ぺりどっと通信61 続・腸内細菌再生はコレ!


前回の腸内細菌再生はコレ!の続きです。

ちなみに、腸内細菌シリーズは第1弾第2弾第3弾、そして今回の記事と併せて4部構成になっています。
(ぺりどっと)
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前回は、食べ物に関する腸内細菌再生のヒントを挙げてみました。今現在、バッタが大量発生して被害も出ていることもあって、こんな手も有効かもしれません。



昔はイナゴの佃煮が普通に食卓に並んでましたもんね。


さて、今回は食べ物以外の腸内細菌を再生する方法になります。


睡眠


幸せホルモンとして有名な神経伝達物質のセロトニンは、その95%が腸内で作られています。しかも、幸せな気分にするだけが役割ではなく、眠りに関して体内時計を調整する働きもあります。また、睡眠に必要不可欠なメラトニンを生成するのに必要な成分でもあるのです。というわけで、腸内細菌が睡眠に大きな影響を与えていることが分かります。

また逆に、睡眠不足に陥ると、緊張モードである交感神経が優位となって胃腸の働きが衰えて、腸内環境が悪くなってしまいます。

ということで、睡眠と腸内細菌は、相互に大きな影響を与え合っているようです。


ともあれ、腸内細菌の多様化のためにもしっかりと睡眠をとってくださいね。



腸内細菌は寒がり


人の腸の中は、常に36~37℃くらいに保たれています。これは多くの腸内細菌が元気に生育できる温度のようです。冬場は外気の冷えによって、腸内温度が下がりがちですし、夏場はついつい冷たいものを飲んだり食べてしまいがちです。低温状態が続くと、それに対応して腸内細菌まで変わってしまうようです。


体温が1℃下がると、免疫は30%下がるといわれています。その免疫を司る免疫細胞というのは、、、


何を食べても生きていけるたくましいあのゴキちゃんでさえも、寒さには弱いのです。


ということで、腸内細菌というのは寒さには弱いようですね。アーユルヴェーダでは、朝一番の白湯飲みを推奨し、日本では昔からお腹に腹巻を巻いたりして、お腹を冷やさないようにしてきました。



自然に近づく


「医学の父」として名を知られる古代ギリシャのヒポクラテスは「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく」という言葉を残しています。逆に言うと、自然に近づけば病気は遠ざかるといえます。つまり、自然に近づけば近づくほど、免疫力が高まるということ。

ヒポクラテス

太陽光の紫外線は、世間では皮膚に悪いなどと、何かと悪者扱いされがちです。しかし、In Deepさんのコチラの記事によると、皮膚のUVB(紫外線B)暴露の後に、腸内微生物の多様性が大幅に増加したとのこと。しかも、通常のビタミンDサプリメントを摂取している女性たちよりも、腸内微生物叢に多様性があり、バランスも優れていたそうです。つまり、太陽光に当たることにより、腸内細菌は多様化するようですよ。

動物と多く接していると、腸内細菌は活性化するようです。時事ブログでも、幼児期に犬と共に暮らすことで子供達の腸内の微生物が活性化され、喘息やアレルギー反応が起きにくくなるという記事を紹介していました。また、自然や動物たちと密着した生活「パーマカルチャー」をしていると腸内細菌にもいい変化がみられるようです。

ぺりどっとを含め、人々があちこち旅行したがるのは、旅行先の見知らぬ菌との交流を求めているせいなのかもしれません。その土地の土着の菌を摂り入れることで、自分たちの腸内細菌に刺激を与えられますもんね。


日本人が、インドや東南アジアなどを旅行すると、ほぼ間違いなく"腹下し"の洗礼を受けますが、メリットもあるようです。

(前略)
僕は子どもの頃からひどい便秘症で、高校生のときはそれがもとで痔をわずらっていた。1週間や10日は排便しないのが普通で、いざそのときになると便はかちかちに堅くなって、産みの苦しみを味わい続けてきた。

それでインドに行くと、誰もがかかるようにひどい下痢に襲われた。長い旅になると、それも一度や二度ですまない。一カ月に一度は下痢に襲われる。そのうち逆に便秘のほうが治り、どちらかというと軟便気味になった。しかもインドでは水で洗う。おかげで痔も快癒し、それ以来二度と便秘で苦しむことはなくなった。

⑨:私自身も下痢で腸が変わったように思うところがあります。下痢がおさまってからというのも、以前より綺麗な色のカタチと便が出るようになっておりまして。これは腸内フローラが変化したことによるものだと思います。

要約:インド旅行した人はタフになってそう。


以上のことから、自然と身近に接すると腸内細菌の多様化と相まって免疫が高まるといえそうです。


便移植


腸内環境を変えてしまうには、"便移植"が最もスムーズで確実な方法だといわれています。前回、保守的な村によそ者が来ても、仲間に入れないというツイートを取り上げましたが、"便移植"というのは、そんな保守的な村落に、新たな村落を持ち込むようなことかもしれませんね。

今後こうした便移植がより一般的になってくると、


手術には感染症対策のために抗生物質を飲む必要がありますが、自分の腸内細菌を予めストックしておいて、術後にこのストックで腸内細菌を復元させるという使い方も出来るといいですね。また、自分の調子がいいとき(あるいは若いとき)の腸内細菌を取っておいて、それを不調のとき(あるいは歳をとったとき)に飲んで復活するという健康法が今後生まれてくるかもしれません。酒や味噌などの蔵元が震災でやられても再び同じ味が復元できるのは、種麹屋(業界ではもやし屋という)の「麹菌」のバックアップがあるお陰だと聞きます。

「麹菌」(A・オリゼー)は、2006年に日本醸造学会によって「国菌」として認定されていますが、元々自然界に存在した菌ではないらしい。日本薬科大学の北本勝ひこ教授によると、ゲノム解析の結果、なんと元の姿は猛毒・アフラトキシンを出す可能性がある“荒くれ者”の野生菌(A・フラバス)だったそうな。「世界最古のバイオビジネスの結果です。麹菌も家畜化されて外敵から身を守る必要がなくなり、無毒なオリゼーに変化したのではないか」ということです。これは、「もやし屋」さんが数百年かけて大切に育て上げた成果ではないでしょうか。(参考:AERA.dot


時事ブログでも取り上げましたが、「日本人特有の習慣である家族との入浴」によって、家族間で共通の腸内細菌を多く保有していたそうです。塩素消毒していない源泉100%かけ流しの温泉では、人々との様々な「菌の交換」が行なわれてるのやもしれません。こうしてみてみると、人間関係とはまさに「菌の交換」そのものという気がします。


以上のことを踏まえると、人のうんこが原料の漢方薬「人中黄」が存在するのも、少し納得できる気がしてきます。

そんな自分や家族の腸内細菌のバックアップとして、優れたものだと思われるのが、"マコモ風呂"です。


マコモ風呂は、お湯が入っているお風呂に「液体もしくは粉末のマコモ」を投入して作ります。マコモ風呂の特徴の1つは、マコモ菌という菌の発酵により、お湯がずっと腐らないことです。発酵により、何十年も前のワインや日本酒が美味しく飲めるのと同じように、永続的に腐らないお風呂を作ることができます。

基本的に水を交換しないらしいので、その家庭の腸内細菌の交換の場になり、また永続的な腸内細菌のバックアップにもなり得ます。また、こちらのコメントから窺い知れる竹下家のマコモ風呂の様子が大変興味深いです。

このドブ色茶色の液体の中に身体を投げ出してみたいというご奇特な方は、一度こちらの記事をご覧になって覚悟を決めてから始めることをオススメします。…勇者の道のりは遠く険しく困難なものだと相場が決まっています。。。


小さな小さな音楽愛好家


ご存知の方も多いかと思いますが、お酒などの発酵食品に、モーツァルトなどの名曲を聴かせるといい発酵をして味が格段によくなるのですよね。


お酒だけでなく、納豆天然酵母パン醤油のほか、



また、食べ物以外でも、


同じように、我々の腸内細菌にもクラッシックのような名曲を聴かせてあげてると、腸内でも同じようにいい発酵してくれることでしょう。クラシック音楽愛好家の方々の腸内は、いい具合に醸造されてるはず。もしかしたら、名曲を聴きたいと思っているのは、案外、腸内細菌の方なのかもしれません。


こうしたことは、音楽だけにとどまりません。腸内細菌に関する研究実績で知られるオランダのヒーダ大学医学部のジョン・スタマック教授の研究によると、

(前略)
人間の腸内で活動している細菌は、外部の情報をインプットされると敏感に反応することで知られているが、(中略)...フェイクニュースに対しては(中略)...腸内細菌はそれを「嫌悪」しているというのだ。

「瞑想やクラシック音楽が、腸内細菌に対して良好な影響を与えることは、これまでも知られていました。(中略)...フェイクニュースに対する反応は驚くべきものでした。人間でいえば自殺に近い動きを取りはじめる個体も存在していたくらいですから」
(中略)
2017年の1月に183人を対象に行われた実験で、被験者は大手メディアの「信頼すべき」ニュースといわゆる「フェイクニュース」をランダムに与えられ、それぞれに対して真偽を判定したのち、腸内細菌の状態を計測するという作業を繰り返した。すると、ニュースの真偽を被験者がどう判断したかとは相関なく、腸内細菌の反応に有意な結果が得られたという。つまり、フェイクニュースを与えられた人の腸内細菌は、例外なく活動が大きく弱まったのだ。
(以下略)
WIREDより

フェイクニュースを嫌がることから、腸内細菌は、ヤマ・ニヤマ(禁戒・勧戒)でいうところの"正直"を好んでいるものと考えられます。だとすると腸内細菌は、"正直"だけではなく、"非暴力"や"不盗"などのヤマ・ニヤマを好んでいる可能性も。とすると、腸内細菌は我々の行動や考えなどもつぶさに読み取って、ヤマ・ニヤマに即した生き方をしているのかどうかを観察しているのではと想像してしまいます。どちらにせよ、神々にも腸内細菌にも愛されるような生き方を心がけていきたいものです。


最後に


世間一般では、腸内細菌に関する話題の中心は善玉菌ばかりに焦点がいきがちですが、腸内細菌の多様化という観点から見てみるといかがなものでしょうか。このことは、この地上のほぼ全ての宗教が悪しき一神教ばかりで覆われている構図と重なって見えてしまいます。善玉菌といわれる乳酸菌だけでは、とうてい腸内環境は維持できません。現状では悪玉菌にしか見えないような細菌であっても、隠れた重要な役割を担ってる可能性もありますし、麹菌のように変化することも考えられます。

もともと日本では、その伝統的自然観である、自然万物に神が宿るという「八百万の神」の世界観が存在します。多種多様な多様性の中にこそ、その本質的で自然なものが存在するといえるのかもしれません。我々の腸内環境も地上の世界も、周りのたくさんの存在と共生した多様性の中でお互いに発展していきたいものです。

Author:Koichi-Hayakawa[CC BY]


(まの爺)
 腸内細菌のお話にふさわしく、格調高い愛に溢れたメッセージの通信でありました。
以前からつれづれ、人の食の好みは腸内細菌さんの好みを反映しているのかな、と考えておりましたが、腸内細菌さんこそが気持ちの良い音楽、クラシック音楽を求めている、というくだりには飛び上がりましたぞ!
確かにそうかも。
自身の身体であっても多くの生命と協働して生きていることを、そして自己への愛というものを再認識させられた見事なシリーズ最終話、まの爺、大感激ですぢゃ!

Writer

ぺりどっと

ぺりどっと

健康マニア!インド渡航歴13回。
東京は築地生まれの江戸っ子!
試したがりの変わり者♪
移住してきた瀬戸内海の離島の古民家や海、山、畑でゆったりと過ごしながら、時事ブログの記事編集のお手伝いをさせて頂いておりましたが、山口の山奥に引っ越しました。
ぺりどっと通信で時事ブログの品位と波動を下げないかどうかが、ますます心配です。

■ 勝手に編集後記 ■

「人間が大切に育てた生き物は急激な進化を遂げます」ということですので、ペット同様、腸内細菌も大切に大切に育てていきたいものです。

腸内細菌シリーズもようやくこれにて終了です。
ご愛読ありがとうございました。


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