メキシコ便り(87):1990年代後半から、政府とメディアのでっち上げは始まり、前政権までずっと行われていた。ロペス・オブラドール大統領、過去のでっち上げ「誘拐事件」公開!

 メキシコでは、7月に史上最大の選挙があるということで、4月から選挙運動が開始。そのためか、空の(中身の入っていない)ワクチン接種の動画が出回り、ロペス・オブラドール大統領が朝のプレス・コンファレンスで取り上げるまでに。大統領は、でっち上げの可能性もあるとの見解。その翌日、過去の政府とメディアがでっち上げた「誘拐事件」(2005年12月)をプレス・コンファレンスで公開することに。この事件のことは耳にしたことありましたが、でっち上げだったとは初耳!そして、その詳細をプレス・コンファレンスで知り、大ショック!!!でっち上げ事件の「誘拐犯カップル」として政府から誘拐され利用された二人。そして、その男性は未だ刑が未定で刑務所。もうこれは度を超えています。人権侵害どころではない。

 政府のメディア専門家によると、政府とメディアのでっち上げは1990年代後半から始まり、ずっと行われ、ペニャ・ニエト前政権(2012〜2018)ではほとんどすべてがでっち上げだったと発表。

 自分のイメージ・アップ、収入アップのために、国民を騙し、無実の人を痛めつけ、未だに悠々自適な生活をしている人がいるなんて!毎日、どんな気持ちで過ごしているのでしょう?今回、この「でっち上げ事件の公開」を通して、汚職掃除は永遠に終わらないかもと思うくらい、汚職の深さ、酷さを知りました。ため息「はぁ〜。。。」😩でも、こうやって過去のメディアと政府の癒着と共犯罪に光が当たったことは喜ばしいこと✨

 日本のメディアと政府は大丈夫?!
(popoちゃん)
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メキシコ便り(87):1990年代後半から、政府とメディアのでっち上げは始まり、前政権までずっと行われていた。ロペス・オブラドール大統領、過去のでっち上げ「誘拐事件」公開!

空のワクチン接種相次ぐ


3月末から4月初めにかけて空の(中身の入っていない)ワクチンを打たれたというニュースが相次いだメキシコ。Arsitegui Noticiasより)


空のワクチンを打たれているという動画(その1)

空のワクチンを打たれているという動画(その2)

正直、どの動画を見ても、空なのかどうなのかよくわからない。。。入っていないと言われれば、入っていないような。。。う〜ん。。。


空のワクチンについての大統領の見解


4月5日(月)朝の大統領プレス・コンファレンスで、空のワクチンについて大統領は自ら語り始めました。復活祭で前の週の木曜日から大統領プレス・コンファレンスはお休みで、その間(大統領がフェイクニュースを正すことができない間)どこのメディアも一斉に空ワクチンのニュースを報じたとのこと。大統領はとても違和感を感じていたと言っていました。(毎週、週末はプレス・コンファレンスがお休みなのでフェイクニュースがわんさか出てくるらしい)そして、上の動画(その2)をその場で再生して見せました。

YouTubeからのスクショ

大統領の見解は、もしかしたら人為的ミス、もしかしたら、でっち上げの可能性あり。大統領は、でっち上げ専門のメディア関係者の存在を知っているので調査する必要ありと。


ナチョさんの見解


日々、登録者数が増加し、チャンネル数も増えどんどん進化しているユーチューバーのナチョさんの見解は、でっち上げの可能性十分にありと見ているようです。

ユーチューバーのナチョさん

その理由の一つは、ロペス・オブラドール政権のワクチン接種計画がうまく行っていること、3月末には1日50万人接種にまで到達していたらしい。そして、7月には史上最大の選挙があり、4月から選挙運動(キャンペーン)が開始。ロペス・オブラドール大統領が大統領に就任して以来、MORENE党(モレナ党:ロペス・オブラドール大統領が作った党)が議会でも過半数を取り、大統領のおかげで大人気。選挙を前に野党がMORENA党のイメージダウンを狙っているのではないかと。。。


大統領、15年前の政府とメディアのでっち上げ事件を公開


この空ワクチン事件の真相をほのめかすためか、翌日4月6日(火)大統領は朝のプレス・コンファレンスで15年前の政府とメディアのでっち上げ事件を公開を前日に予告し翌日実行。

このでっち上げ事件をサクッとまとめると。。。

2005年12月(カルデロン政権になった直後)、当時の治安大臣、ガルシア・ルナ(現在、アメリカで逮捕され裁判中)とその手下、2番手ルイス・カルデナス・パロミノらとテレビサ局(メキシコ大手メディア)が共犯で誘拐事件をでっち上げ。

写真左から、カルデロン元大統領、ガルシア・ルナ元治安大臣、ルイス・カルデナス・パロミノ

「誘拐事件」逮捕の前日、連邦警察はメキシコ人男性とフランス人女性のカップルを誘拐。翌日、ある家族を誘拐したという事件場所にカップルを置き去り、その直後、準備されていた特殊起動部隊が急襲し、「誘拐犯のカップル」を逮捕するシーンをテレビサのTVクルーらが生中継で撮り、朝の番組で流すというシナリオ。

でっち上げ誘拐事件で特殊起動部隊が「誘拐犯のカップル」を逮捕するシーン
当時、テレビサの朝の番組で生中継されたものを見せている大統領

運悪く「誘拐犯」にでっち上げられたカップル
「逮捕」当時の写真、
左:フランス人女性フローレンス・カセスさん 
右:メキシコ人男性イスラエル・バジャルタさん

当時、生放送された動画では (上の動画にはありませんが)、イスラエルさんが警察(元TVクルーの一人が、あれはルイス・カルデナス・パロミノだったと告白)に画面外で殴られ脅迫され、仕方なく誘拐したことを認めているイスラエルさんの様子が痛々しかったです。

その後、二人は刑務所へ。フローレンスさんは裁判所から3件の人権侵害を認められ2013年に釈放。無実で8年も刑務所なんて酷過ぎる!でも残念ながらこんなケースはメキシコでよくある、あったらしい)イスラエルさんは、未だ刑務所だとか。。。しかもまだ刑が未定状態。。。😱そして、あと2件の誘拐事件の容疑があるとか。。。ロペス・オブラドール政権は、調査を急ぎすべて無実であればすぐに釈放する意向。

このでっち上げ「誘拐事件」を放送したテレビサ局の当時のスター・キャスター、カルロス・ロレット・デ・モラは、「放送後、2ヶ月後くらいにでっち上げ事件と知った」「すでに謝罪した」と被害者を演じきっています。ロペス・オブラドール大統領が就任してすぐに、アメリカに引っ越し、現在、フロリダに住み、あちらで優雅にキャスターをやっています。すでに公に知れているだけでも5〜6つのでっち上げに参加している経歴。

カルロス・ロレット・デ・モラ
ロペス・オブラドール大統領がでっち上げ事件を公開後
すぐに自己防衛の動画配信。

が、当時のTVクルーの一人、撮影時に13回「やめよう!」と言い続けたラウラ・バランコさんによると、「カルロス・ロレット・デ・モラは最初からすべてを知っていた」と告白。収録後、テレビサは、「よくやった!」っとスタッフを朝食に招待しお祝いをしたらしい。ラウラさんはいかなかったと。大統領が、このでっち上げ事件を公開した日、ラウラさんはプレス・コンファレンスに参加したくて会場まで来ていたけれど入れなかったよう。

左端:ラウラ・バランコさん
その他、イスラエルさんのご家族
プレス・コンファレンスの会場の外で

でも彼女のメッセージは他の記者が代理で、ちゃんと大統領に伝えていました。「当時のでっち上げ事件のプロデューサー、アスセナ・ピメンテルが、ロペス・オブラドール政権で働いていると」大統領は、調査し、真実であれば即解雇と答えていました。

「はぁ〜。。。😩」とドッとため息が出てしまう
汚職掃除、永遠に終わらないような。。。


鹿さん達に混じってサクラ浴したい。。。

メキシコ、がんばれ!

(popoちゃん)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム1


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