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[Sputnikほか]米元外交官「我々はまるで殺人民族、国内でも外国でも」/イスラエル第一の米政府に米軍のトップが反旗を翻した危機的状況

竹下雅敏氏からの情報です。
 米元外交官の見解“米国は、世界共同体に脅威をもたらす狂人”ということを、欧米社会の人々がどれだけ認識しているかが重要ではないでしょうか。過去の出来事をほんの少し調べれば、この言葉が大げさでないとわかります。
 下の櫻井ジャーナルの記事は、私の認識と一致しています。私もマーチン・デンプシー前統合参謀本部議長はまともな人だったと思います。しかしジョセフ・ダンフォードやアシュトン・カーターには、疑念を感じます。今や“イスラエルを快く思っていない…買収されない軍人”が、米国において革命を成功させない限り、未来はないように思えます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米元外交官「我々はまるで殺人民族、国内でも外国でも」
転載元より抜粋)
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米国の元外交官で一連の国々の大使を務めた経験を持つダン・シムプソン氏は「米国が、武器取引を続け、戦争を引き起こしている間は、地上に平和は訪れない」と語った

新聞「Pittsburgh Post-Gazette」は、「地球の平和?米国が武器取引を止め、戦争を始めている間は無理」というタイトルのシムプソン元大使の記事を掲載した。

記事の内容を抜粋して、以下お伝えする-

「2015年末の段階で、米国について述べるならば、次のような結論に達する。それは『我々は、まるで殺人民族だ。自分達の家の中でも。外国でも人を殺している』というものだ。

国内で、米政府は、規制することもなく武器を売らせ、その事は、教会や学校も含め、あらゆる場所での殺人行為を引き起こしている。一方国外で、米国人は、殺し屋とみなされている。

他の国々は、米国が自分達に己の意思を押し付けないよう、自分の神、あるいは神々に祈るしかない。彼らは、米国が、己の目から見て相応しい統治形態を、自分達の元で確立しようとしないよう、また爆弾を投下したり、指導者を殺害するために無人機を飛ばしたりするための口実として何らかの自分達の違反行為を利用したりしないよう、ただ祈るしかない。

イラクやアフガニスタンから、リビアまで米国により破壊され、イエメンは、米国の援助のもとサウジアラビアが破壊している。

外国人の大部分は、米国は、世界共同体に脅威をもたらす狂人のように思っている。

米国の所謂『同盟国』のいくつかは、殺人をよしとする我々の傾向をいくらか抑えようとするだけだ。例えば、英国がそうだ。

米国が、自分達の武器の巨大市場にしたいと欲しているインドが、米国とでなくロシアと関係を持つことをよしとするのも偶然ではない。

米国は、自分達の軍部隊を祖国に戻さなくてはならない。我々が、それをしないうちは、この地上に平和はない。

さあ米国よ、人殺しを止めようではないか!
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テロリストを支援し、イスラエルを第一に考える米政府に米軍のトップが反旗を翻した危機的状況
転載元より抜粋)
 昨年9月からアメリカの統合参謀本部で議長を務めているジョセフ・ダンフォード海兵隊大将は就任早々、ロシアをアメリカにとって最大の脅威だと発言したが、2011年10月から15年9月まで議長だったマーチン・デンプシー陸軍大将はアル・カイダ系の武装集団やそこから派生したISを最も危険だと考えていた。シリアからのバシャール・アル・アサド大統領排除を最優先しているバラク・オバマ大統領はデンプシー議長の警告に耳を貸さず、やむなく2013年秋からアル・カイダ系武装集団やIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)に関する情報をアメリカ軍は独断でシリア政府へ伝え始めた。先月の下旬、イギリスで発行されている「ロンドン書評」誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事で明らかにされている。

 アメリカの統合参謀本部がオバマ政権に反旗を翻したのは2013年秋だが、その年の9月に、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近として知られるマイケル・オーレン駐米イスラエル大使はシリアのアサド体制よりアル・カイダの方がましだとメディアに話していた。

 アメリカ政府に対する反旗を政府側が気づかないはずはなく、統合参謀本部議長はデンプシーからダンフォードへ交代、その前、昨年2月には国防長官が戦争に消極的なチャック・ヘーゲルから好戦派で2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張したアシュトン・カーターへ交代している。好戦的な方向へオバマ政権は動いている。そして昨年9月30日にロシア軍は空爆を開始、AQI/アル・ヌスラやISは司令部や兵器庫を破壊されるだけでなく、資金源の盗掘石油に関連した施設や燃料輸送車も攻撃され、トルコから物資を運び込む兵站ラインもダメージを受けた。

 アメリカはシリアだけでなくリビアやウクライナでも戦乱を拡大させている。それを主導しているネオコン/シオニストは「イスラエル第一」の人びとで、アメリカの衰退を意に介していない。それでもカネの力で議会を支配、巨大資本も動かしている。

 アメリカの正規軍には、シリアでAQI/アル・ヌスラやISを支援することに反対する勢力が存在しているが、逆にこうした武装集団を支援しているのがCIAや特殊部隊。正規軍とCIA/特殊部隊の対立という構図はベトナム戦争の際にも見られた。

 アメリカ軍の内部にはイスラエルを快く思っていない人は今でも少なくない。そのイスラエルの中でも狂信的好戦勢力のためにアメリカ軍を働かせようとしているのがネオコン。その結果がアメリカにとってよくないことだとわかっているとき、どこまで政府や議会に軍人が従っていられるだろうか?買収されない軍人もいる。

[ラジオイラン 他]ISISのラジオ局がアフガニスタンの米軍基地に設置 / ショイグ国防相、シリア、イラクのテロリストが中央アジアに潜入の恐れ 

竹下雅敏氏からの情報です。
 上の2つの記事をご覧下さい。アフガン駐留米軍の司令官が、ダーイシュ(IS)の拠点としてナンガハール州のジャララバードを指摘しました。ところが、その場所はダーイシュ(IS)のラジオ局があり、そのラジオ局は何とアメリカ軍基地に設置され、アメリカによって運営されているとのことです。
 “続きはこちらから”以降の記事では、今後ダーイシュ(IS)がアフガニスタンを経由して、“中央アジアに潜入する恐れがある”と言っています。要するに、こうしたテロを世界規模に拡大するという陰謀を積極的に行っているのが、アメリカ政府だということなのです。その米国と日米安保で協調して行動するということは、どういうことなのかをよく考えなければなりません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ISISのラジオ局がアフガニスタンの米軍基地に設置
転載元)
4bhkf8768d66a521k8_200C113アフガニスタンの国会議員が、アフガニスタンで報道活動を行うテロ組織ISISのラジオ局は同国にある米軍基地に設置されていることを明らかにしました。

ファールス通信におよりますと、タリバンがアフガニスタンのISISのラジオ局は、ナンガルハール州の中心都市ジャララバードにあるアメリカ軍基地に設置されていると主張したこと受け、同国の一部の国会議員は30日水曜、このニュースを認めました。

アフガニスタン国会のラフマーニー議員は、この問題を認めると共に、「このISISのラジオ局の設置においてアメリカは重要な役割を果たしている」と語りました。

また、別の議員であるゴルムジャヒド氏は、「ナンガルハール州にあるISISのラジオ局は直接的な形でアメリカに運営されている」としています。

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アフガンで「ダーイシュ(IS)」の支持者が増えている-米軍司令官が警告
転載元より抜粋)
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アフガニスタンで、テロ組織「ダーイシュ(IS、イスラム国)」の支持者が増えており、彼らはアフガンに拠点をつくろうとしている。アフガン駐留米軍のキャンベル司令官が、15日付けのAP通信に掲載されたインタビューの中で、このように主張した。

キャンベル司令官は、「ダーイシュ」の「地域拠点」がつくられる場所として、パキスタンと国境を接するナンガハール州東部のジャララバードが選ばれたと指摘した。また「ダーイシュ」は、ガズニー州とザブール州でもプレゼンスを確立したという。

キャンベル司令官によると、アフガンで「ダーイシュ」への支持を表明している人々が、「ダーイシュ」のシリアとイラクの指導者とコンタクトを取ろうとしているという証拠があるが、コンタクトが確立できたかどうかは今のところ分からない。

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[Sphere-Being Alliance]コズミック・ディスクロージャー: 視聴者からの質問パート1

竹下雅敏氏からの情報です。
 秘密宇宙プログラムに関与していたコーリー・グッド氏への質疑応答です。大変面白い内容だと思います。
 この中で、高度な科学技術を有していたナチス・ドイツがどうして戦争に負けたのかという質問の、かなり本質的な回答がコーリー・グッド氏によって与えられています。確かに当時のブリル協会の人たちは、ドイツが戦争に勝つか負けるかなど何の関心も持っていませんでした。ただ、敗戦が濃くなったことで、自分たちの目標達成に延滞が起こることを気にしていただけです。
 コーリー・グッド氏が言う“彼らが負けたとは思えませんね”という言葉の意味は、第二次世界大戦後、南極へと逃れた彼らが戦後どのように国際社会に関わったかということを知れば、よく理解出来ます。
 これらのことは、このデーヴィッド・ウィルコック氏のコズミック・ディスクロージャーのシリーズの中で、詳しく語られています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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コズミック・ディスクロージャー: 視聴者からの質問パート1:シーズン2、エピソード13
転載元より抜粋)
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DW:「コズミック・ディスクロージャー」にようこそ。私は司会のデイヴィッド・ウィルコックです。コーリー・グッドを迎え、秘密宇宙プログラムについて話しています。今回は、皆さんからの質問を印刷して持ってきました。

初めの質問はbanjoman1437からです。我々のいる星団が高次振動地域へ入域している、ということですが、実際、銀河に高次振動域が元々あって私達の星団は物理的にその中へ移動しているのですか?

CG: YESです、銀河の中心から常に大規模な光線が放たれています。銀河は巨大なトーション・フィールド(歪み領域)です。フィールドの一部は黄道面になっていて北と南のように分かれていて、それぞれの領域がそれぞれに異なる方向へ回転しているのです。

DW: 銀河には実際のところ2種類の星があり、二重反転をしています。一つは時計回り、もう一つは反時計回りです。

CG: 我々の太陽系やここ近辺の星団は言われての通り、この巨大なトーション・フィールド内を回転しています。そして我々は銀河の異なる領域に入っていっているところです。少なくとも1930年代から、高密度の雲、高エネルギー粒子の領域にです。

DW: 宇宙プログラムの人々はその雲のサンプルを採取してきたと。そのお話しをしていただけませんか、驚きの内容でしたからね。

CG: 彼らは長時間、惑星間飛行体に乗って移動したんです。

DW: 彼らは雲の中まで飛んで行ったのですか?

CG: 雲のフィールドまで、ぎりぎり近くまで行ったんだと思います。

DW: NASAが公に認めましたね。我々は「ローカル・フラッフィー」(ふわふわしたもの)という雲のようなもの中に入っていっていると。

CG: 遅くとも1930年代から、その雲の小さなリボン状のところに入っています。

DW: そうですね。このエネルギー・フィールドに入ってゆくと、人の行動に問題が出てくることは?

CG: 行動面や精神面で問題が表れます。彼らはこの周波数やエネルギー・フィールドもテストしたんです。秘密裏に人々をこのエネルギーにさらしていたんです。

DW: かなり道理に反する行為ですね。その人達はどうなったんですか?

CG: その人の両極性によって結果は異なりました-- その人がどういう人か、によって結果は異なる。もしソルジャー(兵士)的・猟奇的な人だと、精神が破綻します。潜在的に精神疾患を持っている人はそれが顕著に表れます。その人の両極性が表れる。かつてないほど、本質が表面化するんです。

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[Sputnik]国連の仲介でシリア戦闘員らが逃亡/米国がダーイシュ幹部らをイラクから避難させる/WSJが米国のシリア政権転覆戦略について伝える 〜 アメリカの中東政策が方向転換したことがわかる

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事の点と点を繋げて見ると、米国がシリア、イラクに派遣した特殊部隊の隊員、もちろん彼らはダーイシュ(IS)として中東の混乱を拡大するために潜入しているのですが、どうも国連の仲介で現場から避難しているようです。
 背後でロシア、シリアと米国の間で合意が取れているらしく、“戦闘員らに避難の便宜を与える見返りに、アサド政府は…諸地域への支配を回復する”とのこと。アメリカが中東での政策をはっきりと方向転換したことがわかります。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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国連の仲介でシリアから戦闘員とその家族450人が逃亡
転載元より抜粋)
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国連が仲介する取引でシリアからおよそ450人の戦闘員およびその家族が逃亡した。

シリア北西部の2つの親政府都市から避難したシリアのシーア派戦闘員および市民330人を乗せた飛行機がベイルート空港に到着した。

主にシーア派蜂起勢力の126人(レバノン国境付近のザバダニで拘束された)を乗せたもう一機はトルコ南部のハタイ空港に着陸した。

地域の主要国の仲介で結ばれた国連のスポンサー合意の枠内で避難が実施された。国連は本合意をたたき台に、より幅広い和平合意を結びたい考えだ。

戦闘員らに避難の便宜を与える見返りに、アサド政府はこの4年間蜂起勢力の手に落ちていた諸地域への支配を回復する。
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メディア報道:米国はダーイシュ幹部らをイラクから避難させている
転載元より抜粋)
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米国は、ロシアでは活動が禁止されている組織ダーイシュ(IS、イスラム国)などのテロ組織の幹部らを、軍事作戦が行われているイラクから避難させている。イランのFars通信が報じた。


シーア派武装組織「アル・ハシュド・アル・シャアビ」司令官ハイダル・アル・ホセイニ・アル・アルダヴィ氏によれば、ラマディやファルージャにおける作戦の遅延は米国の介入によるものだという。米国は共謀者を通じてダーイシュ幹部らをイラクから避難させているという。

「どうやら米国はヘリでダーイシュ幹部らをイラクからどこかへ避難させているようだ」とのこと。

日曜、ロイターは、イラク軍はラマディの政府機関建物をダーイシュから奪還した、と報じた。
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[櫻井ジャーナル]米国の戦略空軍総司令部が1956年に計画した先制核攻撃のプランでは人口密集地帯も攻撃の目標 〜人工削減計画が 陰謀論ではない証拠、安倍政権との関係

竹下雅敏氏からの情報です。
 支配層の人口削減計画と言うと、いかにも陰謀論と思われ信用してもらえないのですが、記事の冒頭を見ると、まさにその人口削減計画が存在することが、アメリカの公開報告書により明らかになりました。これを見ると、核兵器による市民の大量虐殺を計画していたことがわかります。
 記事後半部分に、“2006年に再び「完全試合」が可能だとする主張”が支配層から現れたとあります。こうした人口削減計画は未だに存在し、その実行のチャンスをうかがっているわけです。
 それにしても文末の一文は、現在の日本の状況がいかに危険なものかを今一度知らせてくれます。こうした狂った計画の中に、安倍政権は位置付けられているのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米国の戦略空軍総司令部が1956年に計画した先制核攻撃のプランでは人口密集地帯も攻撃の目標
転載元より抜粋)
 アメリカのSAC(戦略空軍総司令部)が1956年に作成した核攻撃計画に関する報告書(SAC Atomic Weapons Requirements Study for 1959)が公開され、話題になっている。この計画によると、ソ連、中国、東ヨーロッパの最重要目標には水爆が使われ、ソ連圏の大都市、つまり人口密集地帯に原爆を投下することになっていた。軍事目標を核兵器で攻撃しても周辺に住む多くの人びとが犠牲になるわけだが、市民の大量虐殺自体も目的に含まれていた。人口を減らしたかったようだ。

 攻撃目標にはモスクワ、レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)、タリン(現在はエストニア)、キエフ(現在のウクライナ)といったソ連の都市だけでなく、ポーランドのワルシャワ、東ドイツの東ベルリン、チェコスロバキアのプラハ、ルーマニアのブカレスト、ブルガリアのソフィア、中国の北京が含まれていた。しかも、ひとつの都市に複数の核兵器を投下することも計画していたようだ。当時の中国はソ連の同盟国とは言い難い状態だったが、攻撃目標に含めている。

 中国を核攻撃する場合、日本や沖縄が出撃拠点になる可能性が高い。その沖縄では「銃剣とブルドーザー」で土地が強制接収され、軍事基地化が推し進められていた。1953年4月に公布/施行された布令109号「土地収用令」に基づき、武装米兵が動員された暴力的な土地接収で、55年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になっている。

 1955年から57年にかけて琉球民政長官を務めた人物がライマン・レムニッツァーだ。カーティス・ルメイと並ぶ好戦的な軍人で、第2次世界大戦の終盤にはフランクリン・ルーズベルト大統領を無視する形でアレン・ダレスたちとナチスの高官を保護する「サンライズ作戦」を実行していた。

 1956年の計画が作成された当時、SACの司令官はルメイ。第2次世界大戦の終盤、日本の大都市に大量の焼夷弾を投下して庶民を焼き殺す「無差別爆撃」を第21爆撃集団司令官として推進した軍人だ。1945年3月10日に行われた東京の下町に対する空爆では約300機のB-29爆撃機が投入され、10万人以上の住民が殺されたと言われている。

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 ソ連に対する先制核攻撃は大戦が終わって間もない頃に浮上している。例えば、1949年に出されたJCS(統合参謀本部)の研究報告では、ソ連の70都市へ133発の原爆を落とす(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)という内容が盛り込まれていた。

 1952年11月にアメリカは水爆の実験に成功、核分裂反応を利用した原子爆弾から核融合反応を利用した水素爆弾に核兵器の主役は移っていく。1954年になると、SACは600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すという計画を作成した。この年の終わりにはヨーロッパへ核兵器を配備している。(前掲書)

 ソ連に対する先制核攻撃の準備が始まったのは1957年だと言われている。この年の初頭には「ドロップショット作戦」が作成された。300発の核爆弾をソ連の100都市で使うというもので、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたともいう。(前掲書)

 アメリカがソ連を先制核攻撃した場合、反撃をどのように押さえ込むかが問題。そこでアメリカがICBM(大陸間弾道ミサイル)で圧倒している段階で攻撃しようということになる。1959年の時点でソ連は事実上、ICBMを保有していなかった。

 この1957年にルメイは空軍副参謀総長に就任、ジョン・F・ケネディ政権が始まる61年からは空軍参謀長を務めることになった。この当時のJCS議長はレムニッツァーだ。

 このふたりを含む好戦派はキューバへアメリカ軍が軍事侵攻する計画を立てた。まず、ケネディが大統領に就任した直後、1961年4月17日に亡命キューバ人部隊をキューバのピッグス湾(プラヤ・ギロン)へ上陸させようとする。この攻撃が失敗することは計算済みで、この亡命キューバ人を助けるという名目でアメリカ軍を投入しようとするが、これはケネディ大統領が拒否して実現しなかった。

 この好戦派は偽旗作戦も計画した。アメリカの諸都市で「偽装テロ」を実行、最終的には無人の旅客機をキューバの近くで自爆させ、あたかもキューバ軍が撃墜したように演出してキューバへ軍事侵攻する口実にしようとしたのだ。いわゆる「ノースウッズ作戦」である。キューバから中距離ミサイルで攻撃される可能性を封印するため、キューバを制圧しようとしたのだろう。この作戦もケネディ大統領に拒否された。

 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、レムニッツァーやルメイを含むアメリカの好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定だった。それより遅くなるとソ連もICBMを配備すると見ていたのだ。そして1963年11月22日、核攻撃の障害になっていたケネディ大統領はテキサス州ダラスで暗殺され、その背後にキューバやソ連がいるとする情報をCIAは流すが、この情報が正しくないことをFBIがリンドン・ジョンソン大統領へ伝え、核戦争にはならなかったようだ。

 暗殺の翌年、軍隊をテーマにした映画3作品が公開されている。1月にはスタンリー・キューブリック監督の「博士の異常な愛情」、2月にはジョン・フランケンハイマー監督の「5月の7日間」、そして10月にはシドニー・ルメットが監督した「フェイルセイフ」だ。

 統合参謀本部議長など軍の幹部が大統領を排除するためにクーデターを計画するという内容の「5月の7日間」はケネディ大統領自身が映画化を勧めたという。(Russ Baker, “Family of Secrets”, Bloomsbury, 2009)当時、ケネディは実際に軍や情報機関の好戦派によるクーデターを警戒していたようだ。この映画の原作はフレッチャー・ニーベルとチャールズ・ベイリーが書いているが、ルメイへのインタビューでニーベルは小説のプロットを思いついたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

 その後、核戦争に勝者はないという考え方が一般的になるが、2006年に再び「完全試合」が可能だとする主張がアメリカ支配層の中から現れる。外交問題評議会が発行している定期刊行物のフォーリン・アフェアーズ誌に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文「未来のための変革と再編」で、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張したのだ。ちなみに、日本の総理大臣は2006年9月から07年9月まで安倍晋三。

 この論文が出る前年、日米両国政府は「日米同盟:未来のための変革と再編」に署名、同盟の対象が極東から世界へ拡大、「国際連合憲章の目的及び原則に対する信念」が放棄され、「日米共通の戦略」に基づいて行動することになった。2012年にはリチャード・アーミテージとジョセフ・ナイが「日米同盟:アジア安定の定着」を発表した。アジアからライバルを排除、つまり中国を屈服させるということだろうが、実現不可能な妄想としか言いようがない。

 こうした妄想が辺野古埋め立て問題の一因になっている。その妄想のはじまりは大戦直後の先制核攻撃計画。その計画の中心グループに所属していたルメイに対し、日本政府はケネディ大統領が暗殺された翌年、1964年に「勲一等旭日大綬章」を授与している。その時の内閣総理大臣は佐藤栄作。安倍晋三の祖父、岸信介の実弟である。