注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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配信元)
3月11日福岡のJA筑紫で農家リーダーが参集してくれました。食料危機の到来で今こそ国産の増産が必要なのに肥料・飼料・燃料等の生産資材は急騰しているのに国産の農産物価格は低いままで農家は悲鳴を上げています。輸入小麦が高騰しているのに国産小麦は在庫の山だそうです。皆の行動が伴っていない。 pic.twitter.com/mX8YLXVTIH
— 脱「今だけ、金だけ、自分だけ」・鈴木宣弘 (@tetsuginsuzuki) March 14, 2022
まだ日本の食料自給率を40%弱と言う人がいるが残念だが限りなく0%。
— 無肥料栽培家🌿岡本よりたか (@yoritaka_o) March 14, 2022
天然ガス高騰で窒素肥料が作れず、リン鉱石もカリ鉱石も輸入。有機肥料の元の配合飼料も輸入。農薬の原体や種も輸入。
この世界状況で輸入が困難もしくは高騰すれば食料は自給できない。
無肥料無農薬の農へシフトしてはどうか?
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【緊急寄稿】日本は独立国たりえているか―ウクライナ危機が突きつける食料問題 東京大学教授・鈴木宣弘
転載元)
長周新聞 22/2/28
食料争奪戦を激化させるウクライナ危機
ウクライナ危機が勃発し、小麦をはじめとする穀物価格、原油価格、化学肥料の原料価格などの高騰が増幅され、最近、顕著になってきた食料やその生産資材の調達への不安に拍車をかけている。
最近顕著になってきたのは、中国などの新興国の食料需要の想定以上の伸びである。コロナ禍からの中国経済回復による需要増だけではとても説明できない。例えば、中国はすでに大豆を1億300万トン輸入しているが、日本が大豆消費量の94%を輸入しているとはいえ、中国の「端数」の300万トンだ。
中国がもう少し買うと言えば、輸出国は日本に大豆を売ってくれなくなるかもしれない。今や、中国などのほうが高い価格で大量に買う力がある。現に、輸入大豆価格と国産価格とは接近してきている。コンテナ船も日本経由を敬遠しつつあり、日本に運んでもらうための海上運賃が高騰している。日本はすでに「買い負け」ている。化学肥料原料のリン酸、カリウムが100%輸入依存で、その調達も困難になりつつある。
一方、「異常」気象が「通常」気象になり、世界的に供給が不安定さを増しており、需給ひっ迫要因が高まって価格が上がりやすくなっている。原油高がその代替品となる穀物のバイオ燃料需要も押し上げ、暴騰を増幅する。国際紛争などの不測の事態は、一気に事態を悪化させるが、ウクライナ危機で今まさにそれが起こってしまった。
輸入前提の「経済安全保障」は危機感の欠如
お金を出しても買えない事態が現実化している中で、お金で買えることを前提にした「経済安全保障」を議論している場合ではない。貿易自由化を進めて食料は輸入に頼るのが「経済安全保障」かのような議論には、根幹となる長期的・総合的視点が欠落している。
国内の食料生産を維持することは、短期的には輸入農産物より高コストであっても、「お金を出しても食料が買えない」不測の事態のコストを考慮すれば、実は、国内生産を維持するほうが長期的なコストは低いのである。
日本は独立国と言えるのか
「食料を自給できない人たちは奴隷である」とホセ・マルティ(キューバの著作家、革命家。1853 – 1895年)は述べ、高村光太郎は「食うものだけは自給したい。個人でも、国家でも、これなくして真の独立はない」と言った。
はたして、2020年度の食料自給率が37.17%(カロリーベース)と、1965年の統計開始以降の最低を更新した日本は独立国といえるのかが今こそ問われている。不測の事態に国民を守れるかどうかが独立国の使命である。
(以下略)
ウクライナ危機が勃発し、小麦をはじめとする穀物価格、原油価格、化学肥料の原料価格などの高騰が増幅され、最近、顕著になってきた食料やその生産資材の調達への不安に拍車をかけている。
最近顕著になってきたのは、中国などの新興国の食料需要の想定以上の伸びである。コロナ禍からの中国経済回復による需要増だけではとても説明できない。例えば、中国はすでに大豆を1億300万トン輸入しているが、日本が大豆消費量の94%を輸入しているとはいえ、中国の「端数」の300万トンだ。
中国がもう少し買うと言えば、輸出国は日本に大豆を売ってくれなくなるかもしれない。今や、中国などのほうが高い価格で大量に買う力がある。現に、輸入大豆価格と国産価格とは接近してきている。コンテナ船も日本経由を敬遠しつつあり、日本に運んでもらうための海上運賃が高騰している。日本はすでに「買い負け」ている。化学肥料原料のリン酸、カリウムが100%輸入依存で、その調達も困難になりつつある。
一方、「異常」気象が「通常」気象になり、世界的に供給が不安定さを増しており、需給ひっ迫要因が高まって価格が上がりやすくなっている。原油高がその代替品となる穀物のバイオ燃料需要も押し上げ、暴騰を増幅する。国際紛争などの不測の事態は、一気に事態を悪化させるが、ウクライナ危機で今まさにそれが起こってしまった。
輸入前提の「経済安全保障」は危機感の欠如
お金を出しても買えない事態が現実化している中で、お金で買えることを前提にした「経済安全保障」を議論している場合ではない。貿易自由化を進めて食料は輸入に頼るのが「経済安全保障」かのような議論には、根幹となる長期的・総合的視点が欠落している。
国内の食料生産を維持することは、短期的には輸入農産物より高コストであっても、「お金を出しても食料が買えない」不測の事態のコストを考慮すれば、実は、国内生産を維持するほうが長期的なコストは低いのである。
日本は独立国と言えるのか
「食料を自給できない人たちは奴隷である」とホセ・マルティ(キューバの著作家、革命家。1853 – 1895年)は述べ、高村光太郎は「食うものだけは自給したい。個人でも、国家でも、これなくして真の独立はない」と言った。
はたして、2020年度の食料自給率が37.17%(カロリーベース)と、1965年の統計開始以降の最低を更新した日本は独立国といえるのかが今こそ問われている。不測の事態に国民を守れるかどうかが独立国の使命である。
(以下略)
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【ウクライナ危機!食料安全保障とこの国のかたち】「農は国の本」日本は真の独立を 鈴木宣弘・東京大学大学院教授
引用元)
JAcom 22/3/18
(前略)
世界一過保護と誤解され、本当は世界一保護なしで踏ん張ってきたのが日本の農家だ。その頑張りで、今でも世界10位の農業生産額を達成している日本の農家の皆さんはまさに「精鋭」である。誇りと自信を持ち、これからも家族と国民を守る決意を新たにしてもらいたい。
今を踏ん張れば、農の価値がさらに評価される時代が必ず来る。もう来ている。特に輸入に依存せず国内資源で安全・高品質な食料供給ができる循環農業を目指す方向性は子どもたちの未来を守る最大の希望である。
(中略)
驚くべきことに、国産振興こそが不可欠なことは誰の目にも明らかな今、国内農業を立ち行かなくさせる愚策を打ち出した。このままでは農業をあきらめる人が続出し、耕作放棄地がさらに拡大し、食料自給率はさらに低下し、食料危機に耐えられなくなることは火を見るよりも明らかである。この期に及んで目先の歳出削減しか見えない亡国の財政政策が最大の国難とも言える。
(中略)
農林水産業は、国民の命、環境・資源、地域、国土・国境を守る安全保障の柱、国民国家存立の要、「農は国の本なり」である。今こそ、日本の真の独立とは何か、国民の命を守るために必要なことは何かを見つめ直し、全国各地から、国民運動を展開すべきときであろう。
(以下略)
世界一過保護と誤解され、本当は世界一保護なしで踏ん張ってきたのが日本の農家だ。その頑張りで、今でも世界10位の農業生産額を達成している日本の農家の皆さんはまさに「精鋭」である。誇りと自信を持ち、これからも家族と国民を守る決意を新たにしてもらいたい。
今を踏ん張れば、農の価値がさらに評価される時代が必ず来る。もう来ている。特に輸入に依存せず国内資源で安全・高品質な食料供給ができる循環農業を目指す方向性は子どもたちの未来を守る最大の希望である。
(中略)
驚くべきことに、国産振興こそが不可欠なことは誰の目にも明らかな今、国内農業を立ち行かなくさせる愚策を打ち出した。このままでは農業をあきらめる人が続出し、耕作放棄地がさらに拡大し、食料自給率はさらに低下し、食料危機に耐えられなくなることは火を見るよりも明らかである。この期に及んで目先の歳出削減しか見えない亡国の財政政策が最大の国難とも言える。
(中略)
農林水産業は、国民の命、環境・資源、地域、国土・国境を守る安全保障の柱、国民国家存立の要、「農は国の本なり」である。今こそ、日本の真の独立とは何か、国民の命を守るために必要なことは何かを見つめ直し、全国各地から、国民運動を展開すべきときであろう。
(以下略)
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配信元)
いいか、絶対にだ😀 pic.twitter.com/dcjReC5I75
— ヒ☆ロポン【ウクレレ】最後の晩餐🤤 (@phil0p0n) March 31, 2022
国が行ってきた「貿易自由化を進めて食料は輸入に頼るのが『経済安全保障』かのような議論」が誤りであることがあっさり証明されてしまいました。鈴木先生は「国内の食料生産を維持することは、短期的には輸入農産物より高コストであっても、『お金を出しても食料が買えない』不測の事態のコストを考慮すれば、実は、国内生産を維持するほうが長期的なコストは低いのである。」と、理にかなった提言をされています。これを理解できないのは政府だけだろう。
「世界一過保護と誤解され、本当は世界一保護なしで踏ん張ってきた」日本の農家さんは「日本の宝」「まさに精鋭」「感謝しかない」のですが、ここで国がテコ入れをするどころか、さらに離農を促すような交付金カット政策を出しています。
時事ブログ3/26の記事で「食糧危機を逆手に取る」発想がありました。政府が国民の食を守れないのならば、頑張ってくださる農家さんを応援しながら国民自身が自分の食を守る生き方に変えるしかない。さしあたって、固定種のカボチャの種を植えてみようかしらね。