「痛いの痛いの飛んでいけ~」と唱えると、痛みが和らぐ理由 ~痛みから意識を引き離すことによって身体の緊張がほどける

竹下雅敏氏からの情報です。
 「ちちんぷいぷい」と言う呪文をつけて、「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでいけ~」と唱えると、“痛みが緩和することがある”と答えた人が30.4%もいるようです。
 妻には「年寄りの冷や水」と言われましたが、散歩の後で少々無理なストレッチを行ったせいで、右の腰を痛めてしまいまして、ここ2~3日、歩くと痛むのです。今日は痛みで全身が緊張していて、呪文は省いて「痛いの痛いの飛んでいけ~」と唱えて見たのですが、不思議なことに「痛み」は和らぎました。
 何故、この「おまじない」が効くのか? 「痛みの受け皿」の興奮は、“末梢神経によって脊髄の入り口(脊髄後角)へと運ばれ、脊髄を通って脳へと伝えられる”のだが、“脊髄後角には門番が待ち構えていて…痛み情報の脊髄への伝達を調節している”というのです。その門番が「さすられている」との感覚によって、“痛みを伝える情報に対して門を閉じてしまう”ので、痛みが和らぐというのです。
 残念ながらこの説明では、私は納得できません。私が「痛いの痛いの飛んでいけ~」と唱えた時は、傷む場所を触っていないのです。ところが、この「おまじない」の言葉を唱えると、全身の緊張が取れ、痛みが和らいだのです。
 恐らく、その理由は「おまじない」の言葉にあるのではなく、痛みから意識を引き離すことにあるのだと思われます。痛みを感じると、身体は縮みます。縮むことで、更に痛みが増すという悪循環になると思うのですが、「おまじない」の言葉と共に、“痛みが遠くに飛んでいくイメージ”を思い浮かべることで、意識が肉体から外部へと広がります。すると緊張がほどけて、痛みが和らぐのではないでしょうか。
 簡単な実験をしてみましょう。リラックスした状態で座り、両手の「指先」を感じてください。ほとんどの人は、“指先で、そっと触れる部分”に意識を集めるのではないでしょうか。
 今度は、両手の「指先の5センチほど先」の辺りを、意識してください。どうなりますか? 身体の緊張がほどけるのがわかりますか?
 このように、意識を肉体から離して広げると、リラックスするのです。これは「ダナンジァヤ」と言う補助生気(月のヴァータ)が働いているからなのですが、このサブ・ドーシャの働きは、“肉体を膨張させる”ことなのです。アーユルヴェーダの解説シリーズの13回目で、月のヴァータの「ダナンジァヤ」を誘導する方法を説明しました。この部分を、もう一度読んでもらえれば、何故自然のなかに居ると、リラックスするのかが分かると思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「痛いの痛いの飛んでけ~」でホントに和らぐわけ
引用元)
(前略)
幼い頃、頭を机の角にぶつけ、母親に「痛いの痛いの飛んでけ~」のおまじないとともに頭をさすってもらっていると、目から火が出るくらいだった痛みが不思議と楽になった――そんな経験をお持ちの方も少なくはないだろう。
(中略)
1965年に、メルザックとウォールが発表した学説「ゲートコントロール説」がこの不思議を解き明かした。頭をぶつけた、向う脛を打ちつけたことによる刺激は、侵害受容器(抹消神経の端に露出している痛みの受け皿)を興奮させる。その興奮は末梢神経によって脊髄の入り口(脊髄後角)へと運ばれ、さらには脊髄を通って脳の痛みの中枢である視床、大脳皮質へと伝えられる。しかし、すべての情報が脳に伝わるわけではない。

脊髄後角には門番が待ち構えていて、ゲートの開け閉めをしている。この門番とは、膠様(こうよう)質細胞と呼ばれる神経細胞で、痛み情報の脊髄への伝達を調節している。
(中略)
「さすられている」「圧迫されている」との感覚は(中略)…いっぱい働いたから、もうゲートを閉めちゃおっかな」と、痛みを伝える細い線維からの情報に対して門を閉じてしまうのである。
(以下略)
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配信元)
 
 

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