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まみむのメモ(52)〈食べられる野草図鑑〉(番外編)バラ類・バラ科植物
~ 目次 ~
アカメガシワ(赤芽柏)
時期 | 春〜初夏に新芽を出し、花期は夏〜秋頃。結実は9〜11月頃。 |
場所・環境 | 日本の本州の岩手・秋田県以南、四国、九州、沖縄、国外のアジアでは台湾、中国の南部に分布する。日本では二次林に多く、山野、平地、川の土手に自生し、山野の林縁など明るいところによく生えている、典型的なパイオニア植物である。暖帯から亜熱帯産の植物であるため寒さに弱く、日当たりを好み生長が早い。古来は熱帯性植物であり、落葉性を身につけることで温帯への進出を果たしたものと見られる。 |
花 | 雌雄異株。枝先に長さ7〜20cmの円錐花序をだす。花には花弁はない。雄花は苞(芽や蕾を包み保護する小葉)のわきに数個ずつつき、萼は淡黄色で3〜4裂する。雄しべは多数あり、花糸は長さ約3mm。雌花は苞のわきに1個ずつつき、萼は2〜3裂する。子房は刺状の突起があり、紅色の星状毛と白い腺点に覆われる。花柱は3〜4個で、乳頭状突起が密生する。乳頭状突起ははじめ紅色で、成熟すると黄色になる。 |
葉 | 春先の新葉は赤く美しいが、成葉になると赤みはとれてくる。 葉は互生。葉身は長さ7〜20cm、幅5〜14cmの卵形または広卵形。ふちは全縁または波打ち、ときに浅く3裂する。両面に星状毛があり、裏面には黄褐色の小さな腺点が密にある。葉身の基部には腺体が2個ある。葉柄は長さ5〜20cm、紅色を帯びる。新葉は紅色で、星状毛に覆われているが、しだいに落ちて少なくなる。 |
実 | 果実はさく果。直径約8mmの扁球形で、刺状突起が密生し、9〜11月に褐色に熟す。熟すと3〜4裂し、3〜4個の種子をだす。種子は直径約4mmの扁球形で黒色。種子は高温にさらされると発芽しやすくなり、伐採や森林火災により森林が破壊されると一気に繁殖する。 |
根 | 木の根は生命力が強く、シュート(維管束植物の地上部)を生じて繁殖する。 |
見分けるポイント | 春に出る若葉は、鮮やかな紅色をしており美しい。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 雌雄異株の落葉高木で、樹高は5 - 10メートル (m) に達する。 |
学名 | Mallotus japonicus |
科名・属名 | (バラ類)・トウダイグサ科・アカメガシワ属 |
採取方法 | 春の若葉。夏に葉または樹皮を採取して、日干しに。樹皮は6月~7月に採取しやすく日干しにして乾燥する。 冬季の採取は、アレルギー症状を起こすことがあるので注意が必要。 |
あく抜き | 和え物などには下茹でする。 |
調理法 | 若葉の天ぷら。新芽をさっと茹でて細かく刻み、酒、醤油、みりんなどを混ぜ込んで炊き込みご飯に。夏の葉や樹皮をお茶に。 |
他の利用方法 | 材は軟らかく、床柱・下駄・薪炭に用いる。浴用、染料、洗髪用。 |
効能 | 赤い芽や新葉を乾燥させて煎じた汁を飲むと胃ガンや胃潰瘍によく効くといわれ、生薬としても用いられている。葉にはゲラニイン、マロツシン酸、マロチン酸、種子には強心配糖体のコロトキシゲニン、マロゲニン、コログラウシゲニン、およびパノゲニンなどの配糖体を含む。そのため、昔からアカメガシワの葉は主に腫れ物や痔などの治療薬として広く利用されていた。 また、アカメガシワの樹皮には、ポリフェノールの一種であるベルゲニン、ルチン、タンニンが含まれており、胃酸過多、そして胃潰瘍の改善、胃液分泌の抑制、肝臓保護作用などが示され、すぐれた整腸作用、また近年患者数が増加している過敏性腸症候群に対しても有効であると注目されている。さらに果皮には抗発ガンプロモーター(抗発ガン促進)作用、抗ウイルス作用、そして抗マクロファージ(白血球)を持つ成分が含まれている。 アカメガシワに含まれるベルゲニンは腸の筋肉に直接作用し、ぜん動運動を正常な運動状態に近づけることで、腸の異常な運動による軟便や便秘などの便通異常を整える。さらに、アカメガシワには、ぜん動運動を整える作用に加え便秘傾向にある成人女性だけでなく下痢または便秘下痢交替症のある人の排便回数や排便量を整える作用がみとめられている。この便秘や下痢、または便秘下痢交替症のそれぞれを改善する作用は非常に注目すべき効果。またアカメガシワ樹皮から抽出されたエキスには腸のぜん動運動を促す作用以外に胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腸疾患などにも効果的であるといわれている。 アカメガシワには、ベルゲニンやタンニン、フラボノイドなどの成分が含まれているため、胃腸の過度の緊張を抑えて胃粘膜を保護し、胃の炎症を鎮める働きがあるといわれている。樹皮に含まれるベルゲニンには抗腫瘍作用をはじめ、プロスタグランジン(細菌進入時につくられるホルモン様物質)産生の増加により胃粘膜を保護する効果がある。ベルゲニンは、胃液分泌抑制作用が認められ、胃内酸度を正常にして消化機能を活性化する作用や、胃粘膜の抵抗力を高めることで胃潰瘍を予防する作用があるといわれている。 痔、腫れ物の特効薬として、葉(多量が良い)を煎じて服用、または葉、樹皮の黒焼き粉末2〜3gを酒または水で服用するとともに、患部に葉の粉末を塗布(濃煎液で湿布してもよい)すれば、痔、るいれき(頸部リンパ腺炎)、腫れ物に効果がある。非常によく効く。 葉をつき砕いて貼ると種々の腫物、乳腺炎、痔、湿疹、あせも、かぶれ、かゆみ止めに効果がある。また乾燥葉を煎じて服用するか、煎液で患部を洗うか、浴湯料としてもよい。自然塩を少々加えるとさらに効果が増加する。煎液で髪を洗うことで頭部の各種疾患を治し、髪のつやもとりもどせる。 胃潰瘍、胆石、肝炎などに、樹皮3〜10g、または茎葉を多量に煎じて服用すれば胃酸過多症、胃カタル、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腸炎、胆石、肝炎、神経痛、リウマチに効果がある。各種の癌腫にもよいといわれている。ただし、ストレス潰瘍やストレスによって起こる各種疾患には効果がないことが判明した。 |
その他 | 名前の由来は、見た目には、柏の葉に似ていないが、その昔この葉に食物をのせて神前に供えたり、だんごを包んで蒸したりしたところから、その利用法が柏の葉に似ているということで、赤芽柏(アカメガシワ)の名がついた。別名ゴサイバ、サイモリバ、アカベアメコサイバ、ショウグンボク等で呼ばれれることがある。 |
参照サイト・文献 |
ウィキペディア イー薬草・ドット・コム 松江の花図鑑 わかさの秘密 |
関連記事 | [第12回] 地球の鼓動・野草便り 自然の優しさ野草で健康茶 |
ノバラ(野薔薇)ノイバラ(野茨)
時期 | 4月頃新芽を出し、花期は5〜6月、9〜11月偽果が赤く熟す。 |
場所・環境 | 沖縄以外の日本各地の山野に多く自生し、日本の北海道から九州まで、国外では朝鮮半島に分布する。 山地の林縁、原野、野原、草原、道端、河岸に自生し、日当たりのよい山野のヤブや河川敷など、攪乱(かくらん)の多い場所によく生え、刈り込まれてもよく萌芽する、雑草的な性格が強い。 |
花 | 円錐花序で、枝の端に白色の花を房状に多数つける。個々の花は径25 - 30ミリメートル (mm) 程度、白色の若干乱れた形の5弁花で野趣があり、花びらは先端が浅いハート形の凹んだ丸形で、やさしい芳香がある。雄しべは黄色く多数つき、雌しべは合着して1本になった花柱が花の中央に立つ。 |
葉 | 樹皮は灰褐色や黒紫色、若い枝は緑色か紅紫色。托葉の基部に、対になった鋭い刺がある。葉はバラ科に特徴的な奇数羽状複葉で互生し、小葉が2 - 4対、5 - 9枚つき、全体の長さは10センチメートル (cm) ほどになる。小葉は、長さ2 - 5 cmほどの楕円形・長楕円卵形・卵形で、頂小葉は側小葉よりもやや大きい。葉縁には細かい鋸歯があり、葉身は薄くて軟らかくしわがあり、表面は光沢がなく無毛、裏面は軟毛が密生する。小葉がついている葉軸には、軟毛と小さなとげがある。葉柄の基部には櫛形の托葉がつき、葉柄に合着していて縁に細かい切れ込みがある。 |
実 | 球形で固い果実(偽果=子房以外の要素由来の果実)が結実し、赤く熟して目立つ。偽実は萼筒が肥大したもので、直径6 - 10 mmの球形で、先端には萼片が残る。果皮は薄くて堅くつやがあり、その中に5 - 12個の痩果が入っている。落葉後も冬まで果実は残っているが、やがて黒く変色する。 |
根 | 実生(種から育つ)の場合、木質の直根がよく伸びて、側根も発達する。 枝先が地面に着いたところからも発根し、繁殖力旺盛。 |
見分けるポイント | 葉の表面に光沢があり、地面を平伏するようにのびるものを、テリハノイバラとして区別している。テリハノイバラは、海岸の砂地や山野の崖によく見られるが、花はノイバラより遅く6月ころに咲き、ノイバラより多少大きめの楕円形紅色の偽果をつける。テリハノイバラ(関東以西の海岸砂地)、ヤマテリハノイバラ(関東・東海地方)、フジイバラ(富士・箱根以西)、ツクシイバラ(九州地方)などの偽果も同様に薬用とする。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | つる性落葉の低木。日本を代表する野生のバラで、高さは1 - 3メートル (m) ぐらいになる。茎は半つる性で、細く長く伸び、直立または半直立でよく枝分かれして、茂みとなって繁茂する。ふつう枝には鋭いとげがあって、時にとげのないものもある。高さ2 mほどに伸びて斜めに立ち上がるようになると、茎はしなだれるようになり、他の木にとげを引っかけて持たれるようにして伸びていく。とげは表皮が変形したもので、葉腋の下に1対つき、赤褐色で下向きに歪曲している。 |
学名 | Rosa multiflora(multiflora の由来は、白い花を房状に沢山つけるところから、ラテン語で「花が多い」を意味する。) |
科名・属名 | バラ科・バラ属 |
採取方法 | 果実は落葉し始める10月ごろに採取した、青味が多少残り完全に紅熟しない半熟のものが良品とされ、天日干しで乾燥して仕上げる。 |
あく抜き | なし |
調理法 | ノイバラ酒:生の果実を1キログラム、ホワイトリカー1.8リットル、グラニュー糖250グラム、ハチミツ200グラム、レモン5個を3ヶ月以上熟成してから、布でこして利尿、腎臓病、解毒、解熱、便秘などに、1日盃1~2杯を飲用。また、生の花100グラムにホワイトリカー1リットルを、3ヶ月冷暗所に熟成し、布でこしてから飲用。 葉にはほとんど灰汁がなく、乾燥しやすい。天ぷら、スープの浮き実等に。 |
他の利用方法 | 各種バラの品種改良に使われ、園芸品種に房咲き性をもたらした基本原種である。園芸用バラ類の接ぎ木の台木に使われ、台木として重要である。挿し木したものよりも、実生のほうがよい台木になるといわれている。 花は芳香があり蒸留して香水の原料にするほか、 花材としても使われ、実もリースなどに使われる。 |
効能 | 果実(偽果)には、マルチフロリン、クエルセチン・ラムノグルコシドなどのフラボノイド(フラボン配糖体)と、リコピンを含んでいる。 マルチフロチンは少量摂取しても緩下作用があるといわれている。また、利尿作用もあるといわれている。 果実は営実(えいじつ)と称し、瀉下薬、利尿薬になり、日本薬局方にも記載され、漢方薬として用いる。営実とは、赤い星(火星)の意に由来する。 民間療法では、便秘に営実1日量2〜10グラムを水400〜600 ㏄で煎じて、3回に分けて服用する用法が知られている。ただし、腹痛や激しい下痢を引き起こすこともあり、用量には注意が必要となるので、はじめは少量から始め、効果を見ながら増量する。腎臓や脚気の浮腫には、1日量3〜5グラムを水300 ccで煎じて、2〜3回に分けて分服する用法が知られる。 ノイバラは、非常に作用が激しく、多量の使用と、子供に使用することは避ける。 エイジツエキスは、おでき、にきび、腫れ物に効果があるといわれていて、化粧品成分に利用されている。皮膚の保護作用、収れん作用、抗酸化性、美白性、保湿性、皮膚細胞の活性効果を持つ。民間療法では消炎作用を利用して、にきび、腫れ物に前記の煎液を冷ましてから使い、患部を洗ったり、ガーゼなどの布に含ませて冷湿布するのがよいとされる。 |
その他 | ハーブ用ローズヒップの栽培・収穫に用いられるバラは、ヨーロッパ原産のイヌバラ(ドッグローズ)、茨城県・鳥取県から北海道までの海岸に自生するハマナスが代表的。 ローズヒップは、「ビタミンCの爆弾」と呼ばれる程ビタミンCを豊富に含んでおり、その量はレモンの約20倍にも及ぶ。ローズヒップに含まれているビタミンCは、バイオフラボノイドを20%含んだ天然のビタミンC。バイオフラボノイドとは、ビタミンPとも呼ばれているフラボノイドの一種で、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチンなどの成分もバイオフラボノイドに属す。本来は熱に弱い性質を持つビタミンCだが、バイオフラボノイドにはビタミンCを壊れにくくする作用があるため、ローズヒップのバイオフラボノイドを含んだビタミンCは酸化されにくく、熱に強い性質を持ち、体内でより効率的に吸収される。 また、ローズヒップには、赤色のカロテノイドであるリコピン、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンEなどのビタミン類、ミネラル類などを豊富に含んでいるほか、炎症促進酵素シクロオキシゲナーゼの働きをやわらげる作用が知られており、抗炎症効果も期待されている。 さらに、ローズヒップの種子にはポリフェノールの一種であるティリロサイドが含まれている。ティリロサイドには、ミトコンドリア内で脂肪燃焼を促進する作用があることが確認されているため、ローズヒップの摂取によって、脂肪の燃焼効果が期待できる。 |
参照サイト・文献 |
ウィキペディア イー薬草・ドット・コム 松江の花図鑑 Food for Well-being -かわしま屋のWebメディア- わかさの秘密 |
関連記事 | なし |
すると、同じバラ類・トウダイグサ科という植物にアカメガシワがありました。しかも薬効が素晴らしく、癌腫などにも効果があるようなのです。元々は南方系の植物で、落葉性を身につけることで生き残ってきたといいます。我が家の庭や畑などにも鳥が盛んに種を食べて糞をするようで、あちらこちらに芽を出していて、成長がとても早く、生命力の強さを感じます。その分やっかいもの扱いされてきたかもしれませんが、何となく抜かずに放置していて、4〜5年もすると4〜5m近くまで成長しています。
竹下先生がバラ科植物の種子に含まれるアミグダリンが癌やコロナウィルス、コロナワクチンの副作用にも有効と紹介してくださって以来、バラ科植物に注目するようになりました。(もちろんそれまで捨てていたリンゴの種も食べるようになりました。ビワの種は以前から焼酎漬けにしていましたが、残った種もいただくようにしています。)
バラ科植物そのものの野ばら(ノイバラ)が今年とても沢山実をつけています。食べると少し甘みがあります。いわゆるローズヒップの仲間ですが、生でいただくと意外と大きな種がつまっています。こちらは食べ過ぎると緩下作用が強いです。毎日5〜10粒いただいて、5日目に強烈に効いてきました。それで食べるのを止めると、すぐに治まって、腸の掃除ができたのか、その後ちょうしがいいようです。そういえば初めて1粒食べた瞬間に気が通った感じがして、5粒食べて元気が出たと感じたのですが、気のせいかもですが・・・?
食べられる野草図鑑(49)のキンミズヒキもバラ科で、キンミズヒキのエキスががん細胞だけを死滅させ、正常細胞は異常がなかったという記述が印象に残っていましたので、ブラッシュウッドツリー(フォンテニア・ピクロスペルマ)の実の種で癌が死滅するという記事を読んですぐに思い出しました。アカメガシワは樹木ですが、キンミズヒキのような野草にもバラ科の植物があり、調べると、ヘビイチゴ、野いちご系がバラ科でした。ヘビイチゴは毒ではなく、おいしくないだけで食べることができて、薬効もあります。
ということでバラ類・バラ科植物に注目してみました。