[創造デザイン学会]Brexit の 2 度目の投票があるかもしれない、その理由 〜国際企業独裁体制の野望が実現することはない〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 著者は、今回のEU離脱を支持した国民投票の結果にも関わらず、最終的にはイギリスはEUへの残留となる可能性が高いと考えているようです。国民投票の結果は最終的なものではなく、あくまで参考にする類のものなので、ギリシャと同様に、国民投票の結果とはまったく異なった事態に落ち着く可能性が高いとしています。
 今回の国民投票の本質は、イギリス市民がEUという“ヨーロッパの貴族階級支配を拒否した”ということです。しかし、彼らはこうした市民の反乱を最終的には抑え込み、“どんな手段を使ってでも”、彼らが目標とする国際企業独裁体制を実現するだろうとしています。何故ならそれが、ビルダーバーグ会議、日米欧三極委員会、ダボス会議の夢だからだとしています。
 著者は、今世界で起こっていることを大変よく理解していると思います。しかし、結論はまったく逆だと断言します。彼らのこうした野望が実現することはありません。ギリシャのツィプラス首相は、現在、死んだふりをしていますが、時が来れば何時でも立ち上がる準備が出来ているはずです。彼の眼は死んでいません。私たちが見ているのは、“国際貴族による国際独裁制の夢”が滅び去って行く、まさにその始まりを見ているのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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Brexit の 2 度目の投票があるかもしれない、その理由
転載元)
(前略) 

Eric Zuesse
Global Research, July 1, 2016

はじめに

Brexit(EU からのイギリスの離脱)は、国際的な貴族階級にとっては、恐ろしいボディ・ ブローになるだろう。それは、国際企業の株の支配権をもち、あらゆる国(ロシアと多分、 中国を除く)の政治家を支配し、特に、EU(欧州連合)の執行部、すなわち EC(欧州委員 会)のような、国際委員会をコントロールするような人々(とその代理人)にとっては、そうなるだろう。EC、すなわち EU 内部の執行権力は、任命された団体であって、選挙によるものでなく、その構成員の一人ひとりは、EC の議長によって自由に解雇でき、この EC 議長が真の EU 大統領であり、彼自身、EU 参加国のそれぞれから選ばれた、政治家の間の 取引によって選ばれた被指名者間の話し合いの結果、指名された者である。

(中略) 

EU において“公的な仕事”につくということは、本質的には、ヨーロッパの貴 族階級に奉仕することであって、民衆に奉仕することではない。 

http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=celex%3A12012E%2FTXT

(中略) 

EC(欧州委員会)の議長は、ヨーロッパに対して絶大な権力をもっている。彼は EU 独裁 制の内部のすべての法律を起草し、EC のゴム印すべてをもっている。

(中略) 

イギリスが EU から離脱するということは、したがって、このシステム全体の公的な拒否と、当該国家の民主主義の復活を、民衆が望んでいることを意味する。すなわちそれは、民衆が、ヨーロッパの貴族階級による支配を拒否していることになるだろう。

(中略) 

イギリスの立場 

イギリスは成文化された憲法をもたない。だからイギリス政府は、(Brexit のような)国民 投票の票決が、本当に最終的なものかどうかを決めるような問題は、“その場で決める”。

(中略) 

イギリスは、EU への残留の可能性がきわめて高く、その時を期して、おそらく民 主主義はイギリスでは、回復不能の状態に死に絶えるであろう。そして国際企業の大株主た ちが、この国を厳しく支配するであろう。

(中略) 

成文憲法をもつ、英以外の EU 諸国に関するかぎり、それらの憲法は、EU の国際企業独裁制がますます強力になり、“ヨーロッパ合衆国”が実現するにつれて、時間と共に少しずつ効力を失っていくだろう。それは「ビルダーバーグ会議」の夢であり、 「日米欧三極委員会」(Trilateral Commission)の夢、「ダボス会議」の夢、国際貴族による国際独裁制の夢である。

こうした言葉は表面的には、心地よく響くかもしれない。しかし、その展望は地獄である。そしてここに、その地獄とは何かが、太平洋諸国のために米大統領 バラク・オバマが提唱した、TPP 条約について説明されている。これは、彼の提案した TTIP でも、大西洋諸国(ヨーロッパを含む)のための TISA 条約でも同じである。――環境、労働者の権利、それに製品の安全性に関する規制は、国際企業の思い通りに任せられるだろう。 民主主義と人民の主権は終わるだろう。

http://rinf.com/alt-news/breaking-news/the-most-criminal-treaty-in-history-is-now-presented-for-signing/


(中略) 

権力をもつ人々(これらの企業を支配する人々)の態度は、「世界 は滅びるがよい、私は利益がほしいだけだ」というものである。

(中略) 

政府は、市民でなく、投資家に奉仕するために存在する。市 民は、これまでと違って、貴族階級の単なる臣民になってしまった。これは封建主義への逆 戻りだが、ただ企業の時代では、ベニート・ムッソリーニが“企業政体”(corporationism 別名、ファシズム)と呼び、擁護した、一つの政治体制である。

http://www.washingtonsblog.com/2015/04/whats-obama-up-to-with-his-tpp-ttip.html

結論 

最初の EU 離脱投票の意味は、イギリス市民が、正式に、イギリスの貴族階級の望んでいた ことへの反対を表明した、現代で最初の例だということである。しかし、この投票の結果は、 2015 年に行われた、国際貴族階級によるギリシャ政府の“緊急援助”(買い占めの美名)に 関する、ギリシャ国民投票の結果と、(違った方法ではあるが)同じことになる可能性が強い。あの場合、2015 年 7 月 5 日のギリシャ国民投票は、61%の大多数によって、国の政府 を売ることを拒否した。この問題に関するウィキペディアの項目は、結論にこう言っている ――「7 月 13 日月曜日、急進左派連合に率いられたギリシャ政府は、国民投票でギリシャ 選挙民が拒否したより、もっと大きな年金カットや増税を含む、緊急援助のパッケージを受 け取った。」そして、それがその終わりだった。

(中略) 

基本的には、イギリスもギリシャも、おそらく同じ結果 になるだろう。人々は、臣民(被統治者)としての、彼らの運命を受け入れなければならな い。西洋史は大きく弧を描いて封建時代に戻ってきた――ただし現代の形、すなわち“平和 な”ファシズムの形で。

もしすべてがこの通りになるとして、そのメッセージは、主人たちから届くこのようなもの になるだろう――「未来へようこそ! それは私と私の子供たちのものであって、君や君た ちの子供たちのものではない。我々が所有者だ、君たちではない。我々の邪魔をしないこと だ。なぜなら我々はきっとそこに行きつくからだ――どんな手段を使ってでも、君たちがど んなことをしようとも。」

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