メキシコ便り（104）：メキシコ大統領就任三周年記念祭

アムロ・フェスの様子

１２月１日、ロペス・オブラドール大統領就任３周年記念祭が開催されました。コロナ・パンデミックが始まって以来、初めてソカロ大広場（メキシコシティのダウンタウン）に皆が集まることが許されました。さて、一体どれだけの人が集まるかなと思いきや。。。↓↓↓

すごい！２５万人が集まったらしい。他国では、コロナ禍での反政府デモで集まっているようですが、メキシコでは真逆！大統領支持派が就任３周年を祝うために集合！メキシコ人によると、過去に大統領のために、こんなに人が集まることはなかったらしい。いつも人が集まらないので、食べ物やお金で人々を釣ってソカロに集めていたとか。。。それだからか、こんなサインを持った人がいたよう。とてもメキシコ人的なユーモア！popoちゃん爆笑しちゃった！😆


１２月１日、メキシコはお祭りムードに包まれ、国民の歓喜はこのように飛び交っていたよう。↓↓↓


そして、ニューヨーク・タイムズスクエアでも大統領就任３周年を祝うメキシコ人らがいたらしい。（動画下↓）


動画内で「アムロ大統領、私たちはとても満足して幸せです。」「アムロ万歳！」「世界一の大統領だぁ〜！」と叫んでいます。（アムロは大統領の名前の頭文字Andres Manuel Lopez Obrador）ホントにメキシコ人ってみんな何気なくリズムに合わせて踊るのが上手い。小さい頃からいつもお祝い事はみんなで踊って体全体で楽しむ習慣があるためか、みんなリズム感抜群♪

このようにアムロ愛があちこちで花咲いていたよう。ロペス・オブラドール大統領のスピーチは現地時間（メキシコシティ）の夕方５時開始。ソカロ大広場ではお昼の２時あたりから、メキシコの伝統音楽のミュージシャンらが集まりお祝いを開始。


前政権までは、大物ポップシンガーを招待し派手にやるのが常だったようですが、ロペス・オブラドール政権は、いつも伝統文化を象徴するアーティスト、ミュージシャンを呼びメキシコ人魂を呼び起こします。メキシコ人魂と誇りが高まる中、大統領夫妻登場！！！すると「♪ 大統領と一緒に居れるなんて光栄です♪」とみんなで声を揃えて合唱。そして大統領はさらに国民に愛を振りまく。

大統領のスピーチ概要

いつもは４０〜５０分のスピーチですが、今回は９０分！一言で言うと「勝利宣言のスピーチ」だったと思います。テレビの評論家らによると、たくさんの現地レポーターがいたけれど、誰一人として大統領のスピーチを批判していなかったと驚いていました。中には今までに一番熱のこもったスピーチだったと評価する評論家も。ということで、９０分のスピーチのほんの一部をまとめてみました。


「今日は、まさに『最高の時代』のように、この民主的なソカロ大広場に集まりました。」と始まり、パンデミック下での健康危機、経済危機と言う逆境に負けずメキシコは大改革にむけて前進し続けている。その理由は、代々受け継いできたメキシコの文化的な強さのお蔭と、正直に統治し国民の福祉に全力を尽くしてきたから。

【貧困緩和】
メキシコのほぼ全ての地域で貧困緩和。まずは弱い立場の人たちに支援を実現。高齢者年金の増額、障害のある子供たちへの補助金増額、低所得者層の学生１１００万人に奨学金支給。

【医療】
コロナ禍で医師、医薬品、医療施設、医療従事者という４つの基盤を強化。新自由主義時代に公教育があまりにも軽視されたため、残念ながら国が必要とする医師がいない。人口1000人に対して3人の医師が必要なのに、1.2人しかいない。それを改善するためのプログラム実施中。この政権が終わるまで（２０２４年）には、経済的、社会的、文化的な地位に関係なく誰もが無料で治療を受けられ、健康が特権ではなく国民の普遍的権利になる。

【環境】
遺伝子組み換えトウモロコシの持ち込み禁止、石油採掘のためのフラッキング禁止、新たな採掘許可なし、帯水層の乱開発禁止、ジャングルや森林の伐採禁止、有毒、有害廃棄物の投棄禁止など環境破壊に繋がるものはすべて禁止。

【公共事業】
マヤ鉄道、新製油所、2つの新空港、テワンテペック地峡や高速道路の開発など、成長と雇用創出を促進し続けている。

【エネルギー】
エネルギー分野では、ガソリンや軽油を海外で購入せず、国内で生産・販売するという目標を達成予定。大統領の国民のための「エネルギー改革案」で憲法改正し、電気料金の値上げをせずに提供可能になる。この構想の中には「リチウムは国家の財産である」という決議も含まれている。

【経済】
今年の経済成長率は約６％。公的債務増加なし。この政権開始以降２年１１カ月間、３０年ぶりにペソの切り下げがなかった。これまでと比較にならないほど通貨は安定している。来年、最低賃金２２％引き上げ。この政権以来、３０年ぶりに最低賃金６５％上昇。国境地域の最低賃金は２倍以上に。株式市場の指数１９％上昇。インフレ率はアメリカと同じ７％。メキシコ銀行の設定金利は３％引き下げ。メキシコ銀行の準備金は前政権時より１５％増加。コロナ禍での失われた正規雇用１３９万５千人の雇用回復し、さらに３２万人の新雇用創出。その結果、正規雇用者数は史上最高に。


国の大改革のための基礎をすでに築き、大改革で最も重要な要素、国民のメンタリティがこの３年間でかつてないほど変化した。この政権によって、政府はもはや少数派のものではなく、あらゆる階級、文化、思想を持つすべてのメキシコ人を代表している。緊縮財政と道徳的権威で統治し、特権なし、汚職は許されない。誰もが尊重されるが貧しい人々を最優先。



来年の４月には、このまま大統領でいてほしいかそうでないかの投票（大統領職委任の取消し国民投票）がある。これはロペス・オブラドール大統領が去るか留まるかを決めるものだけでなく、「国民が（大統領を）決め、（必要であれば）国民が追い出す」という原則を実現するための手順を確立するもの。「国民がすべての権力を維持しなければならない」という前例を作っている。

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします！

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム7