[Sputnik 他]2つの反テロ連合軍、連携は果たして可能か? / シリア軍攻撃当日、現場上空を連合軍の軍機が飛来、露国防省 / 「対ISIS有志連合は混乱」

竹下雅敏氏からの情報です。
 米国が主導する有志連合と、ロシアが主導する反テロ戦線は、有志連合側の誤爆に見せかけたシリア軍攻撃などもあり、際立った対照を見せています。冒頭の記事では太字にしたように、はっきりと名指しで有志連合の参加国がテロリストを支援していることを指摘しています。
 次の記事では、いずれシリア軍を攻撃したのが誰かがはっきりするということで、有志連合はますます国際社会から孤立することになります。インターネットの影響で、事の真相が光の速度で世界中を駆け巡り、これまでのような大手メディアを使った隠ぺい工作は出来なくなりました。愚かなB層は騙せるでしょうが、専門家を騙すのは不可能です。各国の政治、経済、軍事は、B層が受け持っているわけではありません。もっとも日本の場合には、極めてそれに近いものが専門家として大手を振っているように見えますが…。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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2つの反テロ連合軍、連携は果たして可能か?
転載元)
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米国が主導し「ダーイシュ(IS,イスラム国)」と戦う有志連合軍はロシアとシリアが形成した反テロ作戦の実際の戦線からはますます乖離する傾向を見せている。ロシア人政治学者のウラジーミル・レペヒン氏はこうした見方を示している。以下、レペヒン氏の見解をご紹介しよう。

「先週木曜に行われた連邦教書でプーチン大統領は反テロ戦線の創設を提案し、この戦線は国際法を基盤とし、国連の庇護のもとで行動するものであらねばならないと指摘した。6日、オバマ米大統領は国民を前に演説したなかで、米議会に「ダーイシュ」との闘いを強化するよう提案したことを明らかにした。

ロシアの姿勢は見てのとおり、断固としているが、米国の砲はテロが米国にまで到達せんとしている段階でまだ猫の尻尾を引っ張り続けている。ここで疑問がわくのだが、ロシア指導部の提唱する統一した反テロ戦線と米国主導の有志連合軍の反「ダーイシュ」闘争は果たしてドッキングできるのだろうか?

こうした連合軍の創設を米国ははるか昔の2014年9月の段階ですでに宣言していた。米国が行なった最も目覚ましい行動とはその「参加者」リストを拡大したことだけだ。ところがこの連合軍には65カ国など到底入っていないばかりか、NATO加盟国でさえ、多くは加わっていない。そしてリストに入った一連の国はテロリストを相手に戦ってはおらず、その反対にテロリストを支援している。サウジアラビア、カタールは資金と戦力を提供し、ウクライナとトルコは兵器を、米国は政治的な擁護を与えているといった具合だ。しかも米国および連合国数国の主たる目的は米国務省の言うような「ダーイシュ」との闘争ではなく、「アサド問題」の解決である。

統一の反テロ戦線を創設しようとのプーチン大統領の呼びかけは、米国主導の形式的で見せかけの連合軍の行動に対するアプローチを原則的な方法で変える必要性だと捉えねばならない。これが出来ないのであれば、テロリストやそれに供与する者らとの現実的な闘争を行なう別の連合軍、戦線を作らねばならない。

ロシア内外の多くの専門家は、米国が参加した連合軍が「ダーイシュ」との実際的な戦いに至る可能性はありえないと指摘している。今までの経験から米国務省は、実際の重心が傾いた方に、しかもポートフォリオを分け合い、配当を数える時が熟したまさにその時にしか、加担しようとはしない。したがってロシアは米国の立場を覗うことなく、全く新たな、分かりやすく開示的な原則にのっとり、反テロ戦線を作る必要がある。

こうした戦線の中心的存在は、今日「ダーイシュ」との闘争の中心に立たされているシリア政府の側に立ち、テロリストとの戦いに公式的かつ明確にのぞんでいる国家となる。
米国にではなく、まさにこうした国に反テロ戦線の本物の参加者らは組みいらねばならない。こんにち、こうした戦線に加わっているのはロシアとイランだ。これに明日にもイラク、エジプトが加わる可能性がある。思考中なのはフランスをはじめとする他の欧州諸国だ。そのうち数カ国はすでにテロに対抗する構えを表している。一連の国は急進的イスラム教徒とのリアルな戦いを目指して動き出している。ということはプーチン大統領の提唱した反テロ戦線の形成もそう遠い未来の話ではない。


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シリア軍攻撃当日、現場上空を連合軍の軍機が飛来、露国防省
転載元より抜粋)
983451

9日、ロシア国防省のコナシェンコフ公式報道官は声明を表し、シリア軍野戦キャンプが攻撃されたその日、国際有志連合軍に所属する2つの国の戦闘機2機がデイル・エズ・ゾル付近の上空を飛行していたことを明らかにした。

「この2機が攻撃に参加していたとすれば、反『ダーイシュ』連合軍のリーダーとしての米国防総省の代表らは12月6日、自国の連合国の軍機がデイル・エズ・ゾル付近を飛来していた事実に沈黙しているのか? シリア内のダーイシュの標的について全ての情報を連合軍が米国防省から受け取っているというのが、その沈黙の理由ではないのか?

誰が実際にシリア軍に攻撃を行ったかという問いへの答えは、非常に近いうちに明らかになると確信している。シリア政権がこの事件の捜査結果と攻撃で使われた弾薬の型を公表し次第、はっきりする。

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「対ISIS有志連合は混乱」
転載元)
4bhkfb9f3349741mra_200C113アメリカの元上院議員が、対ISIS有志連合は非常に混乱し、統制がとれておらず、機能を果たしていないとしました。
アメリカのジェームズ・ジョージ・ジャトラス元上院議員は、プレスTVのインタビューで、「サウジアラビアとトルコといった国々は、アメリカ主導の対ISIS有志連合の参加国だが、これにもかかわらず、ISISを支援している」と語りました。

ジャトラス氏は、「このアメリカによる連合はテログループに対抗するための明確な戦略的目標を有していない」と述べました。
また、12月18日にニューヨークで開催される予定のシリア問題をめぐる国際会議の開催について、「期待していない」としました。

シリアは2011年から現在まで、西側の支援を受けているテログループと戦っています。
この中で、これまで25万人が死亡、数百万人が難民となっています。

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