[Sputnik 他]シリア紛争停止の条件は作られた プーチン大統領 〜クルド人国家「クルディスタン」の建設は無理〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 冒頭の記事によると、プーチン大統領とエルドアン大統領のシリア内戦を停止するための条件に対する合意が得られたとのことです。プーチン大統領の極めて肯定的な評価を考えると、シリアの境界がしっかり守られることが合意されたものだと思われます。おそらく、その合意の交換条件として、クルド人独立の阻止にロシアが協調することになったのではないでしょうか。
今回の合意で、イスラエルとアメリカの好戦派が目論むクルド人国家「クルディスタン」の建設は、出来なくなったと思います。おそらく、数年後には米軍は、この地域から追い出されることになるのではないでしょうか。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
シリア紛争停止の条件は作られた プーチン大統領
転載元)

© Sputnik/ Aleksey Nikolskyi



プーチン大統領は、シリアについての合意はロシア、トルコが共に達成した成功と評価し、シリアの内戦を停止するための条件が事実上作られたことを明らかにした。

スプートニク日本
 

「困難ではあったものの、我々は最終的には肯定的な結果を得ることができた。この合意は我々が共に勝ち得た、絶対的に重要な成功だと思う。成功は我々の友であるエルドアン氏のものでもある。」プーチン大統領は会談を総括してこう述べた。

プーチン大統領は テロリストを完全に殲滅し、シリア人を平和な生活に戻すことは極めて原則的なことであり、地域にとってのみならず、全世界にとって重要だと指摘している。「我々は難民の帰還、彼らが家に帰るための条件を作ろう。これは国連の庇護のもとでジュネーブで話し合われた長期的な政治の正常化を模索するプロセスの活性化には原則的に重要なことだ。」プーチン大統領はこう語っている。

プーチン大統領は28日、アンカラでエルドアン大統領と会談を実施し、「詳細で忌憚ない意見交換」ができたとこれを評価した。

————————————————————————
トルコ大統領、イスラエルの新たな扇動を止めさせると公約
転載元)
トルコのエルドアン大統領が、トルコはイラクのクルド人自治区に関するシオニ
スト政権イスラエルによる新たな扇動を止めさせるだろうとしました。

IRIB通信によりますと、エルドアン大統領は、28日木曜、トルコの警察大学の卒業式で、「イスラエルは地域を分裂させる計画や、イラクのクルド人自治区を分離させる扇動を実行することはできない」と語りました。

また、トルコは西側諸国やシオニスト政権の地域における計画を把握していると強調し、「イラクのクルド自治政府による住民投票の計画を再び無効にする」と述べました。

さらに、クルド人自治区がイラクの中央政府から分離した場合、この地域の問題は増えると強調し、自治政府関係者に対して、誤った決定を取るのを止めるべきだとしました。

クルド人自治区のイラクからの分離を問う住民投票は、地域諸国、イラク政府が反対し、またイラク憲法に違反しているにもかかわらず、今月25日、アルビル、スレイマニア、ドホーク、キルクークなどで行われました。


————————————————————————
イラク・クルド自治区巡る戦争の可能性と、今後の展開 専門家の見解
転載元)

© Sputnik/ Hikmet Durgun



ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO)国際安全研究所の主任研究員であり専門家の分析センター「ヴァルダイ・クラブ」の専門家スタニスラフ・イヴァノフ氏が、スプートニクに対して、イラクのクルド人自治区を巡る戦争の可能性と今後の展開について見解を示した。

スプートニク日本
 

イラク北部のクルド人自治区で25日、独立を問う住民投票が行われた。クルディスタン選挙・住民投票最高独立委員会の情報によると、有権者の92.7%が独立に投票。イラク政府は一方、住民投票が違法だとして、クルディスタン地域政府(KRG)と投票結果について話し合うことはないと強調した。住民投票実施にはまた、隣国のトルコやイラン、さらに米国や国連も反対した。ロシア外務省は先に、ロシア政府は独立を問う住民投票実施を受けて、クルド人自治区とイラク政府が対話によって全ての問題を解決することを呼びかけるとともに、イラクの領土の一体性を支持するという声明を出した。

イヴァノフ氏は「イラクのクルド人自治区の独立が発表された場合、イスラエルは公的に承認する可能性すらある」と述べた。

住民投票に反対するトルコやイランの反応についてイヴァノフ氏は、「彼らは落ち着きを取り戻し、全てが以前通りになる」とした上で「誰もクルド人自治区と戦争を起こさないし、国境を封鎖することもしない。これは戦争と同義で、国際法によると、こうした封鎖は宣戦布告を意味する」との見方を示した。

イヴァノフ氏は「自治」という用語がクルド人自治区にとって容認できないのだと指摘。さらに、「イラクの内閣はクルド自治政府に、同地域の国境検問所を全てイラク政府の管理下に移し、他国政府には、石油分野においてクルド人自治区との連携を打ち切るよう長らく要求しているが、これはすでに事実上実行不可能なのだ」と述べた。

————————————————————————
国際原油価格が最高値 どうしてこれにクルド人が関係するのか?
転載元)
「これだけの石油の高値は2年以上なかった。」南ドイツ新聞の経済評論員、ヤニス・ベエネン氏がこう書いたのも無理もない。26日、ブレント原油価格はとうとう1バレル59ドル31セントを上回ったからだ。

スプートニク日本


ベエネン氏は1バレル30ドルを切る歴史的な最低価格を記録したのは、わずか1年10カ月前の2016年初頭だったことを指摘している。

原油価格のこれだけの高騰の裏にベエネン氏は、25日、イラク北部で行われたクルド人自治区の独立を問う住民投票があったと睨んでいる。現在の集計では投票者の90%がクルド人自治区の独立を支持。トルコのエルドアン大統領はクルド人の国家樹立に断固として反対しており、軍事介入まで振りかざした。これが石油市場に影響しないはずはなく、クルド人から石油輸出に関わるブローカーらは戦々恐々としている。

トルコが脅しでなく本当に戦争を仕掛けたら、欧州向けの石油供給への影響は回避できない結果として、トルコ経由の輸入ルートは、これが最重要のものではなくとも、切断されてしまうだろう。」 

先の報道によると、ブレント原油は今年3月1日以来初めて1バレル57ドル台を上回った。

Comments are closed.