福島原子力発電所事故から7年、何も解決していない

 2011年3月11日から明日で7年目を迎えます。報道では、原発事故からいかに「復興」したか、いかに風評被害を克服し、国の基準値(1kg当たり100ベクレル!)を下回る農作物を応援するかというものがメインのようです。
けれども、放射能汚染された環境は? 子供達の被曝の影響は? 避難して未だに不安定な生活を強いられる人たちは?などと考えると、何一つ解決に向かっている様には思えません。
 事故後の福島の環境が、決して以前の状態でないことは原発推進、反対の立場を問わず認めるところだと思います。例えば、311以降、ずっと独自の調査をされてきた、おしどりマコ&ケンさんによると、避難解除となる福島県川俣町に帰宅して農作業をするよう促されている住民の不安に対して、高線量の道路を通るときなどは「息を止めて小走りで駆け抜けるよう」指導されたり、農作業中の土埃による内部被曝のリスクを心配する声には「できるだけ早く鼻をかむように」とアドバイスされるなど、安心どころか絶望しそうな回答で、結局「放射性物質は無くなりません。皆さんはセシウムとの共存を踏まえて、工夫して追加被曝を減らす生活を」しろということのようです(1:09:00〜)。
 動画で取り上げた小出裕章先生は、7年を経た日本が今なお「原子力緊急事態宣言」下にあると語っておられます。7年前のあの日、原発事故によって、これまで国民を守ってきた被曝に関する法律(1年間に1ミリシーベルトまで)はもはや実現不可能になったと放棄して、人々の被曝を国が許してしまっている異常事態が7年間ずっと続いています(47:00〜)。そして緊急事態が解除される日が来る前に、子供達に影響が及んでしまいます。小出先生は解決策を語っておられません。せめて大人達が責任を取って被曝をしてでも子供達を守る、その方法を探っていると結論されました。
 私たちは、その様な7年目を迎えているのでした。
(まのじ)
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【2018最新版】福島の子供の甲状腺がん地図→市町村名は非公開に!


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2018.2.12「福島第一原子力発電所の今」おしどりマコ・ケン講演会
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   3:10  なんで芸人が取材を始めたか 〜 ひたすら情報が欲しかった
  21:45  東電記者会見での初めての質問 〜 水蒸気には放射性物質が含まれる
  43:30  1/2号排気筒のリスク
 1:01:00  福島の農家の人々の不安は風評被害ではなく、自身の被曝
 1:17:00  ドイツ国際会議に招かれ質問攻めにあう ドイツの熱心な学生達
       NHKはどうして政府寄りなの? 成熟した市民団体
 1:34:00  情報の取り方、確認の仕方、情報源が辿れるか
 1:38:00  国が学者へ圧力 〜 原発事故の汚染に関する研究自体が国策に反する
 1:40:00  おしどりマコ&ケンへの圧力 〜 威嚇の尾行 公安と公安調査庁の違い
 1:50:00  周りの人々に話すとき
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小出裕章「3.11から7年 放射能のいま…」2018.1.20
配信元)

 14:00  原子力へかけた夢
 19:00  原子力発電所の設置の歴史
 22:00  福島原子力発電所の事故
 47:00  解除できない原子力緊急事態宣言
1:16:00  復興の掛け声の下、押しつぶされる被害者達
1:24:00  歴史の巨大な流れと個人の責任 〜 普通の人々も戦争に加担していた
1:28:20  「戦後」が「戦前」に変わる日 〜 核兵器を作る
1:49:00  日本が朝鮮半島の緊張を煽ってどうする 巨大な権力組織が進めた原子力
      被曝をさせ続けるひどい国 
      情報を伝える責任、そして子供達に戦争を経験させない責任
1:57:00  質疑応答 〜 避難計画がずさんな日本 水道水の汚染 
      福島の農産物を引き受けること
      不安を煽ると怒られても私は事実を伝える
 

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