アル・シファ病院と地下施設はイスラエルが建設したもので、数十年前はイスラエルが運営していたものだった / 突入の「数日前」に、アル・シファ病院から8.5km離れた場所で、“イスラエル国防軍は、ハマス最高司令部の中央本部、つまり戦争全体の指揮統制センターであったことは確実である主要なトンネル施設を発見”していた

竹下雅敏氏からの情報です。
 イスラエル国防軍(IDF)は11月15日にアル・シファ病院に突入しました。イスラエルはこれまで、“アル・シファ病院の地下がハマスの軍事指揮部の最大拠点だと主張してきた”のですが、イギリス公共放送局のBBCですら「アル・シファ病院がハマスの司令部という証拠は見つかっていない」と報じています。
 動画の冒頭で、“イスラエルは、アル・シファ病院をハマスのテロ活動の総司令部としている。このイスラエル国防軍のアニメーションは10月下旬に投稿されたもので、病院の地下にハマスのトンネルシステムがあると主張している。しかし、水曜日未明からアル・シファ病院の中に入っているが、イスラエルはまだトンネルの証拠を出していない”と言っています。
 二つ目の動画でイスラエルのエフード・オルメルト元首相は、“我々はまだこの作戦の核心に迫っていない。ガザ地区南部のハーン・ユーニスが、ハマスの実質的な司令部だ。そこに指導部があり、潜伏し、地下壕があり、司令部があり、発射台がある。…もし2週間前に私に尋ねていたら、(ハマス)の中心地は本当にハーン・ユーニスにあると言っていただろう”と言っています。
 11月17日のアラブニュースは、“イスラエルがパレスチナ住民に対し…今度は南部のハーン・ユーニス近くの4つの町から退避するよう命じた。民間人に対してバニー・スヘイラ、クーザ、アバッサン、カララの町から退避するよう呼びかけるビラが、空から投下された”と報じていました。
 タマホイさんは11月26日にドローンで撮影された映像と共に、“ガザ地区南部のハーン・ユーニスもイスラエル軍の無差別攻撃で廃墟と化した。ここは日本の支援で建てられた住居やクリニックなどが多くある”とツイートしています。
 3つ目の動画でイスラエルのエフード・バラック元首相は、“アル・シファ病院の地下にもともとイスラエルの建設業者によって作られた地下壕があり、ハマスの司令部として使われていたこと、いくつかのトンネルの分岐点として使われていたことは、すでに何年も前から知られています。(アル・シファ地下が)どれほど主要なのか分からないが、おそらく司令部はここだけではないでしょう。…しかし、この紛争の最中でも、ハマスが使用していたことは確かだ”と言っています。
 「イスラエルのエンジニアによって地下壕が建設されたというのは、言い間違いですか?」との質問に、エフード・バラック元首相は、“いやいや、数十年前は我々が運営していたんです。何十年も前、おそらく40年も前に、この限られた敷地の中で病院を運営するためのスペースを確保するために、私たちは彼らが地下壕を建設するのを手伝いました”と答えています。
 イスラエル軍は10月23日に、アル・シファ病院と地下施設のイラストレーションを公開しましたが、それはイスラエルが建設したもので、数十年前はイスラエルが運営していたものなので、よく知っていたということです。
 そして、イスラエル軍はこの地下施設をハマスが軍事司令部として使っていると信じていたわけです。しかし、ハマスは「罠にはまらなかった」のです。ハマスは市民を「人間の盾」にしていませんでした。
 こちらのツイートを見れば、パレスチナ人を「人間の盾」として使っているのはイスラエル軍であることが分かります。
 “続きはこちらから”の記事をご覧ください。これは非常に重要な事柄であるにもかかわらず、あまり報じられていません。
 イスラエル国防軍によるアル・シファ病院への突入の「数日前」に、アル・シファ病院から8.5km離れた場所で、“イスラエル国防軍は、ハマス最高司令部の中央本部、つまり戦争全体の指揮統制センターであったことは確実である主要なトンネル施設を発見”していたのです。
 地図には濃い青のラインが描かれており、下端にShifa Hospital(アル・シファ病院)があります。上端の赤い印の地点が発見されたトンネル施設だと思われます。
 このことは、“アル・シファ病院はハマスの「人間の盾」である、というイスラエルのプロパガンダ”が完全に破壊されたことを意味します。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)



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ハマス本部は病院になかった
引用元)
(前略)
ガザの北リマル地区にあるアル・シファ病院は、現在も続くイスラエルのガザ空襲で負傷した人々の主な受け入れセンターのひとつである。

この病院は、1940年代にイギリス軍の兵舎として使用された後、病院に改築された。その後の10年間で、エジプトが多様な医療を提供する大規模な複合施設に改築した。

皮肉なことに、パレスチナ人との関係を改善するための支援活動の一環として、この病院を改築したのは1980年代のイスラエルだった。イスラエルによる改築の一部には、オフィススペースのある大きな地下コンクリートが含まれていた。

それは誰にも秘密ではなかった。ハマスもそれを知っており、罠にはまらなかった。


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IDF、アル・シファについて嘘をつきながらハマス本部の実態を知っていた
引用元)
ハマスの本部はアル・シファ病院の下にあると世界中に話していたが、IDFはすでに8.5km離れたところに実際の司令部を発見していた、とガレス・ポーターが報じている。

2023年10月11日、イスラエル軍の空爆後、ガザ市のアル・シファ病院の過密状態の救急病棟で治療を待つ負傷したパレスチナ人。(現地企業と契約したWafa (Q2915969) (APAimages)??/Wikimedia Commons
(中略)
企業のニュースメディアは、アル・シファ病院がハマスの指揮統制センターと武器兵器庫の隠れ蓑になっているというイスラエル国防軍(IDF)の主張を信用していないことを明らかにしているが、西側メディアはもっと大きな話を報道していない。
(中略)
アル・シファがハマスの「人間の盾」であるというイスラエルのプロパガンダが最高潮に達したのは、11月14日にニューヨーク・タイムズ紙が発表した長文のレポートだった。それは8人の現・元情報・防衛当局者へのインタビューに基づくもので、アル・シファの下には複数の階層を持つ広大な軍事司令部があると記述している。

しかし、アル・シファに関するこの新たな報道の過程で、全く予想外のことが起こり、IDFのストーリーライン全体が完全に破壊された。IDFは、ハマスの指導部が以前に司令部を持っていた地域で、本当のハマスの指揮統制センターを掌握していたのだ。 アル・シファから8.5km離れたベイト・ラヒヤ市の北西端、アル・アタトラ地区にある地上オフィス。

そのオフィスビルが取り壊された後、イスラエル国防軍は、ハマス最高司令部の中央本部、つまり戦争全体の指揮統制センターであったことは確実である主要なトンネル施設を発見した。

イスラエル国防軍が11月14日掲載の記事でエルサレム・ポストにリークしたところによると、他のトンネルでは地下わずか5メートルだったのに対し、地下30メートルに達するエレベーターを備えたトンネルが「数日前」に発見されたという。さらに、酸素、空調、そして他のどこよりも高度な通信が装備されていた。
(中略)

本社からアル・シファ病院までの地図。(グーグルマップ)
(以下略)

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