[マスコミに載らない海外記事]踏みにじられたEUの旗 〜各国が主権を維持したまま世界が全体として一つにまとまる、これが多極化であり、未来はこちらの方向へ〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 スロバキアの首都で、空前の抗議行動が行われたとのことです。抗議の理由は、EUが各国に押し付けた“受け入れるべき移民人数の割り当て”のようです。
 この20年間、アメリカとEU諸国が他国の内政に干渉し、多くの国では難民が生まれ、それがEU諸国になだれ込んで来たわけです。
 ところが、スロバキアはアフガニスタンもイラクもリビアもシリアの紛争にも干渉していないのに、何故自分たちがこうした干渉をした国々の尻ぬぐいをさせられるのか、という事のようです。
 元々こうした移民政策は、民族、国家という枠を取り除き、国家の主権を放棄させるための支配層の意図に沿ったものなのです。いずれ、ヨーロッパ各国で移民排斥の暴動が起こり、手が付けられなくなることを意図しているわけです。
 民衆が国家に頼れなくなり、より大きな権威にすがる事を意図してのことです。そのより大きな権威ですが、これを彼らは“ルシファーの光”と呼んでいるようです。この光は新たに再編された国連組織によってもたらされるという計画です。現在、ジェイドヘルムによるアメリカの解体に、国連が関与している事実が参考になると思います。
 おそらく、彼らの考えているようにはならないと思います。各国が主権を維持したまま世界が全体として一つにまとまる、これが多極化であり、未来はこちらの方向に向かいます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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踏みにじられたEUの旗
Pyotr ISKENDEROV
2015年6月25日 | 00:00
Strategic Culture Foundation


スクリーンショット 2015-06-26 19.15.316月20日、ブラチスラバでは、空前の街頭抗議行動が行われた。スロバキアの首都は、静かな都市としての評判を享受しており、実際、欧州連合で最も静かな都市の一つだ。今、国民は、EUが、国益に反する、安全保障の概念を押しつけるのをやめさせたいと思っている。警官隊との衝突を背景に、EUの旗は踏みにじられた。

スロバキア再生運動が率いる抗議行動には、少なくとも1万人(チェコ共和国の国民も含めて)集まった。参加者は、“ここはわがやだ!”、“我々は戦う!”“スロバキア人のスロバキア!”、“スロバキアはわが国だ、我々の先祖の土地だ!”“スロバキアはアフリカではない”、“多文化主義は集団虐殺と同じだ!”と書いた旗を振り、幕を掲げた。



抗議行動参加者のロベルト・シュヴェツは、欧州連合は、スロバキア利益を損なっていると語った。彼によれば、スロバキアの政治家達は、ブリュッセルとブラチスラバの間をうまく泳ごうとして、政治的統合失調症を病んでいる。

抗議は、同じ日、ベルリン、パリやローマを含む他のヨーロッパの都市でも行われた。

理由は、欧州連合指導部が、加盟諸国の国家主権を弱体化する取り組みを強化したという事実だ。
各国政府は、ブリュッセルが押しつけた移民ルールに従わなければならない。EUは、問題の対処に、一番安易な方法を選んだ。各国は受け入れるべき移民人数を割り当てられたのだ。当初、スロバキアに対しては、難民700-800人だった。ところが、それは始まりに過ぎなかった。EUには、毎日何千人もの移民がやってくる。それにより、民族間の緊張が高まり、犯罪率が上がり、国家安全保障が損なわれている。スロバキアでは、失業は過去最高の11.6%になった。

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問題はEU移民政策という枠を遥かに超えている。一言で言えば、要するに、ブリュッセルの官僚と、EU加盟諸国の一般庶民との間の食い違いだ。ブリュッセル幹部連中は、海外から押しつけられた地政学的目標を追求しているのだ。「海外」というのは、実際には一体誰が、一体なぜ、ヨーロッパの統一や、ヨーロッパ統合の利益を損なっているかを明らかにする単語だ。


確かに、違法移民に対しては、何かしなければならない。まずは、問題の根源を把握すべきだろう。ここ二十年間アメリカ合州国と欧州連合指導部が行った政策の結果として、ヨーロッパ内に、残虐な紛争、混乱と、無秩序の温床が出現しつつある。アメリカとEU加盟諸国は、他国の内政に干渉してきたためだ。

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結果的に、捨て身の人々の大群が、祖国を離れ、旧大陸へと向かい始めた。おかげで、ヨーロッパの統合は消失した。フランスは“望まないお客様”の強制送還を始めた。イタリアは、ジャンニ・ロダーリが書いた話の実現を企んでいる。イタリアは国境を開き、避難民達が最善を尽くして、他のEU諸国に出て行くよう仕組んでいる。ハンガリーは壁の建設を選んだ。やり方は様々だ。こうしたものは全て、国家的利己主義と政治的配慮に基づいている。ブリュッセルは、こうした状況に対する自分の責任を認めていない。一貫した戦略を提示しないのだ。ブリュッセルがすることと言えば、罪を他になすりつけるだけだ。主権国家の利益は、考慮の対象外だ。

他の国々は、それぞれ自分達の主張をする可能性がある。スロバキアは、アフガニスタンやイラクを侵略していないし、ムアマル・カダフィも打倒していないし、シリアの紛争にも干渉していない。オーストリア-ハンガリー (当時はその一部だったスロバキアを含め)は、アフリカを植民地化しなかった。

北アフリカからの難民は、貧困とヨーロッパの植民地開拓者が火をつけた民族間紛争から逃れようとしている。スロバキアのマスコミは、各EU加盟国が受け入れなければならない適切な移民人数計算をする為の基盤として、北アフリカの元植民地地図を公開した。イギリスと、フランスはそれぞれそれぞれ30%、イタリア、ドイツ、ポルトガルとベルギーはそれぞれ10%だ。これは国家(より正確には国際)和解の一例ではあるまいか?

問題を解決する別の方法がある。欧米が地政学的実験を行っている少なくとも二つのヨーロッパの実験場がある。コソボとウクライナだ。難民をそこにいかせてはどうだろう? アフリカやアジアから来た人々が、人口統計学的バランスを変え、事態を改めるのだ。ウクライナで、彼等はウクライナ人指導部に正気を取り戻させるだろう。少なくとも部分的には。ブラチスラバや他のヨーロッパの首都における抗議行動参加者達は、ブリュッセルと、ヨーロッパ官僚の命令に素直に従ってきたそれぞれの国家政府に訴える必要がある。

多くの国家政府は、欧州委員会の指示である対ロシア経済制裁に同意していない。国家指導者達は、国家主権のために戦うと請け合うが、EU議会で票を投じる段になると、まるで社会主義時代にそうであった様な結束を示す。移民人数割り当てが押しつけられるのも不思議ではない。EU加盟諸国のエリート連中は、国益や国民性という重要な問題に関して、自分達の立場を、はっきり説明したり、主張したりすることが出来ないのだ。

写真: hooliganstv.com、polit.ru

記事原文のurl: http://www.strategic-culture.org/news/2015/06/25/eu-flags-trampled-on.html

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