注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
昨年12月8日,内閣府は新しいGDPの算出基準を採用し,それに伴い,1994年度まで遡ってGDPを改定した。
これによってまず,名目GDPが大幅にかさ上げされた。以下,改訂前を「平成17年基準」,改定後を「平成23年基準」と呼ぶ(※改定前の実質GDP算定基準年が平成17年,改定後の基準年が平成23年。)
全体的に大きくかさ上げされたが,特にアベノミクス以降のかさ上げ額が異常に大きい。
(中略)
内閣府はこのかさ上げの内訳を公表している。内閣府公表資料から抜粋する。
かさ上げ額の内訳を大きく2つに分けると,1.2008SNA対応によるもの
2.「その他」
である。
2008SNAというのはGDPの国際的な算出基準である。以前は1993SNAを使用していた。この算出基準の変更によって研究開発費等がGDPに加えられるので,名目GDPが大きくかさ上げされる。
(中略)
だが、最も重要なのは「その他」のかさ上げ額だ。以下のグラフを見ていただきたい。
アベノミクス開始以降の年度が異常にかさ上げされているのが一目瞭然である。(中略)…特に2015年度のかさ上げ額なんてアベノミクス直前(2012年度)の12.5倍だぞ。誰が見てもおかしい。
この「その他」のかさ上げ額と,名目民間最終消費支出のかさ上げ額はほぼ一致している。
要するに,「その他」で異常にかさ上げされた額が,アベノミクスで最も成績の悪かった民間最終消費支出にほぼそのまま充てられたように見える。
(中略)
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政府が去年12月に「2008SNA」というGDPの新しい算出基準を採用したところ、アベノミクス以降の名目GDPが異常にかさ上げされました。かさ上げの主要な内訳は、「2008SNA対応によるもの」と「その他」なのですが、「2008SNA対応によるもの」はどうも煙幕のようで、「その他」に問題がありそうです。
グラフを見るとアベノミクス以降の「その他」のかさ上げ額が尋常ではありません。そして、なんと「その他」のかさ上げ額と名目民間最終消費支出のかさ上げ額がほぼ一致しています。つまり"「その他」で異常にかさ上げされた額が,アベノミクスで最も成績の悪かった民間最終消費支出にほぼそのまま充てられたように見える"のです。民間最終消費支出とは、一般的に「個人消費」とも呼ばれている重要な項目です。
"続きはここから"以降では、それもこれもあべぴょんが掲げる「2020年頃を目途に名目GDP600兆円達成」という目標を達成するためだと分かります。「カサアゲノミクス」と粉飾支持率で総選挙を戦い、延命を図ろうとしているのかもしれませんね。どちらとも国会で真相を追及してほしいものです。