ままぴよ日記 58 「台風10号が来た!」

 暑さも和らぎ、さわやかな風が吹いています。台風10号が過ぎ去って一気に秋がやってきました。
 今回の台風で経験した私のドタバタ劇。恥ずかしながらここに書いて、少し整理してみようと思います。
 幸い私は無事でしたが、被災された方々にはお見舞い申し上げます。
(かんなまま)
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迫りくる超大型台風10号


正直、とても怖かった!
大型で非常に強い台風10号は特別警報級で異例の緊急記者会見がありました。中心気圧915hPa。最大瞬間風速80m/s。それも進路は我が家!(笑)。
私は台風10号のニュースから目が離せなくなりました。

9月になっても海水温が異常に高くて30度を超えています。今までの台風はフィリピン沖で発生していましたが、最近は近海で発生してぐんぐん勢力を増しながらあっという間に超大型台風になります。気象庁は正確な予測値を出してくれますし、アナウンサーが深刻な顔をして早めの非難を!備蓄を!コロナ禍で3密を避けながら!と繰り返し伝えるのでだんだん怖くなってきました。


なぜか母や叔母の家など管理しなければいけない家が3件あります。他に築34年の病院と木造建築の我が家。こちらは移転が決まっているので大きな改修工事はしない事にしていました。雨戸が閉まらなくても、少々の雨漏りも共存しています。でも、大型台風が直撃したらヤバいです。考えただけでめまいが~。

我が家の庭は木々が大きくなって立派な防風林の役目を果たしてくれますが、問題は2階。遠くを見渡せる反面、風が吹き抜けていきます。今回は南東からの風。80メートル級だと家ごと吹き飛ぶかもしれません。

実は平成3年の台風17号・19号が立て続けに来た時、甚大な被害を出しました。これが私のトラウマになっています。目の前の家の屋根が吹き飛び、車がサイコロのようにコロコロ転がっていきました。ガラス窓が割れて家中に風が吹き荒れ、その後1週間停電しました。地元の風速計を振り切って瞬間風速60m/s以上だったと言われています。今回はそれ以上の勢力です。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
平成3年の台風19号


その時小さかった子ども達は独立して家を出ていき、2階の子ども部屋は物置と化しています。そこに留守にしている母や娘の家の預かりものを置いています。場所があると物が増えるという法則があるようです。


台風への備えと準備


コロナ禍で相当断捨離をしたのですが、結果的に整理して場所移動しているだけかも・・・と自分の執着心の高さにがっくり来ていたところでした。それが今回の台風で、家がなくなるかもしれない!何を持って避難するか?何が大切なものか?と迫られたのです。

夫は仕事なので準備は私一人でしなければいけません。窓の補強など、ありとあらゆることを考えました。2階の南に面した大きな窓はUVカット機能の付いた飛散防止フイルムを貼っています。今回は南向きの病院の玄関を補強するために土嚢を買いに行く事にしました。台風の場合は風の向きを考慮して対策をとる必要があります。

2日前なのに家の前から渋滞が始まってホームセンターまで続いています。やっと駐車場に入ったら車を停める順番待ち。お店に入ったら養生テープやブルーシートは完売。ベニヤ板や工具を持った人たちがレジを待って行列です。みんなマスクはしているけれど密もいいところ。殺気立っています。

土嚢は袋を買って自分で砂を入れます。じりじり照り付ける日差しの中で砂を袋詰めしました。土嚢も飛ぶように売れています。こんな光景は初めてです。「やっぱり普通の台風と違う」という恐怖心が高まります。家から5分ほどのお店でしたが、買い物に2時間もかかってしまいました。


漁師さんは船を陸にあげて固定します。農家はビニールハウスの対策。早めの収穫。あちこちの家からトントンと窓を補強する音が聞こえてきます。6月の大雨で床下浸水の家も多かったので水の怖さも付きまといます。大潮と重なれば高潮の心配もあります。ハザードマップでは家のすぐ近くまで高潮の危険地域になっていました。

家が危なかったら隣の6階建ての病院に垂直避難しようと思っているのですが、ペットがいるのでどうでしょうか?ペット用の抱っこひもも用意しています。山がない我が町。高台がないので困ります。今年はコロナから始まって大雨、台風と、気が休まる暇がありません。人類のカルマだと思えば致し方のない事ですが、日本は1級の災害大国になってしまいました。

さて、今回の台風は勢力が強いので、電信柱が倒れて停電する可能性が高いと思いました。それも最悪1週間以上。酷暑の中で冷房が効かないのが一番恐怖ですが、これはどうしようもない。とりあえず風呂に水を張りました。20リットル入りのポリタンク7本にも浄水を入れて、ガスのカセットコンロもチェック。バケツ、ブルーシートやロープ、養生テープ、簡易トイレキットも用意しました。ちなみに災害時のトイレの注意点は事前に知っておく必要があります。

情報が命なので携帯の電源確保のために充電器、モバイルバッテリー、ソーラーで動くラジオをチェックしました。懐中電灯、ヘッドライト、おまけに電池で動く扇風機。太陽光発電装置があるのでイザというときは自立運転モードに切り替えて電源を確保。車がPHVなのでフル充電しました。ぺりどっとさんからガソリン車でも車のシガーソケットから電源コンセントに変換できるインバーターの情報を頂きました。オイルでランプを作る方法も知っておくと便利です。ちなみにガソリンスタンドは2日前から長蛇の列で、完売の所もありました。



我が家で電気がなくて一番困るのは冷蔵庫です。冷凍庫を開けて見たら最近摘んだブルーベリーが山のように入っています。もっと大切なものを入れるために少し空間を開けたいと思ってブルーベリーを全部出しました。ジャムにする時間がないので、その場で保存瓶を熱湯消毒して一気に酵素ジュースを作ることにしました。何と2リットル瓶に5個もできました。砂糖とブルーベリーを1対1.1の割合で漬け込むだけです。あとはガーゼで埃が入らないようにして常温で放置。毎日手で混ぜるだけ。台風記念のジュースになるかも。

冷凍庫の空いたスペースに凍らせたペットボトルを入れて保冷剤代わりにしました。火災などの二次災害を起こさないためにも避難の時はブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉めます。その際、凍ったペットボトルが庫内の冷気を保ってくれます。

他は食料品。備蓄のアルファー米や缶詰類。長期保存パン、野菜ジュース、そして今回は消毒セットとマスク。今まで備蓄していたものの出番です。賞味期限切れのものもあるのですがきっと大丈夫。備蓄は溜めるばかりでは賞味期限が切れるので循環するのが大切です。でも、それが難しい。反省です。


そして、2階に置いている大切なものを1階におろしました。預かっている書類一式。病院の書類もあります。様々な証明書。免許証。契約書。銀行関係書類・・・。準備しながら嫌になってしまいました。大事なものが多すぎです。

必要なものをだけをボストンバックに入れることにしました。置いて行くのか持っていくのかトリアージ作業です。服は作業着2~3日分。外出のための服はコロナ禍で出番も無くなりました。

その作業をしながらも、家が飛んだ時は全部なくなるという現実も想定します。地震、がけ崩れ、火事、洪水などでたくさんの人が一瞬で全てのものを無くしている現実を見てきました。命さえも。それを覚悟しながらも私は大事なものをかき集めている。…いや、今回は準備する時間を与えられたから、やはり準備しなければ…、いや、多すぎでしょう。欲がムクムクと勢力を増しているぞ…。本当に必要なものは何??

あれこれ思いめぐらしながら自分で自分が情けなくなりました。いったい私は何をしているのだろう?月のヴァータの私が台風の風に乗って止まらなくなっています。ストップ!!

まずは落ち着こうと思いました。必要な準備はします。でも淡々と。感情を交えない、怖がらない、と腹を括りました。


方法はいつも与えられている



そんな時、息子から連絡が来ました。息子はその日、当直で家にいないとの事。お嫁ちゃんと3人の孫だけになるから自分のマンションに避難したら?との誘いでした。お嫁ちゃんも安心するし孫は大喜びです。外国にいる子ども達も避難しなさいと言い出しました。

息子の家に避難すれば安心して愛犬を連れて行けます。早めの避難を決めました。窓に養生テープを貼りながら「持ちこたえてね!」と家に話しかけました。2種体癖の私は黄緑色のテープを張る時もキレイに貼りたい(笑)。眺めながら満足です。戸外の飛ぶようなものは全て納戸に片付けました。

とりあえず、月曜日に最接近する予報なので月曜日は休診にしました。そして時事ブログで公開してある安否確認の方法を試してみました。息子のマンションにいる自分を想像して「台風が最接近した時」と声に出してみました。何かドキドキしています。リラックスしているようにも思えるのですが、今の自分はすでに緊張しているので信用できません。ちょうどその時、ままぴよ日記の57話の打ち合わせをしていたので、そのことを書いたらぺりどっとさんから「心の目で両足を見てリラックスしては?」と言われて我に返りました。

方法はいつも与えられています。まずは落ち着くことが大事だと痛感しました。3脈の法も試しました。3ヵ所の脈も同時に打っています。安心しました。大丈夫。大丈夫。修理から戻って来たばかりの大切なマーラーを握りしめて、神様に無事を祈りながら息子の所に避難しました。

ピヨちゃん マーラー


息子は大きなマンションの6階に住んでいます。停電のリスクはあっても吹き飛ぶことはありません。家も揺れないでしょう。孫たちが喜んで迎えてくれました。学校も休みになって何だか興奮しています。

早めの夕食を食べて、愛犬を散歩に連れて行きました。いつも車や人通りの多いところですが誰一人歩いていません。信号機だけが点滅して車も走っていません。風も吹いていないし嵐の前の静けさです。市役所や目の前の学校には避難している人の車がたくさん停まっていました。

マンションに戻って台風の予報を見ていたら、少し勢力が衰えて早くなっているようです。ひたすら神様に無事を祈りながら早めに寝ました。

朝方風の音で目が覚めました。換気扇が風に煽られてバタバタ鳴り響いています。ゴーゴーと風の音が鳴ります。みんな不安な気持ちで台風が通り過ぎるのを耐えている事でしょう。不思議な連帯感を感じました。外の鳥や虫はどうしているのかしら?揺れる木々は?全ての無事を祈ります。

外が明るくなった頃、台風は通り過ぎていきました。結局、勢力が急に弱まって特別警戒警報は見送られました

心底ホッとしました。孫が張り切って作ってくれた朝ごはん。6歳のお姉ちゃんはスクランブルエッグ。4歳の弟はバナナを丁寧に切ってパンに乗せてくれました。おいしかった!!

午後から家に戻りましたが、ほとんど被害はありませんでした。でも庭の葉っぱや枝が散乱して風の強さを教えてくれました。しっかり家を守ってくれたのでしょう。明日から病院も生活も通常通りです。体はへとへとでしたが一気に後片付けをしました。

台風一過の清々しい天気です。

Author:西表カイネコ[CC BY]

台風が溜まったエネルギーを一掃してくれたようです。それに合わせて私の物に対する執着も整理したくなりました。1つずつ身も心も軽くしていきたいと思います。移転の場所は?どんな家にするのか?年齢と防災も考慮しなければいけません。生き方と一致させたいと思うものの、その前に自分の中のたくさんの迷いに向き合う必要がありそうです。今回の台風がそれを教えてくれました。

又、今回の台風は避難した人が多くて、避難所の数もいつもより多く用意されました。残念ながら母子専用の避難所は作られませんでしたが、コロナの関係で密にならないように市の職員と保健師さんが配置されて寝ずの見守りをしてくれたそうです。家族連れには優先的に畳の部屋が与えられて周りの人も親切にしてくれた、と報告がありました。新しく建築される子育て広場には母子のための避難所としての役割も考えていきたいと思っています。備蓄はもちろん、庭にはかまどベンチやマンホールトイレも必須です。

それにしても、今回の台風は予報の通りに勢力を強めながら接近したら大変な被害が出ていたと思います。でも奇跡が起きました。急激に勢力が小さくなったのです。どんな時も神様のお守りがあるという事を感じました。本当にありがとうございます。


Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は8人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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