アーカイブ: 福島原発事故

浄化処理したはずの汚染水、約8割に基準値を超える放射性物質の残留があることを東電が認めた 〜 陸上保管タンクはもう限界なのに増え続ける汚染水

 福島第一原発でどんどん増え続ける冷却水、つまり汚染水ですが、建前上はALPS(多核種除去設備)によりトリチウム以外の放射性物質の大半は除去できるとされてきました。その処理された水は「処理済み汚染水」、あるいはトリチウムには汚染されたままなので「トリチウム水」と呼ばれます。
政府や東電は、陸上保管してきたトリチウム水のタンク増設が限界に近いため、海洋放出という無謀な処理法を進めたい考えです。しかし、トリチウム水の希釈は事実上不可能だという指摘を覆す説は見当たらず、今のところ安全性に深刻な疑問があります。
 28日東電は、このトリチウム水のうち8割超の75万トンでトリチウム以外の放射性物質の濃度が基準値を超えていたことを認めました。浄化するどころか、サンプル分析では最大で基準値の約2万倍ものストロンチウム90が検出されたようです。なんだ、「処理済み汚染水」は、単なる汚染水だったのか。トリチウム水ですら海洋放出は問題が指摘されているのに、実は高濃度の多核種汚染水だったとなるともはや「風評被害」の欺瞞も通用しないほどの前提崩壊です。
 今も汚染水は増え続け、保管場所は限界、しかもこれは廃炉作業のホンの一面に過ぎない。「アンダーコントロール」発言など「ウソしか言わない」あべぴょんにはこれ以上の期待は無理ですが、本当に打つ手はないのでしょうか。この進退窮まる事態を打開するような技術や対策が、実はもう存在しているのではないか、どこかで出番を待っているのではないか、と期待する気持ちもあります。まのじの妄想かしら?
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
<福島第1処理水>海洋放出、前提危うく 再処理コスト増も
引用元)
 東京電力は福島第1原発の汚染水浄化後の処理水について、敷地内のタンクで保管する約89万トンのうち約8割の約75万トンで、トリチウム(三重水素)以外の放射性物質の濃度が国の排水基準値を上回っていたことを明らかにした。東電は処理水の再浄化を検討しているが、予定外の設備の新設や増設などが必要になり、廃炉コストも増大する可能性がある。
(中略)
基準値超えの中には半減期が約30年と長く、体内に入ると骨に蓄積しやすいストロンチウム90も含まれており、サンプル分析では最大で基準値の約2万倍の1リットル当たり約60万ベクレルが検出された
(以下略)
————————————————————————
福一の「処理済み汚染水」、84%でストロンチウムなどの放射性物質が基準値を最大100倍以上超過していたと東電が公表
引用元)
(前略)
(中略)政府の有識者会議が8月末に、富岡町、郡山市、都内の3ヶ所で処分について国民の意見を聞く公聴会を開催しましたが、その直前にトリチウム以外の放射性物質も基準を上回るレベルで残っていることが判明
(中略)
それから約1ヶ月、東電がようやく8月上旬時点での調査の結果を公表しました

東電は調査時点で88万7000トンあった処理水のうち、トリチウム以外の放射性物質濃度が基準値を下回っているものはわずか16%の13万7000トンにとどまり、84%の75万トンが基準値を超過していると推定。

その中でも全体の18%に当たる16万1000トンは基準の超過割合が10~100倍、7%の6万5000トンは100倍以上という絶句せざるを得ない数字が出ています。

問題は8月上旬の調査で東電がこの結果を知りながら、「処理済み汚染水」で他の核種が基準を大幅に超過しているにも関わらず「トリチウム以外は除去済み」と嘘を吐き、正真正銘の汚染水を海洋投棄しようとしていたこと。

これは漁業関係者を筆頭とする被災者らを騙して汚染水をこっそり処分しようとしたという意味で極めて悪質。
(以下略)

» 続きはこちらから

国連人権理事会の特別報告者が福島第一原発の除染作業員について「深刻なリスクがある」と警告 〜 他にも放射能汚染関連の報道が相次ぐ

 グテーレス国連事務総長への「ノーアンサー」が引き金になったのか、国連人種差別撤廃委員会では、日本が「ヘイトスピーチ」を野放しにしている現状をボコボコに叱られ、さらに国連人権理事会では、3人の特別報告者から、福島第一原発事故の除染作業にあたる作業員について、「日本政府は即刻対応すべき」深刻なリスクがあると声明が出されました。
 福島第一原発の除染作業についてはこれまでも、外国人技能実習制度で希望を持って来日した外国人を、騙すようにして危険な仕事をさせ、しかも1ヶ月5万円という酷い低賃金やパワハラで奴隷のように酷使していたことが明らかにされていました。
今回の声明では、「数万人にも及ぶ」「搾取され、被曝している」除染作業員を「至急保護すべきだ」と厳しく警告し、しかもそのような危険な労働条件を受け入れざるを得ない「経済的な貧困」へも言及し構造的な問題をしっかり指摘しています。
NHKはこうした警告をずい分トーンダウンした表現で伝えたと批判されていますが、さらに恥の上塗りで日本政府が「一方的な情報に基づいた声明で遺憾だ」と抗議したそうです。やりかねん。
特別報告者は「現地調査を行なって真偽を確かめたい」そうですので、是非是非来日していただきたいところです。日本人への気づきにも繋がりそうです。
 そのことと関連するのか、放射能汚染関連の情報が次々と上がっています。発覚しても伏せられたであろう情報も、今後は明らかになっていく予感です。
国際レベルではあり得ない日本の被曝安全基準、原発利権に巣食う業者の役員報酬が43億円、浄化したはずの汚染水に放射性物質が残留、福島第一の低レベル廃棄物を入れたドラム缶8千本が腐食していることが発覚、、、どれもこれも「やっぱりそうか」というものであり、同時に日本が危機的状況であることを突きつけるものです。
 やっとこれで日本はスタートラインに立てるのか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
国連特別報告者「福一の除染作業員の安全対策を」、なぜか日本政府は反発
引用元)
(前略)
◆国連人権理事会による見解
8月16日、国連人権理事会が「特別報告者」に任命した独立する3人の専門家が共同で「延べ数万人の作業員が被ばくなどの危険にさらされたという情報がある」として、日本政府は作業員の安全を守るための対応を急ぐべきだとする声明を発表しました。
(中略)
◆NHKの報道と原文の大きな違い
NHKはこの声明を「『作業員にホームレスなどが含まれているという情報が寄せられている』と指摘したうえで、『被ばくのリスクや対策を正しく理解しないまま作業しているおそれがあり、深く憂慮する』」と極めてマイルドに伝えています。しかし原文での言及はさらに鋭いもの
(中略)
ホームレスだけでなく「外国人労働者や亡命希望者」と明言している事に注意する必要があります。
(中略)

(中略)被曝リスクなどについて詐欺的に搾取しているというニュアンスが明確であり、加えて貧困問題が関係しているという懸念もはっきりと示されています

◆日本政府はなぜか反発
NHKはジュネーブ国際機関日本政府代表部が「政府として真摯に対応してきたにもかかわらず、特別報告者が一方的な情報に基づいて声明を出したことは遺憾だ」とした上で「いたずらに不安をあおり、混乱を招くとともに、風評被害に苦しむ被災地の人々をさらに苦しめかねない」と特別報告者に抗議したこと伝えています。
(以下略)

» 続きはこちらから

[逝きし世の面影] 高濃度汚染水は冷却水だと認めた政府 〜 冷却水が意味すること、それはメルトダウンした核燃料デブリの臨界

 「逝きし世の面影」さんが、今、私たちの住んでいる世界の実態を警告されています。
 7/31に経産省・資源エネルギー庁が出した記事の中の「汚染水とは何か?」という説明に着目されました。
「原子炉内部に残る、溶けて固まった燃料(燃料デブリ)を冷却状態に維持するために水をかけると、高い濃度のセシウムやストロンチウムなどを含んだ汚染水となる」
この経産省の説明は、管理人さんによれば、戦後2度目の「玉音放送」に等しいものだそうです。なぜか。
 2017年1月24日に東電がHPで「汚染水発生量の抑制を目的に、〜注入量を段階的に低減」と説明したことで、管理人さんは東電が事実上「汚染水は冷却水だ」と認めたことを確信します。
しかし、政府、マスコミ、有識者はその事実を隠し、黙殺し、汚染水の原因が原発敷地内に流入する地下水であるとミスリードしてきました。本当に、1日当たり400トンもの地下水が流入し汚染水となるなら「周辺に地下ダムを造るだけで簡単に解決する」はずなのに、事故後7年、どんどん増え続ける汚染水タンクはもはや原発構内いっぱいに林立し、これ以上汚染水タンクの置き場がない状況です。
 7/31の経産省の記事は、高濃度放射能汚染水のほとんどが地下水由来ではなく、メルトダウンして空になった原子炉圧力容器へ注入する冷却水だったことを正式に認めたと判断されるものでした。
これが何を意味するのかと言うと、事故後7年、メルトダウンした核燃料デブリを冷却し続けなければならない事態だった、つまり臨界が疑われると言うことなのでした。
「政府、マスコミ、有識者、挙国一致で」隠蔽してきたことは、7年経った現在でも、原発事故が進行中であるという実態でした。
 驚きよりも、やはりそうかと思ってしまうほど原発対応には失望していますが、後世への責任が無くなったわけではなく、少しでも危険な実態を伝えたいと思いました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
高濃度汚染水は冷却水だと認めた政府
転載元)
(前略)
『現場で進む、汚染水との戦い~漏らさない・近づけない・取り除く~』
 2018-07-31  経済産業省・資源エネルギー庁
(中略)
そもそも「汚染水」とは何か?

ここで、「汚染水」とは何か、その発生のメカニズムと対策がおこなわれることとなった経緯について、ちょっとおさらいしてみましょう。

2011年に起こった東日本大震災発生にともなって発生した、福島第一原発の事故。水素爆発が発生し、燃料が融け落ちてしまったことは、皆さんもご存じの通りです。

原子炉の内部に残る、溶けて固まった燃料(「燃料デブリ」と呼ばれます)には、水をかけて冷却状態を維持していますが、水が核燃料に触れることで、高い濃度のセシウムやストロンチウムなどの放射性物質を含んだ「汚染水」となり、原子炉建屋内に滞留しています。これが基本的な汚染水発生のメカニズムですが、・・・・・・・(以下省略)


『73年ぶり2回目の「ほぼ玉音放送」が流されたのに、・・・誰も気が付かない無残』

 実は1年半前の2017年1月24日(月曜日)に東京電力のホームページで、『汚染水発生量の抑制を目的に、毎時4・5トンだった注水量を昨年12月から段階的に低減。2,3号機でも順次実施します。』と書いている。
東電は事実上『汚染水は冷却水だった』と認めたが、それ以降も政府やマスコミ、有識者は相変わらず『汚染水=冷却水』の事実を必死で隠していた

今回とうとう7月31日に経済産業省・資源エネルギー庁のホームページの『そもそも「汚染水」とは何か?』では、原子炉の冷却水だった事実を、今回はハッキリと認めているのです。歴史的に見ても今回の意味は限りなく大きいでしょう。

(中略)

そもそもの話、地下水脈ですが、これは通常の河川と同じ仕組みで上流の山側から1日当たり400トン流れてくるなら、同じ量が下流の海側に流れ去る。
地下水云々の汚染水なら原発の周辺に地下ダムを造るだけで簡単に解決する。降雨の場合ならビニールシート程度でも解決するのです。(中略)

» 続きはこちらから

環境省は除染で集めた「汚染土」を農地造成に再利用する方針を決定、絶句。

 環境省は、福島第1原発事故後の除染で生じた「汚染土」を、園芸作物向けの農地造成に再利用する方針を決めました。すでに2016年6月には、1キロ当たり8000ベクレル以下の土は公共事業に使用することを決めており、さらに今年の4月には、福島県飯館村で除染土を農地に再生利用する実証実験をするための検討会を開くなど、政府主導で布石を打っていましたが、その飯館村では今秋には実際に着手する見込みのようです。
 311以前は、放射性廃棄物の再利用の基準値は1キロ当たり100ベクレルでした。今や8000ベクレルのものが身近な道路や防波堤の盛り土など公共事業用に、また5000ベクレル以下であれば農業用に全国的に再利用されることになります。またツイートによれば、栃木県ではフレコンバックに入れていた除染土をわざわざ取り出し、土に埋め戻すことを環境省が要請したとのことです。おそらく食用作物の土に再利用するのも時間の問題かと思われます。
危険だから除いた土ですが、中間貯蔵施設に集められた汚染土は30年以内に福島県外で最終処分をするという法律があり、今後拡散していくことになります。これほどのことが、さして報道されず批判も起きず、唯々諾々と受け入れられるのは狂気です。
 膿を取り除いた後に、最優先に政策転換すべきことの一つです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
除染土、農地造成に再利用 環境省方針、食用作物除く
引用元)
 環境省は1日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染で生じた土を、園芸作物などを植える農地の造成にも再利用する方針を決めた。除染土の再利用に関する基本方針に、新たな用途先として追加した。食用作物の農地は想定していない。

 工事中の作業員や周辺住民の被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう、除染土1キログラムに含まれる放射性セシウム濃度を制限。(中略)除染土1キログラム当たり5千ベクレル以下、1年のうち半年なら8千ベクレル以下とした(以下略)
————————————————————————
福島・飯舘村の実証試験、秋にも 環境省、除染土で農地造成
引用元)
環境省は4日、東京電力福島第1原発事故後、放射線量が高く、立ち入りが制限されている「帰還困難区域」に設定されている福島県飯舘村長泥地区で、除染によって生じた土を農地造成に使う実証試験を今年秋ごろに着手する見込みだと明らかにした(中略)

 計画では、2018年度に村内の一時保管場所から、1キログラム当たりの放射性セシウム濃度が平均値で2千~3千ベクレル程度と推定される除染土約3万立方メートルを長泥地区に運び込む(以下略)
————————————————————————
配信元)





311ルポ:国から見捨てられ命を絶った、とある「母子避難者」の悲劇

 難民移民問題をテーマに語られるユリシス様がドイツにお住まいの理由を知った時は衝撃でした。と同時に、このルポルタージュを思い出しました。311を境に大きく人生が変わった一人の女性を朝日新聞の記者が伝えています。
 311までは、福島県に住む、ごく普通の料理上手な主婦だったAさんが、子供を被曝から守りたい一心で、何とか自主避難を選び、懸命に働きます。が、経済的にも精神的にも次第に追い詰められていき、ついに力尽き、子供を残して自死を選んでしまったのです。
記事を読むと、これは決して特異なことではなく、もしかしたら自分に与えらた事態だったかもしれないと思えます。というのも、彼女を取り巻く社会、行政は、そのまま私たちの周りにあり、彼女の悲劇は、今後も起こりうることだからです。
 幼稚園や小中学校に「年20ミリシーベルトは容認できない」と涙を流した東京大学教授がいましたが、一方、Aさんの夫のように「放射能の心配をしているのはマイノリティ。民主主義の世の中では、10人のうち9人が『影響なし』と思っていれば、それが正しいんだ。『危険だ』という意見だけを取り上げてワーワー言ってるおまえは反社会的な存在だ」と思う人も多く、理解を得られぬまま、Aさんは福島を後に母子避難をしました。行政の提供する住宅に暮らし、休日もないダブルワークで学費を貯めました。公的な学費援助は、夫の収入があるとして認められない。「子供・被災者支援法」があるのに、現実には適用してもらえない。奨学金制度は、遠方の夫の収入のため認められない。東電の賠償金は夫に渡って手元に来ない。夫に生活費を止められてからは、さらにもう一つ仕事を増やすという極限まで奮闘しました。また、避難者が公営住宅に住み続けるには、一定以上の収入が求められますが、反面、福島県の家賃補助は低所得者と認定されなければならないという矛盾の間で、Aさんは、ささやかに安らぐ環境すらも与えられませんでした。
 Aさんを追い込んだのは収入面だけでなく、福島から動かなかった人々からの激しい非難もありました。「放射“脳”」という中傷はネット上でも頻繁に見ました。
ついに心を壊してしまったAさんは「自分のせいで」とずっと悩み、「子供達を不幸にしたくない」と思いつめました。
 何の非もない市民が、この国の中で救われなかった。今も違う形で困っている自主避難者はたくさんいるでしょう。終わってなどいない。何が法治国家か。最後の一人まで手厚く安心できる生活を提供するのが、国と東電の責務ではないか。

 ドイツのユリシス様に心からのエールを送ると同時に、明日への不安を抱えた人を見捨てない政治をしてほしい。今度こそ、膿を出し切ってほしいと思います。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
国から見捨てられ命を絶った、とある「母子避難者」の悲劇
引用元)
 原発事故で避難した人たちの生活が困窮している。特にやむなく自主避難に至った人たちの生活は苦しく、2017年に住宅提供を打ち切られた今、未来への不安と孤独にさいなまれ自死した母子避難者の母親まで現われた。

(中略)

立ち直っていく人が増える一方で、支援が次々打ち切られるなかに取り残される人が孤立している。震災関連自殺は2016年の21人から17年には25人に増加した(2018年3月12日時点)。

(中略)
[子どもの未来を守る、その一心で]
(中略)
20ミリシーベルトという基準に、女性も絶望感を覚えた。
 「ああ、見捨てられるんだ」

(中略)

避難しようと訴えたが、夫は受け付けない。
 「100ミリシーベルトまでは大丈夫だと言っているだろう。おかしくなったのか。家のローンは20年以上あるんだ」
 自分がおかしいと言われる始末だった。

(中略)

[何もかも不安定のまま東京へ]
女性のように母子だけが避難するケースが続出した。夫の理解を得られず、または仕事があるため夫が離れられず。いわゆる「母子避難」だった。

(中略)

2015年6月、ついに福島県が住宅提供を打ち切ると発表した。「除染が進み、生活環境が整ってきている」という判断だった。対象は1万2000世帯以上に及んだ。

(中略)

 福島県や神奈川県が住宅提供を打ち切られた避難者を避難者数から外しており、避難者数は住宅提供打ち切りの4ヵ月で3万人減った。

 避難者らの自殺は避難の現状を示す数字として厚労省で発表しているが、彼女の死は、それにすら数えられていない。

(以下略)