今日は憲法記念日:憲法草案に昭和天皇「これでいいじゃないか」⇔安倍晋三「いじましいですね。みっともない憲法ですよ」 / アベ改憲願望発言に見える焦り 

 憲法草案に対して昭和天皇が「これでいいじゃないか」と発言していたメモが見つかったとのこと、名もなき投資家さんのツイートによると、今上天皇も「国民とともに憲法を守ることに努めていきたいと思っています」と発言しています。ところが安倍首相は「いじましいですね。みっともない憲法ですよ」と発言しています。護憲派と改憲派のトップの発言ですが、言葉の重みに違いを感じます。
 また5月1日に「新しい憲法を制定する推進大会」が開催され、安倍首相が「必ずや歴史的な一歩を踏み出す」「機は熟してきた」等と発言し憲法改正に執念を示しました。これに対して澤藤統一郎弁護士は下の記事で“日本を昔の暗い時代に逆戻りさせようとの組織的改憲共謀の準備行為に該当する”との見解を示しています。また安倍首相の中身のない発言を逐一検証し、“アベ発言は焦りにも聞こえる”としています。板垣英憲氏の情報によると、改憲どころか、政権崩壊の危機にさらされているのが現状なのではないでしょうか。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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施行70年 安倍首相、憲法改正に強い意欲
配信元)

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安倍晋三首相、憲法改正に強い意欲!「必ずや歴史的な一歩を踏み出す」「機は熟してきた」
転載元)
安倍晋三首相が憲法改正について強い意欲を表明しました。先日に都内で「新憲法制定議員同盟」が主催した講演会で、安倍首相は「いよいよ機は熟してきました。今、求められているのは具体的な提案であります」と述べ、憲法改正の用意が整ってきたと強調。

更には上記の発言に続けて、「足元の政局や目先の政治闘争だけにとらわれ、憲法論議がおろそかになってはならない。憲法改正という大きな目標に向かって、この節目の年に必ずや歴史的な一歩を踏み出す」などと安倍首相は発言しました。

今年は日本国憲法の誕生から70周年目ということもあり、憲法改正を主張している改憲勢力の動きが非常に活発化しています。先週も昭和の日などに合わせて改憲勢力が集会を行い、そこでも今の憲法は変えるべきだと明言していました。

(以下略) 

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配信元)




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アベ改憲願望発言に見える焦り
転載元)
<澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士>

超党派の「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)という組織がある。これが、昨日(5月1日)「新しい憲法を制定する推進大会」を開催した。日本を昔の暗い時代に逆戻りさせようとの組織的改憲共謀の準備行為に該当する。

この集会は例年のことだそうだが、昨日はアベ晋三が現職の首相として初めて出席して、壇上から発言した。「憲法改正について強い意欲を示した」と報じられている。

「新憲法制定議員同盟」の「新憲法制定推進大会」において、「憲法改正」が語られることが腑に落ちないが、アベの頭の中では、どう整理されているのだろうか。

産経が、「首相の発言詳報」を掲載している。アベ自身が「本日は自民党総裁の安倍晋三としてここに立っておりますので、念のため申し上げたいと思います。」と断っているのに、「首相の発言」である。含むところがあるに違いない。

産経の伝えるところを読んでの限りだが、アベの改憲論は「どこでもよい、なんでもよいから、ともかく改憲」というもの。改憲を自己目的化してしまって、理念も理想も語るところがない。なにゆえ、憲法のどこをどう変えようというのか、その具体案がない。だから、まったく迫力がない。人に訴え、心を揺さぶる力がない。改憲の焦点が定まらない以上どうしようもないのだ。

「機は熟した。今求められているのは具体的な提案だ。理想の憲法の具体的な姿を自信を持って国民に示すときで、しっかりと結果を出さなければならない」「この節目の年に必ずや歴史的一歩を踏み出す。新しい憲法を作っていくことに全力を傾けると誓う」と、言葉が空回りだ。

客観情勢は、アベ改憲願望に順風を送ってはいない。「自民党は、圧倒的な第一党として現実的かつ具体的な議論を憲法審査会においてリードしていく覚悟だ」「憲法改正を党是に掲げてきた自民党の歴史的な使命ではないか」と訴えたという。しかし、今国会での憲法審査会審議は、衆院でも3回に過ぎず、参院はまだない。明らかに改憲機運は停滞しており、アベ発言は焦りにも聞こえる。


なお同集会には、自民党のほか、民進、公明、維新、日本のこころの各党から、改憲派議員がが出席したという。産経によるアベ発言の詳報は次の通り。太字がアベ発言(抜粋)で、細字が私の突っ込みである。

(中略) 

いよいよ期は熟してきました。 

まったくそうは思わないね。国民の関心は、憲法改正からは確実に薄れている。

今求められているのは具体的な提案であります。もはや改憲か護憲と言った抽象的で、そして不毛な議論からは私たちは卒業しなければいけないと思います。 

勝手なことを言ってもらっては困る。「もはや改憲か護憲と言った抽象的で、そして不毛な議論からは私たちは卒業しなければいけない」という改憲派の願望は分かる。しかし、現実は「改憲か護憲か」という綱引きがこの国の政治の基軸をなしている。しばらくは、「卒業」などできっこない。そもそも「改憲か護憲か」と言う議論は抽象的ではない。わが国を軍事大国化し、権力を集中強化して、人権を抑制しようという「改憲派」の策動と、それと対峙する「護憲派」の対峙ではないか。その議論を「不毛」とごまかし、切り捨ててはならない。

この国をどうするのか、わが国の未来へのビジョン、理想の憲法の具体的な姿を自信を持って国民に示すときです。そして、しっかりと結果を出していかなければならない。 

今こそ、「理想の憲法の具体的な姿を自信を持って国民に示すとき」? まだ示してないの? 2012年の「自民党改憲草案」は、「理想の憲法の具体的な姿を自信を持って国民に示した」ものではなかったというわけ?

(中略) 

少子高齢化、厳しさを増す安全保障情勢。平和で豊かな日本をどうやって守っていくのか。私たち全員が顔をあげ、その視線を未来に、そして世界に向けていく必要があります。足下の政局、目先の政治闘争ばかりにとらわれ、憲法論議がおろそかになることがあってはいけません。憲法を最終的に改正するのは国民です。しかしそれを発議するのは国会にしかできません。私たち国会議員はその大きな責任をかみしめなければなりません。 

分かることは、とにもかくにも「改憲」ありきの結論にもっていきたいという執念だけ。妄念と言ってもよい。これで国民を説得出来るわけがない。改憲の焦点が定まっていないのだから、空回りにしかなりようがない。

アベ発言の最後は、超党派の改憲派出席議員に向かって、「皆さん、一緒に頑張っていきましょう。」で結ばれている。「皆さん、憲法改正のために一緒に頑張っていきましょう。」の意味だが、「憲法改正」を「憲法擁護」に一括変換して、「皆さん、憲法擁護のために一緒に頑張っていきましょう。」と結んでも、さしたる違和感がない。それほどの抽象的議論であり、その程度の改憲指向発言なのだ。

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