竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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イラン合意の本当の理由
転載元)
マスコミに載らない海外記事 15/7/20
Paul Craig Roberts
2015年7月18日
オバマは、イランとの核協議合意ゆえに、平和の人として称賛されている。オバマは更に進んで、アメリカ-ロシア関係を修復し、ウクライナの難局を終わらせるのではないかという人々もいる。
もしそうなら、彼は、ビクトリア・ヌーランド国務次官補や、統合参謀本部副議長に任命した、ポール・セルバ空軍大将や、統合参謀本部議長に任命したジョセフ・ダンフォード海兵隊総司令官や、デボラ・リー・ジェームズ空軍長官にはそう言っていない。
先日、ウクライナのTVで、ビクトリア・ヌーランドは、もしロシアが“その義務を果たさなければ”これはつまり、歴史的にロシアの州だったクリミアを含めて、ウクライナ全土をワシントンに引き渡せということだが、“我々はロシアに更なる圧力をかける用意がある”と述べた。 先週、オバマが軍のトップに任命した二人が、アメリカ上院で、ロシアは、アメリカにとって主要な脅威、“生存上の脅威”だとまで語った。ここまでの水準の戦争言辞が行われているのだから、オバマは明らかに、ワシントンが、ロシアとの間に生み出した緊張を緩和する意図は皆無だ。
前回のコラムで、ワシントンは、イランに濡れ衣を着せるだけで、いつでも新たな経済制裁を行えるので、イランとの協定にはたいした意味がないと私は書いた。たとえリンジー・グラハムやジョン・マケインがそれを知らないふりをしても、オバマは知っている。
アメリカとその代理人連中は、地球上の広大な部分で、人々の殺戮を継続している。明らかに、オバマは平和の人ではなく、彼がそういうことをするのを許しているヨーロッパ諸国も国連も平和の組織ではない。すると、核拡散防止条約で認められている核エネルギーの権利を主張していたというだけの理由で長年、イランを猛烈に悪魔化した後で、イランと合意した理由は一体何だろう?
売女マスコミの洗脳から抜け出すことさえできれば、三つの大きな理由をすぐに思いつけるはずだ。一つは、ネオコンが脅威だと感じるものが“イスラム・テロリスト”から、ロシアと中国に変わったのだ。イスラム・テロリストとは違って、ロシアも中国も、ワシントンの単独覇権主義にたいする制約だ。ソ連崩壊以来、ワシントンは、単独覇権として、世界で、何の邪魔もされず、自らの好きなようにするのに慣れてしまっている。プーチンの下でのロシア勢力勃興や、新政策下での中国勢力の勃興が、ワシントンの単独覇権という特権を破壊してしまった。ワシントンは特権を取り戻したいのだ。
ワシントンは、経済的、あるいは、軍事的に良い状態にはない。ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツと、ハーバード大学の財政専門家リンダ・ビルマスによれば、ワシントンは、14年間続いている中東での戦争で、少なくとも、6兆ドルを浪費した。途方もない経費にもかかわらず、ワシントンは敗北し、今やワシントン’の失敗から生まれ、イラクの一部とシリアの一部から新たな国を作りつつある新組織「イスラム国」と直面している。
途方もない傲慢さにもかかわらず、アメリカが、ロシア、中国、イランと、「イスラム国」と、同時に戦うことはできないことをワシントンは理解したのだ。この認識が、イランとの核協議合意理由の一つだ。これによって、イランを敵ではなくせるのだ。
合意の二つ目の理由は、イランが「イスラム国」に反対している為、対「イスラム国」用にアメリカの代理として利用可能で、ワシントンはロシアと中国との紛争に専念できるのだ。
ワシントンがイランと合意した三つ目の理由は、ヨーロッパが、エネルギーをロシアに依存していることへのワシントンの懸念だ。この依存関係は、ワシントンの対ロシア経済制裁や、NATOの対ロシアの軍事的動きに、EUが同調するのに矛盾する。ワシントンは、この依存関係を終わらせたいと考えており、金があれば、イランをヨーロッパへの天然ガスと石油供給国にすることができると期待しているのだ。
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2015年7月18日
オバマは、イランとの核協議合意ゆえに、平和の人として称賛されている。オバマは更に進んで、アメリカ-ロシア関係を修復し、ウクライナの難局を終わらせるのではないかという人々もいる。
もしそうなら、彼は、ビクトリア・ヌーランド国務次官補や、統合参謀本部副議長に任命した、ポール・セルバ空軍大将や、統合参謀本部議長に任命したジョセフ・ダンフォード海兵隊総司令官や、デボラ・リー・ジェームズ空軍長官にはそう言っていない。
先日、ウクライナのTVで、ビクトリア・ヌーランドは、もしロシアが“その義務を果たさなければ”これはつまり、歴史的にロシアの州だったクリミアを含めて、ウクライナ全土をワシントンに引き渡せということだが、“我々はロシアに更なる圧力をかける用意がある”と述べた。 先週、オバマが軍のトップに任命した二人が、アメリカ上院で、ロシアは、アメリカにとって主要な脅威、“生存上の脅威”だとまで語った。ここまでの水準の戦争言辞が行われているのだから、オバマは明らかに、ワシントンが、ロシアとの間に生み出した緊張を緩和する意図は皆無だ。
前回のコラムで、ワシントンは、イランに濡れ衣を着せるだけで、いつでも新たな経済制裁を行えるので、イランとの協定にはたいした意味がないと私は書いた。たとえリンジー・グラハムやジョン・マケインがそれを知らないふりをしても、オバマは知っている。
アメリカとその代理人連中は、地球上の広大な部分で、人々の殺戮を継続している。明らかに、オバマは平和の人ではなく、彼がそういうことをするのを許しているヨーロッパ諸国も国連も平和の組織ではない。すると、核拡散防止条約で認められている核エネルギーの権利を主張していたというだけの理由で長年、イランを猛烈に悪魔化した後で、イランと合意した理由は一体何だろう?
売女マスコミの洗脳から抜け出すことさえできれば、三つの大きな理由をすぐに思いつけるはずだ。一つは、ネオコンが脅威だと感じるものが“イスラム・テロリスト”から、ロシアと中国に変わったのだ。イスラム・テロリストとは違って、ロシアも中国も、ワシントンの単独覇権主義にたいする制約だ。ソ連崩壊以来、ワシントンは、単独覇権として、世界で、何の邪魔もされず、自らの好きなようにするのに慣れてしまっている。プーチンの下でのロシア勢力勃興や、新政策下での中国勢力の勃興が、ワシントンの単独覇権という特権を破壊してしまった。ワシントンは特権を取り戻したいのだ。
ワシントンは、経済的、あるいは、軍事的に良い状態にはない。ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツと、ハーバード大学の財政専門家リンダ・ビルマスによれば、ワシントンは、14年間続いている中東での戦争で、少なくとも、6兆ドルを浪費した。途方もない経費にもかかわらず、ワシントンは敗北し、今やワシントン’の失敗から生まれ、イラクの一部とシリアの一部から新たな国を作りつつある新組織「イスラム国」と直面している。
途方もない傲慢さにもかかわらず、アメリカが、ロシア、中国、イランと、「イスラム国」と、同時に戦うことはできないことをワシントンは理解したのだ。この認識が、イランとの核協議合意理由の一つだ。これによって、イランを敵ではなくせるのだ。
合意の二つ目の理由は、イランが「イスラム国」に反対している為、対「イスラム国」用にアメリカの代理として利用可能で、ワシントンはロシアと中国との紛争に専念できるのだ。
ワシントンがイランと合意した三つ目の理由は、ヨーロッパが、エネルギーをロシアに依存していることへのワシントンの懸念だ。この依存関係は、ワシントンの対ロシア経済制裁や、NATOの対ロシアの軍事的動きに、EUが同調するのに矛盾する。ワシントンは、この依存関係を終わらせたいと考えており、金があれば、イランをヨーロッパへの天然ガスと石油供給国にすることができると期待しているのだ。
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記事によると、アメリカは唯一の覇権国として君臨すべき明白な天命があるのであって、ロシア、中国、そして、他の国々との共存共栄はあり得ないようなのです。これがオバマだけではなく軍部までこのように考えているのだとすれば、歴史の必然として、アメリカは滅びるより他に術がないわけです。
これは実際にそうなりますが、もはや誰もアメリカに同情などしたりはしないでしょう。