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[マスコミに載らない海外記事 他]ロシアのトルコ領空“侵犯”は、トルコが国境を“移動させた”せい 〜ロシア戦闘機のトルコ領空侵犯はデマ〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 メディアはもちろんのこと、ブログ上でも国際ニュースに関して、まともな情報はまずありません。この記事でもまったくトンチンカンな説明をしています。これが日本の情報収集能力の限界なのかと思うと残念な気がします。
 下の記事は、そうした中で、数少ない真実を伝えている“マスコミに載らない海外記事”のものです。管理人の方は、このような貴重な情報を無償で翻訳してくれており、その努力には頭が下がります。
 記事を見ると、ロシア戦闘機のトルコ領空侵犯はデマだということがわかります。これまでアメリカの有志連合が支援して来たISISの潰滅を防ぎたいということから、トルコ空軍がこうした暴挙に及んだのかも知れませんが、実際には、何とかして全面戦争に持ち込みたいということではないかと思います。
 しかし、スプートニクを見ても、今のところこの事件は出てきていません。ロシア側は事件を黙殺する可能性があります。現在トルコでは、おそらく偽旗と思われるテロ事件が発生しており、エルドアン政権は今後危機に陥ると思われます。
 トルコでのテロ事件の真相ははっきりとしませんが、中東は激動の状態に入ったようです。
(竹下雅敏)
編集長付記)
真実を探すブログのトップ画像ですが、どうやら2012年の段階でネットに公開されているようです。
https://kaddafie.wordpress.com/2012/01/21/sabri-reyiz-vol-3/

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【速報】トルコ軍が領空侵犯したロシア軍のMig-29戦闘機を撃墜か?
記事配信元)
本記事文章は現在公開を停止しております。 (2016/4/23)
記事の提供元にてご覧ください。


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ロシアのトルコ領空“侵犯”は、トルコが国境を“移動させた”せい
転載元より抜粋)
SyrianFreePress 2015年10月6日
覇権選択: トルコとNATOと、戦争への道

ロシア戦闘機の一機が、作戦行動中、実際僅かに国境を越えた可能性はある。しかしアメリカ軍当局とトルコの上記“侵犯”主張の本当の理由は、トルコが一方的にトルコ-シリア国境を5マイル南に“移動した”せいだ。

シリアの防空ミサイルが、シリア領空に迷い込んだトルコ戦闘機を撃墜した2012年6月以来、トルコは、シリア内5マイルの緩衝地帯を維持している。当時施行された改訂交戦規則のもとでは、トルコ空軍は、トルコ国境の5マイル以内に入るあらゆる標的を、敵と見なし、しかるべく行動することになっている。

もしシリアの交戦規則が、その北部国境を黒海にまで“移動”させれば、東トルコのあらゆる航空機はシリア領空侵犯になってしまうではないか? 誰もそのようなたわ言はうけいれないが、それが、このアメリカ-トルコのたわ言など決して受け入れてはならない理由だ。ロシア航空機はトルコが“新たに”決めた国境ではなく、正統な国境のみを尊重すべきなのだ…

thumbs_b_c_628381dbed82ca43a012d7c43d9f6113地図は、下記のトルコのウェブサイトに掲載 http://www.aa.com.tr/tr/dunya/guvenli-bolgenin-cercevesi-netlesiyor/110451

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[櫻井ジャーナル]サウジとシリアの話し合いを仲介した後、ロシア政府はシリアをISで攻撃し続けるトルコに警告

竹下雅敏氏からの情報です。
 どうやら、トルコのエルドアン大統領の命運が尽きたようです。プーチン大統領は、モスクワ駐在トルコ大使を呼び、“ISのテロリストと地獄へ落ちろ”と言い、“シリアをスターリングラードにすると警告した”とのこと。下の記事を見ると、“エルドアンは…ロシアとの戦いを強いられる状況になって来た”とあり、エルドアンに勝ち目があるとは思えません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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サウジとシリアの話し合いを仲介した後、ロシア政府はシリアをISで攻撃し続けるトルコに警告
転載元)
サウジアラビアとシリアを話し合いの席につかせたロシアは次にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対し、IS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)との関係を断つように圧力を加え始めたようだ。

伝えられているところによると、ウラジミル・プーチン露大統領はモスクワ駐在トルコ大使を呼び、約2時間にわたって話し合っている。かなり激しい遣り取りがあったようで、シリアでISを支援するのを止めなければ外交関係を断つとプーチン大統領は通告しただけでなく、ISのテロリストと地獄へ落ちろと言い放ち、シリアをスターリングラードにすると警告したともいう。勿論、スターリングラードの戦いでドイツ軍は壊滅、アドルフ・ヒトラーの体制は終わった。

天然ガスを輸送するトルコ・ストリームの建設でロシアとトルコは合意、これでトルコとしてはロシアはシリアへの肩入れを弱めると踏んだのかもしれないが、そういう展開にはならなかったようだ。トルコとEUを結ぶパイプラインの建設ルートと見られていたギリシャがアメリカの脅しに屈したこともロシアの態度に影響を及ぼしているかもしれない。もっとも、ロシアはすでに中国との関係を強化、どうしてもEUへ天然ガスを売らなければならないという状況ではない。むしろEUにとって深刻な事態だ。

アメリカはトルコに対し、ロシアとの取り引きを取り消すように圧力がかかっているようだが、トルコにとってロシアとの取り引きは経済的に大きな意味があり、ロシアとの関係悪化は痛いだろう。国内で批判が強まっているエルドアン政権は窮地に陥った。

しかも、ロシアの空挺部隊の司令官はシリアで「テロリスト」と戦う準備はできていると語ったと伝えられている。
トルコとアメリカはシリアでの空爆を開始、飛行禁止空域の設定も話題になっているが、こうした空域がシリアとの戦争を意味していることは本ブログでも書いた通り。アメリカがシリアの現体制を倒すために自らが出て来たなら、ロシアが応戦すると釘を刺しているようにも聞こえる。

現在、「イスラム武装集団」はウクライナやアフガニスタンへ移動、アフガニスタンからは中国やイランへ向かうとも言われているが、サウジアラビアが資金の提供を中止した場合、誰が新たなスポンサーになるかは大きな問題。戦闘の継続は難しくなるかもしれない。

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窮地のトルコ大統領は「国際イスラム旅団」を編成することでウクライナや反露派タタール人と合意
転載元より抜粋)
 ウクライナの外相、トルコの副首相、そしてタタール人の反ロシア派代表が8月1日にトルコのアンカラで会い、タタール人、チェチェン人、ジョージア(グルジア)人などで「国際イスラム旅団」を編成してクリミアの近くに拠点を作ることで合意したという。反ロシア戦争を始めるつもりのようだが、その戦争を支援することをトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は表明したとも伝えられている。

 今年6月の総選挙で与党の公正発展党(AKP)は第1党を維持したものの、獲得したのは550議席のうち258議席にとどまり、エルドアン大統領は足下がぐらつき、憲法改正を問う国民投票を行うために必要な330議席(全体の5分の3)どころか過半数の276議席にも届かなかった。そこで、アメリカと手を組んでクルド人に対する空爆を本格化させている。

 トルコはアメリカのネオコン/シオニスト、イスラエル、サウジアラビアと共同してISを支援、シリアの体制転覆を目指してきたが、ここにきてサウジアラビアが消極的になってきたようで、それをトルコがカバーすることになるのだろう。

 トルコの場合、ISと最も関係が強いのは大統領の周辺。ISが密輸している石油はエルドアン大統領の息子が所有するBMZ社が扱い、ISの負傷兵はMITが治療に協力、秘密裏に治療が行われている病院はエルドアン大統領の娘が監督しているようだ。負傷兵の治療はイスラエルも行っている。

 エルドアンは自らの利益、権力のためにシリアを攻撃しはじめたのだろうが、ロシアとの戦いを強いられる状況になってきた。一度始めた戦争を止めることは難しい。

[マスコミに載らない海外記事]「イスラム国」最悪の敵、クルド人に対する戦争を開始したトルコ 〜エルドアンはNWO(新世界秩序)の一員 / 支離滅裂なアメリカの政策〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 イスラム国に対するトルコの態度、及びアメリカの姿勢が、わかりやすく説明されている記事です。これによると、トルコ政府はイスラム国を支援しており、トルコのエルドアンの野望は対シリア戦争で領土を拡大し、“より大きなオスマン・トルコを支配する全能大統領になる”ことだということです。しかし、クルド人のグループはアサド政権支持で、終にトルコ政府は“クルド人に対する戦争を再開した”とのこと。表向きはISISの拠点を空爆するふりをして、実際にはクルド人を攻撃するというもののようです。
 すでにトルコ警察はクルド人活動家などに対する大量逮捕を行なっているようで、これを見ると、エルドアンはNWO(新世界秩序)の一員であることがよくわかります。
 対するアメリカですが、記事後半部分を読むと、クルド労働者党(PKK)と、クルド人民防衛隊(YPG)が本質的に同じ組織でありながら、PKKをテロリストとして、一方YPGには援護を行なうという支離滅裂な政策だということです。
 こうしたことを考えると、彼らはいわゆる敵と味方の双方に援助を行い、一方が不利になると肩入れをして、ただ戦争を長引かせようとしているように見えます。確かにこうすることで軍需産業は儲かります。ウクライナにおいても、バンガード社の社員がキエフ政権と親ロシア派の双方に偽ドル札を提供していたということでした。親ロシア派が圧倒的に優勢になると、今度は米軍がウクライナ軍を援助して訓練するということで、やはり、やっていることは同じのように見えます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「イスラム国」最悪の敵、クルド人に対する戦争を開始したトルコ
By Moon Of Alabama

2015年7月25日

2013年以来、トルコ国と、南東トルコの反政府派、クルド労働者党(PKK)との停戦協定は良く守られてきた。政府は、クルドの文化的自治支持を約束し、引き換えに、与党の公正発展党(AKP)は、クルド人有権者の一部から票を得ていた。AKP政府は、北イラクのクルド人とも、良い関係を保ってきた。政府は、クルド地域政府から石油を購入し、自治イラク地域を支配するバルザニ一派の泥棒政治を支持している。

クルド労働者党(PKK)は、トルコ国内の戦闘的なクルド人組織だ。シリア国内の同様組織は、人民防衛隊(YPG)という名で知られている。集団は、イランでは、クルディスタン自由生活党(PJAK)、イラクでは、人民防衛軍(HPG)と呼ばれている。トルコの国民民主主義党(HDP)党は、クルド労働者党(PKK)の政治部門だ。クルド民主統一党(PYD)は、シリア人民防衛隊(YPG)の政治部門だ。こうしたものは全て、本質的に、クルド人自治や独立を目指す平等主義で、非宗教的なマルクス主義/アナーキスト組織だ。

トルコは、トルコ、イラクとシリアのPKKクルド人に対する戦争を再開した。トルコ警察は、トルコ国内で何百人ものクルド人活動家を一斉検挙し、今夜、何十機ものトルコ戦闘機がシリアとイラクのPKK拠点を攻撃した。この戦争はエスカレートし、長期的で、残虐なものになる可能性が高い。その大半はトルコ国内での戦闘となるだろう。一体どうしてこういうことになったのだろう?

対シリア戦争と、シリア政府と戦っている最も過激なイスラム原理主義者に対するトルコによる支援が、クルド人との関係を変えた。トルコが、自由シリア軍のみならず、イラクとシリア国内の、シリアのアルカイダ系ジャバト・アル-ヌスラや「イスラム国」を支援していることは否定しようがない。トルコは、こうした組織への参加を希望する世界中の自爆犯にとって、通過国だ。シリアトルコ諜報機関の支援を得て、兵器、弾薬や他の物資が密かに持ち込まれており、「イスラム国」は石油をトルコに輸出している。「イスラム国」は、トルコで新兵採用を行っており、トルコ全土に多数の潜伏細胞を保有していると思われている。

「イスラム国」が北シリア、コバニのクルド拠点を攻撃した際、アメリカがクルド人側にたって介入した。トルコは腹を立て、当初、あらゆる支援を阻止した。コバニのクルド人は、トルコ国内のクルド反政府派同様、PKK/YPGに組織されている。彼等は北シリアに、トルコ・シリア国境沿いの全てのクルド人居留地を結ぶ統合自治区を望んでいる。

アンカラは、こうした地域が、南東トルコのクルド地域に加わりかねないと恐れている。これはトルコにとって脅威となるだろう。トルコは、対シリア戦争で、領土を失うことなく、獲得だけしたいと願っている。シリアのイドリブとアレッポ、そしてイラクのモスルは、エルドアンが領土に加えたいと思っている地域だ。
シリアとイラクのクルド人が、「イスラム国」との戦闘で多少、勝利し、領土を増した為、トルコのAKP政府としては、計画が目茶滅茶になった。更に、AKPは、トルコでの最近の選挙で敗北したのに、クルドHDP党は、党史上初めて、トルコ議会に議席を得た。議会での安定過半数がなければ、より大きなオスマン・トルコを支配する全能大統領になるというエルドアンの計画は終わってしまう。

状況を変える為、エルドアンは、アメリカの対「イスラム国」戦争に参加するという口実で、対クルド戦争を再開することに決めた
のだ。

7月20日、南部国境の町スルチで、若い社会主義者クルド人の集会で爆弾が爆発した。約30人が死亡し、百人以上が負傷した。トルコは、攻撃を即座に「イスラム国」のせいにしたが、ISは決して自分達がやったと主張していない。クルドPKKは即座に、トルコ国のせいだとし、「イスラム国」と共謀していると非難している。翌日、PKKは、トルコ警察官二人を爆撃への報復として殺害した。

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[櫻井ジャーナル]トルコとISとの関係をニューズウィーク誌も報道、ネオコンが主導してきた覇権計画に亀裂の可能性

竹下雅敏氏からの情報です。
 それにしても、この櫻井ジャーナルの分析力はすごいと感じます。非常に正確に世界情勢を見ていると思います。私の考えでは、ブッシュ・ナチ陣営の中枢に12名、ロックフェラー・オバマ陣営の中枢に同じく12名の者が居ることをこれまでに示しました。そしてオバマ政権内で「(偽の)銀河連邦」の協力者として、オバマとバイデン副大統領を示しました。このグループも中枢は12名で、オバマは彼らの指導に従っていると考えられます。この12名の1人がジェームズ・ベーカーなのです。このグループの首領は日本人で、事実上日本を裏支配している人物です。いずれ名前を公開するつもりでいます。
 このグループが最近ジェイコブ・ロスチャイルドの指示に従うようになったということをお伝えしました。いわば降伏したと言えるでしょう。このグループは世界皇帝を自分たちのグループから出すことを考えていて、当の首領である人物は、世界教皇として君臨するつもりだったようです。この関係から「日ユ同祖論」という戯言が準備されたわけです。また北朝鮮・韓国・日本を統合した新しい国家を、民意を無視して作ろうとしていたのもこの連中です。
 最後にもう一つ、本当の意味での太平洋戦争におけるA級戦犯も、このグループの連中だということです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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トルコとISとの関係をニューズウィーク誌も報道、ネオコンが主導してきた覇権計画に亀裂の可能性
転載元)
トルコ軍がIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILなどとも表記)を支援しているとアメリカのニューズウィーク誌が報じている。アメリカ、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルと同じようにトルコがシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すプロジェクトにトルコ政府が参加していることは本ブログでも指摘してきたことだが、興味深いのは西側の「有力メディア」がこの事実に触れている点。

1999年にユーゴスラビアを先制攻撃した後にアフガニスタンを占領、2011年にはリビアを空爆、さらにシリアを攻撃しようとしたNATOにトルコは参加している。2003年にイラクを先制攻撃したのもNATOを主導するアメリカを中心とする軍隊だ。

イラク攻撃は「連合軍」を編成したが、総勢38万人のうち19万2000人がアメリカ、次いでイギリスが4万5000人。そのほか米英と同じアングロ・サクソン系のオーストラリアが2000人、ウクライナのクーデターで拠点になったウクライナが194人だった。このイラク攻撃でサダム・フセイン体制は倒されたが、これはネオコン/シオニストの悲願。

イスラエル/ネオコンは1980年代からイラクのサダム・フセインを排除しようと計画していたのだが、これは国務長官だったジェームズ・ベーカーをはじめとするグループの考え方とは逆。イスラエル/ネオコンはイラクを「親イスラエル体制」に作り替え、ヨルダンからトルコまでを「親イスラエル国帯」にしてシリアとイランを分断しようとしていたのだが、それに対してベーカーたちはフセインを湾岸産油国の防波堤と認識していた。

この対立は1988年の大統領選挙を前に休止するが、1991年の「湾岸戦争」で顕在化する。ベーカーが担いでいたジョージ・H・W・ブッシュ大統領はフセインを排除しないで休戦するのだが、これに怒ったのがポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)などのネオコンたち。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、ウォルフォウィッツは1991年の段階でシリア、イラン、イラクを殲滅すると話していた。その怒りが1992年のDPG(国防計画指針)草案につながる。潜在的なライバルを潰し、資源を押さえ、アメリカの支配する新しい世界秩序を築こうというビジョンが描かれた内容で、草案作成の中心がウォルフォウィッツ次官だったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

ジョー・バイデン米副大統領は10月2日、ハーバード大学でニューズウィーク誌と重なる主張を展開している。ISとの「戦いは長くかつ困難なものとなる。この問題を作り出したのは中東におけるアメリカの同盟国、すなわちトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦だ」と述べたのだ。

また、こうした国々はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、反シリア政府軍へ何万トンもの武器、何億ドルもの資金を供給して中東を混乱させたと指摘、さらにトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は多くの戦闘員がシリアへ越境攻撃することを許してISを強大化させたと後悔していたと語っている。

おそらく、バイデンは「口を滑らせた」わけでなく、「後悔している」という表現はトルコに対する政治的な配慮だろう。ISの後ろ盾になっているネオコン/シオニスト、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどとアメリカのベーカー・グループはつばぜり合いを始めたように見える。

NSAが全世界の政府を監視していることは1972年にNSAの元分析官がランパート誌で明らかにしているが、こうした事実を国のトップがアメリカの支配層に配慮しないで口にすることは注目に値する。

こうした覇権主義を前面に出しているのがネオコン/シオニストであり、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に基づく政策を彼らは打ち出している。この草案は2000年にネオコン系シンクタンクのPNACが公表した「米国防の再構築」につながり、ジョージ・W・ブッシュ政権はこの方針に従って中東への侵略と国内のファシズム化を進めた。

ネオコン/シオニストは西側のメディアを従え、彼らに都合の良い「仮想現実」を人びとに信じ込ませ、世界にカオスを広めている張本人。ロシアのウラジミル・プーチン大統領は「アメリカ」と表現しているが、こうした行為を公然と批判し始めた。例えば、10月24日にロシアのソチで開かれた「バルダイ国際討論クラブ」での発言。

今回のテーマは「新しいルールか、ルールなきゲームか」。1991年にソ連が消滅、アメリカとソ連が対立するという冷戦時代は終わり、それまでの国際秩序は崩壊したわけだが、その後の世界ではアメリカが「唯一の超大国」として身勝手な行動を始め、国際法は無視されてカオスが地球上に広がっていると語る。アメリカは世界の支配者として振る舞い、そのためにビッグブラザー、つまりNSAを使って各国のリーダーを監視、脅迫しているとも指摘している。

こうしたカオスを生み出す行動と逆のことをしようとプーチンは呼びかけているように聞こえる。国際法や国際協定に従い、独善的な行動は止め、他者の権利を尊重して新しい相互依存体制を築いていこうというわけだ。

現在、ネオコン/シオニストを中心に集まっている勢力は長期的な見通しがなく、それに替わって自分たちに都合良く作り上げた「予定説」を信仰しているだけ。目先の利害には興味を持つが、哲学もなければ理念もない。

そうしたネオコン/シオニストをプーチンは公然と批判したわけだが、それだけでなく、西側の一部支配層も彼らから離れ始めた可能性がある。ネオコン/シオニストに従属している安倍晋三のような人物を首相にしている日本が置かれた状況は「日独伊三国同盟」を結んだ当時と似ている。

[櫻井ジャーナル 他]米副大統領は事実を語ってトルコやUAEに謝罪したが、ISとは米国、サウジ、イスラエルも同盟関係

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事によると、バイデン副大統領の発言は責任転嫁であり、ISISが台頭したことの責任を、トルコ・サウジアラビア・UAEになすりつけるためということです。
 確かにそのような面はあると思いますが、これまで共同してアサド政権を倒すために陰謀を働いて来たのに、こういう形でアメリカが同盟国を非難するというのは、通常では考えられません。ウクライナのマレーシア航空機の撃墜事件のように、都合が悪ければ黙ってしまうのが米国のやり方のはずです。すなわちこの発言は、トルコ・サウジアラビア・UAEがアメリカの意に沿わない行動を取っているということであって、事実は仲間割れをしていることの証です。
 すでに言及しているように、アメリカが非難したこれらの国は、すでにISISへの支援を止めていると考えられます。彼らはISISがシリアのアサド政権を倒した後に、その銃口を自分たちの方に向けるということを悟ったのです。しかもそれが同盟国であるアメリカの陰謀であるということも理解したはずです。
 もはやこうなっては、ISISはコントロール不能と言って良いでしょう。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米副大統領は事実を語ってトルコやUAEに謝罪したが、ISとは米国、サウジ、イスラエルも同盟関係
転載元より抜粋)
 ジョー・バイデン米副大統領は10月2日にハーバード大学で講演、その中でIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)との「戦いは長くかつ困難なものとなる。この問題を作り出したのは中東におけるアメリカの同盟国、すなわちトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦だ」と述べた。

 こうした国々はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、反シリア政府軍へ何万トンもの武器、何億ドルもの資金を供給して中東を混乱させたと指摘、さらにトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は多くの戦闘員がシリアへ越境攻撃することを許してISの強大化させたと後悔していたとバイデンは語った。

 事実を明らかにされると困る人は少なくない。

 バイデンの発言に「アメリカの友好国」は怒り、発言主はトルコのエルドアン大統領やアラブ首長国連邦のモハメド・ビン・ザイード王子に謝罪したというが、彼の発言に間違いはない。ただ、重要な国が欠落している。アメリカやイスラエルだ。その事情は本ブログで何度も書いてきた。少し前、ペルシャ湾岸の産油国からISとイスラエルを結びつける話が流れたが、これと同じで、バイデンの発言は自分たちとISとの関係を否定する宣伝だと見る人は少なくない。


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米国の見つけた中東混乱の「犯人」
転載元)
© Photo: RIA Novosti/Andrey Stenin

© Photo: RIA Novosti/Andrey Stenin



中東における原理主義思想の急速な拡大は何故起こっているのか。「イスラム国」と戦う国際戦線が犯人探しに躍起となっている。

事の発端は米国のジョゼフ・バイデン副大統領によるハーバード大講演。副大統領は、「この戦いは長くかつ困難なものとなる。この問題を作り出したのは中東における米国の同盟国、すなわちトルコ、サウジアラビア、UAEである」と述べた。バイデン副大統領によれば、この国々はシリアのアサド大統領を追い落とすことに性急なあまり、シリア政府軍に反抗する者であれば誰であれ見境なく、何万トンもの武器、何億ドルもの資金を供給した。それが中東の混乱を引き起こした、というのである。またバイデン大統領は、トルコのエルドアン大統領との協議の「内幕」も明かしてしまった。「エルドアン氏はあまりにも多くの戦闘員に国境通過を許してしまい、いたずらに「イスラム国」を増強させてしまったことを後悔していた」と、バイデン副大統領は語った。

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