福島第一原発事故:東電の刑事裁判「無罪」が確定しないように控訴を願う署名が始まっています

 9月19日に東京地裁が東電旧経営陣に無罪判決を出しました。これについては時事ブログ上で「事故の真相を隠蔽し、本質から外れたところでの裁判」であり、結果は初めから決まっていた茶番だと論じました。確かに崩壊し腐敗した司法であることを認識しつつも多くの人々は、この結果を唯々諾々と受け入れるわけにはいかない、控訴すべきだと声をあげました。指定弁護士の方々に控訴を願う署名が始まっています。
 あべぴょんに牛耳られた最高裁はもちろん、地裁までこの有様ですが、国民が納得しているわけではないと意思表示ができます。期限は10月1日、ネット署名紙署名もあるようです。
 それにしても、まともな頭があれば到底受け入れがたい判決だと分かる「まとめ」がありました。
 まず、判決では、事故を回避する手段を「運転停止」だけだと判断し、恣意的に有罪認定のハードルを上げていると多くの専門家が指摘しています。事実、保安院の以前からの耐震補強工事の要請も運転停止は予定していませんでした。
 「東電は他社や専門家の意見を聞き、必要な対策を進めた」との判断でしたが、実際には東電が決定した方針を了承させるための根回しがされていた証拠が残っています。
 「外部から東電への否定や意見はなかった」との判断でしたが、東電は安全対策に関する重要な情報はずっと隠したままで、外部からの客観的な意見ができないようにしていました。また保安院は「津波想定の余裕がない」「弱い設備の対策を取るべき」などの厳しい意見を実際に出していましたが東電は対応していませんでした。
 判決では「長期評価は取り入れるべき知見とは考えられていない」との判断でしたが、現実には、日本原子力研究開発機構、日本原電、土木学会津波評価部会も長期評価の考えを認めていました。
 「万一に備えて」「できることから」対策を進めた日本原電よりも、2016年まで対策を先送りをして怠り、結局、事故までなんの対策もしなかった東電の方が「合理的」だと言わんばかりの愚かしい判決でした。判事というのは、カルマの重い職業なのだな。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)









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「無罪」証拠と矛盾多い忖度判決(刑事裁判傍聴記: 添田孝史)

 有罪は厳しいかもしれない、という予想はあった。しかし刑法上の責任を問うのが難しい結果になるとしても、ここまで判決内容が腑に落ちないものになるとは想像していなかった。唖然とした

 開廷は2019年9月19日、午後1時15分。永渕健一裁判長は「被告人らはいずれも無罪」と言い渡し、それから午後4時半ごろまで、休憩を挟んで約3時間にわたって、とてもメモを取りきれない早口で判決要旨を読み上げ続けた

読み上げを聞いていると、「あの証拠と矛盾している」「そこまで言い切る根拠はどこにあるの」「なに言ってんだ、それ」という疑問が次から次へと頭に浮かんできた。この裁判では、証言だけでなく、電子メールや議事録など、事故を読み解く豊富な証拠を集めていたはずだ。よい素材はあったのに、どうしたこんなまずい判決になったのだろう

 検察官役の指定弁護士を務める石田省三郎弁護士は「国の原子力行政を忖度した判決だ」と記者会見で語気を強めた

目次
 事故を避ける手段は、運転停止だけなのか
 「他社や専門家の意見を聞き、必要な対応を進めていた」?
 「外部から東電の対策について否定・再考の意見は出ていない」?
 「長期評価は取り入れるべき知見と考えられていなかった」?
 ずさんな確率計算で長期評価の信頼性を語る愚策
 原電と東電、どちらが「合理的」だったのか
 
(以下略)

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