種子の多国籍企業が第3の柱と位置づける、ゲノム編集!

 種子の多国籍企業が、遺伝子組換え技術の先をもう見据えているとのことです。ゲノム編集です。遺伝子をピンポイントで意のままに変えるゲノム編集で生物特許を取るというのですから、これは種子をいのちとしてではなくもう完全にビジネスの対象物としています。多国籍企業の意図の下で種子の遺伝子を操作して、しかもそれを生物特許として種子を支配するという凶悪な企てです。
 この"神の鋏"とされるゲノム編集は、短期間の訓練で高校生のような素人でも簡単に出来得るということ、しかも短時間に、そしてどんな種へも応用できるという三拍子揃った画期的な技術ということです。遺伝子組み換えでは1つの遺伝子への確率的な手法であるのに対して、ゲノム編集では狙い撃ちで複数個の遺伝子を同時に改変することができるという驚くべき技術なのです。
 そしてアメリカでは農務省の制度に抜け穴があるおかげで、ゲノム編集作物の多くはGMO(遺伝子組み換え作物)のようには政府の許可が要らないとのことです。外来種の遺伝子を注入しなくとも、在来種の切り貼りや修正で間に合うから病害リスクはないだろうという見解なのです。ですから、見た目にはわからないゲノム編集の作物が近い将来、店頭に並ぶことになるかもしれないのです。
 またゲノム編集による画期的な技術においては、大腸菌のDNAに動画を保存するという実験にも成功した模様で、これはDNAが記録媒体として活用され得ることを示しています。さらにアメリカではゲノム編集によるデザイナーベイビーに関する特許もすでに認められています。iPS細胞でノーベル賞を受賞された山中教授がいうように、5年前までSFだと思っていたことがすでに可能になっているのです。
 もちろんゲノム編集による難病解決への糸口等の朗報もあるわけですが、倫理的な検証が必要とされるような懸案も多々あるのです。中でもこうした多国籍企業による種子支配のための遺伝子改変は、そのまま食の支配に結びつくことであり、また不用意な、あるいは意図的な遺伝子操作により自然環境への取り返しのつかない事態も想定され得るわけですから早急な歯止めが必要とされます。
 しかし、遺伝子組み換え食品を生物兵器と考えているような凶悪な輩がいろいろと悪だくみをしているわけです。地球市民になるべく一人ひとりの良心が、今まさに問われています。
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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モンサントが遺伝子改変技術「CRISPR/Cas9」使用権ゲット
引用元)

ドキュメンタリー映画『モンサントの不自然な食べもの』でおなじみのMonsanto(モンサント)社が、何やら大変なものを手にしてしまったようです。

遺伝子医学の世界的権威、ブロード研究所(MITとハーバード大学の共同運営)から遺伝子改変技「CRISPR/Cas9」の世界規模の非独占的使用権を獲得したのです!(中略)

ブレイクスルーと畏怖される「CRISPR/Cas9」ゲノム編集技術ですからね。(中略)CRISPRのこのスピードとパワーがモンサントの手に渡ったら、そりゃもう水不足や病害に強い種、ヘルシーな脂肪分を含む種、風味のいい理想の種がどんどん量産されるでしょう。遺伝子組み換え技術といえばのモンサントですが、CRISPRはまさに史上最強の武器となります。(中略)

ちなみにアメリカでは農務省の制度に抜け穴があるおかげで、CRISPR作物の多くはGMO(遺伝子組み換え作物)みたいな政府の認可が要りません。なぜかというと、外来種の遺伝子を注入する必要がなくて、在来種の切り貼り&修正で間に合っちゃうから。そんな次第なので、カスタムデザインCRISPR作物が店頭に並ぶのも、そんな先の話じゃなさそうです。(以下略)

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種子の巨人モンサント、「遺伝子組み換え」の次へ
引用元)
 農業ビジネスの巨人、米モンサントが、遺伝子を自在に切り貼りするゲノム(全遺伝情報)編集技術による農作物の改良に本格的に乗り出す。従来型の交配、遺伝子組み換えに続いてゲノム編集を第3の柱と位置づけ飼料用から食料用まで生産しやすく付加価値の高い農作物の開発をめざす。ドイツのバイエルが同社を約660億ドル(約7兆2千億円)で買収する背景にも、こうした高いイノベーション力への期待がある。

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マッシュルームで動き出す、ゲノム編集作物
引用元)
 米農務省(USDA)が、CRISPR/Cas9というゲノム編集技術により開発された褐色になりにくい白色マッシュルームについて4月13日、規制対象ではないとする回答を開発者のペンシルベニア州立大教授に送りました。(中略)

 白いマッシュルームは、時間がたつと茶色くなってしまいます。(中略)そこで、CRISPR/Cas9により、褐色化につながる酵素の遺伝子をノックアウトし、酵素の活性を30%抑えました。その結果、茶色になりにくいマッシュルームができました。(中略)

 開発した教授は昨年10月、USDA の動植物検疫局(APHIS)に、このマッシュルームを遺伝子組換え作物の規制対象外としてほしい、と請願(中略)APHISは、教授の請願を認めたのです。理由としてマッシュルームに外来の遺伝子がないことを挙げています。遺伝子組換えは、微生物等の遺伝子を導入しますが、このマッシュルームはcas9という酵素でDNAを切ったりすることで遺伝子を変えています。したがって、新たな植物病害リスクを持つことは考えられない、というのです。(中略)

 現在の不安は大きく二つだと思います。一つは、遺伝子を人工的にいじって良いのかどうか、という漠然とした不安。そして、もう一つはモンサント社に象徴される巨大企業に日本の食を牛耳られて良いはずがない、という直感的な判断です。とくに前者については、「大昔から自然の遺伝子組換えが行われてきた。外から遺伝子が生物に入ってきた証拠はいくらでもある」と説明しても、「それは自然の摂理だからいい。でも、人が小細工を弄するのはダメ」というのが、多くの人の根強い感情であるように思われます。(中略)

 ゲノム編集、とりわけCRISPR/Cas9システムが極めて安定した技術で数々の利点を持ち、人類に大きな価値をもたらすものであるのもたしかだと考えます。でも、小細工、いじる、という感覚、それに対する不安は、人という存在自体への不信、不安から来るものであり、簡単にぬぐい去れるものではありません。
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クローズアップ現代+ “いのち”を変える新技術 ~ゲノム編集 最前線~
引用元)
(前略) (中略)

遺伝子を自在に ゲノム編集の衝撃
ゲスト 山中伸弥さん(京都大学iPS細胞研究所所長)


(中略)
今回のこのゲノム編集の技術というのは、私自身が基礎研究を始めてもう25年くらいになりますけれども、その中で出会った技術の中でも、恐らく一番画期的といいますか、一番すごい技術じゃないかなと思っています。(中略)

今までの品種改良は、多くの部分は偶然に生じる遺伝子の変化、これに頼って長い年月をかけて少しずつ品種改良をしてきたんですが、今回のこのゲノム編集というのはもう狙い撃ちで、この遺伝子、この機能のこの遺伝子をこう変えて、そして自分たちの人類にとって役に立つ品質に変えようという、しかも短時間で。今までちょっと考えられなかったような技術ですから、研究者としてもいまだに驚きの気持ちでいっぱいです。
(中略)

5年ぐらい前に突然出てきたこのゲノム編集という技術は、どんな種でもどんな人間であっても、ネズミであっても植物であっても、魚であっても使えますし、効率が非常に高いんですね。(中略)簡単で成功率が高くて、いろんな種に適用できる、いろんな生物に適用できるという、この3つがそろっている技術というのは、ちょっとほかに今までなかったんじゃないかなと思います。(中略)もうiPS細胞なんて足元にも及ばないような、ものすごく可能性のある技術なんですね。

ただどんな科学技術でも、いい面と、それからよくない側面があります。(中略)このいい面だけを伸ばしたら、人類は後悔することはないと思います。人類はますます幸福にすることができると思いますが、悪い面を伸ばしてしまったら、これは後悔することになると思いますから。(中略)

ちょっと前まで、5年前までSFだと思っていた、人間の設計図を書き換えることが可能になりました。これ、どうするか、科学者だけの議論だけではだめです。科学者に加えて、いろんな生命倫理者、(中略)市民の方も含めた議論が必要です。

Writer

しんしん丸

2015年のシャンティ・フーラ主催の関東交流会にてお手伝いをさせていただきました。平安の花を愛でる、幸せ者の一人として。

想念と電磁波の海たる東京で、ナディーチャート風水の結界ある自宅に引きこもっています。といいながらもよく出歩く、5種です。
もちろん、いろいろと出かけるのはほぼシャンティ・フーラ絡みです。ですから出歩いてはいますが、出歩いてはいないのです・・・と、どこまでもシャンティ・フーラ的な7種です。


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