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ユダヤ問題のポイント(日本 大正編) ― 第5話 ― ナチスの形成
ナチスの母体となったトゥーレ協会 〜トゥーレ協会のアーリア主義
ナチスの結党に直接的に繋がる組織がトゥーレ協会とブリル協会です。先にトゥーレ協会ですが、ウィキペディア記事によると以下のような組織です。
*1918年1月に右翼政治結社・ゲルマン騎士団の委託を受けたルドルフ・フォン・ゼボッテンドルフにより、騎士団の非公式バイエルン支部として設立された。
*鉤十字(ハーケンクロイツ)と剣をシンボルマークとした秘密結社。
トゥーレ協会の紋章
画像はシャンティ・フーラが挿入
さてはてメモ帳 Imagine & Think!
[Public Domain]
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*設立の目的には、ゲルマン騎士団員ギド・フォン・リストが提唱した神智学を元にしたアーリア主義が大きく関わっていた。
*具体的には民族主義と結びついた異教的神秘主義・人種思想・反ヴァイマル共和国的扇動、反ユダヤ的プロパガンダを広めることだったとも言われている。
*また秘密のセクションを設けて、そこに集めた学者達に騎士団の依頼でアジア(インド北方から中国南西部にかけて)の古代遺跡や古記録保存所から発掘した文献類を分析・研究させていたとも言われている。
トゥーレ協会はゲルマン騎士団によって設立された組織で、アーリア主義(アーリア人種至上主義)を広めることがその目的にあった様子です。そのアーリア主義は神智学から取り入れたようで、トゥーレ協会には神智学が強い影響を与えていたことが見えます。
しかし少し注意が必要です。ブラヴァッキー夫人が興した神智学は、確かにアーリア人種のことを記し、また神智学には人種差別の要素も濃いのです。しかし、元々の神智学でのアーリア人種とは、地上の人間がレムリア人種、アトランティス人種、そしてアーリア人種という順番で出現したとするもので、優劣を明確に主張しているものではないということです。
神智学では、地球上に、第一根幹人類に始まって、将来第七根幹人類までの七つの根幹人類が現れるとしています。それぞれの根幹人類は、七つの亜人種に分かれるとしています。
現在は第五根幹人類で、これをアーリア人種としています。
1.ヒンドゥー族
2.アーリヤ・セム族
3.イラニヤ族
4.ケルト族
5.チュートン族
6.世界の各地に出現開始
7.未だ出現していない
現在は第五根幹人類で、これをアーリア人種としています。
(中略)
第五根幹人類(アーリア)は、現在の地球人の8割を占めます。亜人種は次の通りです。1.ヒンドゥー族
2.アーリヤ・セム族
3.イラニヤ族
4.ケルト族
5.チュートン族
6.世界の各地に出現開始
7.未だ出現していない
(2016/08/16 時事ブログ)
現在の地球人の8割方は、神智学で言うところの第5根幹人類(アーリア人種)です。彼らは約10万年前に初めて人間として転生に入りました。彼らが生命体として高次元の私たちの太陽系に入って来たのは、約122.9億年前です。膨大な時間をかけて、約39.6億年前に鉱物として初めて物質次元の太陽系に転生に入りました。
(2016/08/11 時事ブログ)
そのアーリア人種を「新たな文化を創造できる優れた人種」としたのがギド・フォン・リストであり、トゥーレ協会が展開したアーリア人種至上主義、それが後のナチスによるユダヤ人排斥に繋がったのが見て取れます。
ヒトラーとトゥーレ協会の関係ですが、「世界史の窓」に以下のようにあります。
戦争から復員したヒトラーは、1919年9月、軍司令部から与えられた任務としてミュンヘンの小さな極右の政党だったドイツ労働者党の活動を観察するために参加、まもなくその指導的役割を演じることになった。
ヒトラーは第1次世界大戦時に志願してドイツ軍に入隊、勇敢なドイツ兵として幾多の実際の戦闘に臨み叙勲を受けています。そのヒトラーが「活動を観察するため」参加したというドイツ労働者党は、トゥーレ協会の中の政治部門です。つまり、ヒトラーは軍からの命令でスパイとしてトゥーレ協会に潜入したのです。
そして、そこでヒトラーが「その指導的役割を演じることになった」と頭角を現し、ドイツ労働者党がナチ党へ。それによってトゥーレ協会が変質し、やがてトゥーレ協会全体がナチスに取り込まれていったのです。
ヒトラー入会後、トゥーレ協会はゆっくりと変質を始め、事実上、ヒトラーに乗っ取られていく。霊的な視点で見ると、本物の悪霊たちの秘密結社になってしまった。トゥーレ協会がナチ党のバックであることを知られたくなかったため協会は解散。その後合法的に政権を獲得し、ヒトラーは総統に就任する。
「第262回 神智学(ナチスと秘密結社)」目次より
ブリル協会の性格 〜ブリル協会、ナチス、トゥーレ協会を結びつけた人物
ブリル協会についてはウィキペディア記事では以下のようにあります。
エドワード・ブルワー=リットンの小説『来るべき種族』(The Coming Race)に触発され、その技術的な探求を目的として結成された20世紀前半のドイツのオカルト結社である。1918年ドイツ・ベルヒテスガーデンで創立。神智学協会の影響を強く受けていた。
ブリルとは、小説『来るべき種族』に登場する超古代文明の末裔達が駆使するエネルギー装置であり、中国でいう気や風水のように宇宙に瀰漫するエネルギーを利用する、フリーエネルギー(零点エネルギー装置)のようなものである。
ブリルとは、小説『来るべき種族』に登場する超古代文明の末裔達が駆使するエネルギー装置であり、中国でいう気や風水のように宇宙に瀰漫するエネルギーを利用する、フリーエネルギー(零点エネルギー装置)のようなものである。
この記事内容から、ブリル協会設立の元にあったのがブルワー=リットンの小説『来るべき種族』だと分かります。
エドワード・ブルワー=リットン
Wikimedia Commons [Public Domain]
そしてトゥーレ協会と同年の1918年に創設されたブリル協会の設立目的は、『来るべき種族』に出てくるブリルと呼ばれるエネルギーを技術的に探求し、獲得することだとしているのです。
また、ブリル協会はトゥーレ協会と同様に神智学の強い影響を受けていたことも分かります。実はブルワー=リットンは英国薔薇十字団の会員であり、神智学のブラヴァツキー夫人とも交流があったのです。
また、ウィキペディア記事の続きは次のようにあります。
同書(『魔術師の朝』)はルドルフ・ヘスのミュンヘン大学における教官であった地政学者カール・ハウスホーファーはヴリル協会の会員であったとして、この団体とナチスおよびトゥーレ協会とを結びつけた。
“ブリル協会とナチスとトゥーレ協会とを結びつけたのが地政学者カール・ハウスホーファー”、ここが非常に重要なところで、(記事では『魔術師の朝』記述はどこまでが事実か確認できないとはしていますが、)この記述は事実と見られます。
ナチスはアーリア人種至上主義を掲げると共に、オカルトパワー(ブリルエネルギー、性エネルギー)の獲得と駆使を追求した組織でした。このナチスの形成に欠かせなかったのがカール・ハウスホーファーだということです。
そして、実際にトゥーレ協会のウィキペディア記事で、カール・ハウスホーファーがその会員であったことが確認できます。
またブリル協会に関しては、カール・ハウスホーファーは単なるその会員どころか、「ヘブライの館2」の「ナチスとチベットの妖しい関係」記事の中に「彼はベルリンに『ヴリル協会』といった秘密結社をつくった。」と、カール・ハウスホーファーがブリル協会の設立者だとしているのです。
カール・ハウスホーファーという人物 〜「緑龍会」の会員に
トゥーレ協会がナチスの母体でしたが、ナチスはブリル協会と接触することでナチスの特質が形成され、台頭していったのです。実はカール・ハウスホーファーがヒトラーに甚大な影響を与えていたのでした。
そのブリル協会の設立者ともされるカール・ハウスホーファーですが、「ナチスとチベットの妖しい関係」記事では、カール・ハウスホーファーは、ブリル協会の元になった『来るべき種族』を「字義通り受け入れていた。」としています。記事にはその『来るべき種族』の内容を以下のように明かしています。
地底民族「ヴリル・ヤ」は、もともとは地上に住んでいた民族の一部族だったが、大洪水などの天変地異を逃れて、山中の洞窟に避難し、最終的に地底に都市を建設するまでになる。
そして、そこで凄まじい未知エネルギー「ヴリル・パワー」を発見したことにより、地上の人類より遥かに進んだ超科学を駆使するようになった。さらに人々は「ヴリル・パワー」に基づいたサイキック能力を開花させるようになった。
もちろん、この地底民族はいつまでも地底に住み続けるつもりはなく、ある時期が来たら地上に戻って、地表民族を滅ぼして地球全体を支配することを目的にしているという。
そして、そこで凄まじい未知エネルギー「ヴリル・パワー」を発見したことにより、地上の人類より遥かに進んだ超科学を駆使するようになった。さらに人々は「ヴリル・パワー」に基づいたサイキック能力を開花させるようになった。
もちろん、この地底民族はいつまでも地底に住み続けるつもりはなく、ある時期が来たら地上に戻って、地表民族を滅ぼして地球全体を支配することを目的にしているという。
*元は地上の一部族が地下に移住し 地底民族「ヴリル・ヤ」となった。彼らは「ヴリル・パワー」を発見。
*その地底民族「ヴリル・ヤ」は超科学を駆使し、更にはサイキック能力を開花させるようになった。
カール・ハウスホーファーは『来るべき種族』の上記の内容を字義通りに受け入れ、地底民族とその超科学とサイキック能力の元になった「ヴリル・パワー」を探索していったことになります。ブリル協会はその過程のなかで設立されたということです。
22:15〜
✅1919年12月、アーネンエルベの前身の秘密結社“トゥーレ・ソサイエティ”の二人の霊媒師がおうし座の文明と交信し、時空を超える“空飛ぶ円盤”開発の情報を入手。
25:46〜
✅1934年7月、ヒトラーはトゥーレやブリル(秘密結社)の幹部と対談。そして発明家のヴィクトル・シャウベルガーを勧誘。1939年、シャウベルガーのエンジンを搭載した“ブリル”円盤のテスト飛行に成功。
カール・ハウスホーファーはこの「ヴリル・パワー」の探索の中でチベットのラマ僧の組織と深い関係を持ちます。そして何よりもカール・ハウスホーファーはこの探索の中で「緑龍会」の会員になっているのです。
詳しくは次回に回しますが、カール・ハウスホーファーがラマ僧組織と深く関係し、そして緑龍会会員になったことのいずれもが1910年以前のことです。その後の1918年には別々にトゥーレ協会とブリル協会が設立され、それがナチスの形成に結びついているのです。
「ところで、カール・ハウスホーファーという男を知っておるか?」
(中略)
「彼はヒットラーの師で、ブリル協会の創設者。そして、緑龍会のメンバーでもあった。日本とドイツの同盟関係は、彼に負う所が大きい。終生、緑龍会に忠誠を誓っていたのじゃ」
「待って。緑龍会は日本の組織でしょ?」
「ハウスホーファーは、若い時に日本のドイツ大使館付武官として来日しておる。緑龍会に入会した時の当時の総長は、笹川良一の祖父上田吉松じ・や。」
「信じられない。でも、それなら孫の良一がヒットラーに会ったのもわかるわ」
「この時から、日本とナチスはずっと同盟関係にあるのじゃ」
(2016/02/24 レイノルズ一家編14)
全体としては、ナチスとは結局グノーシス ≒ ミトラ教 ≒ カバラ ≒ 神智学の流れの上に作られていたのです。ナチスもやはり秘教徒(グノーシス)組織の一つであり、この秘教徒のシンボルがカバラの中核の「性錬金術」のマーク、薔薇十字だったのです。
「国家社会主義ドイツ労働者党」つまり「ナチ党(ナチス)」のウィキペディア記事には以下のようにあります。
ナチ党(ナチス)となったドイツ労働者党(DAP)とは、トゥーレ協会の内部の政治部門、つまりトゥーレ協会がナチスの母体です。そして、最終的にはそのトゥーレ協会はヒトラーによって解散命令が出されてナチスに一旦は吸収されています。このトゥーレ協会はアーリア人種至上主義を広げていた組織ですが、神智学をベースとした秘密結社だったのです。
またトゥーレ協会とは別にナチスの形成に大きく関わっていたのが、ブリル協会であり、ブリル協会の創設者ともされるカール・ハウスホーファーです。
トゥーレ協会と同年の1918年に創設されたブリル協会は、未知のエネルギー「ヴリル・パワー」の探索・獲得、その駆使を目的として創設された組織です。これはブリル協会創設者ともされるカール・ハウスホーファーが「ヴリル・パワー」を探索していたことによります。
「ヴリル・パワー」とはインドで言う「クンダリニー・エネルギー」、つまり非常に簡単に言うと「性エネルギー」とも言えます。当然、薔薇十字の「性錬金術」と重なります。
カール・ハウスホーファーは地政学者でしたが、それ以上にオカルティストで秘教徒だったのです。ヒトラーに甚大な影響を与えたカール・ハウスホーファーは「緑龍会」の会員でもありました。