玉城デニー沖縄県知事に防衛省の設計変更申請書を承認するように迫る日本政府、もし承認しなければ損害賠償請求の恫喝 / 4日、玉城知事は「承認せず」を表明

 かつて沖縄県の翁長知事は、前任の仲井真知事が行った埋め立て承認を撤回する意思を示しました。それに対して当時の菅官房長官は、沖縄県知事が埋め立て承認の撤回など権限を乱用すれば損害賠償請求も辞さないとの考えを示しました。翁長前知事は承認撤回の2週間後に亡くなっています。
 そして今、翁長知事の後を受けた玉城デニー知事に同じ恫喝が行われています。
そもそもどこから見ても理屈の通らない辺野古移設工事を強行しようとする防衛省の設計変更申請に対して、民意を受けて「認めない」県と、無理やり「認めさせよう」とする国の訴訟は、9月4日、県の敗訴となりました。判決を受けて国は27日までに承認するよう勧告をしました。県は期限内の承認は困難と回答しました。国はさらに勧告を指示に切り替えて、斉藤鉄夫国土交通相が、防衛省による設計変更申請を10月4日までに承認するよう玉城デニー知事に迫りました。TOGO INOMATA氏は「デニー知事がこれを拒否すると代執行が始まるが、その場合、国はデニー知事や県職員個人に数億から数十億円の損害賠償を請求すると圧をかけている。」布施祐仁氏は「知事が承認を拒否したら数百億の損害賠償請求?そんな話が出てくること自体が異常。植民地主義的暴力でしかない。そんな仕打ちは許しちゃいけない。」と、メディアが表立って伝えないことを知らせておられました。
 そして迎えた4日、玉城デニー知事は、辺野古埋め立て工事に関して承認しない意向を固めました。知事の「承認せず」の一報を受け、座り込んでいた抗議の人々は歓声を上げたそうです。屈しない沖縄。
 これを受けて、岸田首相は「国交相が今後適切に対応していく」と述べ、国交相は「県に代わり国が承認する『代執行』に向けた訴訟を5日にも福岡高裁那覇支部に提起」する方針です。正義は沖縄にあります。日本政府はどこまで堕ちるのか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)




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沖縄県、辺野古の承認指示応じず 国が代執行提訴へ
引用元)
沖縄県の玉城デニー知事は4日、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、防衛省による設計変更申請を同日までに承認するよう求めた斉藤鉄夫国土交通相の指示に応じない方針を明らかにした。県庁で記者団に「期限までの承認は困難だと回答した」と語った。

岸田文雄首相は4日夜、首相官邸で記者団に「国交相が今後適切に対応していく」と述べた。「世界で最も危険であると言われている普天間基地を1日も早く移転させる。これからも努力を続けていかなければならない」と強調した。

国交省は「知事が期限までに承認を行わなかったことは遺憾だ」(水政課)とコメントした。同省は地方自治法に基づき、県に代わり国が承認する「代執行」に向けた訴訟を5日にも福岡高裁那覇支部に提起する
(中略)
辺野古移設は2006年に日米で最終合意し、13年に当時の仲井真弘多知事が国による埋め立て申請を承認した。

その後で軟弱地盤の存在が明らかとなり、防衛省沖縄防衛局が20年に工事の設計変更を県に申請した。県が調査が不十分などとして承認しなかったのに対し、国は認めるよう是正指示を県に出した。県は国の対応が違法だとして提訴していた
(以下略)

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