まみむのメモ(53)〈休耕田で稲作準備〉

田んぼのミゾカクシ

 何年ぶりでしょう?稲作に挑戦できる田んぼを借りることができました。これまで失敗続きで、自給自足できていなかったのですが、いよいよ世の中の雲行きもおかしくなってきて、自給体制の必要を感じるようになってきています。果たしてこれまでの失敗体験を生かして、成功できるのでしょうか?
(まみむ)
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まみむのメモ(53)〈休耕田で稲作準備〉
今春同じ町内に引っ越して来られた知り合いの家の周りにある田んぼを、新しく借りることができることになりました。この田より上には人家も田もなく、地域の一番奥まった場所で、きれいな谷川と山に囲まれ、全体に動物避けの柵が施されています。

動物避けの柵の外の山道


田んぼは全部で5反(たん)あります。※1反は正方形にすると31.5m×31.5mの面積(300坪)。日当たりの良い3反と、あとは山際と谷川横の日陰気味の田と竹が侵食してきている田でした。

日当たりの良い田


この田んぼの持ち主は他の人から譲ってもらって、ご自分では稲作をされたことがないようですが、毎年1回、近所の人にお願いされて田を耕して維持管理してこられています。補助金が出ていて、稲以外の畑作には使えないとか。

5反全部作るのは無理で、1反選ぶのですが、一番下にある車道に近い田んぼには、イノシシが入って、掘り起こしています。頻繁に来ているようで、上の田の辺りまで入り込んで、あちらこちら掘り起こしています。

イノシシが入った田


日当たりが良くて、イノシシが入っていない田んぼの2反のうち、上側の田んぼは水が少し溜まっている状態で、湿地性の草が生えています。夏に機械で耕したタイヤの跡が泥濘(ぬかる)んだ土に大きく窪みを作っていました。

田んぼの中の水たまり


不耕起で田植えをする場合、そのままだと窪みに植えた苗は水の中に隠れてしまいます。水保ちが良い田んぼなのですが、稲と競合する稗などがたくさん生えています。

上側の田の稗



下側の田んぼを選びました。

選んだ田


まずは水の取り入れ口をさがします。地主さんと地域の方に尋ねてもどこから水を入れていたのか知らないという話でした。細いU字溝の水路には少量ですが常に水が流れています。その水路のどこかに横穴があって、田んぼに水を入れられるはず、とさがしたのですが見つかりません。

仕方ないので、水路を堰き止めて水かさを上げてオーバーフローさせて、雨どいのようなもので通路に水路をつけようかと考えて、石を入れると上手く水かさが増えましたがオーバーフローするところまではいきません。それでもっと高く堰き止められる波板のようなものはないかと倉庫を探すと、水取りに使われていたホースが見つかりました。なるほどホースという方法があったのかと、早速水路に入れて勾配を利用して田んぼに水を入れることが出来るようになりました。

水路からホースで取水

ホースから水が!!

排水口も見つけることができ、多少土をかき出しましたが、良好な状態でした。

排水口


これで、取水、排水、日当たりの基本的な条件は整いました。あとは周囲に溝を掘って泥を練って水保ちを良くすることと、イノシシ対策です。

ここの田んぼは石垣ではなく、分厚い土手で、機械が通れる通路も草地で、土地に余裕のある作りになっています。土手には昔から田植えが済んだ初夏に大豆や小豆を蒔くとよくできると聞きます。合わせて、時期は少し遅いのですが、畑で増えているイチゴの苗や、自家採種したニラや菜の花、ケールなどの種を蒔いておこうと思います。

通路と土手


よく田の畦には彼岸花が植えられています。毒がある球根のおかげで、モグラが穴を掘らないのと、毒は水溶性なので何度も水に晒して毒抜きができ、救荒食物にもなっていたそうです。(注:同じ球根植物の水仙の毒は水溶性ではありません。)東城百合子さんの「家庭でできる自然療法」(あなたと健康社/発行)では、腹膜炎の腹水を取るために、彼岸花をすりおろして足の裏全体に貼る療法が紹介されています。

畦の彼岸花


ニラが彼岸花のようにモグラ対策とイノシシにも多少は効果があればと思います。草刈りをしてもすぐに伸びて、春と秋にいただけて、食用としてもありがたいです。

ニラの新芽


春までには水を張って、下方の田の人と水の取り合いを避けたいと思いますが、別にため池があるそうで、1軒だけがここの水路の水を使われているようだということでした。

そういえば、「下の方の田にはイノシシが入らなくて、どうしてこの田んぼだけに入るのかなぁ?」ときかれて、「薬使ってるから微生物やら生き物がおらんのよ。ミミズがおらんけぇ食べるものがないけぇ・・・」と無意識に答えていました。

休耕田には長く水が張られていなくて、ミミズが増えたのでしょうけれど、除草剤や化学肥料、農薬で生き物がいない田んぼがほとんどです。

通路脇のフユノハナワラビ


子供の頃にわくわくした、生き物がたくさんいるあの頃の田んぼを再現することが、果たしてできるのでしょうか?

ちなみにイノシシは実った稲を泥田に踏み倒して食べます。実りの秋までにはやはり柵が必要かなと思います。猿や鹿は出ないのですが、熊が出て近所の柿を食べたそうです。熊がお米を食べたという話は聞いたことありませんが・・・。大好きな動物たちとも上手く付き合っていけたらいいですね。

柿の実



Writer

まみむ

以前「地球の鼓動・野草便り」を書かせていただき、現在「食べられる野草図鑑」連載中です。
まぁは、普通のことを普通に話しているだけなのですが、普通かどうかは基準が人それぞれですね。この頃、特に関心があるのは、これからの地球の自然と人間の関わり方。
みぃは、時々神様のお話や植物たちのお話をしてくれます。とにかくこれから良くなっていくことを信じて、ガヤトリー・マントラを日々唱えています。
むぅは、以前から知っていたのですが、最近やっと会いました。あまりおしゃべりではないけど、とってもピュアな感じ。神の存在に対する認識がこの頃できてきて、自分の良心にしたがって生きることの大切さを感じています。


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