[ラジオイラン 他]シリアが、サウジアラビアに警告 / ロシア下院関係者、「サウジ軍のシリア派遣は、宣戦布告を意味する」 

竹下雅敏氏からの情報です。
 シリアは予想した通りの状況です。事実上シリア軍がダーイッシュ(IS)を掃討し、“残った戦闘員はトルコへ向かって逃げている”状況において、シリア政府の同意なしにサウジアラビアがシリアで軍事作戦を行なえば、それは侵略になります。アメリカの意向に基づいて、“もしサウジがこのような行動を取れば、サウジを含む地域全体は戦火に見舞われることになる”のは間違いありません。
 現在のサウジアラビアやトルコは狂っているので、こうなる可能性は十分にあります。もし、開戦になったらですが、結果はウクライナと同様のものになるでしょう。ウクライナ政府軍は、ドンバスの親ロシア派に対して、まったく勝ち目がありませんでした。同様にロシア、イランに援助されたシリア政府軍の圧勝になると思われます。それだけではなく、サウジアラビア、トルコの国家が解体する形になると思われます。
 以前フルフォード情報で、“サウジは今、降伏状態にあり、彼らが勝者の足にキスをする前の決戦へのより高度な戦いを待っている”ということでしたが、この事かも知れません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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シリアが、サウジアラビアに警告
転載元)
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シリアのムアッリム外務大臣が、サウジアラビアの地上戦参加に関して警告を発し、サウジアラビアがシリアの地上戦に介入した場合、大きな敗北を喫することになるだろう、としました。

レバノンのアルマヤーディンテレビによりますと、ムアッリム外相は、6日土曜、ダマスカスでの記者会見で、「シリア政府の同意のないサウジアラビアのシリア領土へのあらゆる介入は侵攻であり、侵攻もまた当然抵抗を必要とする。我々はシリアへのあらゆる侵略は敗北に直面すると強調する」と述べました。

また、サウジアラビアのシリアへの軍隊派遣に向けた努力について、「サウジアラビアはアメリカの要求を実行しているが、シリア軍の勝利は陰謀を企てている者たちやその支持者たちを失望させ、彼らは自ら戦場に入ることを決めた」としました。

さらに、「サウジアラビアがシリアの地上戦に参加するとは思わないが、イエメンや他の地域に対する狂気じみた決定を見ると、それもありえると考える」と強調しました。

ムアッリム外相は、「ISISとサウジアラビアは共通性を有しており、鞭で打ったり、首を切ったりする行為はISISと共通であり、ワッハーブ派の文化だ。これにもかかわらずアメリカはサウジアラビアと連帯を続けると主張している」と語りました。

さらに、「シリアに対して陰謀を企てている者は、シリア軍の前進後、“戦場で使用していた道具”に失望し、自ら戦場に入ることを決めた」としました。

また、ジュネーブでのシリア協議に関して、「我々はジュネーブ入りした最初の団体だったが、我々が得た反体制派のリストは不完全だった。我々はジュネーブ協議に一切前提条件をつけず、またどんな条件も受け入れなかった」としました。

ムアッリム外相は、「我々は国連のシリア特使の任務の成功を求めているが、彼は更なる努力を行うべきでだ」としました。

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ロシア下院関係者、「サウジ軍のシリア派遣は、宣戦布告を意味する」
転載元)
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ロシアがシリアに対するサウジアラビアの軍事介入の提案を批判し、それは宣戦布告を意味するとしました。
プレスTVによりますと、ロシア下院のクラシェニンニコフ民間法・刑法・調停・訴訟法委員長は、「サウジアラビアはシリアで軍事作戦を行う前に、シリア政府の許可を得なければならない」」と語りました。

サウジアラビアのアシリ国防相顧問は、干渉的な声明の中で、「必要な場合、サウジアラビアはシリアに地上部隊を派遣する用意がある」としました。
アメリカのカーター国防長官は、サウジアラビアのこの提案を支持する中で、「来週、このことをサウジ国防相とEU本部のあるベルギー・ブリュッセルで話し合う」と語りました。

イランのレザーイー公益評議会書記も、「サウジ軍のシリア派遣により、地域戦争が勃発する可能性がある」と述べています。

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イラン公益評議会書記、「サウジ軍のシリア派遣で、地域戦争の勃発の可能性」
転載元)
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イラン公益評議会書記が、サウジアラビア軍のシリア派遣により、地域戦争が勃発する可能性があるとしました。
イルナー通信が6日土曜伝えたところによりますと、レザーイー書記はイラクとシリアでヌスラ戦線やISISなどのテロ組織が敗北を喫した後、サウジアラビアとアメリカは、テロ組織の残存勢力を救出し、シリア軍と戦うため、サウジ軍をシリアに派遣することを決めたとしました。

レザーイー書記はまた、「もしサウジがこのような行動をとれば、サウジを含む地域全体は戦火に見舞われることになる」としました。
サウジアラビアのアシリ国防相顧問は、干渉的な声明の中で、「必要な場合、サウジアラビアはシリアに地上部隊を派遣する用意がある」としました。

この声明の一方で、シリアに関するジュネーブ国際会議は先週、サウジアラビアの支援を受けた反体制派の妨害により、開催延期となりました。


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シリアでISが敗走する中、サウジはシリアへ15万の部隊を派遣すると表明したが、はったりだの声
転載元より抜粋)
 サウジアラビアからの情報だとして、アメリカのメディアは、サウジアラビアでシリアへすぐにでも派遣できる15万人の部隊が待機していると報じている。この部隊はサウジアラビアのほか、スーダン、エジプト、ヨルダンの軍隊で構成され、さらにモロッコ、トルコ、バーレーン、アラブ首長国連邦、カタールの軍隊も派遣される予定で、マレーシア、インドネシア、ブルネイからは傭兵が送られるという。サウジアラビア国防省の広報担当はツイッターで、同国の地上部隊をシリアへ派遣する用意があると表明し、アメリカのアシュトン・カーター国防長官はサウジアラビアの表明を歓迎すると発言している。

 また、ロシア国防省はトルコがシリアへ軍事侵攻してくると警戒している。シリア支配に失敗するとレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の公的な戦略が破綻するだけでなく、盗掘石油の密輸によって儲けることができなくなって私的な損失を被ることになる。NATOという用心棒を利用してロシアに向かうリスクを冒す可能性は小さくない。

 サウジアラビアが部隊を送る口実はアメリカが主導する「反ISIL軍」を支援することにあるとしているのだが、要衝のアレッポをシリア政府軍がほぼ奪還、ISIL(ダーイッシュ、IS、ISISなどとも表記)は壊滅状態で、残った戦闘員はトルコへ向かって逃げていると伝えられている。ほかの地域も似たような状況のようだ。前回も書いたが、ネオコンの代弁紙であるワシントン・ポストでさえ、アレッポを政府軍がおさえたことで戦争自体の決着がついた可能性があると報道している。

 こうしたサウジアラビアから出てくる話を単なるはったりだと考える人は少なくない。まず、サウジアラビアはイエメンで始めた戦争が泥沼化、その戦争もあって財政赤字が深刻化、新たな戦争を始める余裕はないだろうと考えられている。

 アメリカ/NATO、サウジアラビア、トルコ、イスラエルなどの計画では、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュが踏ん張っている間にNATO加盟国のトルコ軍やサウジアラビアが派遣する武装集団がシリアへ攻め込み、一気にバシャール・アル・アサド体制を倒すつもりだったのかもしれないが、予想以上に早くそうした手駒が崩壊してしまったようだ。

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