加計学園疑獄:小池晃議員が政府関係者から資料を直接入手 「総理のご意向」により加計学園ありきで推し進められた決定的証拠 【後半】

 引き続き、後半では、加計学園以外の候補となる大学を、意図的に排除した経緯が明らかにされます。
 加計学園に獣医学部を新設することを決定づけたのが、11月9日の国家戦略特区諮問会議です。表向きオープンな形を繕いつつ、それ以前の調整段階で、存分に「総理のご意向」が発揮されました。内閣府は、文科省に対して、会議の決定原案には無かった文言を、滑り込ませました。その文言によって突如、新設地域の条件が限定されてしまい、加計学園とは比較にならない詳細かつ有望な設計構想を持っていた京都産業大学が、提案を断念せざるを得なくなったのです。事実上、候補は加計学園のみとなりました。同時に、新設の条件として、文科省の方から出されていた修正案は除外され、その結果、加計学園は候補に残ることができました。ライバルは除いて、加計学園には下駄を履かせる。しかも、文科省から内閣府への意見書には、「今治市の構想が適切」とあり、11月9日以前からすでに、加計学園ありきで調整していたことが決定的となりました。
 まともな答弁をしない犯罪的な大臣を尻目に、議員は、霞ヶ関の官僚に対して「国家の私物化を許していいんですか」と訴えます。この声、霞ヶ関の良心に届いてほしい!
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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加計学園5/22小池晃「直接 政府関係者から資料。動かぬ証拠」と:参院・決算委員会
配信元)

8:38

もう一点、重大な問題が、国家戦略特区諮問会議での決定であります。11月9日に、安倍首相を議長とする国家戦略特区諮問会議が開かれて、現在広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り、獣医学部の新設を可能にすることが決まりました。そういう経過です。我々は、この決定の原案を入手しました。内閣府が示した原案であります。この原案には『広域的に』という言葉と、『限り』と言う言葉がないんです。原案にそれがなかったことは、大臣、認めますか?

山本特区担当大臣「まず初めに、総理からの指示とか、そんなことは全くありません。私が決めているわけであります。あのーあのー、内閣府特別担当大臣として、実質的な責任は私がやっとりまして、私が指示して、指揮してやっているわけであります。昨年11月の諮問会議とりまとめの原案に至る経緯、原案から諮問会議に至る調査の経緯でございますけれども、昨年10月の下旬ごろ、特区WGでの文科省・農水省との議論や、獣医師会などから提出された慎重な意見などから、総合的に判断して、まずは地域を限定することで意見に十分配慮することが適当であると私が判断・決断いたしました。その上で、内閣府の事務方にとりまとめの原案作成を指示いたしました。昨年の10月28日に、内閣府の事務方が、文科省の高等教育局、10月31日に農水省の消費安全局に原案を提示いたしました。農水省からは、原案についてのコメントはございませんでした。文科省からは、昨年10月31日に内閣府に対し、意見の提出がございました。翌11月1日に、内閣府から文科省に最終調整案を提示いたしました。翌11月2日に文科省から内閣府に意見なしの回答があり、特区WG委員、関係省庁間での事務的な調整を終えたわけであります。最終的に私が内容を確認して、11月9日の諮問会議とりまとめに至ったということであります。」

小池晃議員「私の聞いたことに一切答えてないんですが。最初の原案を内閣府が作られたこと、認められました。その原案に、『広域的に』と言う言葉と『限り』と言う言葉はありませんでしたね?

山本特区担当大臣「あのー、各省間のやりとりは、色々ございます。しかし、その途中の段階のものをですね、あのー、あのー、そのことをお出しするというようなことは、将来の、色んな決定事項に影響しますので、そういうことは、途中段階のものは、えー、答弁は差し控えさせて頂きます

小池晃議員「否定できないわけですよ、私どもが入手したものには、『広域的に』って言葉はないんです。『広域的に』『限り』と言う言葉が加わって何が起こったか。当時京産大が、獣医学部新設を提案しておりました。加計学園とは比べものにならない詳細な設計構想を示し、京大のIPS研究所との連携など、もしも獣医学部を新設するというのであれば、よりふさわしい大学であったことは、衆目の一致するところ。しかし『広域的に獣医学部が存在しない地域に限る』という条件が盛り込まれて、既に大阪府立大学に獣医学部があるがために、京産大は断念せざるを得なくなった。加計学園に一本化されたわけです。国家戦略特区会議の決定が、こういった経過がまさに加計学園に獣医学部を新設させるための決定だった。これは明らかじゃないですか、大臣、この経過から言って」

山本特区担当大臣「あの、昨年11月9日の諮問会議とりまとめで、空白域に限ると致しましたのは、感染症に対する水際対策をになう産業動物獣医師に地域ごとの偏在があり、確保が困難な地域もある一方で、獣医師会などからの慎重論があることを踏まえ、産業動物獣医師の地域偏在に対応するとともに、獣医師が新たに取り組むべ分野に対応しえる獣医学部をいち早く実現するために、まずは地域を限ったもの。こういう風に進めようという意見と、慎重な意見を考えた時、まず空白地から始めることを考えるのは当然だと私は思います。この、広域的に獣医学部が無い地域に限ることになったのは、長年実現できていなかった岩盤規制改革に、慎重な議論があったためであり、今治市は加計学園ありきで制度を改正したわけではありません」

小池晃議員「これ、ホントに無理のある説明だと言う風に思う。総理も、そんな答弁してるんですけどね、これ、言い逃れ、できませんよ、もう。我々が入手した『今後のスケジュール』、これは11月9日の、今の諮問会議の決定前に作られたものです。しかし、今治市分科会の予定まで書きこまれているんですよ。今治市、加計学園ありきでスケジュールが組まれていたことは、明白なんですよ。


14:09

それだけではありません、今、大臣が答弁した中で、文科省から、内閣府の原案に対する意見が出されたことをお認めになった。その、文科省から内閣府に出された意見も、私ども入手いたしました。そこに何を書いてあるか、修正案、修正案を提案しているんです、文科省が提案した修正案には『以下の対応がなされることを前提としたものだ』と書かれている。その『以下の対応』の中には、今治市の構想が適切であると、書かれているんですよ。あのね、いい加減なこと、言っちゃいけませんよ。あとでこの文書、全部私ども公開しますから。後で大変なことになっても知りませんよ。正確に、正直に、答えて頂きたい。今治市ありき、加計学園ありきで、国家戦略特区諮問会議の決定が行われた、動かぬ証拠じゃありませんか、これ。はっきり認めた方がいいと思います、もう。逃れようがないと思いますよ」

山本特区担当大臣あの、その、ご指摘なる文書がどういうものであるか、全く分かりませんからコメントのしようがありませんが、私どもは先ほどから申し上げておりますように、空白域に限るとしたのは、感染症に対する水際対策を担う産業動物獣医師に地域偏在がある、確保が困難な地域もある、そういう一方で、獣医師会などから慎重論も踏まえて産業動物獣医師の地域偏在に対応するとともに、獣医師が新たに取り組むべき分野に対応しえる獣医学部をいち早く実現するためには、まずは地域を限って始めようということで、したものであります」

小池晃議員「先ほど大臣、文科省が、内閣府の原案に対して意見を持ってきたとおっしゃいましたね。その中には、私が言ったようなことは、書かれていましたよね?確認します」

山本特区担当大臣「あのー、先ほど申し上げましたように、各省とのやりとりは、色々ございます。そのやりとりについて、えー、いちいち、いつ、どうなったというような話は、これは途中段階の、お話でありますので、申し上げることは出来ません」

小池晃議員「あのね、必要な資料を出せったら出さないわけですよ、で、我々が入手して示すとね、怪文書だとかって言うわけですよ、で、具体的に指摘をするとね、それは分かりませんって言うわけですよ。こんな無責任な話、ないじゃないですか。やっぱりね、この、途中経過が重要なんですよ。なんで、こんな決定がされたのかね、誰がどう見たって理不尽なね、これまでのね、獣医師の養成は、これはしないんだと言ってきたね、文科省の方針、農水省の方針、全部ひっくり返して。それでね、やったわけでしょう、だとすれば、その途中経過が重要じゃないですか。文科省は、国家戦略特区会議に向けて、獣医学部新設の条件として、既存の大学学部では対応が困難な獣医師養成の構想が具体化することと、それから、近年の獣医師の需要の動向も考慮する、このことを修正案で求めましたね?

松野文科大臣「先生の方でですね、ご指摘の点、どちらの書類の方からお引きになっているのか、私の方で承知をしておりませんので、それに関してはですね、私の方からコメントは差し控えさせて頂きますが、一貫して申し上げている通り、国家戦略特区の方向性、比較に関しては、これは内閣府、でお決めを頂いていることでありますし、それを受けてですね、全体の、今までの抑制理由であった獣医師の需給関係、に関しての影響に関しては、農水省の方でご判断を頂かなければならない、これは一貫して申し上げているところでございます」

小池晃議員「ね、それはね、一貫して言ってたけど、全部ひっくり返されたわけでしょう、文科省は。石破氏が地方創生大臣だった当時の、日本再興戦略改定2015年のいわゆる4条件の2つですよ、これは。でね、加計学園は、この4条件をつきつけられたら、絶対満たせないところなんですよ。

しかし、この文言もついに、この国家戦略特区会議のね、最終決定には、盛り込まれなかったわけですね。そしてついに昨年の11月9日、安倍首相が議長を務める会議で、最終決定が行われたわけです。全体として、こういう経過ではありませんか。

結局、文科省が言ってたこと、全部ね、総理の意向の一言で、いや、直接言ったかどうかってね、そこ否定してるけどね、これ、総理の意向ということを盾にして、内閣府は、文科省からつきつけられてる要求、全部はねのけてきたわけでしょう?それでね、今までの決定を覆す。私はね、この経過は、今までの国会での関係閣僚の答弁、総理も含めて全て虚偽だった可能性があるわけですよ。これ、極めて重大です。

加計学園にしても、森友学園にしても、国政の私物化ですよ。一部の人間が利権にありつくような、そんな国にしていいんでしょうか。公務員ってのはね、全体の奉仕者なんですよ。これに対して、疑問を持ってるね、霞ヶ関の官僚、いると思います、私。今までね、自分達が築き上げてきたものがね、ホントにごく一握りの政治家によってひっくり返される、こんなこと許していいんですか、霞ヶ関の皆さんは。私はね、本当に真剣に考えるべきだと思いますよ。

本当に正直に、この間の経過を明らかにする、これが必要だと思います。公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者であってはなりません。関係者の国会召致、総理も含めた集中的な審議が必要だと思います。この文書、私ども、これから公開を致します

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