メンタル体に存在するスシュムナー・ピンガラー・イダーの3つの脈管と下位の身体におけるその模像 / カファを誘導するためのピンガラー・イダーの肉体の模像とドーシャの関係

竹下雅敏氏からの情報です。
 アーユルヴェーダの解説シリーズの16回目です。前回の解説で、カファを誘導するためには、“右半身を下にして横(右側臥位)になる”と良いとしました。
 今回はこの部分の説明です。その前に、スシュムナー・ピンガラー・イダーと言う主要な3つの脈管(ナーディー)の話をします。この三脈管はメンタル体にあるもので、他の身体には有りません。
 グノーシスは「流出説」を取っており、その中で「模像」と言う概念があります。これは、“「上にあるもの」が「範型」となり、「下のもの」がその「像」として造り出される”というものです。
 メンタル体のスシュムナー・ピンガラー・イダーの「三脈管」は、図のようにメンタル界の第4亜界(4層)にありますが、三脈管の「模像」がアストラル体、エーテル体、肉体の中にあるのです。それぞれの「模像」は、順次、より上位のものの劣化コピーだと思えば分かり易いでしょう。
 従って、本当にスシュムナー・ナーディーをクンダリニーが上昇したのであれば、進化段階は4.0になり、下位メンタル界(3.5次元4~7層)までを知覚できるはずですが、実際にはそのような人はまずいません。
 体外、体表、神経叢、脊髄のそれぞれのルートでクンダリニーを上昇させれば、進化段階は順次1.0、2.0、3.0、4.0になります。例えば、体表のルートを上昇させれば、進化段階は2.0です。この時、3.3次元の第1亜界まで知覚可能になります。
 ところが、クンダリニー・ヨーガを成就したと公言するヨーガ行者のほぼ全員が、進化段階1.9に届いていないのです。それは図をご覧になると分かるように、彼らはエーテル体の「模像」に沿って生命エネルギーを上昇させたにすぎないからなのです。
 解脱(ここではジーヴァとの合一)には進化段階5.0が必要ですが、多くのクンダリニー・ヨーガの成就者は自分が「解脱」したと勘違いします。中には「最終解脱」なる珍妙な言葉も現れます。 
 このように精神世界は混乱の極みで、宗教家やグル(導師)で、まともな人を見たことがありません。彼らの「波動」を調べればすぐに分かることです。
 話を戻しましょう。肉体の三脈管の「模像」は、3.0次元の第5亜界にあります。「ピンガラー・イダーとドーシャの関係」「ピンガラー・イダーと側臥位」の表にあるピンガラー・イダーは「模像」の意味であることは、分かると思います。男性は脊柱の左側をイダーが、右側をピンガラーが走っていますが、女性は逆になります。
 「ピンガラー・イダーとドーシャの関係」から、男性は脊柱の左の脈管(イダー)を気が上昇すると、カファが誘導されるのに対し、女性は太陽のヴァータが誘導されることが分かります。また、女性は脊柱の右の脈管(イダー)を気が上昇すると、月のヴァータが誘導されるのです。
 上下の表を合わせて見て下さい。男性がカファを誘導するには、脊柱の左のイダーを上昇させるのですが、これは「左半身を上」にすると効果的です。女性がカファを誘導するには、脊柱の右のイダーを下降させるのですが、これは「右半身を下」にすると効果的です。「左半身を上」=「右半身を下」ですから、男女を問わず、カファを誘導するには「右半身を下」にすれば良いということになります。
(竹下雅敏)
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スシュムナー・ピンガラー・イダーの模像

ピンガラー・イダーとドーシャの関係画像表示
方向 男性 女性
イダー
(左側)
ピンガラー
(右側)
ピンガラー
(左側)
イダー
(右側)
上昇 カファ ピッタ 太陽のヴァータ 月のヴァータ
下降 月のヴァータ 太陽のヴァータ ピッタ カファ


ピンガラー・イダーと側臥位画像表示
方向 男性 女性
イダー
(左側)
ピンガラー
(右側)
ピンガラー
(左側)
イダー
(右側)
上昇 左半身を上 右半身を上 左半身を上 右半身を上
下降 左半身を下 右半身を下 左半身を下 右半身を下

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