ロシアを激怒させた、あべぴょんの年頭会見と、読売新聞が報じた「日露で賠償請求放棄案」 ~あべぴょんのやる事は全てパフォーマンスで、選挙目当て!

竹下雅敏氏からの情報です。
 あべぴょんの年頭会見と、読売新聞が報じた「日露で賠償請求放棄案」が、ロシアを激怒させているようです。ロシアが何を問題にしているのかは、“続きはこちらから”のスプートニクの記事を見るとよくわかります。
 あべぴょんの発言の方は、ロシアにすれば、“両国首脳が共同で発表する類のもの”ということ。また、読売新聞の記事にある“北方四島に関する賠償などの請求権を互いに放棄”という日本側の方針は、ロシアにすれば、北方領土は「第2次大戦の結果、合法的に編入した」のであり、ロシア側が元島民に対して保証する必要のないもの。日本政府の方針は、“ロシアの『不法占拠』を主張したことになる”わけです。
 あべぴょんにすれば、夏の参院選の前に、少しでも交渉を前進させて人気取りを狙うはずだったわけですが、自爆してしまいました。読売新聞によると、8月予定のG7サミットを今年の議長国のフランスと交渉し、6月開催にこぎつけたとのこと。「すべては参院選を前に見せ場を作るためだ」と言っているのは、首相官邸筋。
 これらの事からわかるのは、あべぴょんのやる事は全てパフォーマンスで、選挙目当てだということ。中身が全くないのです。おそらく、自分の発言がどういう結果を招くのかを、考えたことがないのでしょう。日本では通用しても、国際社会では全く通用しません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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安倍首相“暴走発言”にロシア激怒…北方領土交渉打つ手なし
引用元)
(前略)
日本の駐ロ大使が、ロシア外務省に呼び出され、猛抗議を食らった。怒りの導火線は、北方領土交渉を巡る4日の安倍首相の年頭会見など。夏の参院選に向け、「交渉前進」で人気取りを狙うはずが、いきなり自滅。
(中略)
安倍首相は年頭会見で「北方領土には多数のロシア人が住んでいる。住民の方々に、日本に帰属が変わるということについて納得、理解をしていただくことも必要です」と語っていた。この発言がプーチン政権の逆鱗に触れたようだ。
(中略)
プーチン政権の怒りの矛先は、安倍政権サイドの“リーク報道”にも向かう。8日付の読売新聞が1面トップで報じた「日露で賠償請求放棄案」のことである。
(中略)  
「旧ソ連時代からロシアは北方領土について、『第2次大戦の結果、合法的に編入した』と一貫して主張。日本も無条件に受け入れるべきとの立場です。いくら補償を肩代わりしても、元島民の賠償請求権を認めれば、日本政府がロシアの『不法占拠』を主張したことになる。プーチン大統領も『侮辱』と認識したはずです」(中村逸郎氏)
(以下略)
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配信元)


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ロシア「合意を乱暴に歪曲」と非難:日露首脳会談は実現するか?中村教授、中止または延期の恐れを指摘
転載元)

© Sputnik / Sergey Mamontov


今月21日を軸に最終調整が進められている安倍晋三首相のロシア訪問・日露首脳会談だが、年明けから雲行きが怪しくなってきた。ロシア外務省は9日、上月豊久・駐ロシア大使を呼び出し、領土交渉をめぐる安倍首相の発言と日本メディアの報道に対し抗議を行なったのだ。果たして会談は予定通り行なわれるのか?ロシア政治に詳しい筑波大学の中村逸郎教授に見通しを聞いた。
スプートニク日本
元旦に放送されたテレビ朝日によるインタビューで安倍首相は、ロシア人の現島民をどうするか、どんな将来像を描いているかと問われ「ロシア人の皆さんに『あなたたち、出ていってください』という態度では、これはもう最初から交渉は成り立ちません。ここに住んでいるロシア人の方々が日本に帰属が変わるということに納得していただける、受け入れていただく形でなければいけない」と述べた。

また読売新聞は8日、「日本政府は、ロシアとの平和条約交渉で、北方四島に関する賠償などの請求権を互いに放棄するよう提起する方針を固めた。平和条約と同時に、請求権放棄を定めた協定を締結する案が浮上している」と報じた。

ロシア外務省は上月大使への抗議の中で、日本側のこういった発言は「1956年の共同宣言を基盤とした交渉プロセスの迅速化という露日両首脳による合意の本質を乱暴に歪曲し、交渉内容に関する両国の世論を惑わすもの」との見解を示している。

中村氏「島民への対応や賠償請求権といったテーマは、両国首脳が共同で発表する類のものです。これでは、イニシアチブは完全に日本にあることになってしまう。それについてはロシア外務省の抗議の中でも明確に書かれています。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は何度も、平和条約交渉は、日本が無条件に第二次世界大戦の結果を認めた上で進められるべきものだ、と発言してきました。日本が、現島民を追い出さず、元島民に対して日本政府が補償する方向で検討しているということは、ロシアからすれば第二次世界大戦の結果を『受け入れていない』証拠だと受け止めるかもしれません。なぜならこの補償とは、ロシアが不法に領土を占拠したことに対する補償だからです」

中村氏は、ロシアが日本側の一連の発言を侮辱的なものと受け止めている恐れが多分にあるため、首脳会談はサンクトペテルブルク国際経済フォーラムがある6月に延期となるか、最悪の場合は中止になるかもしれないと話している。

首脳会談の準備として、河野太郎外相が12日から16日までロシアを訪問することが決まっている。14日はラブロフ外相との会談があるが、河野氏は非常に難しい立場に立たされることになる。

中村氏「ラブロフ氏との交渉は厳しいものになり、河野氏は様々な不快な発言を浴びることになるでしょう。もしかすると21日の首脳会談を延期しよう、というロシア側のメッセージを携えて帰国するはめになるかもしれず、最悪の場合、期限の提示すら無いかもしれません。私は、日露首脳会談は、河野氏が『第二次世界大戦の結果を受け入れる』と発言した場合にのみ、21日に成立するのではないかと考えます。しかしそれは簡単なことではありません」

ロシアとの平和条約締結交渉について「1月の首脳会談において具体的な進展を見たい」と話す安倍首相。ロシアとの温度差が急激に浮き彫りになった形だ。

両者のすれ違いは、それぞれが異なった情報に基づいて行動しているせいかもしれない。中村氏は「安倍首相とプーチン大統領が有している情報は、互いに異なっているという感覚がある。それにロシア外務省は、メディアの報道に大いに立脚していると感じる」と指摘している。

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