ユダヤ問題のポイント ― 特別編(黄金の流出から)10 ― ロスチャイルドの勃興 ―

 宗教学講座初級の第3回第4回に「神階」という概念が出てきます。「その存在が本来どの界層に住すのか」、潜在意識の焦点の位置を示すものです。
 初代ロスチャイルドをこの「神階」を用いて調べることにしました。「マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの神階(2000年元旦)」というカードと「欲界のせんぶ洲第5層」(編集者註:人類の大半はせんぶ州の第5層に神階があるというカードを作り、2000年元旦時の彼の所属界層がせんぶ洲より上なのか?下なのか?を調べてみたのです。せんぶ洲より上ならばホワイト・ロッジ、下ならばブラック・ロッジに所属していることになります。私の感覚では彼はせんぶ洲より上だったのでホワイト・ロッジ、「裏のイルミナティ」に所属しているな、となったのです。前回お知らせした「ロスチャイルド初代が裏のイルミナティ」とした私の誤りの経緯です。
 2000年当時は確かにロスチャイルド初代は既に「裏のイルミナティ」だったでしょうが、1780年頃の彼の神階も調べるべきでした。そうすれば当時はロスチャイルド初代がブラック・ロッジ所属だと分かっていたでしょう。ただロスチャイルド家は、ブラック・ロッジからホワイト・ロッジ闇組織に鞍替えしていることから分かるように厄介です。
 他にも謎が多いのです。このユダヤ問題の連載を始めた当初は、1744年生まれのロスチャイルド初代がロスチャイルド家の始祖だと認識していました。それ以外の情報は無かったのでこれは当然です。ところが昨年の秋に「“ロスチャイルド”というのは、聖書のダビデ王の母方の子孫」との情報が提出され、目を丸くしました。
 ただし、この視点を加味してロスチャイルド初代の周辺事実を見れば、合点がいかなかったところが納得できることも多いのでした。しかし、それでもいくつかの疑問点が残るのがロスチャイルドではあります。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント ― 特別編(黄金の流出から)10 ― ロスチャイルドの勃興 ―


ロスチャイルドの転向 〜ブラック・ロッジ組織から始末されたロスチャイルド氏


ご隠居、ロスチャイルド家は初代のマイヤー・アムシェルからして急激に力を伸ばし、2代目のネイサン・ロスチャイルドに至っては欧州を掌握し世界を牛耳る勢いであったんでやすが、一体この急速なロスチャイルドの力の伸展の背後には何があったんで?

編集者註:1815年のウィーン会議において「スイスの永世中立国化」が承認され、スイスは世界革命の拠点としての機能を果たし続けることになる。
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うーん、そうだね、ロスチャイルドに関しては「ユダヤ問題のポイント」全編を通じても多く取り上げてきているが、それでも多くの謎が残っている一族だね。

そうでやすね。ロスチャイルドの始まり、初代はブラック・ロッジの支援を受けてそこに所属していた模様なのに、いつの時点かにはホワイト・ロッジの闇組織側に鞍替えしてもいやすね。

そうだね、ロスチャイルド家のブラック・ロッジのからホワイト・ロッジ闇組織への鞍替えについては、かつて組織の頂点にあったシスター・マリー・エメリー著の『悪魔に愛された女』の次の記述が関連しているかも知れないね。

メーソンの最高グランドマスターの一人、ロスチャイルド氏も、首を切り裂かれて死んでいるのを発見された。彼はそのとき24歳だった。(p.50)


ふーむ、このシスター・マリー・エメリーが所属していたのはブラック・ロッジの米国フリーメイソン・ロッジであり、「表のイルミナティ」組織でやしたね。
で、この「表のイルミナティ」に所属していた最高幹部である24歳のロスチャイルド氏が、組織から粛清・殺害されたということでやすね。

そう。この『悪魔愛された女』には米国大統領ガーフィールドがこのブラック・ロッジのフリーメイソンの一員として登場していて、組織の掟に反した行為を咎められ、やはり組織から粛清・殺害されている。それはアレクサンドル2世暗殺と同年の1881年。ロスチャイルド氏の粛清はその少し前だろう。

1881年頃、1773年初代ロスチャイルドがフランクフルト秘密会合・世界革命会議を主催してから90年弱…。
うーん、問題はそのロスチャイルド氏がなぜ組織から始末されたのか?
ブラック・ロッジ組織に一族のメンバーを始末されたロスチャイルド家が、そのままブラック・ロッジに所属していたのか?
でやすね。

ロスチャイルド氏が始末されたのは組織の掟に背き、見せしめとして殺害されたのだろうが、あたしは彼がスパイ行為をしていて、それが発覚して始末されたような気がしているんだね。

スパイ行為❓ シスター・マリー・エメリーは復讐のためにこの組織に潜入していたんでやすが、ロスチャイルド氏はホワイト・ロッジ闇組織と通じていて、ブラック・ロッジの秘密を漏らしていた、ということで?

ふむ、どうもそのような気がするんだ。
『悪魔に愛された女』で登場するブラック・ロッジの首領は凄まじい超常的な力を見せつける。しかし反面シスター・マリー・エメリーに弱気な一面、部下のメイソン達の気質や出来の悪さに対する泣き言も述べている。ロッジ内で裏切りが横行してもいたようなんだ。

ふーむ、ロスチャイルド氏の裏切りのスパイ行為、…その線はあるかも知れやせんね。

まぁ証拠も何もないので、本当にそうだったのかは分からないがね。
ただ一族のものを粛清始末されたロスチャイルド家が、ブラック・ロッジに居づらくなったのは確かだろうがね。

うーん、ロスチャイルドがブラック・ロッジからホワイト・ロッジ闇組織に鞍替えしたのは、何時?どのような理由で? このことのハッキリしたところはまだ「藪の中」という感でやすかね。

そういうことだね。
そう、ロスチャイルドは初代からホワイト・ロッジ闇組織と通じていた可能性もなくはないが、これも何とも言えないところだね。

アダム・ヴァイスハウプト
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えっ? ああ、そうか。ロスチャイルド初代に命じられてバーバリアン・イルミナティを結成したアダム・ヴァイスハウプトが死の床で、「注意するのだ……闇のイルミナティに!」と残した言葉。この「闇のイルミナティ」がロスチャイルド初代を指していたとの説がありやすね。

そうだね。ただし何度も言うように真偽は何とも言えないね。

さて、ロスチャイルドの力の伸展に話しを戻して整理していこうか。

初代ロスチャイルドの謎 〜莫大な資金調達はどこから?


へい。1744年、フランクフルトのユダヤ人居住地、狭いゲットーで両替商を営んでいた貧しい家に誕生したマイヤー・アムシェル・ロスチャイルド。幼くして両親をなくした彼が始めた店、その店先に出された看板が「赤い盾」、ドイツ語でロートシルト(Rot Schild)、これがロスチャイルド(Rothschild)の始まりとされていやすね。

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編集者訳:
赤い盾
・父の死後、バウアーは父親の事業を引き継ぐためにフランクフルトに戻ります。
・バウアーは赤い六芒星の意味を認識し、玄関ドアに掛けられた赤い六芒星や666を表すサイン("Rot "はドイツ語で "Red"、"Schild "はドイツ語で "Sign")にちなんで、バウアーからロスチャイルドに改名します。

そうだね。初代ロスチャイルドが躍進する切っ掛けとなったのがヘッセン・カッセル方伯と知古を得たことだ。1769年には初代ロスチャイルドはヘッセン・カッセル方伯の御用商人、宮廷ユダヤ人となった。

『ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表』p43によりやすと、その翌年1770年に早くも初代は、「イルミナティ」の結成を計画し、それをアダム・ヴァイスハウプトに委託したとありやすね。

そう。そして例のフランクフルト秘密会合、外伝31にあるように、1773年に若干30歳の初代ロスチャイルドが世界革命会議を主催。初代が12名の出席実力者に示した世界革命計画25箇条」。
実際にその後2007年の「天界の改革」が始まるまでの230数年間、この「世界革命計画25箇条」に沿って地上世界は動かされてきた
と言えるだろうね。

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そうでやすね。
「世界革命計画25箇条」はタルムードを下敷きにしてモーゼス・メンデルスゾーンが作成しただろうと外伝32では推測してやすね。ただ、なんか合点のいかないことが幾つか…。

ふむ、その合点のいかない点とは?

へい。先ずは秘密会合に出席していた実力者12名とは誰か?が気になりやす。

ただその前に、初代ロスチャイルドが「イルミナティ」の結成を計画したり、世界支配計画を作成したりすることを、そのような途方もない、だいそれた事をなぜ計画出来たのか?
アダム・ヴァイスハウプトに「イルミナティ」の結成を依頼するにも大変な資金が必要だったはず。

それに無名の家のぽっと出の30歳の若造が主催する世界支配計画を講ずる秘密会合に、実力者がなぜ出席したのか?
どうも合点がいきやせん。

まさしくそうだね。
確かに秘密会合時にはモーゼス・メンデルスゾーンとヤコブ・フランクの後ろ盾があったと思えるが、それだけで世界支配計画を披露し、それに協力してもらえるというのは無理がありそうだ。

それに 1769年に初代はヘッセン・カッセル方伯の御用商人となり、財産運営マネージャー役を担うことになるが、財産運営マネージャー役を担うのはだいぶ後年で、1770年にアダム・ヴァイスハウプトに命じた「イルミナティ」結成のための資金がどこから調達できたか?これまでの情報ではやはり不明だね。

へい。どうも分かりやせん。

幾つかの情報によると、初代が世界支配のための自己所有の種銭を手に入れたのは、ヘッセン・カッセル方伯が自領から逃亡する際に委託さた300万ドルの資産を横領して、でやすね。
その時期は『ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表』ではナポレオン戦争時の1806年、『ロスチャイルドの密謀』p54のコールマン博士の説では1794年「コブレンツの町がフランス将軍オッシュに占領」されたことによるとされてやすね。

てぇことは、いずれにしても初代は自前の資金もないままで1775年開始の米独立戦争、1789年開始のフランス革命の糸を操ったことになりやすね。


ふーむ、

「イルミナティ」結成をアダム・ヴァイスハウプトに命ずる。
②世界支配計画、世界革命会議主催
米独立戦争、フランス革命の世界革命の本格的始動

こういった初代の業績は、
①1769年にヘッセン・カッセル方伯の御用商人となって、やがてカッセル方伯財産運営。
②カッセル方伯の財産300万ドル横領。
これだけでは説明がつかないということだね。

確かにそうだね。


ロスチャイルドはダヴィデ王の頃まで遡る? 〜赤い六芒星の家紋


へい。初代が死亡するのは1812年。ロスチャイルドがその財産を飛躍的に増大させた1815年の「ワーテルローの戦い」の前。

ところが『ロスチャイルドの密謀』p232では、コールマン博士によると「マイヤー・アムシェルが亡くなる直前、すでにその財は世界中の富豪の財産を合わせてもまだ及ばないほど蓄えられていた」ともありやす。
初代の躍進にはカッセル方伯の財産関係以外の要素があったとしか思えやせん。

そうだね。その要素の一つは世界革命会議集合12名の資産の運営があったのは確かだろうがね。

その12名のメンバーとは? やはりブラック・ロッジ関係者で?

そうだろうね。あたしは「表のイルミナティ」の始祖、ゾロアスター13血流の当主か代理人が出席者だったんでは?と思えている。
彼らは桁外れの資産家なので、秘密会合で彼らの資産を初代が運営する運びになっていたならば、その後の米独立戦争、フランス革命などのコーディネート役を初代が果たした説明がつくのではあるが…、しかし…。

へい。確かにゾロアスター13血流が秘密会合の出席者であったならば、その後の世界革命の展開に合点はいきやす。アダム・ヴァイスハウプトに渡された資金の出処もゾロアスター13血流ならば「なるほど」ともなりやす。
しかし、そうだとすれば、それ以前の問題が…。

そうだね。
アダム・ヴァイスハウプトへの資金提供者、秘密会合の出席者がゾロアスター13血流メンバーならば、彼らはそれ以前に初代のことをよく知っていて接触しているはずになるね。

へい。しかしゾロアスター13血流という超大物が、貧乏で無名な家の出身の若造に接触していたとしやすなら、その理由が分かりやせん。

ふむ、そうなるね。
ところで、初代ロスチャイルドの父はモーゼス・アムシェル・バウアーだが、『ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表』p40に
「モーゼス・アムシェル・バウアーは、両替商の戸口の上に赤い看板を掲げた。看板は赤い六芒星(図形的、数字的に666という数字に変換できる)で、この六芒星という図形は、これから2世紀後ロスチャイルド家の命令でイスラエルの国旗に配されることになる。
とあり、p41にこの赤い六芒星の意味を知っていた初代はロートシルト「赤い盾」に変えた、とある。


ふーむ、六芒星、そしてロスチャイルドがイスラエル全体にかかっているようでありやすね。

そう。実は2019/10/3の竹下さんの記事で「“ロスチャイルド”というのは、聖書のダビデ王の母方の子孫を主張するヨーロッパの貴族家系の集まりを簡潔に呼ぶ【名称】だと思ったらいい。この連中が【先に挙げた】宗教的なユダヤ人陣営のリーダー格」とあるね。

え❗❓ てぇことは、ロスチャイルド家はダヴィデ王の頃にまで遡るんであって、1744年誕生のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドが始祖ではないということになりやすね。

うーん、あたしも深いところは理解できてないが、そういうことになりそうだね。

ふーむ、貧しく無名な両替商の家に誕生したアムシェルではあったが、彼は実は古代ユダヤからの名門で、脈々と密かに受け継がれてきたロスチャイルドの血流を濃く受け継いでいたということでやすかね?

ふむ、そうなのかも知れないね。
だとすれば、ゾロアスター13血流が密かにアムシェルに注目し、接触していた理由の説明とはなるね。

まぁ今日はこれぐらいにしておこう。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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