[第5回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(3)


今、美味しい春の野草5種(3)


「山桜が咲いたら籾おろし」とか、母の田舎では「コブシが咲いたら籾おろし」といいます。また、「柿の葉がキュウリの種を3粒包めるくらいに開いたら種まきをする」といいます。他にもいろいろありそうですね。年によっても場所によっても、種まきの適期が違うけれど、こうして植物達の合図を見ればわかります。自然の中で暮らすからこその知恵ですね。今は苗を買い、育苗の手間を省いて、効率の良い稲作が主流ですが・・・。


植物の命がぎゅっとつまった種から芽が出る喜びを、植物と共に感じることができれば幸せです。次男が生まれた年に、大きな安政柑かブンタンをいただき、種を植えました。大きな大きな実がなるかもと・・・、約8年後、花が咲き実がつきはじめました。

種から育てると原種がでるとか、八朔くらいの大きさで、ちょっと珍しい味です。毎年なるようになり、200個~300個なったこともあります。引っ越してしまいましたが、今も樹は残っています。

そして、今度は美味しい桃をいただいたので、種を植えました。3年目の昨年花が少し咲きました。今年はたくさんの蕾をつけ、昨日1日でかなりの花が開きました。桃栗3年柿8年・・・桃は早く育つんですね。


今年は春がいつまでも寒かったのですが、いつの間にか山桜やコブシが咲いています。我が家のバケツ稲の籾おろしです。

山桜


「のらのら」(農文協)という季刊誌にバケツ稲選手権というのがあり、なんと1粒の種籾から18,529粒が昨年の優勝です。1粒万倍どころではないですね。1粒の種の力ってすごい!

それでは、今日の野草をご紹介します。
yasou

(1)ノゲシ(ハルノノゲシ)



茶材やお浸し、炒め物、何にでも使える美味しい野草です。葉がアザミに似ていますが、ノゲシのトゲは加熱すると気になりません。強壮効果があり、元気をもらえます。

  1. 塩茹でして
  2. 熱いうちに醤油をふりかける。
  3. 巻きすに半分に切った寿司海苔をのせて、
  4. 絞ったノゲシを巻く。
    (今回はニンジンの塩茹で、ノカンゾウの塩茹でをいっしょに巻きました)
  5. 適当な大きさに切り、好みで醤油をつけて。

(2)ヒメオドリコソウ



在来種のオドリコソウの小型の帰化植物。シソ科で山菜や薬湯料などに。くせのない味で、炒め物や天ぷらに。生食はしません。


  1. ヒメオドリコソウ、ホトケノザを塩ゆでして、
  2. 水気を絞って梅酢につける。(1晩くらい)
  3. ミツバ、シャク、ノカンゾウ、ハコベなどを サッと塩茹でして熱いうちに軽く塩をまぶし、 広げて早く冷ます。適当な大きさに切る。
  4. 菜の花は塩水に浸けてお皿などで重石をしておく。 (1晩くらい)
  5. すし飯は昆布と塩少々を入れて、少し硬めに炊く。
  6. ⑤を熱いうちに寿司桶に入れて寿司酢で味をつける。
  7. ⑥に②④を絞って③といっしょに混ぜる。
  8. あれば木の芽をちらす。

(3)ミツバ



野生のミツバは香りが強く、風味豊かです。解毒作用や血行を良くする作用があり、ボケ防止にもいいといわれています。黄緑色のやわらかい葉を茎ごと摘みます。


  1. サッと塩茹でして
  2. 熱いうちに塩を多めにまぶし、
  3. 細かく刻む
  4. 熱いご飯にのせると香りが良くて美味
  5. ご飯に混ぜて、おむすびにも
    (手にお醤油をつけてむすぶと美味しいです)


(4)ナズナ(ペンペン草)


春の7草の一つで、とても美味しい薬効の高い草。煎じ液で目の充血、痛みの洗眼にも使える。肝臓病、高血圧、便秘、下痢などに。茹でて胡麻和えや、汁の実、天ぷらにも。


(5)ホトケノザ



春の七草のホトケノザ(コオニタビラコ)ではありません。シソ科のオドリコソウ属の帰化植物でヒメオドリコソウとほぼ同じ使い方をします。生食はしませんが、花の蜜を吸ったりします。(花は生でもOK)

中国では薬草として筋骨疼痛、腫れ、打ち身、しびれなどに使われるようです(中薬大事典)。リュウマチにお茶として飲用することもあります。

ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、菜の花、オオイヌノフグリ、タンポポなどの花びらを飾り用に使います。


  1. 水300ccに棒寒天を洗ってちぎってふやかせておき、火にかけます。
  2. かんてんを吹きこぼれないように煮溶かします。(カスがあれば網ですくう)
  3. 酒粕大さじ2~3くらいをすり鉢ですりつぶし、豆乳350ccを少しずつ入れながらのばします。(豆乳だけでもOk)
  4. ②に③を入れ、中火で沸騰させないように混ぜながら、はちみつ等で甘みをつけます。(今回は、はちみつ大さじ2きび糖大さじ2くらい入れました。甘さはお好みで)
  5. 1人分ずつ器にそそぎ、粗熱がとれたら花を散らします。(スイバジャムがあれば中に沈めます)
  6. 常温で固めます。(お好みで冷蔵庫で冷やしてもOK)


yasou
教えて!ニャンコ先生!
自然豊かな大地を毎日かけまわっているミヨ(ニャンコ・2才)がお答えします!

質問者
「野草の花かんてん」に使われているオオイヌノフグリ!
うちの近所でも見つけたよ!
いろいろなお花が食べられるんだね?!

ニャンコ先生
お花は本当はミツバチや蝶たち虫に置いておく方がいいんだにゃん!
だから、たくさんあって大丈夫そうな時や、花が終わりかけた時に摘むにゃん。
ニャンコ先生
にゃんにゃん母さんは落ちた椿の花を拾って天ぷらにしたりしてるにゃん。
質問者
椿の天ぷらっ!料亭に出てきそうだね!
ぐぅ、食べたい……!


■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「のらのら」農文協発行の子供向け農業雑誌(季刊誌)

ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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