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第1回 ドレミの秘密
はじめに 〜 東洋医学セミナーの「調和純正律」を受講済みの方と、そうでない一般の方へ
調和純正律で曲を演奏するには、その理論と周波数比率を説明している、東洋医学セミナーの中級第2巻「サウンド・テラピー」を受講していただく必要があります。ですが、この記事では一般の未受講生の方も含めて楽しんでいただきたいので、次の通り、両方の方向けに記事を書いてまいります。
1)東洋医学セミナーの中級第2巻「サウンド・テラピー」を受講済みの方
調和純正律で曲データを演奏する方法をご紹介します。竹下氏が発見した周波数比率を入力する箇所で、「サウンド・テラピー」の回のテキストをご用意ください。
2)一般の方(未受講の方)
調和純正律の元にもなっている、歴史ある音律「純正律」で曲データを演奏する方法をご紹介します。これに、記事で紹介するいくつかのルールを加えれば、身体の一部の経脈に気が通る音楽を演奏することができます。
調和純正律を使うと、身体中のすべての「経脈」に気が通る音楽を演奏できます。関心を持たれた方は、東洋医学セミナーをぜひ受講してみてください。
階名の話 〜 どれでもドレミ
第1回からしばらくは、「調和純正律」が一体どのようなものかを、その前提となる説明とともにお伝えしていきます。
ピアノの鍵盤と音の高低
次はどなたもご存知のピアノの鍵盤です。
白鍵と黒鍵があり、白鍵を押すと、私達がよく知っている「ドレミファソラシド」の音(幹音)が出るようになっています。黒鍵は、#(シャープ)や♭(フラット)が付いた、ちょっと高い音・低い音(派生音)を出すためのものです。
さて、ここで問題、「ドレミファソラシドはどの鍵盤でしょう?」。このように尋ねますと、次のように認識される方が多いと思います:
これは正解のひとつでして、実は他にもたくさんあります。
ここで、話の都合上、黒鍵を引き伸ばして、白鍵と同じ大きさにします。
ちょっと変な感じがするかもしれませんが、実は白鍵と黒鍵は形が違うだけで、音の高さの違いはほぼすべて同じですから、こう表現してもさほど間違いではありません。この鍵盤同士の高さの違いを「半音」といいます。半音2つ分を、「全音」といいます。
調性によって変わるドの位置
さて、話を戻して「他にもたくさんあります」の例をいくつか示すと、次の通りです。
①は「イ長調の」ドレミファソラシド
②は「ニ長調の」ドレミファソラシド
③は「ニ短調の」ドレミファソラシド
となっています。
冒頭で示したオーソドックスなドレミファソラシドは、「ハ長調」のものです。これを、各音の間隔(ミ・ファの間と、シ・ドの間だけを詰める)を保ったまま、単に半音3つぶん左にずらすと、①の「イ長調」になっていることにお気づきでしょうか。
これをさらに左右にずらすと、「ロ長調」など他の長調のドレミファソラシドを作れます。いっぽう、各音の間隔が少し違う③は短調とよばれるものです。これも、同じように左右にずらすと、他の短調を作れます。
この「◯◯調」のことを、調性(キー)といいます。ざっくり言って、「◯長調」が明るい感じの曲、「◯短調」が物悲しい感じの曲を作るのに使われます。
実際に聴いてみましょう。次の動画を再生すると、ハ長調(冒頭で紹介したドレミファソラシド)→①イ長調→②ニ長調→③ニ短調の順に再生されます:
どれでもドレミ 〜 階名で音の高さは決まらない
「ドレミファソラシド」は「階名」といい、実はいくつかの要素によって、各音の高さが変わってしまいます。次の図をご覧ください。
これはピアノの全88鍵盤の中で、どこがドレミファソラシドになるのかを決める要素を示した図です。階名の音の高さは次の要素で決まります。
図中①―どのオクターヴの番号の音か
(オクターヴの番号とは、ピアノの一番左端から、何番目のハ長調のドに属する音かをあらわす数字です。)
図中②―主音ドの位置はどこか(例:ハ長調の「ハ」の部分のこと)
図中③―各音の間隔はどのようにとるか(例:ハ長調の「長調」の部分のこと)
ドレミってどんな音、というと「どれでもドレミ」になってしまうということですね!
音名の話
さて、ある音の高さを示すのに「第4オクターヴのハ長調のドの音」なんていちいち説明しないといけないと困りますので、はっきりと音の高さを示した呼び方があります。これを音名といいます。
次の図は、第4オクターヴとその近辺における鍵盤と音名との対応を示したものです。
これで「第4オクターヴのハ長調のドの音」は C4 という音名で表すことができるわけです。便利ですね♪
ちなみに、これはアルファベットによる音名の表記ですが、日本式だとA・B・C…をそれぞれ「イ・ロ・ハ…」と表記します。(オクターヴの数字は付きません。)なので、上の図で C(=ハ)の鍵盤をドに取った長調のことを、「ハ長調」といいます。
基準音の高さと音律
しかし、音名だけでは、まだ音の高さは決まりません、ある音名(例:C4)の音の高さを決めるには、さらに次の要素が必要です。
1. 基準音(通常はA4の音)の周波数を何にするか。
2. どのような音律(調律方法)で、各音の高さの違いを調整するか。
ですが、この2つに関してはほぼ国際的に決められています。具体的には、
1. の基準音の周波数は「基準音をA4として440Hz※」
2. の音律は「平均律」
となっています。
そのため、例えば、2つの違うメーカーのピアノを購入したとしても、C4の音を弾くと、どちらもほぼ同じ高さの音が出るようになっています。上の2要素は、普段音楽を聴いたり演奏したりする上では、ほとんど意識する必要がありません。
※あくまで国際基準であって、実際現場の調律では442Hzなど周辺の周波数が使われることが多いようです。電子楽器はこの440Hzが標準です。(参考:office acoutis「絶対音感は必要でしょうか」)
普段意識せずに使っているドレミには、こんな秘密があったのでした!
さて、ここで「平均律」という音律の名前が出てきました。この連載のテーマでもある「調和純正律」も、この音律というもののひとつです。次回は、「周波数」と「音律」について説明します。
この記事は、シャンティ・フーラによる執筆記事です。音楽の分野に詳しい方におかれましては、もし間違いや説明上改善すべき点などがありましたら、ご指摘やご意見をいただければ幸甚です。ぜひ、こちらのコメント欄にフィードバックをお寄せください。
調和純正律とは、「美しい響きとともに、身体に心地よく、全身の経脈に気を通す」曲を作るためのルールです。当社ではこの理論を応用した商品として、CD「サウンド・テラピー 〜 チャクラと経脈に作用する周波数」を販売し、皆様にお役立ていただいています。
しかし問題は、このCDは入っている音が全部ピーなのです!(笑) 音楽ではありません。したがって、なかなか「このCDはいいから聴いてみて!」という話にはならず、調和純正律が普及しないのです。
どなたか、調和純正律で曲を作って、人々を気のレベルで元気にする素晴らしい音楽を世に広めてほしい! そんな思いで、何回かに分けて記事を書こうと思います。
なお、この連載で扱うのは、あくまで調和純正律の説明と、これを無料の編曲ソフトに導入する手順です。作曲・編曲に関する理論や方法は扱いません。そちらは別のサイトに譲りたいと思います。