[The Voice of Russia]ロシアの戦闘機スホイ24 米国のイージス艦「ドナルド・クック」の「鼻をあかす」

竹下雅敏氏からの情報です。
 ロシアと米国のレベルの差を見せつけたような事件になっています。私はずいぶん以前から、こうした電波妨害システムで敵を無力化することが可能ではないかということを息子に話していました。そしてこの能力に関して言うと、ロシアが圧倒的に優れ、続いて中国、ずいぶん遅れて米国というような力量であるということを話していました。とは言うものの、私の情報源は20年ほど前のジョン・コールマン博士の著作が元になっているので、甚だ古いものなのです。しかし、感覚的には今でもその通りだと感じており、もしも戦争がこうした電子戦になった場合、圧倒的にロシアが有利なのではないかとよく息子に話していました。彼は私が言っていることを懐疑的に受け止めていましたが、その後自分でも軍事情報を調べるうちに、同じような内容の記事に遭遇したようです。今回この記事は息子から送られて来たものなのですが、こうした事態が現実に起こるとやはり、思った通りであったとわかるのです。
 イランがアメリカの無人機を乗っ取って捕獲した時、こうした技術がロシアからのものであると容易に想定出来ます。だとすれば、敵方のミサイルや飛行機を走行不能にする位、さほど難しい事ではないと想像できます。EMP兵器を用いなくても、電子的に敵方の兵器をブラックアウトさせてしまえば、相手は何も出来ないのではないかとよく息子に話していたのですが、今回の記事でそれが空想ではなく事実であったとわかりました。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ロシアの戦闘機スホイ24 米国のイージス艦「ドナルド・クック」の「鼻をあかす」
転載元)

ロシアの戦闘爆撃機スホイ24が、黒海で米国の最も近代的な戦闘システム「イージス」を搭載した空母「ドナルド・クック」を麻痺させた。ロシア科学アカデミー米国カナダ研究所のパーヴェル・ゾロタリョフ副所長は、ロシアのマスコミおよびブロガーたちが盛んに議論しているこの出来事について見解を表した。 

巡航ミサイル「トマホーク」を搭載したイージス艦「ドナルド・クック」が4月10日、黒海の中立水域に入った。その目的は、ウクライナとクリミアに関するロシアの立場に関連した威嚇行為と軍事力の誇示だ。同水域への米軍艦の進入は、軍艦の艦種ならびに滞在期間に関しても、モントルー条約に違反している。

これを受けロシアは、「ドナルド・クック」の周辺を飛行するために非武装のスホイ24を派遣した。専門家たちによると、スホイ24には最新のロシア製電波妨害システムが搭載されている。伝えられているところによると、「イージスシステム」は、遠距離から接近するスホイ24を探知し、戦闘警報を鳴らした。全てが通常通りに行われ、米国のレーダーは飛行コースを計算した。だが突然、画面がフリーズした。「イージスステム」は機能せず、ミサイルは目標指示を受け取ることができない。

 だがすでにその時、スホイ24は「ドナルド・クック」の上空を通過し、空中戦闘機動を行い、目標に対して仮想のミサイル攻撃を実施した。そして旋回し、再び演習を繰り返した。それは12回に及んだ。「イージスシステム」を復活させ、対空システムに目標指示を与える試みは、全て失敗したようだった。ロシアの政治学者パーヴェル・ゾロタリョフ氏は、米国側からの軍事圧力に対するロシアの反応は極めて穏やかなものだったとの考えを表し、次のように語っている。

「デモンストレーションは、十分にオリジナリティーに溢れたものだった。非武装だが電波妨害装置を搭載した戦闘機が空母に対して十分な働きを行った。その空母は最も近代的な対空システムとミサイル防衛システムを搭載したイージス艦だった。だが、この船艇にモバイル配備されたシステムには、重大な欠点がある。それは目標物の追跡機能だ。この機能は船艇が複数あり、調整役がいる場合には上手く作動する。だが今回の場合は空母1隻だった。そのためスホイ24の電波妨害システムが稼働した際に、空母に搭載されているイージスシステムの電波探知装置のアルゴリズムが作動しなかった。


外国のマスコミの報道によると、この出来事があったあと、「ドナルド・クック」はルーマニアへ緊急寄港した。そこでは乗組員27人が退職願を提出した。退職願には、自分の生命を危険にさらしたくないと書かれていたという。これは米国防総省の声明の中でも間接的に確認されている。なお声明では、この行為が「ドナルド・クック」の乗組員の士気を下げたと主張されている。米国が扇動した黒海の出来事によって、今後どんなことが起こる可能性があるのだろうか?ゾロタリョフ氏は、次のように予測している。

「私は、米国がイージスシステムの改良について検討するのではないかと考えている。これは純粋に軍事的なものだ。政治的な面では、米国あるいはロシアが何らかの示威行為をすることは恐らくないだろう。一方で米国にとって今回の出来事は極めて不愉快だ。米国が展開しているミサイル防衛システムには莫大な費用がかかっている。その資金を予算から拠出する必要があることを毎回証明しなくてはならない。

 同時に、ミサイル防衛システムの地上配備迎撃体の実験は、理想的な条件で行われたものの、効果の低さを露呈した。米国防総省はこれを注意深く隠している。最も近代的な海上配備型『イージスシステム』も今回、その欠点を提示した。

米国の「ドナルド・クック」をショックに陥れたロシアの戦闘機スホイ24に搭載されているシステムのコードネームは、「ヒビヌィ」。これは、ロシアのコラ半島にある山脈の名称だ。「ヒビヌィ」は、最新の電波妨害システム。最近ブリヤートの試射場で行われた演習で、「ヒビヌィ」の定期テストが実施された。テストは成功したようだ。そのため、近いうちにも限りなく現実に近い条件で、システムの実験が行われることが決まった。

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