ぴょんぴょんの「『自衛隊の闇組織』を読んだ」 〜〈別班〉という存在

〈別班〉、ずっと何だろうと思ってた。
タブーであることも、知らなかった。
しかし、真のジャーナリスト魂をもち、命の危険もかえりみず、タブーに切り込んだ記者がいた。
どこの分野にも、絶滅危惧種が生き残っている、と救われた気がした。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「『自衛隊の闇組織』を読んだ」 〜〈別班〉という存在

お賽銭マンの名前遍歴


秋だねえ。

おめえは食欲の秋か?
おれは、読書の秋だ、エッヘン!


読書? どうせ、マンガでしょ?

ブアカ! 活字ばかしの本を読むことを読書と言うんだよ。

ぼくは、ネットの記事を読むだけで、活字はお腹いっぱいかなあ。

ところで、おめえ、「お賽銭マン」て知ってるか?

このツイッター・アカウントでしょ?
いつも、有益な情報を提供してくれるよね。


じゃ、きくが、「お賽銭マン」になる前は何だった?

えっと・・たしか、「箱コネマン」だ。


正解!
じゃあ、その前は?

あったねえ〜 何だったっけ? 
ウ〜ン ウ〜ン ウ〜ン・・・。


おれも、思い出せなかったんだが、最近のseiryuu氏の記事で、ようやく答えが見つかった。

ここに、答えがある?

「八咫烏および五龍会の歴代総裁と五龍会直属の秦氏系企業(一部)」というカラフルな図をご覧あれ。日本を支配している企業や宗教団体が、どこの秘密結社に属しているかが、きれいに分類されている。

ウワア! ヤバイ!! 日本はほとんど秦氏に支配されてる!!

細かいとこまで見ていくと、企業でも宗教団体でもない名称に目が行った。
「アレ? なんだっけ? でも、どっかで聞いたような。」

どこどこ? どこどこ?

赤だよ、赤い龍の会、その一番下を見てみろ。

〈別班〉・・?
思い出した! 「箱コネマン」の前は、「別班マン」だった!
でも・・・今は。


キワどいこと、つぶやいてたせいもあるかもしれないが、〈別班〉を公にしてほしくねえ意図も?

〈別班〉のこと、知りたい!


秘密情報部隊〈別班〉の正体


よっしゃ、いっちょ、〈別班〉について調べてみようじゃねえか。
ってんで、検索したら、石井暁(ぎょう)著「自衛隊の闇組織 秘密情報部隊〈別班〉の正体」が出てきた。

2018年に出た本だね。

いざ、注文、と思ったが・・・やめた。

なんで?

おめえは、ネットで本を買うとき、何を目安にする?

好きなのは無条件でポチッとするけど、知らない分野は人の書評を頼りにするね。

やっぱ、そうか。
おれも、アマ◯ンの書評に目を通してみた。
「自衛隊の闇組織」については、 肯定的なのもあるが、否定的なのもいっぱい。
たとえば、
「妄想のかたまり 匿名ばかりで読む価値なし ネットに転がってる与太話」
「このての本はレビューの低評価通り、買うに値しない。
題名見ただけで内容が見えてしまう。レビュー通りやっぱりね。」
「左向きの人が書いた妄想だらけの本。お金を出して読む価値はないと思う」
Amazon

そうか、こりゃ、買っても損するかもしれんぞ。
ついこないだ、買ってすぐにゴミ箱行きになった本もあったからなあ。
で、結局、おれも「買わん!」って思った。


ふ〜ん、でも、なんかの理由でその本が売れたら困る人たちもいるんでしょ?
そういう人たちが、ネガティブなコメントで、誘導することもあるんじゃない?

そうそう、その通り。
だから、「買わん!」の1分後に思い直した。
それに、他に〈別班〉のめぼしい資料があるわけじゃなし、アマゾンじゃない書店から購入した。

どうだった? コメント、当たってた?

いや、買ってよかった、正解だった。

〈別班〉のことも、よくわかった?

本の題名どおり、〈別班〉は陸上自衛隊所属の、極秘組織で、秘密も秘密、ヤブの中。
〈別班〉のことを政治家や自衛官に聞いても、みな口をそろえて「過去にも現在にもそんな組織はない」というばかり。人によっちゃ、〈別班〉って口にするだけで、にらまれたり、脅されたり。とにかく、「触れるな」って組織なんだ。


ますます、知りたくなるねえ、実際に何してるの?

海外の〈別班員〉は、民間人になりすまし、諜報活動を行う。

スパイだ! 「おはよう、フェルブス君!」


なつかしいな、「スパイ大作戦」。
だが、〈別班員〉は実際に動かず、指令を送って、現地の「エージェント」(協力者)に情報収集させるだけ。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

わかった、指令のテープレコーダーを録音してるのが〈別班〉なんだ。
「このテープは5秒後に消滅する。(シュ〜〜)」ってね。

共同通信・防衛省担当の石井暁氏が、なじみの自衛隊幹部の口から〈別班〉という単語を初めて耳にしたのが、2008年だった。
〈別班〉? なんだ、そりゃ?
しかし、誰に聞いても、〈別班〉が何なのか教えてくれない。
どころか、そんなもの、存在しないとまで言われる。
5年半のあいだ、会社の取材費も相当使った。
それで、1行も書けなかったら終わりだ。
「こんな途方もない情報をどう裏付けて、本当に記事として成立させられるのかと。
社内を説得させることも含めて、原稿にできるのかと」、石井氏はあせった。
BLOGOS

ふつうだったら、諦めちゃう。

しかし、彼の使命感がそれを許さなかった。
石井氏「ジャーナリズムの最大の使命は権力監視です。日本の最大の実力組織は自衛隊であり、防衛省、自衛隊を監視するのは最も大切な仕事だと思っています。」(BLOGOS

Author:防衛省[CC BY]

いた〜!! ジャーナリストの絶滅危惧種!!

そうして、5年半、地道な取材を続け、慎重な事実確認と裏付け取材によって、ついにその日が来た。
「特別秘密保護法」成立間近の2013年11月28日、彼の記事は21の新聞社の1面トップを飾った。題して「陸自、独断で海外情報活動/首相、防衛省に知らせず/文民統制を逸脱/自衛官が身分偽装」。


よく、そこまでこぎつけたね。

しかも、命がけだった。
懇意だった元将官からは「〈別班〉は恐ろしい組織で、虎の尾を踏むと、お前を消すぐらいのことはする」と脅され、石井氏も「自衛隊の最も恐ろしい部分を見た気がします。本当に恐ろしいです。月並みな表現だが、身の毛がよだつと言うか」と話している。
BLOGOS

命がけで書いたその記事、読みたいね、どんな内容だったんだろう。

要点をまとめると、こんな感じだ。

1 陸上自衛隊には「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(以下、〈別班〉)と呼ばれる組織図にない秘密情報部隊が存在する。
2 数十人いるメンバー全員が陸自小平学校の「心理戦防護課程の修了者」である。
3 冷戦時代からロシア(当時はソ連)、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官が情報活動を行っている。
4 自衛隊はこの活動を首相や防衛庁長官にも知らせずに独断で行っており、文民統制(シビリアン・コントロール)を大きく逸脱する行為である。
5 〈別班〉の活動資金に関して予算上の処理等が不明確である。
6 〈別班〉は「米軍と密接な関係にある」と指摘する関係者が多い。


どれも、大スクープだよ。
でも、よく、こんな秘密の中の秘密を公開することができたね。
って言うかふつう、書いてもトップが許さなくて、載せてもらえないよ。

それは、当時の、共同通信の良心なのかな?

Author:Rs1421[CC BY-SA]

2013年だよね? まだ、新聞も生きていた?

しかしだ、そんな苦労までしたのに、世間やテレビが騒いだのは一時的。すぐに火は消され、内閣、防衛省、自衛隊のすべてが「別班なんて存在しない」の一点張りで、あれから少しも進展していない。ダ・ヴィンチニュース

はああ〜〜〜〜 彼の苦労を泡にしてはいけない。

あの記事を書いた当時、石井氏がどんなにきわどい立場だったか、わかるか?
記事、発表後の、旧知の陸上自衛官の忠告でもよくわかる。
「隊内の反響が、凄まじいことになっている」
「最低限、尾行や盗聴は覚悟しておけ」
「ホームで電車を待つ時は、最前列で待つな」

現代ビジネス


・・・コワい。

だが、彼が今まで殺されずに来てるのは、もしかしたら、自衛隊の中に味方がいるのかもしれない。彼を支持するヤツが、存在するのかもしれない。
石井氏「自衛隊幹部って実はかなりリベラルな人が多いし、防衛大の教育も非常にリベラル。自衛隊は当然必要だが、(別班は)おかしい』という問題意識」をもつヤツもいる。BLOGOS


〈別班〉がバレても、日本も自衛隊も守ってくれない


それは、救いだね。
でもさ、〈別班〉って、スパイでしょ? 危険だよね。
自衛隊員だから、国が保護してくれるんだろうか?

いやいや、彼らは保護されていない。
外交官特権を持ってないから、スパイがバレたら、日本も自衛隊も守ってくれない。
直ちに、逮捕・拘束されて生命の危機に直面する。

・・・そんな、ひどすぎる。

実際に、〈別班員〉がロシアで捕まったら、どうなるか?
生き残る方法は、ただ一つ、ロシアに寝返って、二重スパイになるしかない。
外務省で情報活動をしていた、佐藤優(まさる)氏はこう言っている。
「『(外国政府から)摘発される事案がでてきていないということは、取り込まれているのではないか』と。少年探偵団はだから危ないんですよ。」
エコーニュース


〈別班〉は少年探偵団のレベルなのー?!

佐藤氏いわく、「一番良いのは捕まったら自決してくれるのがいいんですけどねえ。」(エコーニュース

ウワア! スパイの掟だあ!

たしかに、今の時代、海外に出向いて情報を取る組織も、必要かもしれない。
ただ、石井氏は言う。「もし必要であるなら、今のような非公然の組織で総理大臣にも防衛相にも知らせていないなんていう状況を無くすべきです。総理大臣、防衛相の認識の下で、海外でも情報活動が必要であると国民、あるいは国会が認めるのであれば、堂々と活動すべきだと思います」「加えて、危険性に関する議論も忘れてはなりません。拘束されたときに国家としてどう責任取るのか。そうしたことを突き詰めて議論すべきです。」(BLOGOS

一応、自衛隊員なんだから、国民や国会に内緒で勝手な行動したらダメだよ。
ビクビクやってたら、いい仕事もできなくなるんじゃない?

さらに、〈別班〉になるまでの人格改造についても、石井氏は言う。
「可哀そうですよ。自衛官と言えど、一国民です。そういう人を洗脳したり人格を変えていいのかと。家族にも心の中で壁を作っちゃう人にして、どう責任を取るのかと思います。自衛官ならやむを得ないのか。とてもそうは言えない。本人と家族が可哀そうですよ。」
BLOGOS

ヒトの心をなんとも思わない人じゃないと、できないね。

〈別班員〉は、ものすごいプレッシャーの下にいる。
妻子に秘密、友人と酒を飲むことも、年賀状も、同窓会も、近所づきあいも禁止され、半数ぐらいは適応できず壊れる。


秘密をもったら、それだけで、夫婦の危機だよ。

自衛隊の中でも、「アイツこの頃、音沙汰ないな、さては別班に行ったか」とウワサされる。

日陰の身、命の保障もなし。外国で一人寂しく死ぬか、二重スパイになるか。
哀れだ・・。
しかし、〈別班〉の追求は、これからどうなるのかなあ?
せっかく本まで出したのに、国民の反応もいまいちだし。

今は、「特定秘密保護法」も立ちはだかってるしな。
佐藤優氏もこう言ってる。
「インタビューに答えたこの陸幕長、それから情報本部長は(特別秘密保護法によって)秘密漏えいに問われますからね。10年の懲役に縛られるわけです。ですから、特定秘密保護法の議論をしている時に、共同通信が大きなスクープをやったことは、非常に重要な意味ある。」
エコーニュース

そうか、あの記事を発表したのは、ギリギリのタイミングだったんだね。

石井氏もこう話している。
「今だったら別班の取材はできなかったと思います。」
「逮捕されるなら『真実を求めたジャーナリスト』としてヒーローになれるからいいんでしょうけど、本当に私たちが怖いのはガサ(家宅捜索)です。会社に置いている取材メモを捜査機関に持っていかれたら終わりなんです。ニュースソースを守れないのです。」(BLOGOS

情報源がバレたら、せっかく話してくれたヒトに迷惑がかかってしまう。

でも、今回はいい本に出会えた。
そして、良心のジャーナリストに出会えた。

そう言えば、時事ブログで、石井氏が質問する動画が紹介されてたよ。


思い出したあ!
しっかし、河野太郎は、いただけねえ。

最後は、これまた時事ブログで紹介された、箱コネマンさんのツイッターで締めくくるね。


「1分52秒の所で、石井氏が出てきます。」(時事ブログ


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

















Comments are closed.