竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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ブロックチェーンによって現実化されるベーシック・インカム①
転載元)
カレイドスコープ 17/9/22
今、イーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグ、リチャード・ブランソンら、ユニバーサル・ベーシック・インカムの熱烈な支持者たちが、ブロックチェーン技術を使って富の均等な配分方法を提唱しはじめた。
(中略)
人工知能(AI)、インターネット・オブ・シングス(Iot)、ロボット技術、自動運転技術、3Dプリンタ、ウェアラブル・インターネット、ナノテクノロジー、量子コンピュータ、フィンテック、ブロックチェーン技術、スマートシティー、新しい通貨システム・・・そして、シンギュラリティーの訪れ。
(中略)
グローバル・アジェンダ・カウンシルの公式文書には、21のティッピング・ポイント(tipping point)が明らかにされています。
ティッピング・ポイントは、「ある技術的変革が、突如、社会の主流を転換させてしまう瞬間」を指す言葉です。(中略)… 以下は、この調査報告書に挙げられている「2025年までに起こり得る21のティッピング・ポイント」です。
右側のパーセンテージは、この調査に参加した情報通信テクノロジー分野の専門家800人の回答者のうち、「そうなると思う」と回答した専門家の割合を示しています。
(中略)
・「1兆個のセンサーが、イーターネットに接続されている」-89.2%
・「米国で、最初のロボット薬剤師が誕生する」-86.5%
・「眼鏡の10%がインターネットに接続されている」-85.5%
・「3Dプリンタによって自動車が生産されている」-84.1%
・「政府が、ビッグデータのソースを使って国勢調査を行うようになっている」-82.9%
・「人体にインプラントできる携帯電話が発売開始となる」-81.7%
・「人口の90%がスマートフォンを使用している」-80.7%
(中略)
・「3Dプリンタによって生成された肝臓の初移植が行われる」-76.4%
・「法人の会計監査の30%が人工知能によって行われている」-75.4%
・「政府がブロックチェーンを介して、最初に徴税を行う」-73.1%
・「自家用車でなく、カーシェアリングによる移動や旅行が世界的に広がる」-67.2%
・「人口が5万人を超える都市で信号機が廃止される」-63.7%
・「世界のGDPの10%がブロックチェーン技術によって達成されている」-57.9%
・「企業の取締役会に最初の人工知能が出席している」-45.2%
(中略)
ティッピング・ポイントの内容を総合すると、以下のような流れが鮮明に浮き上がってきます。
1)ロボットによるオートメーション化
2)トランス・ヒューマン-人間と機械の融合によるサイボーグ化
3)「所有」という概念が希薄化して、「シェア」が主流となる
4)ブロックチェーンによる業態転換が進む
5)人工知能による意思決定プロセスが導入される
(中略)
それは、経済やビジネス、個人のライフスタイルに至るまで、空前のパラダイム・シフトをもたらします。
(中略)
マスク、ザッカーバーグに加わってリチャード・ブランソンまでもがUBIを推進
今、テスラ社のイーロン・マスクからフェイスブックのマーク・ザッカーバーグに至るまで、シリコンバレーの成功者たちは、来るべきオートメーションの衝撃を少しでも弱めようと、「最低限の生活を保障する制度」について、いくつかのアイデアを熟考しています。
それは、「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」という終身生活保護制度のことです。(中略)… この動きは世界的な潮流に育っていくことは、ほほ間違いのないことなのでしょう。
(中略)
溢れる出る一方の失業者が、いくら稼働能力活用要件を備えていても、仕事自体がロボットや人工知能が実現するオートメーション革命によって消えてしまうのですから、働きたくても働けない事態が生じるのです。
(中略)
ヨーロッパで始まったベーシック・インカム導入への動きは、着実に地歩を固めている
・・・日本の医療費を除く社会保障費は約75兆円です。
これをすべてユニバーサル・ベーシック・インカムに回した場合、国民一人あたり、月額5万円を配ることができます。もし、配偶者控除や扶養控除とか、諸種の控除も全廃すれば一人当たり約8万円を支給することができると試算されています。・・・確かに、働いている人も、働いていない人も、働きたくない人も、富める人も貧しい人も、生まれたばかりの赤ちゃんにも、自動的に一律8万円が支給されることになれば、年金や生活保護、雇用保険を担当する役所と職員は不要になります。
結果、小さな政府が実現し、公共事業は民間に移行され、規制が緩和されることによって、ますます自由な働き方ができるようになって、働けば働くほど豊かになる・・・良いことづくめのような話です・・・果たしてそうなのか。
(中略)
ところで、いったい財源はどうするの?
さっそく、「欧州中央銀行(ECB)は、ユーバーサル・ベーシック・インカムの財源を確保できるのか?」といった記事が出てきました。
(中略)
亀裂が深まるばかりのEUにとって、意外にも、ユニバーサル・ベーシック・インカムこそが、ヨーロッパを完全に統一する最後の切り札になるはずです。なぜなら、地球の全市民を政府に依存させることによって完全に管理することこそが、支配層にとっての悲願だからです。
(中略)
世界で最初のUBI仮想通貨は、すでに流通している
・・・最近、米国の非営利団体であるグラントコイン財団(Grantcoin Foundation)は、ブロックチェーン技術を使ったデジタル通貨を使用するユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)プログラムを実装しました。
(中略)
(中略)
グラントコイン・ベーシック・インカム・プログラムに参加を申し出た人であれば、世界のどこに住んでいようと、ベーシック・インカムとして、経済的価値を持つ仮想通貨が付与されるのです。
・・・イーロン・マスクや、マーク・ザッカーバーグ、リチャード・ブランソンらのユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の支持者たちは、ブロックチェーン技術を使った仮想通貨の配布は、オートメーションとデジタル化の進展ゆえに予想されている職業の配置転換を調整する一つの手段と見なしています。
・・・このグラントコインは、先月、グラントコイン 2.0(Grantcoin 2.0)としてアップグレードされました。それを機に、仮想通貨の名称も「マナ(Manna)」に改名されました。
(以下略)
世界政府がユニバーサル・ベーシック・インカムとして、地球市民の生活を保護している状況では、誰も世界政府に逆らうことが出来ません。彼らの銀行口座を凍結してしまえば良いからです。もしも紙幣がなくなり、すべてがデジタル通貨になっていれば、それこそ口座を凍結された者は、“売ることも買うこともできない”わけで、社会から抹殺されることになります。おそらく、その頃には、こうした異端者に食料を施すなどの援助をすることは、犯罪行為とみなされるでしょう。
このような事が支配層の夢想する理想世界であって、およそ、コーリー・グッド氏らの意識高い系の人々が理想とする世界とは異なるものだということは、理解しておかなければなりません。
では、意識高い系の方のベーシック・インカムが実現した“いわゆる理想世界”が出現した時、果たして人々は豊かな人生を生きているだろうかと思うと、甚だ疑問を感じます。
皆さんに質問があります。宝くじで700億円ほどの賞金が手に入り、もはや働く必要がなくなり、毎日好きなだけ寝て、起きたらゲームセンターで遊び呆ける生活。もしも、出来ることなら、このように暮らしてみたいと思うでしょうか。
私はこのような人生は、何の喜びももたらさないと思っていて、このような堕落した生活を望む人が多いほど、ベーシック・インカムが実現すると世界は暗いものになると考えています。はっきり言って、ベーシック・インカムと共産主義のどこが違うのかと思ってしまいます。
出来るだけ手を抜いて、いい加減な仕事をして、しかも、仕事の成果に見合わない法外な報酬を要求するどうしようもない人たちが、ベーシック・インカムを望む傾向が高いと思っています。もう一方は、この記事にあるような世界支配を目論む支配層でしょう。
ベーシック・インカムは、人工知能とロボットが社会に浸透するにつれて必然のものだと思いますが、人々の意識が社会変化を超えて高くならなければ、未来は悲劇になることでしょう。