第10回 【発展編】調和純正律で演奏する様々な方法
どこに手を加えるか
電子音楽の構造
電子音楽という枠を取り払って、
調和純正律での演奏を実現するには、どんな方法が考えられるでしょうか? 具体的には、
演奏において、どこにどのような手を加えればよいでしょうか。
例えばピアノの様な鍵盤楽器であれば、調律師に楽器を調律をしてもらいます。これは弦の部分に手を加えるということになります。バイオリンの様な
フレットの無い弦楽器であれば、指を押さえる場所を変えるだけですが、「演奏時の指の位置」に手を加えているということになります。
では、電子音楽の場合は、どこに、どのような手を加えればよいでしょうか。実は
手を加えることができる箇所はたくさんあります。次の図をご覧ください。
これは電子音楽において、どのように音が作られるかを簡略に示した図です。
(音律を変えるのに関係のない部分を省き簡略にするため、あえて誤解を招く形にしています。詳しくは本記事末尾の付記をご覧ください。)
電子音楽で音を作る過程
図に基づいて
電子音楽の音が作られる過程を説明すると、次のとおりです。
1.
第8回で説明した、
楽譜に相当する「a. MIDIデータ」に記されている制御信号
を、奏者に相当する「b. シーケンサー」が読み込みます。
2.「b.シーケンサー」は制御信号をもとに、楽器に相当する「c.シンセサイザー」に、音のON/OFFや、鳴らす音の高さを指示する制御信号を送ります。
3.「c.シンセサイザー」は、「b.シーケンサー」の指示をもとに、音を合成します。
〇 この音を合成する目的のために、
シンセサイザーは、あらかじめ用意された「d. サンプル(音の素材)」を使うことがあります。第7回で登場した「サウンドフォント」はこのサンプルにあたります。
4.「c.シンセサイザー」が合成した音のデータをもとに、「d.スピーカー」が空気を振動させることで、人間の耳に聞こえる音が表現されます。
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