注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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諸悪の根源「財務省」 30年間無策なのではない。「有害!」なんだ![三橋TV第765回] 泉房穂・三橋貴明・高家望愛
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YouTube 23/10/6
明石市の市役所職員さんについて
明石市は全国初の政策が100を超えている。
任期の前半は泉氏が提案していたが、前例がないため軋轢が非常に強かった。
しかし後半は、むしろ職員からの提案が多く、何をやっても全国初なので職員も自信を持って「国がやらなくても、他の市町村がやらなくても、明石はやりますよね。」と、やりがいを持ってモチベーションは高かった。
こんなキャラ濃い市長なのに、市役所職員の募集は激増し、しかも特徴として「公務員になりたいから」ではなく、民間で5年10年働いた方が「明石市で働きたい」と希望してきた。どんどんいい人が集まってきた感じだ。
お金の回し方
「明石市で成功した経済政策を国政では全くやろうとしない。これはなんなんだろう」と三橋氏が投げると、泉氏も「そうそう、そうなんです。全く一致!」
「お金が回ればいいんですよ。お金の回し方は一般論では2つあって、モノを売る側・作る側にテコ入れする方法か、モノを買う側にテコ入れするか。両方に目配りすべきと思うが、今の国は片っぽだけ。片方の事業者とかモノを作る側ばかりに光を当てて、市民・国民がお金を使えない状況を放置している。(それだと)お金が回らないんです。
明石市は市民がお金を使える状況を作ったんです。具体的には2つ。明石市長としては貨幣は発行できないけれども、市民の負担は軽減できる。あとは、国から来た交付金などを市民に還元する。地域商品券みたいな形で市民に使ってもらって事業者にお金を回す方法。他の自治体は業界団体などにそのまま渡しちゃう。明石市民は自分のお金を使わなくても、国のお金を地域で使うので、どんどん経済が回った。いかに市民がお金を使うかを意識した。
三橋氏「それを経済成長という。しかし日本国の場合は、国民に金がないから買えない、そこで止まり、となって事業者に補助金をつける。例えば社会保険料を減免するとか、消費税をなくすとか、やるべきことは明明白々なのに全然そっちには行かない。」
駅前の立派な図書館が起爆剤となってお金が回り始めた
泉氏が明石市長になって最初にやったことは、すでに計画が決まっていた駅前ビルの中途半端な開発計画を全部取っ替えて、中身を全部入れ替えた。何を入れたかというと、、。
実はそこに予定面積の4倍の図書館を遠いところから持ってきて、駅前の一等地に立派な図書館を作り、子どもの絵本を買い揃えた。6階5階には子供のコーナーを作って、子どもが一日中遊んでもお金がかからない大型遊具が揃えた。他の街だと、3000円、4000円親子でかかるようなのを明石は毎日来ても無料にした。かつ明石市は子どもの医療費、保育料、給食費、おむつ代、そして遊び場などを続々無料化していった。
するとどうなったか。明石の子育て層はお金が不要になった。つまり駅前で遊んだら、他の町だと本を買って遊んで3000円、4000円かかる。明石は本を借りたら無料ですやん。明石の駅前で遊んでもお金がかからない。すると駅前で遊んだあと家族はどうするかというと、周辺で食事をする。その後、子どもの服を買う。子連れの世帯がどんどん市に遊び来て、駅周辺でどんどの金を落とし始めた。駅前で出店ラッシュが起こって続々ファミリー層向けのお店ができた。それが好循環に入って人気が高まり、さらにお店が増えた。ファミリー層はお金に余裕があったら貯金せずに、子どものためにお金を落とす。そこがポイントなんです。生きたお金。その結果、商店街が潤い、その結果、建設業界や不動産業界が潤う。増えた人口の層は共働き世帯で、二人とも安定的に納税をする層。商店街や建設業階が潤えば法人税も増える。加えて明石市の人気が高まって地価が2倍になったので、固定資産税や都市計画税も増えた。
三橋氏「消費者の可処分所得を引き上げると、それによって経済の車輪が回り始めた。」
お金は回らなあかん、止まったらあかんのに国の政策は一回こっきりのゲンナマだけを渡す。お年を召した方にゲンナマを渡したって貯金通帳の残高が増えるだけで、そんな金回ってない金だから。お金をどう回すか(どう使ってもらうか)がポイント。
三橋氏「明石市では地域振興券を市内の商店街などで使えるようにしたが、大型のゼネラル・マーチャンダイジング・ストア(例えばダイエー、イトーヨーカ堂など)では使えない。大きいところで買ったって、所得はよそに持っていかれるから。」
明石市の交付金の使い方
国から自治体へは案外とバンバン交付金が来る。ところが国のオススメの案は「業界に金渡せ」なんですよ。全国一律で金が来まして、明石市は人口30万人に10億円来た。
他の町は物価高対策として、バス会社とかタクシー会社とかに補助金として銀行口座に振り込んで終わり。
明石だけは違って、10億円を30万人で割って、一人3000円だけど地方商品券に置き換えて、全ての市民に配った。事務費が1億円くらいだからちょうど3000円配れた。5人家族だったら15000円使える。使えるのは、市内の大型ショッピングセンターとかコンビニ以外のほぼ全ての事業者を網羅する。選挙対策目当ての商店街だけじゃない。こういうことを明石は何度もやった。ある時は1万円、またある時は5千円、最後は3千円でしたけど。他の町はびっくりして「明石市金持ちやな〜」と言うけど、全部国の金ですやん。国の金の使い道を、選挙対策で業界に横流しせずに市民を経由すればいい。
ただその時もタクシー会社の社長が怒って怒鳴り込んできた。「明石以外の市はタクシー会社に振り込んでくれるのに、なぜ明石市長だけが振り込まないのか!」
私は反論した。「なにをおっしゃいますか。一回こっきりの振り込みだと一瞬で終わりですやん。明石市はタクシーの客を作ってるんだ。市民全員にタクシーに乗れるようにしたから全員顧客にしてるんですよ。初めてタクシーに乗った方が次また病院に行くときに自腹を切って行きますやんか。こっちの方が息長く儲かりますやんか。」
国政の問題点
三橋氏「今回、岸田内閣が経済対策を作りますが、補助金中心じゃないですか。」
普通の庶民、国民を見てない。自分の取り巻きの一部に配慮しているだけ。
先進国の中で30年間経済成長せず、給料も上がってない、にもかかわらず、30年前には無かった消費税が入り、3度も上がり、上がり、上がり、30年前には無かった介護保険が入り、保険料が2倍3倍にはね上がり、おまけに物価が上がると。こんなひどい国無いですよ。もう自分が使う金ありませんやん。自分で自分の首を絞めるような政策をやっているから、私としては国が「無策」とは思わない。国が「嫌がらせ」をやっている。30年間間違った政策で国民を虐め続けてきたから今の日本があるのであって、何もしなかった方が今の日本はマシですわ。30年間「有害」だった。
財務省に漫然と従っている政治家が問題だし、マスコミも財務省の言いなりの報道をする。政治家やマスコミが官僚に従ってしまっている。
三橋氏「国政に戻るという予定はあるか。」
よく質問を受けるが、自分としては幼い頃からの市長の夢は果たした。
今は国政があまりにひどいから、国の政治をどう改めていくかの関心はある。
ただ、私が一国会議員となっても意味ない。国をドラスティックに大転換を図るようなシナリオを書きたいとは思う。
一国会議員に何も権限ないから総理にならなければいけない。総理になっても、縦割りの中央省庁に指示を落として、それに従ってもらうためには人事権が必要になる。国会は多数派を取らないと何もできない。
全ての情報は財務省に集まってくるから、今の人事権は財務省が握っている。
国民の期待を集めた細川政権や民主党政権があっさり財務省の軍門に下ってしまって、国民を裏切って自民党より酷かったと思っている。あの延長線上の政権交代ではない、もっとドラスティックに再編するものを考えている。
高家さんから「私が住んでいる市に来てくれないかなって。」
泉さんでなくても明石市同様、市民との約束を果たす市長が誕生すれば、その政策が始まる。
救世主願望ではなくて、自分が政治に携わるんだという気持ちで暮らす。
もしも高家さんが市長になったら、普通の人の感覚で政治決断してほしい。政治は他人事ではない。
自分は全政党、全業界団体が敵でも、普通の市民に向かって訴えてきた。市民の方が多いんだから市民を信じることで活路は開ける。
私のように濃いキャラでなくても、無名の新人でも当選できることを今、証明している感じかな。
明石市は全国初の政策が100以上もあったそうですが、最初こそほとんど泉氏の提案だったものが、後半では職員さんが、やりがいを持ってモチベーション高く政策を打ち出していかれたそうです。
明石市役所の募集も激増し、民間で5年10年働いた経験のある人が「明石市で働きたい」と希望する人が多いのが特徴だそうです。
泉氏は「お金が回ればいいんです。お金の回し方は一般論では2つあって、モノを売る側・作る側にテコ入れする方法か、モノを買う側にテコ入れするか。」
明石市長に初当選された時に、すでに出来ていた駅前ビル開発計画を全部取り替えて、前代未聞、駅前に予定面積の4倍の立派な図書館を入れてしまったエピソードは圧巻です。そこからお金が回り始める状態こそが「経済成長」でした。
泉氏は「国政に戻らないのですか」とよく聞かれるそうです。国政があまりにひどいので、国の政治をどう改めて行くのかは関心があるそうですが、「一国会議員になっても意味がない」「国をドラスティックに大転換を図るようなシナリオを書きたいとは思う。」と、なるほどの見解でした。
こんな人が首長だといいな、と誰しも思うもの、高家さんが「私が住んでる市とかに来ていただきたい」と聞くと、今すでに泉さんでなくても明石市同様、市民との約束を果たす首長がどんどん当選している状況だと話されました。救世主願望ではなくて、自分が自発的に政治に関わって発信する時代だと話されました。第2、第3の泉房穂氏を発掘する時代になりました。