ままぴよ日記 37

 息子の嫁は都会育ち。ある日、我が家のリビングにゴキブリが顔を出した時「ぎゃ===!」っと顔を引きつらせました。「あら!そのゴキちゃんは毎日同じ時間に出てくるのよ。うちに住んでるの」と言った時の驚きの顔!結婚したのを後悔したのではないかと(笑)思うほどの怖がり様でしたが、生まれた孫は大の虫好きになりました。野原でバッタを追いかけるのに頑張って付き合っていたお嫁ちゃんも、いつの間にか手にバッタを持っているではありませんか!

 我が家では子どもが小さかった頃、ゴキブリの本を一緒に読んだことがあります。
 3億年も前から環境に順応して生きている凄い生き物だという事がわかって感心しました。みんなから誤解されてかわいそうなゴキちゃん。知らないで悪者にするのは失礼です。そういう意味でも、相手を知る、理解する、尊重することは小さい時からの大事な教育だと思います。
(かんなまま)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ボストンの森の幼稚園での遊び


孫が参加しているアメリカの森の幼稚園は週に一回野外で遊びます。幼児教育専門の大学の先生が年間のカリキュラムを作ります。秋は五感がテーマだそうです。特に触覚を体験する泥遊びの時は上の子と下の子の個性が出ます。4歳の孫は小さい時から何にでも慎重なタイプです。口にもあまり持って行きません。多分新しい感覚に敏感すぎて処理するのがうまくいかないのだと思います。

自分のペースでゆっくり受け入れて安心して遊びたいので他の子が介入してくるのが苦手です。ジャングルジムでもほかの子が登ってきたら手を止めて引きます。根気よく待って、いなくなったら遊びます。

Author:キムバート[CC BY]

娘に「この幼稚園は触りたくない子にも配慮してくれているの?」と聞きました。「もちろんだよ。一人遊びが好きな子も尊重されるし、子どもは安心して遊びながら、楽しいと思えたら自分から触れるようなったり、友達と遊んだりできるようになるよ。待つことも自然の中だったら独りぼっちじゃないし気が楽だよね」と言いました。

実はこういう感覚の統合がうまくいっていないタイプの子ども程、安心して5感を体験できる環境を作ってあげることが大切です。身体中の感覚を認知してスムーズに対応できるように交通整理してあげる必要があるのです。そういう意味でも森の幼稚園はとても合っています。

泥遊びの時もバケツにちょっと泥を入れてみるところから始めるそうです。孫は泥ではなく、水を注いで川を作るのに夢中になってとても楽しそうだったとか。子どものペースで遊べるのが素敵です。


それに比べて1歳3か月の孫は好奇心にあふれて何にでも挑戦します。お兄ちゃんは泥がお尻に付かないように中腰で枝を使って触っているのに下の子は体中で泥や水とお友達になっています。

次の週は摘んだラズベリー、ブラックベリー、ビーツ、ターメリックを叩いてつぶして自分のサイエンスバッグに色を塗るというものでした。上の孫は手が汚れないように慎重に水を注いで筆を使って書いています。下の子は身を乗り出してラズベリーのバケツを筆でかき回して遊んでいます。すでに洋服も靴も泥だらけ。もちろん泥付きのラズベリーも試食済みだったとか。個性って面白いなあと思います。

11月からは寒くなったので冬のスケジュールです。冬は森の動物になるのがテーマです。紅葉した木に鳥に見立てた色とりどりの紙テープを飾って遊びました。そして自分も色とりどりの鳥になって尾羽を飾ります。子ども達は鳥になった気分で森にずんずん入って行きます。
その次の週はリス。日ごろよく見かけるリスです。夏は子育てをしていたリスも冬が近づいてきたら餌を蓄えるのに忙しくしているそうです。子ども達もリスのしっぽをつけて、餌探しをします。餌は食紅を付けて凍らせた氷!色とりどりの氷を森のあちこちに隠します。子ども達はまるで宝探しのような気分です。外は-10度の世界。氷が解けないからできる遊びなのでしょう。子ども達は寒さも忘れて探し回ったそうです。


これからもっと寒くなるボストン。冬でも野外で遊びます。どんな遊びが展開されるのか楽しみです。


デンマークからはじまり、世界中に広がっていった森の幼稚園


このような森の幼稚園は1950年代にデンマークから始まりました。ドイツなどを中心に自然体験活動を基軸にした保育として世界中に広がっていきました。
日本にも森の幼稚園がたくさんあります

他にムッレ教室という野外で遊びながら自然環境を学ぶプログラムがあります。スウェーデンで1950年代にはじまりました。ムッレという妖精が「自然を大切にしよう」とメッセージをもって登場するのが特徴で、ファンタジーと現実の世界を行き来することができる5~6歳を中心に野外で遊びながら自然感覚をはぐぐむ教育です。私も興味があってインストラクターの資格を取りました。冒険遊び広場や家の庭でもできるプログラムがたくさんあります。子どもの頃から自然を大切にする生活を身に着ける事は大事なことだと思っています。
森のムッレ教室

オーストラリアにはnature playが各地にあります。孫も2歳から参加する予定だそうです。



存続の危機になっている日本の森の幼稚園


ところが、日本では今年の10月から始まった幼保無償化制度で、この森の幼稚園が存続の危機になっています。

森の幼稚園は毎日外で過ごします。園舎を持たないので国や自治体が定めた要件を満たしていないとの事で無償化の対象から外されたのです。普通、保育園や幼稚園の運営費は国や自治体からの補助金と親の負担に頼っています。日本の森の幼稚園は保育園、幼稚園としては認められないため保護者が払う保育料のみで運営しているところがほとんどです。

鳥取県では「とっとり森・里山等自然保育認証制度」を創設して、森の幼稚園を自然保育を実践している園として正式に認めています。だから、平井伸治知事が「幼保無償化からの森の幼稚園排除は多様性の否定でしかない」として県独自で助成して無償化にする制度をスタートさせたとのことでした。広島県、長野県も続いています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/maeyatsuyoshi/20191009-00145960/

Author:ひでわく[CC BY]

そもそも幼保無償化は無認可保育所を対象に入れていないので、森の幼稚園のほかに多様なニーズに合わせた取り組みをしている園も補助から外されています。例外で認可外保育園の共働き世帯のみには補助が出るようになりましたが同じ園に通っていても専業主婦世帯には出ません。その不平等さのために補助を辞退する園も出たり、働く必要がないのに慌てて仕事を探すママが増えたりしています。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/544947/

ところが、支援があまり必要ではない上に自己負担額が高い中高所得者の利用が予想より多くて、当初見込んでいた財源が数百億円不足しているとのことです。逆に支援が必要な世帯は給食費が増額されたり保育料の便乗値上げがあったりして苦しんでいます。追い詰められるのはいつも弱い立場の者です。いったい誰のための支援でしょうか?

子育て支援は子どもの健やかな成長を第一の優先順位にすべきで、子離れ促進、子育ての質や多様性を無視した紋切り型の制度はおかしいと思います。


出典表記のない写真は、かんなまま提供

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は8人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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