注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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懸命な復旧続く豪雨被災地 未だ全容つかめぬほど広範囲に及ぶ被害
転載元)
長周新聞 18/7/11
(前略)
災害現場では、災害発生から3日間が経過(10日現在)するなかでも、安否不明者の捜索が続いており、被害の全容は今も把握できていない。現地を取材した。
大規模な土砂災害が起きた6日夜半、海岸から緩やかに続く山裾にある坂町坂東地区では、山から海に向かって流れる幅5㍍ほどの総頭川が増水し、上流から大量の土石流が押し寄せて住宅地を飲み込んだ。
現地では、上流から下流にかけて山から押し寄せてきた大量の「真砂土」(花崗岩が砕けてできた砂)が、住宅の1階部分が埋まるほど堆積している。堆積した土砂は高さ1㍍をこえ、玄関がすっかり埋まっている住居も少なくない。
川が大量の土砂や流木、瓦礫で埋まり、アスファルトが剥がれて陥没した道が川になり、今も山から流れてくる水が激しく流れ出している。川や地面に堆積した大量の土砂を撤去し、生活道を復旧しなければ何も手が付けられないのが現状だ。
この地域ではようやく電気が復旧したが、まだ断水が続いており、「親子3人で家の泥かきをやっている。水は近所の井戸水をバケツで運ぶ毎日だ。いつまで体力が持つかわからないが、地域の人がおにぎりを作ってくれたり、手助けしてくれるので助かっている」と話していた。
(中略)
まだ家の様子を見に来ることができない人も多く、「広島市内からアクセスでき、家の片付けができるだけまだマシだ。車が出入りできない呉方面の地域はまだ何にも手が着いていない」と他地域を心配する人も多くいた。
陸の孤島になった小屋浦 「老人孤立させぬよう…」
同じ坂町でも、海岸線沿いに呉市に繋がる国道31号線が土砂崩れによって寸断した水尻地区から東側の集落では、国道、高速道路、JRすべての陸路が閉ざされ、土砂搬出の重機、救援人員はおろか物資や給水もままならない「陸の孤島」と化している。
その一つ、坂町小屋浦地区の現状はさらに凄惨を極めていた。
大規模に崩落した山側から、2㍍を超える巨大な岩石や大木が集落の原形を留めないほど押し寄せ、押し流された家屋の瓦礫などと一緒に堆積している。上流に行くに従って、道も川も住宅地も判別がつかないほどかき乱され、潰れた家の残骸が土石流の威力をまざまざと感じさせる。地区内では、今も土砂に埋まった家から遺体を運び出す作業が続いている。
(中略)
広島市内で暮らす息子に母親が電話で助けを求めたが、国道が渋滞してたどり着けなかった悲劇が多くあった。
ある家では、母親が息子に電話をしてきた午後8時ごろには膝下くらいだった水がしだいに上がり、午前3時ごろには母親は首まで水に浸かっていることを訴えながら電話を切ったという。その後、その母親も遺体で見つかり、息子は「首まで浸かりながら“助けて”と叫んでいた母を思うとやりきれない。こんなことになることがわかっていたら1人にしなかったのに…」と自分を責めているという。
男性は、「小屋浦地区だけで少なくとも10人は死者がいるが、統計にはなかなか反映されない。土砂に埋まっていることがわかっていても死体が運び出されなければ死者には数えられず、避難したという噂だけで行方が分からない人もまだいる。陸の孤島になっているが、これまで報道すらされなかった。この現状をぜひ伝えて欲しい」と話した。
この地域でも電気も水道も復旧しておらず、別の地域から水を運んできたり、寝泊まりは親戚などの家でしている人も多い。
避難所のふれあいセンターには高齢者が多く、精神的な疲労や、日中30度をこえる暑さの中で体の不調を訴えているが、道路が寸断されているため医者にも行けず、救急車の乗り入れも困難になっている。とくにトイレ、風呂(自衛隊による簡易風呂の提供が始まっている)がなく、上下水道が使えず衛生状態の悪化から感染症などが心配されている。救援物資は、町が船を使って運んでいるという。
車の乗り入れが困難な呉市方面ではガソリンが枯渇し、「緊急車両のみ」とされ、供給されてもレギュラー、ハイオクともにすぐに売り切れるといわれる。自衛隊や行政の給水車も2~6時間も待つほどの長蛇の列になるため、井戸水を分け合ったり、水道の出る地域から運んでくるが、水を運ぶことのできない高齢者世帯の孤立が心配されている。
広島市から呉市方面に入る唯一の陸路は熊野バイパスから焼山に抜けるルートだが、半日を要するほどの大渋滞をきたしており、あとは呉市桟橋から宇品港を繋ぐフェリーに頼るほかない。そのためフェリー乗り場には終日長蛇の列ができており、乗り切れないほどの人人が待機して、食料や水などを運んでいる。
自衛隊の護衛艦による風呂のサービスもおこなわれているが、フェリーの増便、または自衛隊艦を使った輸送など移動手段の不足を補うことが求められる。遮断された国道31号線も警察や自衛隊など緊急車両は通行できるようになっているが、早急に一般にも開放するなど、2次災害を防ぐためにも陸の孤島状態を解消することが待たれている。
災害現場では、災害発生から3日間が経過(10日現在)するなかでも、安否不明者の捜索が続いており、被害の全容は今も把握できていない。現地を取材した。
大規模な土砂災害が起きた6日夜半、海岸から緩やかに続く山裾にある坂町坂東地区では、山から海に向かって流れる幅5㍍ほどの総頭川が増水し、上流から大量の土石流が押し寄せて住宅地を飲み込んだ。
現地では、上流から下流にかけて山から押し寄せてきた大量の「真砂土」(花崗岩が砕けてできた砂)が、住宅の1階部分が埋まるほど堆積している。堆積した土砂は高さ1㍍をこえ、玄関がすっかり埋まっている住居も少なくない。
川が大量の土砂や流木、瓦礫で埋まり、アスファルトが剥がれて陥没した道が川になり、今も山から流れてくる水が激しく流れ出している。川や地面に堆積した大量の土砂を撤去し、生活道を復旧しなければ何も手が付けられないのが現状だ。
この地域ではようやく電気が復旧したが、まだ断水が続いており、「親子3人で家の泥かきをやっている。水は近所の井戸水をバケツで運ぶ毎日だ。いつまで体力が持つかわからないが、地域の人がおにぎりを作ってくれたり、手助けしてくれるので助かっている」と話していた。
(中略)
まだ家の様子を見に来ることができない人も多く、「広島市内からアクセスでき、家の片付けができるだけまだマシだ。車が出入りできない呉方面の地域はまだ何にも手が着いていない」と他地域を心配する人も多くいた。
陸の孤島になった小屋浦 「老人孤立させぬよう…」
同じ坂町でも、海岸線沿いに呉市に繋がる国道31号線が土砂崩れによって寸断した水尻地区から東側の集落では、国道、高速道路、JRすべての陸路が閉ざされ、土砂搬出の重機、救援人員はおろか物資や給水もままならない「陸の孤島」と化している。
その一つ、坂町小屋浦地区の現状はさらに凄惨を極めていた。
大規模に崩落した山側から、2㍍を超える巨大な岩石や大木が集落の原形を留めないほど押し寄せ、押し流された家屋の瓦礫などと一緒に堆積している。上流に行くに従って、道も川も住宅地も判別がつかないほどかき乱され、潰れた家の残骸が土石流の威力をまざまざと感じさせる。地区内では、今も土砂に埋まった家から遺体を運び出す作業が続いている。
(中略)
広島市内で暮らす息子に母親が電話で助けを求めたが、国道が渋滞してたどり着けなかった悲劇が多くあった。
ある家では、母親が息子に電話をしてきた午後8時ごろには膝下くらいだった水がしだいに上がり、午前3時ごろには母親は首まで水に浸かっていることを訴えながら電話を切ったという。その後、その母親も遺体で見つかり、息子は「首まで浸かりながら“助けて”と叫んでいた母を思うとやりきれない。こんなことになることがわかっていたら1人にしなかったのに…」と自分を責めているという。
男性は、「小屋浦地区だけで少なくとも10人は死者がいるが、統計にはなかなか反映されない。土砂に埋まっていることがわかっていても死体が運び出されなければ死者には数えられず、避難したという噂だけで行方が分からない人もまだいる。陸の孤島になっているが、これまで報道すらされなかった。この現状をぜひ伝えて欲しい」と話した。
この地域でも電気も水道も復旧しておらず、別の地域から水を運んできたり、寝泊まりは親戚などの家でしている人も多い。
避難所のふれあいセンターには高齢者が多く、精神的な疲労や、日中30度をこえる暑さの中で体の不調を訴えているが、道路が寸断されているため医者にも行けず、救急車の乗り入れも困難になっている。とくにトイレ、風呂(自衛隊による簡易風呂の提供が始まっている)がなく、上下水道が使えず衛生状態の悪化から感染症などが心配されている。救援物資は、町が船を使って運んでいるという。
車の乗り入れが困難な呉市方面ではガソリンが枯渇し、「緊急車両のみ」とされ、供給されてもレギュラー、ハイオクともにすぐに売り切れるといわれる。自衛隊や行政の給水車も2~6時間も待つほどの長蛇の列になるため、井戸水を分け合ったり、水道の出る地域から運んでくるが、水を運ぶことのできない高齢者世帯の孤立が心配されている。
広島市から呉市方面に入る唯一の陸路は熊野バイパスから焼山に抜けるルートだが、半日を要するほどの大渋滞をきたしており、あとは呉市桟橋から宇品港を繋ぐフェリーに頼るほかない。そのためフェリー乗り場には終日長蛇の列ができており、乗り切れないほどの人人が待機して、食料や水などを運んでいる。
自衛隊の護衛艦による風呂のサービスもおこなわれているが、フェリーの増便、または自衛隊艦を使った輸送など移動手段の不足を補うことが求められる。遮断された国道31号線も警察や自衛隊など緊急車両は通行できるようになっているが、早急に一般にも開放するなど、2次災害を防ぐためにも陸の孤島状態を解消することが待たれている。
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配信元)
避難しろ、避難しろと、政府やマスコミは簡単に言うけれど、避難するということが、例えば一人暮らしの高齢者にとって実際にどれだけ大きな負担か。7年前の原発事故のときの避難でも言われたはずだ。避難するということは、すべてを失って無一物になることだと。家が空き巣に狙われる心配だってある。
— 世に倦む日日 (@yoniumuhibi) 2018年7月10日
NHKのクロ現。30分間、呉の特集やったっていいだろう。30分間、真備町の特集やるのが当然じゃないか。今週は西日本豪雨で一気通貫させて、国民と政府に被災地への支援を働きかけるのが当然だろう。何でIS戦闘員だのタイ洞窟をやるわけ。避難所でテレビ見てるんだぞ。https://t.co/x0O5FtKK0g
— 世に倦む日日 (@yoniumuhibi) 2018年7月11日
広島市と呉市の間にある安芸郡坂町は、都会に子供達が出た高齢者世帯が多いそうです。そんな町があっという間に土砂で埋まり、助かった方々も途方にくれるような惨状のままです。
水が迫り上がってきた母親から電話で助けを求められたものの、なす術もなかったという広島市内に住む方のインタビューに、同じ思いで泣いた方も居られると思います。
ご遺体が運び出されないうちは死者数に数えられず、現状は統計に反映されていない、この状況をぜひ伝えて欲しいと、現地の人は語ったそうです。
陸が寸断され、物流はフェリーに押し寄せているらしく、フェリーの増便や自衛艦隊を使った輸送で不足を補うべきと提案されています。
高齢者の方々の二次的な被災を防ぐためにも、求められることの優先順位を大手メディアが率先して報道すれば、一人でも多く救える状況だと思われます。世に倦む日々さんの、呉の特集や真備町の特集をやるべきという主張に心から同意します。