ままぴよ日記 98 「ママと赤ちゃんの感じ合うセンサー」

アミグダリンの季節になりました。
近くの道の駅に梅、枇杷、杏子が並んでいます。
今のうちに一年分を確保しなければ!と、備蓄の持病が再発しました。
まず、梅は梅味噌、梅シロップ、梅醤油漬けを作ります。梅干しは友人担当。
杏子はシロップとジャム。今年は初めて炊飯器に杏子1キロと砂糖200グラムを入れて、そのまま10時間保温するだけのシロップづくりに挑戦しました。あまりの簡単さにびっくり。
毎朝、麴で作った甘酒を頂くのですが、それにこのトロトロになった杏子を一粒入れて、残った種を割って杏仁も一緒にいただきます。苦くておいしい!この種は苦杏仁だったようです。
別の友人の家にあんずの木があるという事で種を頼んでいたのですが、ジャムを作るために出た種をたくさん干してくれました。ありがたや!ありがたや!
我が家の杏子の木はまだ植えたばかり。梅も古木になって実をつけなくなったので植えるつもりです。枇杷は今年も実をつけてくれています。毎年植えるジャガイモと玉ねぎは無事に収穫できました。
6月の梅雨の合間の晴れた日は大忙しです。
(かんなまま)
————————————————————————

大泣きする子どもと無表情のママ


どこからか、子どもの泣き声が聞こえてきます。声を追って外を見るとベビーカーに乗せられた子どもが大泣きしています。それも声がかれるほどの大泣きです。

そのベビーカーを無表情で押していくママ。我が家の先に保育園があります。きっと出勤時間が迫っているのでしょう。

4月に入園したばかりかな?ママは、落ち着いて行ってくれるように早めに起き出して自分の用意と家事を済ませていたでしょう。テンションが上がる朝食も用意していたかもしれません。ご機嫌よく食べるところまでは成功したけど、玄関に連れて行ったところで気づかれて大暴れ、靴も履かない、ベビーカーも乗らない・・と抵抗する姿が目に浮かびます。


しばらく笑顔でとりなしていたけど、もうタイムアウトです。急に鬼の顔になって強制収容!次の展開は見ての通りです。

4月、5月はどの家庭でも起こりえるシーンです。ママの顔はこわばり、無口で力づく。園に着いて先生の顔を見てもほっこり笑えません。先生も想定内で、泣いて暴れる子をママから奪うように引き取って連れて行きます。そして「ママ、大丈夫。いってらっしゃい!」と送り出してくれます。大人の味方の保育園です。ママは保育園の先生に感謝しながら出勤します。

実はママも泣きたい!仕事に行っても子どもの事が気になります。その上、久しぶりの仕事。勘が取り戻せなくて情けない。モタモタして仕事がはかどりません。ここでも肩身の狭い思いをします。

保育園に入れてよかったのか?先輩に聞くと「慣れるよ」「社会性が身に着くよ」「知らないお歌を覚えたり、発達にもいいよ」と言われて、納得しようと努めます。

でも、ママと一緒に居たいという気持ちが満たされなかった子どもは、お迎えのママの顔を見たら泣き出して離れません。前よりずっと甘えん坊になってしまいました。

職場復帰したママは赤ちゃんや子どもと繋がっているセンサーのスイッチを一般社会モードに切り替えて頑張らなければやってられません。女性が輝くために日本上げてスイッチOFFを応援しています。

乳幼児期の、ママのそばで自由に遊びたいという当たり前の欲求を奪われた子どもはどうすればいいのでしょう。慣れるか、あきらめるか、抵抗するか・・・。園や学校に行き渋る子が増えています。

ボタンをかけ間違えて進んだら、人生のどこかでひずみが来ます。問題が深刻化してやり直すのは大変です。


主役は赤ちゃんのはず


今日、第一子の子育てセミナーをしました。「赤ちゃんを産んで変わったところは?」と聞いたら、あるママが「夜中に赤ちゃんがフッと声を出しただけで起きます。私にこんな能力があるのにびっくりしました。」と言ってくれました。とても嬉しそうでした。

「ママは身ごもっていた赤ちゃんと体は離れても繋がっているのよ。その感覚を大事にしてね」「でも、赤ちゃんはママよりずっとセンサーを高くして感じ取っていると思うよ。まだよく目も見えないし、言葉も話せないけど、ママの言葉かけや関わりで物事を認識していく能力は天才的だから!」と言うとびっくりしていました。

そもそも、ママは赤ちゃんを知らなすぎ。こんな高性能で神聖な存在を、沐浴の仕方、授乳の方法、おむつのつけ方、抱っこの仕方だけ教えられて育てられるはずがありません。


あるママが「これを毎日休みなく続けるなんて・・・、死なないように育てるだけでも精一杯です」と言いました。

なるほど、右のおっぱい5分、左のおっぱい5分を一日に何回、何㏄と、目標をたてて授乳して、何回おむつを替えて、体重が何グラム増えた等をアプリで管理しながらお世話をしていたら気が休まりません。これは産婦人科で指導されて、次の健診の時にチェックされるそうです。

主役は赤ちゃんのはずなのに赤ちゃんの要求、都合は無視です。

出産もそう。直前まで働いているママの関心ごとは産む事。こればかりは予想できないので、なるべく都合のいい日に、痛くないように計画出産、無痛分娩を希望するママが多くなりました。そして、ブログなどで「楽でした~」という感想が飛び交っています。

ここも赤ちゃん不在。妊娠中もですが、出産も赤ちゃんとママの共同作業です。同じホルモンで支配され、お互いに連動して骨盤が開き、子宮の収縮の波にのり、赤ちゃんは回転をして産道を潜り抜けてくるのです。

ママは妊娠中から赤ちゃんの胎動などで赤ちゃんの存在を感じていたはずなのに、マタニティセミナーや産院で教えられたとおりに育てる事で頭がいっぱいで、赤ちゃんに聞くという当たり前の事に気が付いていません。名前も赤ちゃんに聞くと、何らかの方法で教えてくれるかもしれません。

最近は、出産して3日後に退院するママ達。この時期はおっぱいがやっと張り始める頃です。まだ赤ちゃんもうまく吸えないのでタイミングが合わなくて、岩のように固くなったおっぱいを抱えたまま退院します。

痛くて寝返りもできない。下手すると乳腺炎になって熱が出ます。ママのおっぱいの開通と赤ちゃんが上手に吸啜できるようになる大切な時期に退院したら、おっぱいをあきらめてしまいます。

その上、産院ではママの出産のご褒美に豪華な食事と、ゆっくり眠れるように赤ちゃんを預かってくれます。でも、それは現実逃避です。母体と赤ちゃんは連動しているので、ママの横に寝せていた方が子宮の戻りが良く、早くおっぱいが出るようになるのです。もちろん赤ちゃんも安心するし、ママの幸せ感も増します。

でも、赤ちゃんと別々に寝て夜中の授乳を経験していなかったら、家に帰ってからの負担感が増すと聞きました。

一方、産院では、1人ひとりの部屋で授乳指導するより、赤ちゃんを一堂に集めてミルクを与えた方が楽と言う声も聞こえてきます。


授乳指導をするのは助産師さんです。でも助産師さんはお産が始まれば、かかりきりになります。特にコロナ禍で家族の付き添いがない分、全てを助産師さんが請け負わなければいけません。

お産を辞める産婦人科が増えたので、お産を請け負っている産院は忙しさが半端ないのです。指導してあげたくても時間がないというのが本音かもしれません。その代わり、先に書いた、赤ちゃんのお世話管理アプリの宿題が出るのです。

路頭に迷ったママ達の為に行政が産前産後ケアを始めたのですが、忙しい産院と産後ケアの契約をしても助産師さんに余裕がないので受けられないというのが現状です。


赤ちゃん不在の子育て支援


その上、行政の赤ちゃん訪問の時に産後鬱の検査を受けさせられます。下手に相談すると自分を評価されてブラックリストに載る、と思っているママ達も多いようです。

産前からスタートする子育て支援。神聖な気持ちで命を授かり、妊娠期を赤ちゃんと繋がっていることを感じ合いながら過ごし、生まれる時も赤ちゃんと共に産みだし、出産後も赤ちゃんの欲求を感じ取りながら過ごせるような支援が必要だと思います。


そのためには、マタニティセミナーで胎児や赤ちゃんの能力と発達を知り、そんな赤ちゃんとのコミュニケーションを取る方法を探るなど、お腹の赤ちゃんの存在を感じ取りながら学ぶセミナーをしてあげたいと思います。

そして、赤ちゃん中心の産後の生活を支援してあげたい。ママと体も心も連動している時期だからこそ、赤ちゃんに専念してほしいのです。つい30年ほど前までは産後1ヶ月は床上げしてはいけないと言われていましたが、いつの間にか忘れ去られてしまいました。

今は赤ちゃん不在の支援です。ママ達が自分と赤ちゃんが繋がっているという感覚に気づきながらも、スイッチOFFにしないとやっていけない社会では、結局、ボタンをかけ間違えたママと子どもが追い詰められて行くばかりです。これも自己責任でしょうか?

現実、素晴らしい命を腕に抱きながら、何もすることがないのでスマホやテレビを見るママ。人の声が恋しいので一日中音楽をかけているママ。「ママを信じて、ママを見て、ママを感じて育とうとスイッチONしているのよ」「ママは気が付いていないけど、声掛け一つでもママの声を聞き分けて、そのトーンと雰囲気でママの気持ちや物の認識もしているのよ」と伝えたらママの顔が急に輝いて「本当ですか⁉」「初めて聞きました!」と嬉しそうでした。

今まで「自分の時間がない」「おっぱいが足りているか?体重が増えているか?が一番の関心ごと」「仕事を休んで世間に置いて行かれている」と言っていたママも「大事なことはそこじゃなかった。赤ちゃんの事をもっと知りたい」と言い出すのです。

私ももっと話したいです。ママのそばに寄り添ってあげたい。「どうかスイッチを切らないで!」「スイッチを入れて、今まで気が付かなかった母と子の世界へシフトしよう!」と誘ってあげたいです。


奇跡が起きたのです!


さて、これを書いている時も、14歳の愛犬が隣に寝ています。

4月の初め、突然ぐったりして痙攣を起こし、立ち上がれなくなって、何も食べない、吐く、痛みに震える日々が続いていました。

私は祈り、その日によってしてあげられることをするしかありませんでした。何をしてほしいのか?じっと心を澄まして愛犬を感じ取るセンサーに頼りました。

無我夢中で暮らしていたら、奇跡が起きたのです!

何度も死を覚悟しましたが、気が付いたら立てるようになり、食欲も出て、しっぽを振ってくれるようになりました。信じられなくて何度も確認しました。


2人で共鳴し合って、いい方向に向かえたのだと思います。以前より痩せて何倍も甘えん坊になりましたが嬉しいです!

いつか来るお別れの日まで、感じ合うセンサーを磨いていきたいと思います。もちろん、神様とのセンサーも繋がれるように精進していきたいと思います。


Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
かんなままの子育て万華鏡はこちら


Comments are closed.