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ぴょんぴょんの「水まわり職人」 ~キッチン水栓の取り外しに2時間かかった話
シャワーヘッドの付け根から水が漏れていた
それで、シンクの下をのぞいたら、水たまりができているのに気づいた。あれ? そんなとこに水をこぼしたっけ? もしかして、ネコのオシッコ? だが、ネコにしちゃ無色透明、無味無臭、それに量が多すぎる、オシッコじゃねえ。
修理を依頼した人からの苦情が相次ぐマグネット型広告
ノーサンキュー! 知らんのか?! 問題になってるんだぞ。「インターネットやマグネット型の広告を見て、修理を依頼した人からの苦情が相次いでいる。」水漏れで困った74歳の男性は、マグネット広告「24時間365日対応」の会社に修理を依頼して、最終的に90万円を請求された。(読売新聞)
61歳の女性は、インターネットで「トイレ」「つまった」で検索し、一番上に表示された大手住宅設備メーカーサイトを見て、「正規取扱店」「最安値」だけでなく、利用者のコメントに「料金は良心的だった」と言うので、修理を依頼した。工事が終わって請求された金額は50万円だった。(読売新聞)
「見積もりをください」と言ってもなかなかくれない。ここが、あやしい業者の見分けポイントだ。50代の女性は、洗濯機排水管の漏水で、やはりインターネット検索上位のサイトを見た。「出張・見積もり無料」「明確な金額を提示、追加料金一切なし」とあるので、依頼したが、見積もりを見せてくれと言っても、「今、作ってます」と言いながら、いきなり床板を切断して工事を始め、終了後に約65万円を請求された。後で調べたところ、多く見積もっても7万円程度だったそうだ。
ただひたすら、電動ドリルで穴を開け、ドライバーを差し込んでハンマーで叩く
さあ、どうする? 今すぐ来てくれる修理屋はいねえのか・・・と思っていたら電話が鳴った。「Yメーカーから水栓の修理の依頼を受けた◯◯です。これから伺ってよろしいですか?」 まさか、昨日の今日に来てくれるとは!
さて、どんなヤツが来るのかと思ったら、けっこう若いヤツだった。一通り見てこう言った。シャワーヘッドにつながる蛇腹ホースが破損して、そこから水漏れしている。シャワーヘッドと蛇腹ホースを取り替えれば直る。しかし、10年以上経過しているので、近い将来、水栓本体も故障する可能性がある。
実際、彼の店からうちまでは車で2時間。また何かあって、呼ぶのもめんどくさい。それに、金額的にも1万円しか違わない。ってことで、本体ごと取り替えることにした。見積もりから3日後、無事に工事が終わって、今はこんな感じ。
なにが? 古いのを引っこ抜いて、新しいのをつけるだけでしょ?
今じゃ、ホームセンターで何でも手に入るし、水栓取り替えの動画だって、YouTubeに「DIY 素人でも出来る! 台所水栓の外し方」とか、いっぱいあるし。くろちゃんでもできたんじゃない?
今じゃ、ホームセンターで何でも手に入るし、水栓取り替えの動画だって、YouTubeに「DIY 素人でも出来る! 台所水栓の外し方」とか、いっぱいあるし。くろちゃんでもできたんじゃない?
問題は、うちがミネラル豊富な地下水を使っていることにあった。どうしても、シャワーヘッドの開口部にカルシウムが沈着するので、なるべくシャワーを使っていたことも寿命を縮めた原因と思われる。蛇腹ホースに圧がかかって、負担になっていたんだ。いつしかホースに裂け目ができて、水栓内部に水が漏れ、最終的に水栓の根本に貯まって、水垢から石灰化にまで行ってしまったのよ。
どんなに回そうとしても、ガッチガチで動かない。職人は、「これは、困りましたね。壊すしかないです。いいですか?」と聞き、おれの許可を取ると、電動ドリルで穴を開け、マイナスドライバーを差し込んで、ハンマーで叩く。破壊しすぎないように少しづつ、少しづつ、石を砕いていく。キンコンカン、キンコンカン、キンコンカン♪
それそれ、中の歯を削らずにセメント部分だけを削るような、ビミョーな仕事だよ。さらに、歯医者が口の中という狭い空間でやるように、職人も「流し(シンク)」という制限の中でハンマーを振るわねばならない。傍から見ていても、手を打つんじゃないかヒヤヒヤしたわ。
水栓本体を輪切りにすることもできるが、中を通る管が取り出せなくなると言う。ついに、一番下の帯状の部分がめくれた時、思わず「おめでとう!」と叫んじまったわ。だが、それでも本体はうんともすんとも動かない。職人は言った「これからですよ、難関は。」
そこからも、職人はただひたすら、電動ドリルで穴を開け、ドライバーを差し込んでハンマーで叩く。キンコンカン、キンコンカン、2時間経ってようやく取り外せた時は、「おめでとう!」と叫ぶ元気もなくなっていた。
簡単なはずの水栓器具の取り換えが大変な事に https://t.co/NdkEpagCIt
— アサクラハウス 朝倉聖也 (@asakurahousekk) July 28, 2023
ああ、言われなくても、紹介してやるわ。水まわり関係には詐欺師も多いが、名人もいる。劇場型水道屋YouTuber 「すいどうわーかー」の名言で、締めくくろう。
「ここからは誰の手も借りられない、たった1人の戦いとなる。ここで助けを求めるようじゃ、一人前とは言えねぇ。」
「水道修理は孤独な闘いであり、託された気持ちの大きさほど、己の力を発揮できる。」
(【第一止水栓の漏水修理】掘ってからが勝負!2#2「ゆるされた者だけの領域」)
「ここからは誰の手も借りられない、たった1人の戦いとなる。ここで助けを求めるようじゃ、一人前とは言えねぇ。」
「水道修理は孤独な闘いであり、託された気持ちの大きさほど、己の力を発揮できる。」
(【第一止水栓の漏水修理】掘ってからが勝負!2#2「ゆるされた者だけの領域」)
うちをリフォームした大工さんも引退して、家のことを頼める人がいなくなった。特に水まわりの専門家を探さなきゃと思っていた矢先、台所の水栓から水が漏れ、いつの間にかシンク下が水びだしになっていた。