有機フッ素化合物「PFAS」などの有害物質を除去してくれた使用済み活性炭が新たな汚染源となっていた / 先進国の中で最も規制が遅れている日本は、軍の施設や半導体工場を厳しく調査できるか

読者の方からの情報です。
都会から自然豊かな田舎に移住したのに、PFAS汚染の被害にあうなんてショックすぎますね・・。
(まゆ)
 昨年、明石市に住む人から基準値を超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されたというニュースがありました。その時の時事ブログの情報に「アメリカの非営利環境保護団体であるEWGはPFASへの対策として、活性炭フィルターや逆浸透膜フィルターを推奨」とあり、活性炭でかなり除去できることが分かりました。
 ところが汚染物質を除去してくれた使用済み活性炭が山中に野積みされ、そこが新たな汚染源となってしまったというニュースが報じられました。岡山県吉備中央町では、活性炭に付着したPFASが流出し、ダムに続く沢の水を汚染したため「水道水では国内最悪レベルの濃度」となりました。使用済み活性炭フィルターの「その後」など考えたこともなかったので、ショックです。現状では「使用済み活性炭の取扱いは、ほとんどルールがない」そうです。
 日常に潜むPFASが懸念される中、25日に内閣府食品安全委員会は「PFASの一種であるPFOSとPFOAの2物質でそれぞれ、体重1キロ当たり20ナノグラムを指標とする」ことを正式決定しました。「欧州食品安全機関(EFSA)は2物質の合計で体重1キロ当たり0.63ナノグラムと設定」しており、それと比較すると日本は60倍以上の緩さだと批判されています。
 そもそも日本は、PFAS規制に関しては先進国の中で最も遅れているようです。産経新聞では「半導体など先端技術に使用されるため、経済産業省や企業に配慮したのかもしれない。」と指摘しています。在日米軍や自衛隊の施設だけでなく、TSMCなど半導体工場の付近も厳しい調査が必要です。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
配信元)


————————————————————————
自然豊かな町を襲った最悪レベルのPFAS汚染。活性炭が水道水を汚染した衝撃
引用元)
(前略)
昨年10月、この町の水道水に高濃度PFAS(ピーファス、有機フッ素化合物)が混入しているのが明らかになった。汚染源は山中に野積みされた「使用済み活性炭」。汚染物質除去に使われた活性炭が、リサイクルのために場所を移動し、移動先で新たな水汚染を生み出した水道水では国内最悪レベルの濃度の高さで、住民の健康への影響が心配される。
(中略)
吉備中央町議会でPFASの水汚染を追及している山崎誠町議は「使用済み活性炭が汚染源というのは驚き。クリーンでエコなイメージが先行し、使用済み活性炭には警戒心がなかった」と話す。
(中略)
 阿部さんの血中PFAS濃度は138.9ng/ml(4種類のPFASの合計値)。アメリカの科学、工学、医学アカデミーのガイドラインは「20ng/ml以上の人は要注意」としているが、その約7倍だ。27人全員が20ng/mlを超えており、4種のPFASの合計の平均値は186.4ng/ml、最大値は372.4ng/ml世界的な汚染地域と比較しても高い数値だった。
(以下略)
————————————————————————
政府がPFAS摂取許容量を決定、「緩すぎる」のパブコメに耳貸さず…原案通り「ヨーロッパ基準の60倍」
引用元)
 発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響を評価し、食品や飲料水の1日当たりの摂取許容量を議論してきた内閣府食品安全委員会は25日、PFASの一種であるPFOSとPFOAの2物質でそれぞれ、体重1キロ当たり20ナノグラムを指標とする「評価書」を正式決定した。約4000件届いたパブリックコメント(意見公募)は「緩すぎる」などの批判がほとんどだったが、食安委は反映しなかった
(中略)
 欧州食品安全機関(EFSA)は2物質の合計で体重1キロ当たり0.63ナノグラムと設定。これと比べると、今回の評価書で採用された2物質の合計値の40ナノグラムは、60倍以上の緩さになる
(中略)
 評価書の案は今年1月、食安委の専門家会議で了承。2月7日から1カ月間、実施されたパブリックコメントでは「基準が緩すぎる」「『予防原則』に立った判断をしてほしい」など主に批判的な意見3952件が寄せられた。食安委は「知見を整理し重要な文献を用い、科学的根拠に基づく評価をした」と退け、原案通り評価書を決定した。
 PFASに詳しい京都大の小泉昭夫名誉教授(環境衛生学)は「最新の科学的知見を不採用として、国際的にも非常に緩い指標となった。多数のパブリックコメントを一切反映しなかったのも既に議論の方向性が決まっていたのではないかと感じる」と批判した
(以下略)
————————————————————————
発がん性指摘のPFAS、水道水は安全か 高濃度の岡山では血液検査、国は全国調査着手
引用元)
産経新聞
(中略)
■「規制遅れる日本、複数回調査を」小泉昭夫・京大名誉教授

PFAS規制に関して日本は先進国では最も遅れている。15年ほど前から環境省は小さな調査を続けてきたが、有効な手は打ってこなかった

慣習として日本では毒性や病気との因果関係が明らかになってから規制値を設定する。PFASは汎用(はんよう)性が高いだけでなく、半導体など先端技術に使用されるため、経済産業省や企業に配慮したのかもしれない
(以下略)

Comments are closed.