ぴょんぴょんの「日本人コワい」 ~世間体、村社会、思考停止の日本人はいつ目覚める?

外国を旅行して、帰りの飛行機に乗ると息苦しく感じるという人がいた。
また、相手が外国人だと素のままで接することができるのに、
日本人が相手だと気を使うという人もいた。
自分の住む国なのに、いつまで経っても日本に馴染めないという人もいた。
個人よりも世間体を優先する日本。
そういう日本の抱える問題が、今、あぶり出されているような気がする。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「日本人コワい」 ~世間体、村社会、思考停止の日本人はいつ目覚める?

今でも村八分が発生する南馬宿村


くろちゃん、おもしろい村があるよ。

ムラ?

村にしちゃりっぱなホームページでしょ。
ここに、こう書いてある。



南馬宿村では今でも毎月数件の村八分が発生しています。南馬宿村に住む以上は濃密な人間関係を避けることは絶対にできません。南馬宿村は表向きには移住大歓迎ですが、住めば地獄にならないよう注意が必要です。」

みなみ・ばしゅくむら?

ううん、みなみ・うまやどむら、だよ。

うまやど? イエス・キリストの生まれた所だな。
「うまやどの皇子」と言えば、聖徳太子。聖徳太子は原始キリスト教徒だったからそう呼ばれたと、たしか映像配信で習ったような。
となるとその村は、隠れキリシタンの村かいな?


なるほど、毎月数件の村八分があるというのも、キリシタン部落だから排他的なのかな。

だが、村八分とか、ふつう隠したいだろ。
それをウリにするとは、ずいぶん大胆な村だな。


日本には地方公共団体に含まれない7つの村があって、そのうちロシアに支配されている6つの村を除いた、残りの1つがこの南馬宿村なんだって。
平成11年4月、「地方交付税交付金が突然打ち切られ・・・日本政府に忘れられた唯一の自治体であるとと共に、どの都道府県にも属さない悲劇の村です。」(南馬宿村)

そんな村が、日本に存在しているとは驚きだな。

なんでもこの村の経済は、おカネじゃなくて、自給自足の物々交換で回ってるそうだよ。

なんだって?! 日本の未来を先取りしてるじゃねえか。

それに、病院も薬局もないから、自分の健康は自分で責任を持たなきゃいけない。

おそらく、村民はみんな元気でピンピンコロリだぜ。

だけど、驚いたのは、オバマ大統領がこの村に来たこと。
「平成29年1月、オバマ大統領、南馬宿村をお忍びで訪問」。(南馬宿村)

ハア? そんな村に、いったい何しに来たんだ?

なんでも、極秘で迎撃ミサイルシステム配備の打診に来たみたいだよ。
(南馬宿村)

はあ? おかしいな・・・アメリカがそんなことするか? 
オバマが行くか、そんな僻地に?
・・・って、おい、ここを見ろよ。
「平成7年1月、寂村5(寂村ファイブ)に認定される。」
(南馬宿村)

それは、過疎の村だから寂村に選ばれたんだよ。

ハッハッハ! 気づかねえか?!!
寂村、じゃくそん・・。

あ! ジャクソン・ファイブ?!
うわ〜ん、これ、ニセのホームページだったの??
だまされた〜!


Wikimedia_Commons[Public Domain]


それにしても、よくできてるな。
作ったヤツはすげえなあ、パッと見には本物にしか見えねえ。

もしかして、この人?
ホームページに紹介されている、「田舎暮ら死」という本の著者の「元南馬宿村住人」?
「A氏は移住した田舎、南馬宿村に10年間住み続けた。地獄のような、いや、地獄以上に過酷な10年間を過ごしたA氏は、とある事件をきっかけに村八分にされ、命からがら村を脱出。A氏はこれ以上自分と同じような被害者が増え無いよう、1冊の本を出版。」(南馬宿村)

地獄のような、いや、地獄以上に過酷な10年間?

だけど、なんのために、こんな手のこったことを?

自分が体験した村八分をパロって、田舎暮らしに理想を抱くヤツらに警告したかったんじゃね?

はあ、ヤラれたね。
たしかにこれを読んだ時、なんかおかしいとは思ったんだよ。
「南馬宿村役場 日本政府に忘れられた唯一の村、南馬宿村。良く言えば自然豊かな環境で人間味溢れる村人たち。悪く言えば江戸時代以下の文明レベルと感情をむき出しにする村民。そんな村八分に移住しませんか? 」(南馬宿村)

こいつ、きっと、ねじれだな。



「不可解な国」日本の源は「世間」にある


でも、今でも村八分なんてあるのかな。


ああ、時々ニュースにもなってるし、狭い島国日本ならあるあるだな。

たしかに、日本て息苦しいよね。
うっかり本音を言うと大変なことになったり。


だが、日本がうらやましいというイタリア人もいるぞ。
ロックダウンのイライラを、遠慮なくぶつけてくるイタリア人を相手にするのに疲れて、
「ふと日本の“世間体”を意識しながら主張を抑えて生きる人たちを思い出してしまう」と。(現代ビジネス)。

うう〜ん、どっちもどっちかなあ。
イタリア人と日本人、足して2で割ればちょうどいいような。
でも、「世間体」を気にするのがうらやましいって言うけど、「世間体」のために命を絶つ人だっているんだよ。コロナの陽性反応が出て「周りに迷惑をかけた」と、自ら命を絶った女性がいたって。(現代ビジネス)

そいつは行きすぎだろ。

だけど、ぼくも含めて日本人が「世間体」を気にするのは、なぜだろう?
そもそも「世間」って、なんだろう?

う〜ん、難しいなあ。
参考になるかわからんが、ここに、2004年のイラクでの日本人人質事件を考察した「『世間」共同体の『村八分構造』の発動と共同体の『危機』の顕在化」という論文がある。

なんか、題名だけでも難しそうだけど、人質事件なんてあったっけ?

ほら、イラクに自衛隊を派遣したころ、外務省の避難勧告にもかかわらず、イラクに留まって人質になった日本人が数名、いただろ。


そう言えば、騒がれてたね。

日本では彼らへのバッシングがひどかったが、海外からは、危険な地域に出向いて真実を伝えようとした彼らをバッシングする日本は「不可解な国」と言われたらしい。

たしかに、言われてみればそうかも、
だけど、なんであの時、あんなにバッシングが起こったんだろう?

それがこの論文のテーマだよ。
「不可解な国」日本の源は、「世間」にあると著者は言うんだ。

「世間」?

実は、この時の激しい人質バッシングは、イラクへの自衛隊派兵から国民の目を反らすために、当時の小泉政権がメディアを使って「世間」を煽ったものだったんだ。
その証拠に、人質事件の前は自衛隊派兵へ反対の声が多かったが、事件後には賛成が増えたと言う。



へええ、その頃から政府は、メディアを使って「世間」を操っていたのか。

そうだ、日本の「世間」はこのように、非常に操られやすい。
ところで、「世間」の対語は何か知ってるか?

「個人」?

ピンポン!
日本では「世間」が幅をきかせていて、「個人」は存在しないと著者は言う。

「個人」は存在しない? やっぱりって感じかな。

「日本の個人は世間向きの顔や発言と自分の内面の想いを区別してふるまい、そのような関係の中で個人の外面と内面の双方が形成されているのである。」(学校を変えよう)

だから、日本人は複雑なんだね。
世間向きと内面がちがうのは、政治家だけだと思ってたけど。

多くの日本人も、政治家並みにウソつきだってことかもな。
たとえば、ホントはコロナワクチンを打ちたくないけど、打たないと世間がうるさいからワクチンを打つ。

「世間」を前にして、自分を偽ってるよね。
でも、そういう人は多いと思う。


しかし、こうゆうことを続けたらどうなる?
いつかホントの自分がわからなくなって、「世間体」が取って変わるかも?

コワイよ!! 
日本人は、ホントの自分をどこに置き忘れてきたんだ?! 

そう、それ!!
まさに、「日本人が怖い」という動画がある。

日本人が怖い

この人、31歳だけどしっかりしてるなあ。

「ぼくは最近日本人がコワイんですよね、ほんとにちゃんと頭ついてんのかなって思うんですよ。」(1:13) 「日本人がマジでコワイんですよね、恐ろしいんですよ。狂気の中にいると言うか、思考停止している?」(4:00) 「ぼくはホントにコワイですね、日本人の精神性っていうのが。こんなに未熟だったのかなってこと。」(6:06) 

はあ〜 反論できない、どころかまったく同意するしかない。

「おかしいことをおかしいと言わなかったり、正しいことを正しいと評価しない、そんな社会が人間たちが、発展していくワケがないだろうと、崩壊していくに決まっていると、事実、崩壊していってるんだけど。」(17:35) 

はあ〜 ため息しか出ないよ。

本当にコワイのは、自分の頭で考えずに「世間」に流される連中は、政府にうまいこと利用されやすいということだ。
その「世間」とは何か?
さっきのイラク人質事件の論文によると、「世間」とは、お上に逆らえない「タテ社会」と、相互扶助と相互監視の「ヨコ社会」の両方が存在する社会だと。
(学校を変えよう)

タテ糸とヨコ糸でがんじがらめなのが「世間」かあ。

実は、かつて日本を戦争に向かわせた元が、この「世間」だと著者は言う。

Author:Tompot&Flanker[CC BY-SA]

へえ?! 

「このかなり昔からあった『世間』という共同体を再組織し、その論理に『君への忠』という『封建道徳』を結合することによって『国家への忠誠』という『愛国心』を生み出し、国民国家としての日本の統合を成し遂げたものが、あの教育勅語であったことだ。」(学校を変えよう)

まずい、それはひじょうーにまずい!
でも、そうゆうのは、敗戦によって消えたんじゃ?

いやいや敗戦後、「世間」は「会社」「労働組合」「農協」という形になって生き続け、国家とタッグを組みながら、日本の経済を成長させてきたと。

日本が発展したのも、「世間」のおかげ?

だから、日本人は「世間に迷惑をかける」ことを最も恐れる。
イラク人質事件で、人質や家族は「国に迷惑をかけた」として「世間」から「村八分」攻撃にあったが、国が、彼らを村八分にしろと言ったわけじゃない。メディアに扇動された民衆が、自主的に彼らを吊し上げたんだ。


「世間」によって動かされる民衆は恐ろしい! 
それじゃまるで、南馬宿村の村八分だ。

だが、そのメディアを扇動したのは政府だ。
人質バッシングが功を奏し、賛否両論だったイラクへの自衛隊派遣は賛成が増え、いつしか自衛隊派兵反対派へのバッシングに代わり、今度は反対派を「村八分」にする方向に移って行った。


Author:Rikujojieitai Boueisho[CC BY-SA]

なるほど、政府はいつもそうやって、都合のいいように動かせるんだね。

なぜなら、「個人」を持たずに「世間体」で動かされる国民は、コントロールしやすいからな。

まずいなあ、今のままだと、かんたんにコントロールされちゃうよ。

ああ、コロナワクチンをホイホイ打って、ウクライナを支援する日本人なら、なんとでもできるってことが証明されたようなもんだ。
憲法改正だって緊急事態条項だって、チョチョイのちょい、あっと言う間に「ハイル・ヒットラー」にこぎつけそうだ。

うわ、いやだよ〜!!
でもぼく自身、回りと同じにしないといけない感覚に縛られてるから、「世間体」に振り回されないように気をつけないと。

おれもできるだけ、自分の本音に忠実に話し、行動したいと思うよ。
だから、世間と相容れないこともあるかもしれない。
となると、今は親切にしてくれる近所も、いつかガラッと変わって、おれも村八分になるかもしれねえ。

そのときは、南馬宿村の「村八分にされてしまったら」が参考になると思うよ。

なんだ? 
南馬宿村じゃ、村八分に合うと「家にバキュームカー横付けの上、汚物逆噴射」または「バキュームカーに吸い込まれる」だと?(南馬宿村) 
さすがにここはそこまでやらんだろう、とちょっと安心した。



Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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