ぴょんぴょんの「免疫の女王、脾臓」 ~ジャマ物扱いされてきた司令塔

 In Deepさんの記事を読んで、脾臓のことをまったく知らないと気づきました。それで脾臓について調べてみたのですが、書いてあるのはありきたりなことばかり。松果体について調べたときに似てるな、と。
 たぶん脾臓の真実も、これまで隠されてきたのでしょう。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「免疫の女王、脾臓」 ~ジャマ物扱いされてきた司令塔

食べてすぐに走ると、左脇腹が痛くなる理由


ハアハアハア! 
くろちゃん、遅くなってごめん。

おう、待ってたぞ。

ア・・アイタタタ・・!


どした? 急にしゃがみこんで?

イタタタタ・・ここがイタイ・・。
走ってきたら、急にイタくなって。


左の脇腹?
あっ! おめえ、来る前に急いでメシ食ったろ?

あれ? どうしてわかるの?

そいつは、脾臓だ。
食ってすぐに走ると、そうなる。

ヒゾー? ヒゾーって何だっけ?

お前が今抑えてるとこの、真下にある臓器だよ。

ヒゾーなんて臓器、あったっけ?

何、アホ丸出しなこと言ってんだよ。
脾臓がなかったら、大変だぞ。

でも、なんで、ヒゾーが痛くなったんだ?

メシを食うと、脾臓に蓄えられた血液が胃袋の方に流れる。
そのために、脾臓は縮む。


へえ、脾臓って血を蓄えてるのか。

ああ、スポンジみたいに血液を溜めている。
走ることによって血液が筋肉に流れ、メシを食って縮んだ脾臓がさらに縮んだってことを、左脇腹痛で知らせてるんだよ。

なるほど、そういうことかあ。
もう痛くなくなった、ってことは脾臓が膨らんで元に戻ったんだね。
知らなかったなあ、脾臓がそんなことしてるなんて。


脾臓のしくみ


脾臓は血液を貯めるだけじゃない。
貯め込んだ血液のメンテナンスまでやってる。

ふうん、
あ、それ・・なんか似てる?

なんに似てるって?

こないだ空港で見たんだよ。
駐車場に車を置いている間に、洗車してワックスかけてくれるって広告。
それに、似てるなと思って。



なんだって? 話が飛びすぎて、ついて行けねえよ。
・・だが、似てなくもねえな。
ただ、脾臓の駐車場はもっとスゲえぞ。
駐車中の赤血球をフィルターにかけて、元気なヤツは掃除してワックスがけし、オンボロは解体して部品をリサイクルに出す。駐車中のリンパ球に関しては、今、体に必要な機能を持たせて送り出す。
どうだ、すげえだろ!

ホントだ! 空港の駐車場も顔負けだね。

実際の脾臓のしくみは、この動画を見るとよくわかる。

[26]脾臓のしくみ

このように脾臓は駐車場であり、フィルターであり、メンテ工場でもある。
脾臓がないとどうなるか?
オンボロ赤血球が全身を走り回って、事故を起こすぞ。
リンパ球もちゃんと働けねえ。


脾臓、ないと困るなあ。


医師からジャマ者扱いされてる脾臓


だが、医者はかんたんに脾臓を摘出してしまう。

なんだって?!

肝硬変・白血病・血小板減少症などで脾臓が腫れると、当たり前のように医者は脾臓を取ると言う。
「肝臓外科医は脾摘を行い、肝臓内科医は部分的脾動脈塞栓術を行い、さらに研究者は基本的に脾臓を解析しない。」(肝細胞研究会)

脾臓って、ジャマ者扱いされてるのか。

貧血がひどくなっているのに、脾臓に赤血球を破壊されては困るから。

でも、古い赤血球だけでしょ?

ただでさえ血小板が少ないのに、脾臓のヤツが壊すから。

脾臓のせいじゃないよ。

こんなにでっかく腫れたら、破裂して出血多量で危ないから。

脾臓が腫れるのは、フィルターが目詰まりしてるだけだよ。
お掃除すれば、小さくなるのに。


なあんも考えずに、医者はただ「取りましょう」と言う。
確かに、脾臓を摘出すれば、一時的にデータは改善したように見えるかもしれない。
だがそんなのは根本療法じゃねえし、後からいろいろ支障をきたすことになる。

でも、脾臓がなくなったら、血液のフィルターがなくなっちゃう。

「肝腎カナメ」の肝臓と腎臓がいるから問題ないと言う。


脾臓の存在する意味とは


でも、肝腎以外に脾臓がいることは、必ず意味があるはずだよ。

その通り!
たしかに、脾臓の存在する意味が知りたい。
だが、どんなに調べても、ほとんど教科書通りのことしかわからねえ。
ただ、この記事の実験を見ると、脾臓がムダに存在していないことがわかる。
それを理解するためには、脾臓を出入りする血管を知る必要がある。
そこで、重要なのが門脈だ。



門脈? 

ああ、門脈は、脾臓と腸からの血液を肝臓に送る重要なルートだ。
たとえば、腸からの血液とはどういうものか?

食べものから吸収されたものが入っている?

そうだ。
おれたちが食ったメシは胃から腸に送られ、細かくされて、腸の血管に吸収される。
だが、その血液には栄養だけじゃなく、細菌やゴミも混じっている。
もし、そいつが直接心臓に送られて、全身を回ったらどうなる?


大変! 全身がゴミまみれになる。

そうならないように、腸からの血液は一旦門脈に入り、肝臓に送られてゴミ分別されてから全身を回る。

そっか、腸からの血液は不純物が混じってるから、門脈から肝臓へ送られて分別される。
でも、脾臓から出る脾静脈は門脈に入って、そこから肝臓に行くよね。
脾臓からの血液にも不純物があるようには、見えないけど?

そこが、頭を抱えるポイントなんだ。
腸からの血液が門脈経由で肝臓に行く意味はわかる。
だがなんで、脾臓からの血液が、門脈ルートで肝臓に行くのか?

何か、特別なワケがありそうだね。

そこがわかれば、医者もかんたんに「脾臓を切る」なんて言えなくなるだろう。

脾臓くん、君はいったい何をしてるの?
君の存在意味はいったい何?
ご飯食べて走ったら痛くなる、ただそれだけの存在?

いやいや、脾臓は縁の下の力持ち、肝臓のお助けマン、いやファーストレディー、第一夫人だ。

肝臓の第一夫人?!

表じゃ、亭主の肝臓の活躍ばっか目立ってるが、その陰に内助の功の脾臓がいる。
脾臓のおかげで、初めて亭主が輝けるんだ。

言われてみれば、たしかに脾臓も肝臓も横隔膜の下に左右に並んでるね。
夫婦と言われれば、そう見えなくもない。


だが、脾臓の内助の功を説明するには、肝臓の「免疫寛容」について知る必要がある。

また、難しそうな話だね〜。

さっきも話したが、食ったメシは腸から吸収されて、門脈を通って肝臓へ流れる。
これらは全て「異物」なので、本来なら肝臓の中で免疫反応が起こるはずだ。
だが、毎日メシを食っても、そんなことは起こらない。

いちいち肝臓が、食べたご飯に反応したらめんどくさいよ。

そうだろ?
「このように、侵入してきた異物に対する免疫応答が強くない(非自己の物質を攻撃しにくい/共存しやすい)ことを医学の世界では『免疫寛容がある』という言葉で表現しており、肝臓は免疫寛容な臓器であるといえます。」(Medical Note)

なるほど、肝臓は「免疫寛容」の臓器なのか。
「おとなしい臓器」とも、言われるしね。


そいつは、「肝臓はがまん強いから、症状が出た時は手遅れだ」って意味だ。
「免疫寛容」は肝臓ががまんしてるワケじゃねえ。
脾臓のおかげで、異物に寛容でいられるって意味だよ。

脾臓のおかげ?

そのことを裏づける実験がここにある。
「肝線維化進展において脾臓は、腸-肝相関に対する肝臓の免疫寛容状態の維持に重要な役割を担っていることが示唆された。」
(肝細胞研究会)

難しそう。

かんたんに説明すると、肝臓の機能が落ちると、脾臓でリポカリン2 (Lcn2)というタンパクが増えるんだ。

リポカリンて、なに? 

白血球の好中球に由来するタンパクだ。
白血球って言うくらいだから、細菌の発育を阻止する。
その他、細胞の増えすぎで腫瘍ができるのを抑えたり、マクロファージの活性をコントロールしたりする。(肝細胞研究会)

2つの粒子を捕食するため、細胞体を突起状に伸長させるマクロファージ
Author:Obli[CC BY-SA]

つまり、免疫に関係があるんだね。
そんなリポカリンが、肝臓の調子が悪い時に脾臓で増えるのは、なぜ?

腸からの血液には、細菌も含まれているんだよな。
ふつうなら、免疫寛容によって、肝臓は反応しない。
だが、肝臓の調子が悪くなって、寛容じゃなくなったら?

きっと、異物と戦って、炎症が起きるよ。

それを防ぐために、脾臓がリポカリンを増やして、肝臓の免疫寛容を助けているとしたら?

なるほど、それが内助の功なのか。

そうだ。
それを証明するために、マウスの腸内を抗生物質で滅菌した。
腸内を滅菌されたマウスは、肝機能が落ちても脾臓のリポカリンは増えなかった。
(肝細胞研究会)
つまり脾臓は、腸からの血液に細菌がいたらリポカリンを増やし、細菌がいなければリポカリンを増やさない。


てことは、脾臓は腸から肝臓に入る細菌をチェックして、リポカリンを増やしてるってこと?

そうゆうこと。

すごいお利口だ、脾臓くん。
でもなんで、肝臓に細菌が入ったかがわかるんだろう?

そこは、脾臓が肝臓の第一夫人だからだよ。
たとえ離れていても、夫婦は互いのことがよくわかる。

なにそれ? いきなり、非科学的な説明になってる!

それを学術的に言うと、こうなる。
「もしかすると腸-肝-脾相関を介して脾臓が腸管から流入する様々な外来抗原に対して反応し肝臓をはじめ生体を保護する方向に働いている可能性もある。」(肝細胞研究会)

むずかしい。
やっぱ、肝臓と脾臓は夫婦の方がわかりやすい。

実は、脾臓は肝臓の第一夫人だけじゃない。
全身の免疫の司令塔、つまり免疫の女王でもある。


へえ!!
第一夫人から、いきなり女王?

In Deepさんの記事によると、「『脾臓が人間の全身の免疫応答に関係するサイトカインを支配していた』ことが初めて見出された」とある。

サイトカインてなに?

サイトカインとは、「細胞間で情報を伝える言葉」のようなもの。
(国際幹細胞普及機構)
ブラジルのアレクサンドル・シュタイナー博士は、書いている。
「脾臓が肝臓の最上位の調整役であり、脾臓は、脂質シグナルを介して、他の臓器に対して『どれだけの腫瘍壊死因子を作るか』指示している」。「脾臓から肝臓への信号が全身性炎症を制御している」。
(In Deep)

脾臓が、他の臓器に指示している?

つまり、体がどのように免疫応答するかを決めるのは、脾臓だと言ってるのよ。
なのに、なのにだよ。
新型コロナワクチンの接種 48時間後にmRNAの分布を調べたら、一番多かったのは肝臓、その次が脾臓だってよ。(In Deep)

オイオイ、なんてこった!!
「免疫応答の司令塔」脾臓や肝臓に、ワクチンmRNAがいっぱいだと?!

しかも、ナノ脂質で保護されたmRNAは安定性が高く、ほぼ永久に体内にとどまる。
そこで、考えられるのは逆転写だ。
ふつうの転写DNA→RNAの反対、RNA→DNAを逆転写と言うが、肝臓と脾臓がこの逆転写の場になる可能性が高い。

(In Deep)

免疫の司令塔であり赤血球の駐車場である脾臓で、DNAが書き換えるとしたら、体はいったいどうなるの??


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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