ぴょんぴょんの「フェンタニル狂想曲」 ~中国のフェンタニル前駆物質が、メキシコの麻薬カルテルで製品化され、アメリカに密輸されている

 フィラデルフィアのケンジントン・ストリートは、合成のアヘン系麻薬フェンタニルの中毒者のたまり場として有名で、あちこちで前かがみに佇むゾンビが目撃されています。
 2023/08/23時事ブログには、「 “米国におけるフェンタニルの輸入元は大半が中国だ。…専門家は、悪質なフェンタニルの蔓延(まんえん)は、米国に向けられた『アヘン戦争』であると表現する。フェンタニルは死に至る高い中毒性により、軍事目的の化学兵器とみなされている”」とあります。
 しかし、ゾンビに成り果てた哀れな国民を見捨て、他国からの移民を優先するアメリカは、国として存続することを捨てたとしか思えません。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「フェンタニル狂想曲」 ~中国のフェンタニル前駆物質が、メキシコの麻薬カルテルで製品化され、アメリカに密輸されている

ゾンビタウンと化しているアメリカの大都市


アメリカが大変なことになってるよー!


なんじゃ、こりゃ? ストリート・パフォーマンスか?

これは、ペンシルベニア州フィラデルフィアのケンジントン・ストリートの動画なんだけど、ここは昔から、ヘロイン中毒者が集まるので有名な場所だったけど、今はヘロインじゃなくて、フェンタニル中毒者のたまり場になっているんだ。

これじゃ、まるでゾンビじゃねえか。


治安も最悪で、白昼堂々と銃の乱射事件が起きているらしいよ。現地に行った人の話では、奇声とサイレンが混ざりあうカオスだって。

だが、フィラデルフィアと言えば、1776年に 独立宣言が採択されて、アメリカが誕生した場所だろ? たしか、ワシントンが首都になるまでは、一時的にアメリカの首都だったはずだ。(Wiki

ひえー! アメリカ誕生の地が、今やゾンビタウンと化している? たしかにここは、崩壊しつつあるアメリカを象徴しているよね。でも、ここだけじゃないんだ。アメリカの大都市にはゾンビエリアがいくつもあってね、カリフォルニア州サンフランシスコの「テンダーロイン地区」も、そのひとつ。

テンダーロイン地区


なんか、ステーキみてえなうまそうな地名だな。

サンフランシスコって、お金持ちが住むきれいな街だと思ってたら、こんな場所もあるんだよ。「急に前屈みになったまま、小刻みに揺れている人の姿が目に入った。隣には道にうつ伏せになって全く動かなくなる人もいた。これが『ゾンビ化』した薬物中毒者の状態のようだ。交差点やスーパーの前でも、立ったまま動かなくなっている男性の姿。その付近には使用済みとみられる注射器が落ちているのを見つけた。」(FNN

はあ~ かつては、「霧のサンフランシスコ」と歌われた場所も、今やオワコンか。

ずいぶん、古い歌を引っ張り出してきたよ。サンフランシスコにいっぱいいたIT企業の社員たちは、コロナでリモートワークになって郊外に出て行って、お店が減って、仕事がなくなって、ホームレスが増えたんだ。さらにカリフォルニア州では、950ドル(約14万円)以下の窃盗や略奪が「軽犯罪」扱いになったため、コンビニやブランドショップでの集団万引きも横行して、ますますお店は減り続けている。

14万円の万引きが軽犯罪だから、やり放題?。アメリカ人は「ヤマ・ニヤマ」というものを知らんのか?

「車上荒らしや窃盗が多くて、もう誰も気にしていない。警察も気にしない」くらいの、無法地帯でね、「下水のような臭いが強く漂い、タバコとは違う煙とその臭いも至るところでする」んだって。(FNN


とてつもなく危険な麻薬「フェンタニル」


だが、いったいなんでこんなことになったんだ?


フェンタニルの経鼻スプレー
Author:DanielTahar[CC BY]

フェンタニル? 麻薬の?

麻薬の中でも、とてつもなく危険な麻薬だよ。アメリカでは、フェンタニルやその周辺の危険ドラッグの過剰摂取で死亡した人は2020年は5万人、2021年は7万人、2022年には11万人と、どんどん増え続けている。「10万人規模の都市に住んでいる人が1年で全員消え去ってしまうほど、命を落としているのです。信じられないかもしれませんが、これは現実なのです。」(All About

ひえ〜! 1年で10万人規模の都市が、全滅かよ!

特に、17歳未満の男女と18~45歳の男性は、フェンタニルの過剰摂取による死亡が、交通事故や銃による死亡を抜いてトップになっている。PRESIDENT Online

これはもはや、「大量破壊兵器」のレベルだな。(世界日報)だが、なんでそんなに、たくさん死ぬんだ?

致死量が、たったの2ミリグラムだからね。Wiki

2ミリグラムのフェンタニル粉末(鉛筆の先端の量)
Wikimedia_Commons[Public Domain]

たったこんだけの量で死ぬのか? ヤバすぎる!

フェンタニルは、アヘン類似物質「オピオイド」の一種なんだよ。

オピオイド?

アヘンは英語で「オピウム(opium)」。opioid(オピオイド)= opium(アヘン)+oid(のようなもの) 。(weblio

要するに、オピオイドは「アヘンもどき」のことか。

じゃあ、知ってる? アヘンはケシの実から採った白い液体を乾燥させたものだよ。アヘンの有効成分の抽出したものがモルヒネで、モルヒネを半合成したのがヘロインモルヒネもヘロインもアヘンから合成されたは「アヘンもどき」、つまり「オピオイド」ってこと。

ケシの実

なら、フェンタニルもモルヒネ、ヘロインのようにアヘンから合成されたんだな?

ちがうよ。フェンタニルは「アヘンもどき」だけど、ケシから作られるんじゃなくて、1959年ポール・ヤンセンによって、初めて人工的に化学合成されたものだよ。

ポール・ヤンセン? ヤンセン? どっかで聞いたことあるな。

ポール・ヤンセンは、製薬会社ヤンセンファーマの創業者だよ。ヤンセンファーマはジョンソン&ジョンソンの医薬品部門。

ポール・ヤンセン

そうそう、ヤンセンファーマはコロナワクチンの会社だったな。「フェンタニルからコロナワクチン」まで? ひでえ会社だなあ。 


安上がりで強力なフェンタニル


つまり、こういうことだよ。「アヘンもどき」と言いつつ、フェンタニルを作るにはケシを栽培しなくてもいい。実際に、違法フェンタニルの製造施設に行くと、薄汚い小屋にプラスチックのバケツや薬剤の瓶があるだけで、摘発されそうになればすぐに移動できるような簡易なものだって。(世界日報

ケシ畑はいらんし、かんたんな器具で作れる。

それに、原料費もめっちゃ安い。ヘロイン1kg当たりのケシの栽培コストは約6000ドル(96万円)かかるけど、フェンタニル1kg当たりの原料代は200ドル(3万円)以下。世界日報

なんとまあ、ずいぶん安上がりだな。

なのに、フェンタニルの効果はヘロインの50倍、モルヒネの100倍。Wiki

かんたん! 安い! しかも強力! しかし、そんな危険なフェンタニルを発明しちゃったヤンセン氏は、世界中から訴えられてもおかしくないんじゃね?

でもね、医療現場ではフェンタニルはとても役に立ってるんだよ。特に手術や末期がん患者の疼痛対策には欠かせないくらい。

だが、麻薬だろ? 患者に使って問題ないのか? 依存性とか?

「バカとハサミは使いよう」だからね。医師が投与量を決めて、厳重に観察しながら投与する。だから、患者さんは痛みを感じることなく手術を受けられるし、一時的でも激痛から開放される。


生きるか死ぬかの状況なら、麻薬を使うこともやむを得ないか。


飲みすぎると呼吸が止まる!


問題は、なんの知識もないしろうとが、違法に製造されたフェンタニルを服用することだよ。しろうとが、フェンタニルの量を正確に測れると思う? 致死量はわずか2mgなんだよ。くろちゃんちに2mgの微量を測れる「はかり」がある?

う〜ん、台所の「はかり」じゃ測れんなあ。

それだから、フェンタニルはしろうとには扱えない代物なんだよ。だから、適当な量を飲んで過剰摂取になって、呼吸抑制を起こしてしまうんだよ。

フェンタニル、飲みすぎると呼吸が止まるんか?

そう、それがフェンタニルの死因だよ。さらに、アルコールやコカイン、ヘロイン、抗不安薬などと併用すると、もっと呼吸抑制が起こりやすくなる。

混ぜるな危険!

そうゆうこと。薬の作用時間を長引かせるために、種類の違う麻薬をミックスして売られているものが問題なんだよ。たとえば、ラベルは「コカイン」なのにフェンタニルが混ざっていたり、ラベルは「フェンタニル」なのにヘロインが混ざっていたり、何が混ざっているかわからない。

それで、呼吸抑制が起こりやすくなるのか。

でもね、万が一、過剰摂取による呼吸停止や意識レベル低下が起きても、オピオイド拮抗薬ナロキソンという特効薬があって、これを静脈注射すれば救命できるんだけど・・。

ナロキソン
Author:Intropin (Mark Oniffrey)[CC BY-SA]

じゃあ、みんな、それを使えばいい。

病院だったら常備されているからね。でも、路上生活者にそんなもの手に入る?

そうゆうことか。フェンタニルに他の麻薬が混ざってるのを知らずに飲んで、呼吸が止まっても、道ばたじゃ応急処置ができない。だから、たくさんの人が死んじまうのか。

それに、死んでも自己責任だから、誰も咎められない。



アメリカをフェンタニル漬けにしようと企む中国


いやいや、違法フェンタニルを販売したヤツらは、有罪だろう?ヤツらは、どこから違法フェンタニルを手に入れるんだ? 違法と言うからには、ヤンセンファーマから正規ルートで買ってるとは思えんが?

フェンタニルは麻薬だから、一般人に売ってくれない。だから、違法ルートで手に入れるしかない。以前は、中国製フェンタニルが国際郵便でアメリカに入っていた。でも、トランプの時代になってそれができなくなると、メキシコの麻薬カルテルが、中国製のフェンタニル前駆体を購入して、違法にフェンタニルを製造して、アメリカに密輸するルートを作った。世界日報

2019年、様々な地域から米国への違法フェンタニル流入
Wikimedia_Commons[Public Domain]

バイデンになってから、メキシコとの国境警備がゆるくなったからなあ。それなら、アメリカは、中国に直接「フェンタニルの材料を送るな」と言えばいいのに。

アメリカ政府も中国に要請してるんだよ。でも中国はそれに応じようとしない。どころか、「外交カード」として利用しようとしているんだ。(PRESIDENT Online

なんと! 中国、強気!

中国共産党はフェンタニル企業の株主だそうだよ。世界日報さらに、中国共産党はフェンタニル関連の輸出に際して、「付加価値税の還付」という形で補助金も出している。REUTERS

消費税が戻ってくる、みたいな、企業の税制優遇か。

中国は国を上げて、露骨にアメリカをフェンタニル漬けにしようと企んでいるんだよ。

アメリカはこのことを知ってんだろ? 国民がたくさん死んでるんだぞ? なんで、されるがままになってるんだ?

トランプは2019年、習近平にフェンタニルの規制を頼んだが、なし崩し。バイデンも2023年11月に、習近平にフェンタニルの規制に取り組むことを合意させたが、中国から「習近平と共産党を批判しないこと」「親中姿勢を取ること」など、条件をつけられているらしい。(Bloomberg

こうなるとこれはもう、中国がアメリカに仕掛けた「軍事力を使わないタイプの戦争」だな。(世界日報

そうだね、イギリスが中国を弱体化させるためにアヘンを使ったように、今は中国がアメリカを弱体化させるためにフェンタニルを送り込んだ、「逆アヘン戦争」だね。世界日報


今のアメリカの一番の問題


とは言っても、アメリカ人がフェンタニルを欲しがる以上、中国だけを責めるわけにいかない。どうしたら人類は、麻薬の誘惑に惑わされなくなるんだ?

それは、メキシコのオブラドール大統領が答を出しているよ。

ロペス・オブラドール大統領
Author:Agencia de Noticias ANDES[CC BY-SA]

オブラドール大統領、お久しぶり!

アメリカが、「国境を超えてフェンタニルが入ってくるのは、メキシコの犯罪グループのせいだ」とメキシコを非難したとき、オブラドール大統領は、「フェンタニルの危機は、米国における家族的価値観の欠如が、人々を薬物使用に駆り立てている」と非難している。(The Washington Post

オブラドール大統領!ブラボー!

まさに、「家族の価値観の欠如という危機」が今のアメリカの一番の問題だよね。

日本も傍観してるバヤイじゃねえぞ。「中国から入手した原薬をもとに、危険ドラッグを製造する個人や業者が日本国内にもいるという情報もあります。」(All About

アメリカを反面教師にして、日本は違法フェンタニルを跳ねのけられるかな?

日本の家族のあり方と、「一人ひとりが今の自分で幸せか」が問われる時だな。


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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