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ぴょんぴょんの「挑発するコソボ（２）」 ～不気味なほどドンバス危機と似ている、コソボ政府とコソボ・セルビア人のにらみ合い
世界中で暗躍する犯罪組織アルバニア・マフィアを生んだ国
— Polska bez Jankesów🇵🇱 (@KoloniaPl) December 15, 2022
「コソボはセルビアのハート」
今日もまた、コソボの話かあ・・。
いつ、火がついてもおかしくない状況なのか。そもそもコソボは、もともとセルビアの自治州の一つで、コソボ紛争をきっかけに勝手に独立したんだよね。
ああ、コソボの独立を認めているのは、日本を含む欧米諸国。ロシアや中国など、世界60カ国以上は承認していない。
もちろん、セルビアも認めてない。
コソボの独立を承認している国（緑色）、承認撤回した国（赤色）
Wikipedia[Public Domain]
セルビアも、認めちゃえばいいのに。だって、コソボの人口の90％はアルバニア人で、セルビア人は4％しかいないんでしょ。セルビアは国土も広いし、コソボを失ってもどうってことないじゃん。
たしかに、コソボのセルビア人は肩身が狭い思いをしている。だが、セルビア人にとって、コソボは大切な聖地なのよ。
聖地って、オタクが聖地巡礼する、アレ？
ペーチ総主教修道院
Author:Quinn Dombrowski[CC BY-SA]
ふうん、宗教関係か。ぼくにはよくわかんないなー。
じゃ、伊勢神宮のある三重県が、日本から独立するって言ったらどうする？
そ、それは、大変だ！
だろ？セルビア人にとって、コソボは大事な場所なんだよ。
一方、アルバニア人にとっても、のどから手が出るほど欲しい場所だ。
やっぱ、心のふるさと？
いや、信仰よりも野心だな、「大アルバニア主義」という。アルバニア人の願望は、コソボを首都にした「大アルバニア」を作ることだ。
Author:Babaroga[CC BY-SA]
アルバニア人にとって、コソボは首都か。でも、セルビアも、なんでそこまでコソボにこだわるんだろう？
聖地も大事だけど、肩身の狭い思いをしているセルビア人を呼び戻せばいいのに。
セルビア人は知ってるんだよ。自分たちがコソボを手放したら、アルバニア人が何をするか。
何をするって？
外務省より
見ての通り、セルビアは色のついた部分だ。コソボがアルバニアになったら、セルビアとアルバニアの間には国境しかなくなる。
うんうん、それじゃまずいの？
セルビアは長い付き合いで、アルバニアを知り尽くしている。アルバニアはかつて、イタリアから上陸してきたマフィアに支配され、今じゃ、世界中で暗躍する犯罪組織、アルバニア・マフィアを生んだ国だ。
彼らにとって、コソボはヘロイン密輸の大事な拠点。
だから、是が非でもコソボを抑えたい。
マフィアだって？！
「セルビアからマケドニア、ギリシャにまたがる大アルバニア主義の実現を目指して活動するテロリスト団体は今だって健在。（中略）...大勢のセルビア人がコソボで拉致・人身売買され、その後アルバニア本国に連れて行かれて移植用臓器摘出の『部品取り』のために殺されたり売春宿に売られたおぞましい事実がある……」。（YAHOO!知恵袋）
アルバニア国旗
Wikimedia_Commons[Public Domain]
ひえええ〜〜！！コソボのセルビア人は、人身売買、臓器売買で売られてるって？！
アルバニア・マフィアは、セルビア人を初めとする少数民族を蔑視している。だから、じゃまなセルビア人らを追い出して、自分たちの「大アルバニア」を実現したい。
それで、セルビア人をいじめるんだね。まるでウクライナにいじめられてきた、ドネツク、ルガンスクのロシア人たちみたいだ。
その通り。セルビア駐在のハルチェンコ・ロシア大使も、言っている。
〈コソボ・セルビア人に対するコソボ政府の態度など、規模は小さいが、状況全体がウクライナで起こったこと、今も起こっていることに似ている〉。（RT）
そんなヤバい人たちが支配するコソボを、国として承認した方もおかしいよね。暴力的なデモで群衆を統制するコソボ特殊警察部隊ROSU
日本も欧米も、マフィアの味方ってことだ。これまでずっと、コソボのアルバニア人とセルビア人の小競り合いが続いてきたことは話したが、現在の緊張状態のきっかけは、今年の7月末。
ナンバープレートがどうとかって、言ってたよね。
そう、コソボ政府が突然、「8月1日から、セルビア語の身分証明書とナンバープレートは無効になる」って言い出したんで、コソボのセルビア人たちが大騒ぎ。セルビアとコソボ、再び緊張 ナンバープレート巡り対立「主権にかかわる」 https://t.co/5SpSLdJic1
— 金丸裕志 (KANAMARU Yuji) (@kanamaruyuji) August 30, 2022
いじわるだね。
この突然の告知についてはEUも口を出してきて、コソボ政府に撤回するよう説得した。EUの説得に応じた数週間後、コソボ政府は驚くべき行動を取った。
セルビア人居住区にコソボ特殊部隊を送り込み、セルビア人議員を全員辞めさせ、選挙で選ばれていないアルバニア人に置き換えたと言う。
（RT、RT）
なにそれ？！ めちゃくちゃだよ！！
さらにコソボ政府は12月18日に選挙をすると言い出し、セルビア人が選挙をボイコットすると決めたことで、12月12日深夜、セルビア人居住区の3カ所の選挙管理委員会を、コソボ特殊部隊に襲撃させた。（Nieuwsblad）（Sputnik）
コワい人たちだねえ、いきなり暴力で来るなんて。ところで、襲撃したコソボ特殊部隊ってなに？
名前からして、コワそうだけど？
コソボ特殊警察部隊、通称ROSU（A Regional Operations Support Unit of Kosovo Police）。見よ！ 泣く子も黙る、ROSUのいでたちを！
Behind enemy lines. Proud of you guys! #ROSU #Kosovo 👏🏻 pic.twitter.com/Gn8xZSPaK4
— Samboo (@Samceaux) January 19, 2017
ず・・ずいぶん、重装備だね。
ROSU隊員は特別訓練を受けており、ピストル、サブマシンガン、ライフル、催涙ガス、など特殊な武器を装備している。彼らは、暴力的なデモで群衆を統制するために出てくるが、その実態はほとんど知られておらず、コソボのメディアや警察でさえ沈黙を守っている。
（Spec Ops Magazine）
秘密部隊か。セルビアのブルナビッチ首相「コソボ政府の一方的な措置のために、北コソボは戦争の瀬戸際にある。」
ところが、このコワモテたちは、最近ちょくちょく、セルビア人居住区に現れるようになった。#B92 ROSU arrived; Serbs in fear https://t.co/dayb2csye3 #Kosovo
— BALKAN NEWS (@balkannews) December 22, 2022
来るな〜！
これは、北コソボの主要道路にあるBistrica橋を、ROSUが占拠したときの画像だ。100人ものセルビア人たちがトラックや救急車、農業機械などで封鎖したバリケードが、撤去されるのか、または検問所が設置されるのか、地元セルビア人は戦々恐々だ。
あれ？ セルビア人たちは何のために、バリケードを作ったんだっけ？
12月10日、セルビア人の元警察官がコソボ警察襲撃の疑いで逮捕された。彼が、コソボの中心まで護送されるのを食い止めるために、セルビア人たちはバリケードで妨害したんだ。
で、その元警察官はどうなったの？
14日が経った今もなお、行方はわかっていない。セルビアのブルナビッチ首相は12月21日、拘束されたコソボ・セルビア人の元警察官について12日間も情報がないことを糾弾し、こう述べた。
「コソボ政府の一方的な措置のために、北コソボは戦争の瀬戸際にある。」
（EURACTIV）
そういう意味だったのか！Serbs at the barricades on the 14th day; Resolution 1244 is ... - B92 https://t.co/soaeJuDZRI #UNMIK #Kosovo
— BALKAN NEWS (@balkannews) December 23, 2022
14日間も、バリケードを守り続けるって大変なことだよ。
じゃあ、この件に関して、コソボ政府は何を言ってるのか？コソボのクルティ首相（仮）は12月21日のインタビューで、こう語った。
〈コソボ政府はもちろんアメリカもEUも、バリケードの撤去を求めているにもかかわらず、1週間以上もバリケードが設置されたままとは、なんたることか。〉
（RT）
アメリカもEUも？
出た！！自分たちの挑発をさておいて、矛先をロシアに向けたいんだ。
一方、セルビアのブチッチ大統領は、国連決議に基づく権利を行使し、コソボに住むセルビア人の保護を理由に、警察と軍隊1000人の派遣許可をNATOに求めている。NATOは検討中とかで、まだ返事がない。
すんなりOKとは、いかないだろうね。
さらに、コソボ政府は言う。〈ロシアの準軍事組織「ワグネル」とつながりのある、セルビアの民族主義組織「ナロードネ・パトロレ」のメンバーが、セルビア・コソボ国境のセルビア側に集結して、NATOと対決すると脅している。〉（The Guardian）
#russian wagner Group trying to break/ storm border between #serbia and #kosovo. @MiroslavLajcak @JosepBorrellF. European integration at its best. pic.twitter.com/w3yGH0sgVy
— Newsaholic (@Newsaholicc) December 18, 2022
セルビアとロシアがグルになってるって、非難したいんだね。
１年で104回も？！
しかし、この発言が記事になったその日、セルビア国防省のスタロヴィッチ国務長官は、「これは悪質な嘘だ」と述べた。2021年の軍事演習は21回だけ、そのうち17回はNATO加盟国とで、ロシアとはわずか4回だったと指摘した。
（RT）
あのお・・104回は、どっから出てきた数字ですか？
〈先生！ 悪いのは、ぜんぶセルビアで〜す！〉って、言いたいんだね。
セルビアのブチッチ大統領は、コソボの緊張にウクライナの紛争が関係していると言う。ブチッチ大統領「明らかに、誰かがセルビアに圧力をかけるべき時だと考えている。なぜなら、3カ月前には、彼らが支持している側（アメリカ）がウクライナで勝つと思えたかもしれないが、そうなるとは限らないからだ。だから、プーチン大統領は、コソボの失敗を引き合いに出すことができなかった。」（RT）
「だから、プーチン大統領は、コソボの失敗を引き合いに出すことができなかった」ってどういう意味？
すまん！ おれにもわかんねえ。
ブチッチ大統領に聞いてみたら？
ドンバス危機で損壊を受けた建物（2014年8月4日）
Author:Ліонкінг[CC BY-SA]
仕掛け人が同じだから、当然似てくるよね。
つまり、両方とも代理戦争のコマだって意味だね。
「大アルバニア主義」のことを言ってるね。
ヤバい！ 誰がおカネを出すのか、何に使うつもりか、わかりすぎてヤバい！！
「大アルバニアとコソボの額」を掲げる者たち
最後に、「大アルバニア」の地図を掲げる人たち。We’re told Serbia’s requests to:1️⃣respect UNSCR/agreements & territorial integrity regarding Kosovo*;2️⃣respect Dayton Accords & territorial integrity of 🇧🇦, somehow signify Serbs’ desire for “Greater 🇷🇸.”
— Aleks Djuricic 🇺🇸⚖️🗽 (@AleksDjuricic) December 13, 2022
Yet, when Kosovo*’s leaders hold maps of “Greater Albania,” it’s ignored. pic.twitter.com/Y8Rzvo0ssM
DeepL訳：セルビアの要求は、1️⃣コソボ*に関する国連安保理/合意および領土保全の尊重、2️⃣デイトン合意の尊重およびボスニア・ヘルツェゴビナの領土保全で、セルビア人の「より大きな」セルビアに対する願望の表れだと言われる。
しかし、コソボ*の指導者が「大アルバニア」の地図を持っていても、それは無視される。
しかし、コソボ*の指導者が「大アルバニア」の地図を持っていても、それは無視される。
この人たち、有名人なの？
まんなかのおっさんは知らんが、向かって左の「大アルバニア」の額を持ってるのがコソボのクルティ首相（仮）。
Wikimedia_Commons[Public Domain]
ああ、「ロシアとセルビアの合同軍事演習は104回」って、デタラメ言った人ね。
「コソボの額」を持っている女性が、コソボのオスマニ大統領（仮）。
Wikimedia_Commons[Public Domain]
比較のために、これはセルビアのブチッチ大統領。
Wikimedia_Commons[Public Domain]
なるほど！
おめえが「オトモダチ」にするとしたら、こん中のどれ選ぶ？
う〜ん・・？でも、彼らの写真、波動を測る練習に使えるね。
Writer
白木 るい子（ぴょんぴょん先生）
１９５５年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。１９７９年東京女子医大卒業。
１９８５年、大分県別府市に移住。
１９８８年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後２６年半、主に漢方診療に携わった。
２０１４年１１月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖７－３。エニアグラム４番(芸術家)
緊張状態が気になって、情報を探してはいるのですが、日本や欧米のメディアは、ほとんどまったく報道しないので、Sputnikやロシア・トゥデイ、ツイッターの「kosovo」検索から、拾ってみました。
これまでの長い間に積み重ねられてきた、セルビア人とアルバニア人の深い深い溝が感じられます。