[Sputnik]ISはどこから資金を得ているのか? 〜ISは“国家としての諸特徴を十全に備えている”非常に危険な組織〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事を見ると、ISは“国家としての諸特徴を十全に備えている”非常に危険な組織だということがとてもよくわかります。ここまで巨大になったISを、イスラエルはもはやコントロール出来ないと思います。彼らISは、“掌握した石油、ガス、穀物…の密売”によっても、莫大な利益を上げているとのこと。こうしたISの密売と関わっている企業なども、今後あぶり出され、ISと共に滅びゆく運命にあるのだと思います。
 しかしまずは、どういった連中がこのテロリスト集団と提携して利益を上げているのかを知る必要がありますが、そうしたことも含めて、今後次々に情報が上がって来るものと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ISはどこから資金を得ているのか?
転載元より抜粋)
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「イスラム国(IS)」はいま、シリア、イラク、中東だけでなく、世界全体にとって、最大の脅威になっている。シリアとイラクに強大な砦を築いたISは、大カリフ国家の建設を計画している。そのために彼らは、レバノン、ヨルダン、北アフリカを屈服させることを企んでいる。IS戦士らはエジプトやイスラエル、アフガニスタン、パキスタン、イラン、コーカサス地方にも触手を伸ばし、これら諸国に首長国を建設しようとしている。ISの幹部らは莫大な資金を蓄えている。

それら資金はどこからくるのか?政治学者・東洋学者のウラジーミル・サジン氏が語った。

「ISを自称するこのテロ組織の危険性は、人類憎悪のイデオロギーやテロの実行にのみあるのではなく、この組織が、経済・財政活動を含め、国家としての諸特徴を十全に備えている点にある
サジン氏によれば、今年半ばの時点でISは2兆ドルを超える資本を抱えており、今年の年間歳入は29億ドルに上っている。今年のはじめの時点でIS幹部は見込み利益(つまり歳入の歳出に対する超過分)を2億5000万ドルとする、20億ドルの予算を計上した。

このような膨大な資金がどこからこの疑似国家に流れ込むのか?ISを形成したイスラム系テロ組織は、当初から極めて多額の資金を運用していた。しかし、IS幹部らの出発資本は、基本的に、銀行、石油・ガス施設、リン酸塩生産・加工企業、セメント製造企業、硫酸およびリン酸製造企業を掌握することによって構成された。しかも、殺人や文化遺産の破壊をともなう、ISの代名詞ともいえる派手なパフォーマンスとは異なり、天然資源の採掘や輸送手段に関わる全ては、破壊をともなうことなく掌握された。経済インフラの稼動状態も、人員数も保存された。

サジン氏によれば、ISのほかの収入源に、穀物の販売がある。国連の推計では、ISが掌握しているイラクのニネヴィヤおよびサラーアルディンの両州には、イラクで最も肥沃な耕作地が広がっている。そこでは小麦の全国生産量の30%が生産され、その量はおよそ100万トンにのぼり、また大麦も全国生産量の40%が生産されているという。ISはこれら地域にある110万トンの総収納規模をほこる国営小麦保管庫も掌握している。シリアでも同じように国営穀物保管庫を掌握しているという。

掌握した石油、ガス、穀物企業の産品の密売によっても、ISは年間数百億ドルの利益を挙げている。販売が廉価で、通例、正規品の半額で行なわれるにも関わらず、である。


先ほど、ISは国家の諸特徴を備えている、と言ったが、そのひとつとして税制を挙げなければならない。徴税対象の個人・法人リストは膨大である。すなわち、販売可能な商品への税。通信会社全般への課税。金融機関のセキュリティに対する税。銀行口座からの預金引き出しへの税。社会保障その他の社会的目的で賃金から徴収される税。考古学的記念物の盗掘への税(税率はアレッポで20%、ラッカで50%)、その他あまたの税項目がある。ほかにも、交通税、イラクとヨルダン・シリア国境上の検問を通過するトラック一台ごとに課す関税、非ムスリム共同体(「ジジヤ」の名で知られる)の保護に対する税など、枚挙に暇がない。
ISは強請りと徴税によって、イラクとシリアの掌握地から、年間3億6000万ドルの利益を挙げている。

他の国際犯罪組織との共同犯罪活動によってもISは莫大な資金を得ている。
シリアの町カラムンにある様々な文化財(中には8000年の歴史を誇るものもある)だけに限っても、データによって数字は異なるが、芸術品の闇市場における一度の取引で、ISは2万から5万ドルを得ているとされる。恒常的な財源として人身拉致も数えられる。これまでにビジネスマン、地方政治家、聖職者、外国人らが拉致された。現在特に被害が集中しているのが、キリスト教徒の子どもその他、中東のキリスト教団体に属する人たちである。身代金でISは毎月およそ1000万ドルを得ているといわれる。

全世界にばら撒かれたイスラム系「慈善」団体や各種シンパ組織もISに資金を供与している。また、ISに共鳴するアラブ人大富豪のなかにも密かにISに資金を供与する者がいるという。

通例、こうした「慈善」団体や大富豪らは、古くから存在し、非常に秘密性の高い、「ハワラ」と呼ばれる送金システムを利用している。

世界文明を脅かすISという脅威に立ち向かうには、その財政構造を破壊しなければならない。密売を防止し、資金の流入するあらゆる経路を封鎖しなければならない。そのためには地域のみならず全世界の特務機関・治安機関が協議し、協力しなければならない、とサジン氏は語る。

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