になっている。(
Meiji.net)

税金の無駄遣い、今の日本で100%同意する。
現在のデンマークになるきっかけは、過激な反税を訴える「進歩党」の出現だった。彼らは1973年の選挙で一気に第二政党に躍進し、これを境に、
デンマークの税制と社会保障制度は改革され、高所得者が課税逃れをしにくくなり、公平な課税制度になっていった。(
Meiji.net)
デンマークの国旗
つまり、変えたのは、国民の票だったわけだね。

「
80%を超える高い投票率はその証です。日本が学ぶべき点は、まず、そこだと思います。」 (
Meiji.net)

はあ〜〜〜 日本は投票率は低いし、不正選挙もやり放題だし。

なにより、若者の政治への関心が足りない。
デンマーク大使は言う、「私は、
若者の政治参加が必要不可欠だと思います。民主主義は、全国民が能動的に政治に関わることではじめて機能するシステムなので、若者が投票に行かないということは機能していないとも言えるんです。」(
EPOCHMAKERS)

どうやったら若者が、政治に関心を持てるようになるんだろう?

デンマーク大使「
デンマークの子供は学校や家庭で政治について学び、議論を繰り返しながら育ちます。・・デンマークの家庭では政治の話をすることはごく当たり前のことで、民主主義にとってとても大切なことなんです。」
(
EPOCHMAKERS)

家庭から始まってるんだねえ。
すべての道は家庭から、だな。
家庭で子どもが大事に育てられ、社会では「個人」が尊重される。
でも、その裏には「何事も自己責任」という暗黙の了解がある。
特にデンマークでは、その意識が特に強い。
(
パラサポWEB)
裏返すと、「この国では、『自己責任のとれる自律した個人』でなければ居場所はないのだ。」つまり、そこからはみ出すと、「孤独やストレスからアルコール、薬物、過食・偏食などにつかの間の安らぎを見出す者も出てくるのは、ある意味自然なことだ」。(
世界投資見聞録)

デンマークにもアル中や、薬中毒がいるってこと?

信じられないが、そうらしい。

デンマークにもストレスがあるんだね。

当然だろ。
「デンマークって世界一幸せな国だよね?」と聞くと、「みんなストレスを抱えてるけどね・・」という答えが返ってくるそうだし(
NORDIC SLEEP)、デンマーク在住の日本人も、こんなことを言っている。「この国に3年ほど暮らしてみて、ここが『幸せの国』というのが、実感としてなんだか腑に落ちないのだ。街ゆく人の表情は、際立って幸せそうでもない。天気は悪いし、物価は高いし(消費税25%、スタバのトールラテが700円超)、日本のような便利さからは程遠い(Amazonもない)。・・『Lykkepiller』(その名もhappy pills!)と呼ばれる抗うつ剤の処方の多さでも知られている。」(
CURRIER)

抗うつ剤?! ちょっと待って!
幸福度がつねにトップ3に入ってる、なのになんで、抗うつ剤?

意外!
冬の日照時間が短いのが原因だと思う。
白夜

日光が足りないから、うつになりやすいのか。

それに、理想的な国に生きることは、けっこうしんどいかもな。
まず、自立していないといけないだろ、自己責任だろ、しかも夜は長い。

なんか、エネルギーがうっ滞しそう。
たぶん、その結果が、自治区「クリスチャニア」だろうな。
首都コペンハーゲンの中心にあるヒッピーコミューン。
決まり事さえ守れば、
裸で町を歩いたり、マリファナが吸えたり、思い切りはめをはずせる。

デンマークにそんな所があるとは、ちょっとビックリだけど、エネルギーの発散には、必要な場所かも。

デンマークみたいに成熟した国でも、問題を抱えているのは一緒だ。
マイケル・ブースの本によると、
最近のデンマークは、少子化で財政も厳しくなってきているし、貧富の格差も広がりつつあるし、借金を抱えるヤツも増えている。

「隣りの芝生は青い」から、よく見えるよね。

たしかに、それぞれ問題はあるが、国民一人ひとりがしっかりと自立して、民主主義が成立しているデンマークなら、なんとかできるだろう。

問題は日本だね、日本をまずどうにかしないと・・・ハア〜。
Writer
ぴょんぴょん
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
人や物や環境を大切に生活する、成熟した人々。
自然や子どもを尊重し、一人ひとりが自立している国。
そんな大人の国に、関心を向けてみた。